今日のエンドロール

10点満点の採点つきで年間約120本。観る前も観たあともクスッと笑えるレビューをお届けします。

ファーザー 7

2021-05-30 14:21:05 | ノーヒットノーラン
遠くない、未来。
アンソニー・ホプキンスが痴呆症の気難しい老人を演じ、アカデミー賞主演男優賞を獲った作品。
ボケてしまった老人を巡る物語はこれまでもあったが、新しいのはあくまで老人視点で描かれている点。
痴呆症なので、覚えていられないだけでなく、脳の中の回路が誤作動して、変なところが結びついたり。
もちろん観客も大いに混乱するが、これが痴呆の老人たちが体験していることだとすると、本当に恐ろしくなる。
当たり前が当たり前でなくなる。それが自分の親、そして自分にいつ起こるかわからない怖さ。
悪魔や超常現象ではなく、こういう作品こそ、すぐれたスリラーなのかもしれない。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

AGANAI 地下鉄サリン事件と私 4

2021-05-19 18:12:37 | 危険球退場
卑怯やわ!
95年3月の地下鉄サリン事件。被害者となった監督が、20年経ってアレフの荒木広報部長を連れ出し
ゆかりのある丹波・京都などを歩きながら語るドキュメント。
小太りの監督の関西弁にはじめは好感を持ってたけど、だんだん見ていて腹が立ってきた。
被害者なのはわかる。事件後も教団に残る荒木さんに疑問を感じるのもわかる。
でも、被害者なら何をしてもいいのか?
常に「俺は被害者やねんで」とマウントを取ったままの監督。彼に何を言われても、じっと耐える荒木さん。
もちろん取材を受けた段階で覚悟はしていただろうけど、自分がやったわけでもないことに
職責としてどこまで謝罪しないといけないのか?どうすれば贖えるのか?
絶対に反論されない立場から弱い個人を責めまくる、最近ネットでよく見る風潮も思い出して
気分が悪くなった。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

まちの本屋 7

2021-05-15 18:09:37 | ノーヒットノーラン
いいなぁ…
映画の間、いろんな意味で何度もそう思った。
尼崎の立花にある小さな本屋、小林書店。店主のおばちゃんを中心に
追いかけたドキュメンタリー。ベストセラーもコミックの最新巻もないけど
人のあったかさと会話がある。おばちゃんが作り上げたお客さんとの関係。
そのベースにあるおばちゃんの商売に対しての姿勢。この業界厳しいからと
流されるのでなく、厳しいからどうするのか?小さい店だからできること。
いろんな商売や仕事に当てはめられる、お客さんの気持ちを想像して
そこに全力で応える。そうすりゃいつか、帰ってくるさ。
あまりに良すぎて、映画が終わったあとにそのままチャリで現場に行ったのは初めてやろな。


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

くれなずめ 6

2021-05-14 20:20:38 | ノーヒットノーラン
タイトルが、好きやなあ。
同級生の結婚式の余興のために久しぶりに集まった高校時代の仲間たち。
それぞれが思い出す当時の出来事。あの頃って、なんの利害も下心もなくて
集まる理由すらなくて、傍からみたら全然面白くもなくて、でもメチャ楽しくて。
そんな時代を思い出して、昔の仲間に会いたくなった。
「昔みたいにヘラヘラしろよ!」このセリフと、くれなずめ!って
タイトルが心に残った。いつまでも続いてほしかった。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブータン 山の教室 5

2021-05-14 08:32:12 | ノーヒットノーラン
岩波ホール!って映画。
コロナで普通の映画館はほぼクローズだった5月。
床面積が小さいので営業を続けられたミニシアターで見た。
いろんなレビューサイトでも驚くほど評価が高かったが、それほどでもなかった気がする。
世界一幸福度が高いと言われる国ブータンで、いやいやながら僻地の村へ
教師として派遣された都会の若者。電気も携帯の電波も水道もない村で。
あとは…ご想像どおりだ。人にとって何か幸せなのか?いろいろ制限されている
今だから考え、感じることはあるだろうが、この手の映画にとって
あまりにも王道な展開で、わざわざ行ったかいはなかったかな。
ひとつよかったセリフ「子どもたちを教える先生は、未来に触れることができる職業」
たしかに。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

JUNK HEAD 5

2021-05-04 17:21:09 | ノーヒットノーラン
おうちでできるもん!
情熱の結晶。作品がどうこうより、映像制作の未経験者が
それほど高くない機材を使い、7年かけてほぼ一人で1時間半の
映画をコマ撮りで作った凄さには敬意を表したい。
千里の道も一歩からという言葉は嘘ではないけど、それをちゃんと
続けられる熱意と根性は本当にすごい。ただ、そのものすごい手間を経て
作った作品も、公開されれば皆同じ土俵にあげられる。
そこで戦える物語だったかどうか?には疑問があるのも事実だ。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする