私のはなし 部落のはなし 7

205分、考えた。
タイトルどおりのドキュメント。さまぞまな世代の部落出身者の座談会を中心に、研究者や悪質な暴露サイトの制作者まで、さまざまな立場、考えの人間が語る。思わず頷くところ、自信が揺らぐところ、今でも気持ちが落ち着かない。歴史が生み出したフィクションでしかないくせに、背負いつ付けなければならない重し。自分だったら、嫁さんだったら、子どもたちの相手がそうだと知ったら。知らぬが仏では？寝た子を起こしたくない、そんな気持ちも含めて考えていたらあっと言う間だった。

おいしい給食 卒業 7

あ〜ソフト麺！
私は給食が好きだった。お代わりに命をかけ、毎日がタイムアタックだった。給食と昼休みのために学校に行っていたと言っても過言ではない…。アマプラでドラマまで遡って見た。市原隼人がアホだ。最高だ。毎回ワンパターンだがそれがいい。これだけお腹が減り、見終わって笑顔なんだからどこに問題がある？やっぱりまた給食が食いたい。

生きててよかった 7

出会えてよかった。
タイトルを聞いてすぐ思い出したのはフラカンの名曲「深夜高速」。結局関係なかったけど、あの歌と同じ生きるのに不器用な人たちの葛藤物語だった。息をしているとかでなく、ちゃんと、自信を持って「生きてる」と言えるか、お前？そんな言葉の刃を喉もとにつきたてられるような生生しく、匂い立つシーンの数々。これだけしかない…周りから見るとそんなことないけど、本人はそう思ってしまう。メチャケンカが強い男を通じて人間の弱さを叩きつけてくる作品。主役に負けないくらいキングオブコメディの今野くんがよかったなぁ。

クリーチャー・デザイナーズ 6

技術進化って、なんのため？
被り物の狼男からグレムリン、ターミーネーター2、ジュラシックパーク…80〜90年代にかけて世界中の少年たちの心を熱くしてくれた特撮映画。その主役であるバケモノたちをさまざまな手段で作り上げてきた魔術師たちの証言集。技術的な解説とかより、あの頃はこうだった的な思い出噺が多かったのはイマイチだったが、やはり彼らのすごい努力と創造力と工夫に頭が下がる想いだった。それが21世紀に入り、どんどんCGに取って変わられていく。時代の変化だし、彼らもそこには対応していこうとしているけど、寂しそうだったのが印象的だった。何でも画面の中で自在に作れるCGだけど、逆に見る側に驚きはなくなったし、創造性とか想像力にマイナスな気がして見るのを躊躇する。見たことがない、すごい世界に連れ出してくれるのが、映画の魅力なんじゃないか

ハケンアニメ 7

これ自体が、届いているか？　
天才と呼ばれる監督に挑む新人アニメ監督の成長物語。もちろん彼女中心に物語は動いていくけど、目が行くのは彼女を支える本当に多種多様なスタッフとその想いだ。監督はすごい、そして大変だ。全てのことを決められるし、逆に決めなくちゃいけない。本当にたくさんの人に支えられているけれど、その人たちを動かせるのは監督の熱量。これだけの想いが詰まった作品を早送りで観たい？ふざけるな！

大河への道 6

う〜ん、映画にしてほしくなかった。
中井貴一の「これは映画にしたい」気持ちはわかる。原作は立川志の輔の2時間を超える創作。資料からの構成、そして演技、壮大なスケールで本当に感嘆した。だから、映画にして広く見てほしい。それはわかる。でもなぁ…落語では志の輔さんの緩急のある演技に隠れてモヤっとしていた部分にまで全て照明が当たり、ピントがあってしまう。見せたくなかった部分の描写がつたなく、それが物語のランクを下げてしまうことに。でも最後の地図を将軍に見せる部分だけは鳥肌がたった。あそこだけを見るための映画かもしれない。

シン・ウルトラマン 6

そんなに好きだったのか？
日本で今一番成功しているオタクの、夢を叶えた１本。シン・ゴジラの時みたく人間ドラマの比重が多くなるかと思っていたが、それよりもウルトラマンが人間について考える部分が多くて驚いた。次の仮面ライダーはどうなるのか？そこは楽しみ。ただせっかく大適役だったメフィラス星人の活躍が少なかったのか残念。あのちょっと人間じゃない、信用しきれない感じ、彼しかいないよな(笑)

オードリー・ヘプバーン 6

愛だよね、愛。
亡くなって約30年。ハリウッド黄金期のまさにムービースターの伝記的ドキュメント。ローマの休日でシンデレラのように脚光を浴び、ファッションと魅力で女のコ全てが憧れる「お姫さま」のように愛されていた彼女。でも私生活では…世界中に愛されながら、愛してほしい相手に捨てられ。本当の幸せってなんだ？と感じずにいられず、ちょっと松田聖子を重ねてしまった。救いは晩年ユニセフの活動に精力的に取り組み、名声を子どもたちのために使うことができたことに満足していそうだったこと。受けた愛を返すことはできたのかな？

杜人 8

地球が教えてくれてる。
環境再生医を名乗る造園士、矢野智徳さんのドキュメント。壊れた環境や自然災害のあとを再生していく。矢野さんが言うには大切なのは空気や水の通り道。自然界の生き物は皆それに協力しているのに、人間だけがわがままに、自分の利益だけを求めた開発をし、その流れをつまらせるから災害が起こる。
話を聞いていて、同じようなことが環境だけでなく、人間の体や社会にも言えるなぁと気づいて驚いた。効率や経済ばかり求めた社会が、行き詰まりや息のつまるような生活を強いている。必要なのは、適度な余裕といろいろなものの循環、そして競争しつつも周りとの共存共栄。メチャメチャわかりやすく示してくれているやん、なぜ気づかない？

マイスモールランド 7

さすが是枝チルドレン。
突然日本に滞在するビザを失ったクルド人の女子高生が主人公。制度と「仕方ない」に翻弄される大人たちを頼れず、自分でなんとかしようとする子供たちの苦闘。見ていて胸が締めつけられ「誰も知らない」を思い出さずにはいられなかった。この映画をキッカケにこういう問題の存在を知ることができて、よかったと思う。

名探偵コナン ハロウィンの花嫁 5

突っ込んだら負け(笑)
楽しいには楽しいけど、モヤモヤした気分を抱えていたら、ネットで見かけた書き込みに納得。大オチから逆算して作られた設定、動機のない犯人、超人小学一年生。そうだよな、そこを踏まえて楽しむのがこのシリーズへのマナーかな。横で大満足のムスコにたしなめなれた「お父さん、アニメだよ」だって(笑)

ツユクサ 6

世代交代？
小林聡美のための映画。やっぱり猫が好きとか、かもめ食堂とかで、三姉妹の末っ子的な役をやってた彼女が、江口のりこや平岩紙の姉的ポジションに。でもあのトーンは変わらず、田舎でのんびりする物語。隕石だとか、おとぎ話とか言ってるから、展開にちょっと期待していたけど、ビックリするくらいいつも通り何も起こらない。一番不思議だったのが、小林さん演じるふみちゃんの49歳という年齢設定。若作りする必要ないでしょ？

瀬戸内寂聴 99年生きて 7

その年でノロけるて！
99歳で去年なくなった瀬戸内寂聴さん。その晩年17年寄り添った仮想彼氏の裕さん監督によるドキュメント。ひとこと、すげえ！
99歳で死ぬ間際ギリギリまで、肉を食べ、酒を飲み、異性への好意をあらわにする。よく世間はぶをわきまえろとか、いい年なんだから大人になれとか言う。そこに反発したかどうかはわからんけど、こんな生き方をした婆さんが、身体が本当に錆びて動かなくなるまで、羨ましくなるくらい思い切り生き抜いたんだから、こっちが正解じゃないの？なんか、元気もらったわ。ジジイも負けねぇぞ？