ラ・ラ・ランド 7

獲っちゃえ！
ライバルが少ないせいか、アカデミー賞の有力候補になりすぎて逆にハードルが上がっちゃった作品。でも心配無用。ＣＧでやたら無いものを作り上げたり、シリアスすぎる現実を突きつけたりすることなく、古き善きハリウッド映画にしっかりオマージュを捧げた1本。トランプ大統領になって「強いアメリカ」を取り戻そうという空気が満ちてる今、そこまで計算ずくの制作なら恐ろしいけど。

0円キッチン 6

できればいいんだろうけどね…。
世界で3割も捨てられているという廃棄食品をもらったり、ゴミ箱から拾ったりして、それで美味しい料理を作っていくキッチンゲリラ？のドキュメンタリー。確かにすごいなぁと思うけど、心にイマイチ響かなかったのは「わかっててもそれをやらない、実現しない理由」に切り込んでいなかったからか。目の前の人と「いいこと」を実現するのは素晴らしい。ただそれを他人が真似できるシステムを作って拡散してこそ、世界が変わる。自戒をこめてそんなことを感じた1本だった。

ザ・スライドショーがやってくる 5

嘘つき。
噂は聞いて見たくても見れなかった、みうらじゅん&いとうせいこうの「ザ・スライドショー」それが映画館で！ということで期待して見に行った。が、そうでなくその歴史を振り返ったり、二人のインタビューを挟んだドキュメンタリーだった。こんなに中身のないイベントをそれっぽく見せるドキュメンタリーごっこ。なるほど、こうやって遊ぶわけか。そこにやられた感はあるけど、これは付き合いきれんなぁ。

破門 4

看板倒れやなぁ。
キャスト、原作者とも一流なのにこうなるのは脚本と演出のせい？どんなキャラかも説明不足だし、展開も笑わせたいのかヤクザものやりたいのか中途半端。あんなレベルで続編のフリとか、ちょっとおかしいで。

サバイバルファミリー 6

ホラーより怖い。
ある日突然電気も電池も使えなくなってしまった東京。交通網もライフラインも物流もストップ、通信も放送もない都会で家族でどうやって生きていくか？自分ならどうする？何ができる？それを考えたら小日向さんを笑う余裕なんか消え、背筋が寒くなるくらいだった。とても良くできてるとは思うけど、矢口さんならもう少し笑いやあっと驚く展開を作って欲しかった…あ、こっちに余裕がないだけかもしれないけど。

Live for Today 7

プロレスはエンターテイメントだと思ってた。
ちゃうかった…。生きざまだった。
去年65歳で引退したレスラー天龍源一郎のラストイヤードキュメント。衰えた体にムチ打って、残り1年悔いないように戦い続けた姿。もちろん勝敗には決まりがあるんだろうけど、そこには本物の重みと説得力があり、周りやファンもリスペクトしていた。技の派手さや激しさ、プロならではのスピード。平成プロレスはすごく進化してると思う。でもこんな生きざまでお金が取れるレスラーはなかなか見かけない。誰がそれを伝承していくか楽しみだ。

恋妻家宮本 6

餅は餅屋なんだなぁ。
家政婦のミタの脚本家が大好きな重松清作品を監督するというから期待してたのに…。ストーリーは重松さんらしく、普通の人のちょっと暖かい物語。でも演出がひどい。やたら出てくる心情ナレーションに中途半端なＣＧ、ものすごく次がわかりやすい展開。クライマックスの駅のシーンはホントに酷い。シニアなんてこのくらいにしとかんとわからんやろ？みたいな姿勢。心ある人なら怒るわい。でも、途中からストーリーより嫁さんのこと考えてしまった。本棚探してみるか。

裁判長のお弁当/検事のふろしき 5

意義はあるけれど。
ドキュメントの秀作を数多く産んでいる東海テレビの2007年、2009年の作品。ドラマやコントでしか見たことがない裁判官や検事の仕事場にカメラが入ったのは画期的だったし、へぇ～はいくつもあった。ただこれまで見た「ホームレス理事長」や「人生フルーツ」と違うのは広報に許可をもらった表面しか撮れてないので、上っ面だけなところ。やっぱりホントは見せたくない素の表情やカッコ悪い姿もあっての人間。尺の問題もあるけど、お仕事紹介で終わっちゃったのが小粒な原因やな。