ヤクザと家族 5

こうやって、滅びていくのです。
NHKの自然ドキュメンタリーで希少動物が滅亡していく感じを思い出した。昭和のパワフルで黒い部分を席巻したヤクザという生き物。盛者必衰ではないが、一人の男の人生を通じてその衰えを描いていく。身寄りのない男がヤクザという家族に救われ、でも家族を守ることすらできなくなるという悲しい運命。まさかこんなにせつない作品だとは。

ロックンロールストリップ 6

頑張れ！若者。
ジャルジャルの後藤くんを主演に据えた木下半太監督の自叙伝。ストリップ小屋の前座をやることになった劇団主宰と仲間たちの青春喜劇と言ってしまえばそれまでだけど。身近な舞台でやっていたのと、汚れた芸能界と言う幻想にそれでも食らいつこうという姿勢に共感ポイントが多くて、舞台挨拶まで付き合ってしまった。スマートな起業家よりこういう泥臭い立身出世のほうがしっくりくるんだよな。

KCIA 南山の部長たち 5

他人事なんだよなぁ、やっぱり。
韓国でパラサイトを抜いたというイ・ビョンホン出演作。1969年に韓国の情報機関のトップが大統領を暗殺したクーデターの映画化。韓国人なら常識なのかもしれないけど、それぞれの人物背景や当時の政情がわからないから、行動や表情になかなか共感できない。あとしょうがないのかもしれないけど、主要人物の中にキムさんとパクさんが２人ずつ。混乱しまくるわい、カッカ！

チャンシルさんには福が多いね 5

そやねんなぁ。
仕事だけに打ち込んできた40歳の女性映画プロデューサー。コンビを組んでいた監督が急死し、仕事がなくなる。いざとなると、自分しかできないことなんてないことに気付かされ、かと言ってプライベートもほったらかしにしてきたツケが。改めて人生を見つめ直す40歳には大いに共感するなぁ。何がしたくて、何のために生きてるか？そんなハッキリ言えるオトナはどのくらいいるんだろう？

おとなの事情 スマホをのぞいたら 5

なんで作ったの？
イタリアでヒットしたワンシチュエーションブラックコメディの翻案。3組の夫婦+1名が毎年集まるパーティで、スマホをオープンにするゲームをやってみて…ああ！恐ろしい。自分でなくてよかったという、悪い意味の展開に前半は爆笑も。ただその散らかりまくった状況の回収方法が雑すぎる。どんな顔して家帰れるの？
つくづく思った。嫁さんとか家族と一緒に見ないでよかった爆

ゴゴ 94歳の小学生 6

さらに倍！
クイズダービーの話ではない。俺の倍の年のばあちゃんが、ひ孫と一緒に小学校に通うドキュメントだ。
アラフィフになり、老後がちらついて考えだしたものの、体が動くか、何かできるのか迷っているってのに、ゴゴ（ばあちゃんという意味）は迷いなく学ぶことを選ぶ。体にはガタがきてるけど、全然目が死んでない。若さってカラダでなくココロなんだと実感した。ため息ついたり、諦めてる場合ちゃうわ！

ミッション・マンガル 7

そやねん！
インドの宇宙開発の落ちこぼれチームが、低予算で火星探査に成功した実話ベースの物語。作中いくつもハッとした。「我々の夢が彼らには仕事になっている」「昔からの夢で食べている我々はとても幸せ」「この夢を持った時のことを覚えている？」そうかぁ！
もちろん結果は予想通りなんだけど、最後まで手に汗握り、生き物でもない探査機に頑張れぇ！っと感情移入してしまった。ココロ震わされた。

無頼 4

なんじゃあ、こりゃあ！
文太兄さんなら叫ぶかもしれない。井筒監督による仁義なきゴッドファーザーごっこ。物語にも人物にも説得力も迫力もない。少年時代の役者はなかなかよかったけど、大人になったら途端に人の良さそうな華のない人に変わった。誰かなぁと思ってたら、エンドロール見てやっと気づいた、EXILEのマツ！主役がそんな感じだからあとはねぇ。監督との付き合いで出る人以外は…そりゃオーディションになるでしょ。

佐々木、イン、マイマイン 7

愚かすぎる、元男子たちへ。
都会で役者目指してくすぶってる若者が、佐々木というアホでパワフルな同級生を思い出して、という物語。佐々木だけでなく「地元のツレ」たちとの青春アホメモリー、それとオトナになってからの現実とのギャップ。それぞれが歩く別々の道。いろんなポイントが心をチクチクしてくる映画だった。アイツに、久しぶりに会いたくなった。

大コメ騒動 5

それほど大きくは…
本木克行監督が、同郷の皆さんと一緒に作った富山のふるさと映画。役所発進でなく監督主導だったので、それほどマイナーな感じにはならなかったけど、やはり滲み出るメジャー作品との差。コメディなのか史実再発見なのか中途半端だし、騒動のスケールが小さくて。タイトルだけは大きくしたかったんだろうな…

燃えよデブゴン tokyo mission 5

いろいろ違う！でもかまへんわ。
アクション監督の谷垣さんが、ドニー・イェン先生を太らせてまで作った燃えよデブゴンへのオマージュ。
ストーリーも日本のセットもむちゃくちゃだし、ドニー様も特殊メイクで太ってる割には動きがキレキレすぎるけど、それでもいい。気持ちよくアクションを見るための映画。今年がこの映画でスタートしてよかった。