テレビで会えない芸人 8

テレビって誰のためにあるんや？
10月にテレビ版をイベントで見たヤツの映画版。好きな芸人さんのドキュメントだから、点が高いのは当たり前か。
自分の面白いこと、言いたいことがテレビでは求められないからテレビの世界から身を引き、
しかもライブだけでキチンと食っているヒロさんはメチャかっこいい。
談志師匠がいう「みんなが思っていても言えない事が言える」本当の芸人っていったいどのくらいいるんだろう。
思っているのに言えない忖度と不必要な警戒で埋め尽くされているテレビってなんのために、誰のためにあるんだろう？
身につまされる1本だ。一番好きなのは50年ぶりに部活の顧問の先生に会いに行くシーン。先生の表情にジーンときた。

前科者 5

ジャストミート！
有村架純演じる保護司が、仮釈放されて保護観察中の殺人犯を守るために奔走する話。なんだけどちょっと真っ当すぎるかな…。元V6のオーラが消えた森田剛の演技は渋めで良かったけど、有村架純が優等生すぎてセリフがあんまり響かない。ミステリーとしても意外な展開はほぼない。一番驚いたのは有村架純が森田をビンタしたシーンで背の高さが一緒だったところくらい。ちっさいオッサンやったなぁ。

さがす 4

思てたんと、ちゃう。
佐藤二朗演じるおっさんが西成から蒸発、中学生の娘がさがす物語。探すうちにいろんな秘密がちょっとずつわかっていってというのは想像つくけど、ひたすら最悪の展開ばかり続く。それでも必要ならば理解できるけど、ミステリーとしても粗だらけで、何を伝えたいのかもわからないまま終わる。たんにああいうシーンを撮りたかっただけにしか見えない。中学生の演技以外、いいところがさがせなかった。

ブラックボックス 6

ヘッドホンほしい！
飛行機の墜落事故で、残されたボイスレコーダーの分析官がそこに隠された闇に迫っていくサスペンス。映画の中で、すごく音の重要度が高くなっているのが気に入った。事故後の話なので、激しいアクションや劇的な展開はない。でも事件のカギになるレコーダーや街の音と、盛り上げる音楽を使って緊張感を保ち続けるうまさ。残念だったのは主人公のラストの静かなシーンに横のおっちゃんのイビキが被ってしまったことだなぁ。

コーダ あいのうた7

いい、話！
ろうあ者の家族の中で唯一耳が聞こえる少女。家族を支えながら、自分の大好きな歌を続けたい…悪くなるわけない。互いに支え合う家族の愛でいっぱいの物語。唯一不満なのはもっと歌をたくさん聞きたかった。歌のチカラを感じたかった。

クライ・マッチョ7

あんなジジイになりたい。
御年91歳のイーストウッドが主演、監督した作品。昔はすごかったけど、今は老いを受け入れた爺さんが、生意気ざかりのガキに男の本当の強さを教えるロードムービー。ノムさんも言ってたけど、人を残してこそ一流。あの境地までオレはあと42年で辿り着けるだろうか？

こんにちは、私のお母さん6

母の大きさ。
自分のせいで母に楽しい思いをさせられなかったと後悔している娘が、タイムスリップして母の青春時代へ…という話。バック・トゥ・ザ・フューチャーみたいだけど、細かい設定は無視、親子の愛をたたえることに終始する。まあ、中国らしい映画やね。

パーフェクト・ノーマル・ファミリー 5

何が普通か？
11歳の時に、父親が女性になりたいといいだした監督の実話の映画化だそう。だからだろうけど、コメディでも劇的な展開でもなく、ひたすら少女の戸惑いだけで押してくる。カミングアウトした父親の葛藤も、利害の大きい周りの大人のリアクションも薄い。家族愛はわかるけど、それだけで済まない部分もあるやろ。

スパイダーマン：ノー・ウェイ・ホーム ６

落語家じゃねえんだからよ…。
もう長いこと続いていて、オトナの事情で紆余曲折のある「スパイダーマン」シリーズを
見事にまとめた作品。３代目の世界にこれまで倒したはずの敵役が現れて、それを先代と２代目が…って
落語家もJソウルブラザーズもビックリの展開だ。
スパイダーマンのトリオ芸なんて立花兄弟のスカイラブハリケーン並み。これは楽し～い！
メタバースとかカッコいいこと言ってるけど、パイセンと昔の敵を一緒に倒すって、東映の戦隊シリーズや
仮面ライダーで平成後期以降にやりまくってるパターン。まあ男子が気持ちいのは同じなので、問題ないけど。

東洋の魔女 5

カリフォルニアロールみたいな。
東京オリンピック1964で金メダルを獲った日紡貝塚のメンバーのふり返りと、記録映画の映像、そしてアタックNo.1を組み合わせたドキュメンタリー。フランス人の監督によるもので、たしかに日本人にはできない発想に驚かされた。事実は知っていたし、映像で見るのも初めてだったのでそこには価値があった。ただ、そんな寿司がうまいかどうかというのは別の問題なわけで。

BBB Bay Blue Blues 6

巨人ファンだけど、毎回楽しみにしているベイスターズの21年のドキュメント。
メディアの入れないところまでカメラを入れて、いいところはもちろん、悪いところもしっかり見せる。
チームメイト、先輩後輩、ライバル、個人事業主…チームの中にあるいろんな人間関係を見ると、あんなにすごい選手たちが人間らしく、時にはかわいくすら見える。
他のプロスポーツチームも絶対やったほうがいい。劇場公開までできなくても、youtubeで公開したっていい。手間はかかるけど、それだけの価値があると思う。