音楽 6

音を楽しめってことやね。
ある日突然バンドを始めたヤンキーの話。普通のアニメでは考えられないオフビートな感じで進む物語だけど、高校生の青さが全開！終始ニヤニヤしながら見ていた。とりあえず音を出す快感、仲間と息を合わすワクワク、人に見られる緊張。文化祭レベルでしかやったことないし、時代も20年くらい違うけど変わらないものはあるんだなぁ。今は各界で活躍するいろんなアーティストたちもみんな通ってきた道。あの衝動が原点だったはず。

37セカンズ 7

頑張ろ！
生まれた時に37秒呼吸してなかったことから脳性麻痺で下半身が利かない女性が主人公。今までの日本映画だったら美人女優がお涙頂戴の物語になりそう。でもこれは違う。演じているのも障碍をもった人だし、物語も明るく力強く、そしてかわいい。辛いことはたくさんある、なんで自分がも思うだろう。でもそんなことを乗り越えて「私でよかった」彼女の言葉に重みがあるし、本当に勇気づけられた。くよくよしてもしゃあないで。

1917 5

川口浩がぁ、洞窟に入〜る、カメラマンと照明さんのあとに入〜るぅ。
今年のアカデミーで撮影周りの賞を独占した作品。2時間くらいの全編がワンカット風に撮影されており、これが最大のウリになっている。もちろん完全にではないけど、メイキングを見るとステディカムを人、クレーン、ドローンなどでリレーして撮影された映像はすごい。
ただそっちが目的になってないか？物語は仲間を救うための走れメロスみたいなストーリーなんだけど、ほぼひたすら走ってるだけで後半ダレる。没入感を強調されてるけど、それははじめだけ。手間や費用と効果を天秤にかけたらどう？と思ってしまった。

プリズン・サークル 7

お前はどうなんだ？
島根にある刑務所の中にカメラを入れたドキュメント。完全に野次馬根性で見に行ったが違った。刑務所と言っても撮影されているのは大半がTCという教育プログラムとそれを受けている受刑者のインタビュー。でもそれがすごかった。
対話会のような形式で、自分のやってしまったことや、その原因、生い立ちやこれからなどについて様々な形で見つめ直し、吐露していくTC。その様子を見ているだけで、加害者と被害者の薄皮が透けて見える。自分だって清廉潔白な人生ではない。お前のこれまではどうで、これからどうしたいねん？果たしてスラスラ答えることができるだろうか？これまでそして今置かれている環境が幸せだなと感謝を感じてしまったのは、間違った鑑賞法だろうか？

インディペンデントリビング7

何度も何度も頷いた。
障碍者がヘルパーの力を借りて施設から自立する。その支援センターのドキュメント。いろんなケースの人が、自分の意思で自分らしい生活を送れるように支援する。またそれをしているのが健常者だけでなく、ハンデを抱えた人もいるのに驚く。印象的だったのは「施設では何でもしてもらえるけど、自分に自由はなかった」「ヘルパーさんはありがたいけど、自分一人の時間も欲しい」という証言。人間の幸せに自分で決めてその通りに生きるという要素って重要だなぁと思う。やらされるから、仕事だから、仕方ないから、生きている部分ってないだろうか？体は健常でも心はどうだろうか？

大脱走7

ワンチーム！
不朽の名作として名高いけど見たことなかったので午前十時の映画祭で鑑賞。自分が生まれる10年も前の作品なのに全く古さは感じなかった。脱走ばかり繰り返すため一つの収容所に集められた腐ったミカンたちが、お互いの強みを結集して企む大脱走。よく練られたバランスのいいストーリーだと思ったらほぼ実話だとか。見事な采配を振るう一味のリーダーが岡田監督ぽかったのがまた笑えた。

スーパーティーチャー 熱血格闘 6

イップ・マン先生や！
ドニー・イェンが中学生に詠春拳でなく、人生の意義について教える物語。といっても、拳でやっつけるのは悪者だけで、生徒たちには言葉や行動で示す。設定とか展開とか「いまを生きる」をかなり意識してる感じだが、ちょっと詰め込み過ぎて、ひとつひとつが軽くなっちゃってるのが残念。連続ドラマでみたいな、ドニ八先生。

ナイブズ・アウト 7

こういうの、たまに見たい。
アガサ・クリスティに捧げたという金持ち屋敷でのミステリー。最近見飽きてすらきた魔法も超人的な運動能力もタイムスリップもない。でもこれだけ面白く多重構造の謎が作れるんやというお手本みたいな作品。邦画でもこういうオールドスタイルを見てみたい。

嘘八百 京町ロワイヤル 5

嘘八十くらいかな。
中井貴一と佐々木蔵之介の古美術贋作バディムービー。関西のテレビ局が関西発の映画として協力して作ってるのも知ってるので、あまり悪くはいいたくないが、スケールがこじんまりしすぎ。メイン以外のキャスティングや物語の舞台、仕掛けの派手さ…全てに予算の小ささが透けて見える。お金払って見に行く作品にセコさはいりませんねん。

エクストリームジョブ 6

なんともアメリカン！
張り込みのカモフラージュで唐揚げ屋を始めた麻薬捜査チーム。思いの外繁盛してしまい…
重苦しかったり、暴力が過剰なものが多い韓国映画だけど、これはビールとポップコーン、いや唐揚げでもつまみながら見たら楽しい作品。テンポよく笑いも挟んであるから、カラッと笑える。ただわざわざ見に行くほどでもなかったなぁ。

ロマンスドール

120万…買うかなぁ？
高橋一生が高給ダッチワイフ職人になり、相手役が蒼井優。女性監督だし、そういう面ではあまり期待してなかった。でも少女の頃からファンだった蒼井優の騎乗位やで！。でも山ちゃんの顔がちらつくにしてもアッチはあかんかった。
もちろん悲しく、寂しいベッドシーンだったこともある。有限なあの天国を残したい、ある意味究極の夢なんだろうな。

前田建設ファンタジー営業部8

ファンタジーであってファンタジーでない。
アニメの世界の建造物を大真面目に設計し、見積りまで出す。実在の会社、前田建設ファンタジー営業部。何年か前に話題になったのは覚えてたけど、それをベースにこんな物語を生み出すなんて、上田誠大したものだ。自分が好きなパターン、大人がくだらないことに真剣になる面白さもある。でもこの物語がすごいのはそこに実際の地味な仕事に対してのリスペクト、社内の人間関係や交渉といったサラリーマンにとってのリアリティがきっちり組み込まれているところ。ファンタジーの世界を実現しようというアクションの中に別の意味のファンタジーが組み込まれている。せやねん！そういう風に働きたいんや！がたくさん詰まった1本だ。