今日のエンドロール

10点満点の採点つきで年間約120本。観る前も観たあともクスッと笑えるレビューをお届けします。

デスノート前編 7

2006-06-25 01:30:14 | 逆転サヨナラHR
上手いところと、下手なところと。

週刊少年ジャンプで最近まで連載していたマンガの映画化。ジャンプなんてもう10年以上読んでないけど、名前はちょっと聞いたことがある作品だったし、映画館でかなり前から予告していたので気になって観に行った。

すごかった。
平日の昼間にも関わらず、映画館は9割の入り。しかも男が多い!ここ数年でほとんど見たことがない光景だった。死の捉え方に多少の異論はあるものの、物語の設定はすごくしっかり作られていて、面白い。観客動員でダビンチ・コードを抜いたそうだが、そりゃ当たり前だ。モノが違う。

いつまでたってもガキくさい藤原竜也も、不気味さ抜群の松山ケンイチも適役でいい演技をしていたと思うが、唯一残念だったのがデスノートに書く藤原君の字がビックリするぐらい汚かったことだ。設定は司法試験現役合格の秀才らしいが、なんかアホっぽく見えるんだよな。まあ、俺も人のことは言えた義理ではないけど。

映画見ながら考えてたこと。もし俺がデスノートを拾ったらどう使うかとかじゃなくて、他にもいろいろノートがあったら面白いのに…ということ。
名前を書くとその人がものすごく健康になる「ヘルスノート」とか、何か周りの人から鼻で笑われるようになる「クスノート」とか、何かと日本代表を厳しく言うようになる「ラモスノート」とか。意外と後編で出てきたりして…。
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タイヨウのうた 6

2006-06-23 01:10:14 | タイムリーヒット
歌とオヤジはよかった。

XPというウインドウズみたいな名前の病気の少女。太陽の紫外線を浴びると皮膚から神経に疾患が及び、死に至ってしまうので昼間は出歩けず、夜ストリートで歌うのが唯一の楽しみだった。そんな彼女が窓から見ていた少年に恋をした…あとはほぼ皆さんのご想像通りである。

確かに王道のいい映画ではある。でも、これ見てヤフーとかに「感動した。生きる力をもらった気がする」なんて書き込んでいる奴らはどうかと思う。お前ら物語の中とはいえ、人が死なんと「生きる力」はもらえんのか?そもそもそういうのって人から与えられるものなんだろうか?

これもドラマ化されるみたいで、またテレビ見て同じこというヤツがいっぱい出て来るんだろうけど、そういうヤツに言っておきたい。あんまり「生きる力」もらいすぎちゃうと写真のおじさんみたいになっちゃうぞ。このオッサン、仕事バリバリ生命力たっぷりなのは結構だけど、どんどんゴキブリに似てきてるよなぁ。
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カーズ 5

2006-06-18 19:22:21 | タイムリーヒット
可もなく不可もなくだなぁ。

トイ・ストーリー以来、全部見ているピクサーのCGアニメ。絵のすばらしさはイチローのヒットみたいなもんで、気の毒だけど「すごいのが当たり前」。だから展開のモタモタさにちょっと退屈してしまった。

アニメのことを「マンガ」と呼び、子供がみるものと決め付けていた俺たちの親世代はもう一線を退き、アニメーションは大人が見ても恥ずかしくないものになったと思う。
だからそろそろエロや暴力とは違った基準で、大人向けか子供向けかラインを引いてもいいんじゃないか?どっちにも「ある意味」分かるようなモノにしようとするから、この作品みたいになんとも中途半端な映画が出来てしまう。アンパンマンの真逆、「子供が見てもサッパリ?でも大人は大好き」イカの塩辛みたいなアニメを期待するのは贅沢だろうか?

ただ芸の細かさは健在で、車の形をした虫とか、車の世界での「トイ・ストーリー」「モンスターズインク」なんかは見ていて楽しい。アダルト・ディズニーの次回作には期待したいなぁ。
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戦場のアリア 7

2006-06-16 18:57:48 | 逆転サヨナラHR
何のためかって答えられる奴いるんかな?

時は第1次世界大戦。最前線でにらみ合うドイツ対アイルランド・フランス連合軍。クリスマス・イブの晩、仲間のため歌ったドイツ側の歌手(今は一兵士)の歌にアイルランド側からバグパイプの演奏が。興が乗り、危険な中立地帯に歌手が飛び出すと、反対側からもバグパイプを吹きながら兵士が。「クリスマスの間くらい、休戦しても誰にも責められないでしょう」両軍の司令官の会談で一時休戦。酒を酌み交わし、トランプで遊び…公式には認められていないものの、各地であったとされる「戦場の奇跡」を描いたおとぎ話だ。

戦っている時は「ドイツの奴らめ」「フランス野郎なんてぶっつぶす」そんなことをいっていた兵士もいざ休戦となると、大いに語り、頼みごとまでする友情すら芽生える。殺しあってはいるものの、お互いに恨みがあるわけでもなし、両方とも「お国のため」という抽象的な目的で駆り出されているだけだから、気が合うのもわかる。

血みどろのシーンがあるわけでも派手な爆発やアクションがあるわけじゃない。でも政治家同士のよくわからない争いを発端に親や兄弟を殺されたり、恨みの気持ちを増長させられたりする戦争の悲惨さ、無意味さをすごく感じさせてくれる作品だった。

あともうひとつ。これは舞台がヨーロッパで3国ともキリスト教徒だから起こった出来事なんだろうけど、今も同じような状況の朝鮮半島でだったら何がお互いの「共通項」になるんだろう?意外と写真の人のネタで両軍爆笑!とかだったりして。
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デイジー 6

2006-06-13 02:34:59 | タイムリーヒット
何かと幻想的ではある。

全編オランダロケで『猟奇的な彼女』『私の頭の中の消しゴム』の役者。俺の苦手なベタベタ韓国モノかと思ったらそうでもなかった。見たら監督はインファナル・アフェアの人。そりゃちょっと色変わるわ。

刑事と殺し屋、ひょんな事からその2人に惚れられる画家のおねえちゃん。奇妙な三角関係という設定は面白かったけど、刑事とマフィアの対照的な生き方の描写が見事だった「インファナル…」と違い、2人がただのヤキモチ焼きの兄ちゃんに見えちゃう。宿命の愛の物語とか言ってるけど、あれは宿命ちゃうやろ。

あとわからんかったのが全編オランダロケの理由。デイジーの花畑はきれいだったけど、別に韓国でもあるだろあんなところ。妙にマヌケなインターポールとか一匹狼の男前殺し屋とか、現実離れしたキャラを浮かせないためには舞台を外国にしちゃうのが手っ取り早いのかもしれないけど、どうも怪しい。大麻合法とか、飾り窓とか「オランダ幻想」に捉われた監督がワガママ言って行きたかっただけちゃうか?
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ポセイドン 4

2006-06-11 02:08:13 | デッドボール
時期、失敗してるわ。

確かに映像はすごい。どうやって撮ったか想像もつかんような見事な転覆。ただその中での物語が薄っぺらいので、興行的には転覆と同じくらい見事にコケそうな感じだ。

だいたい「海猿2」と同じ時期に公開ってのが戦略的に大間違い。個人的な好みは置いといて、あっちはしっかり日本人の琴線に触れる作りはしてあるし、パニックアドベンチャーにちゃんと恋愛の要素も絡めてある。それに比べてこっちはどうも感情移入しにくい人々のチームが、自分勝手なことして自分たちだけ助かろうという話。しかも唯一英雄ぽかったあの男を、ラス前であんなにリアルに殺しちゃまずいだろ。

見たことはないけど名前は知ってる「ポセイドン・アドベンチャー(1972)」のリメイク。30年以上経って、技術もカネもあるんだからもう少しマシにならんかな。半年くらい前から煽りにあおってクズだった写真の映画並みだぞ、これ。
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雪に願うこと 6

2006-06-10 01:37:11 | タイムリーヒット
◎単勝1.2倍というところ。

予告編を見たときから綺麗な作品だと思っていた。負け組再生物語in北海道、ひとことでいうとそんな話だ。
北海道の風景はもちろん最高だし、ばん馬のレースも迫力があった。佐藤浩市はじめ役者陣も派手ではないけど、しっかりした演技をしていた。ただ、残念だったのは「それだけ」だったことだ。

わずか1~2分の予告に全て凝縮できるストーリー。もちろん「いい話」だから響く人には響くんだけど、予告を見ちゃった人にはサプライズがゼロ。2時間近く「ああこのシーンね」という確認作業が続く。いい映画なんだけどなぁ、面白みというか遊びがない。本命の馬券を買って500円くらいしか儲からなかった気分。

でもそんな中、いい存在感だなぁと思ったのが吹石一恵。中学生の時に会ったことがあるんだけど、いい雰囲気の役者になったと思う。とても猛牛軍団の遺伝子を受け継いでいるとは思えん。
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佐賀のがばいばあちゃん 8

2006-06-05 15:06:35 | 逆転サヨナラHR
明るい貧乏か…

かつて一世を風靡したB&Bの島田洋七さんが、幼少期の物語を育ててくれたばあちゃんの思い出をメインに綴った原作は映画化とか何とか話が出る前に読んでいたので、俺にしては珍しく「原作→映画」という作品になった。

ストーリーは俺たちの親世代の貧乏少年成長記。ただ小学生のうちに預けられられたばあちゃんが半端なく「がばい(佐賀弁ですごい)」人だったから物語は彩を帯びる。「拾うものはあっても、捨てるものはない」と磁石を引きずって歩き、野菜、木の枝、お供え…いろんなものが流れてくる家の前の川を「うちのスーパーマーケットや」と呼ぶ。少年が友達のように運動をしたいと言うと「走っとき!走るだけなら道具も要らんし、地面もタダだ。でも靴は履くなよ。磨り減るから」
でも決してケチなわけでなく、孫が中学の野球部でキャプテンになったと知ると、閉店した運動品店のオヤジを叩き起こして1万円札を突きつけ「一番高いスパイクをおくれ!2200円?何とか1万円にならんか」何てイキなんだろう。

ばあちゃんだけでなく、周りの人たちの暖かさや支えあって生きているエピソードも盛りだくさん。貧乏できっと何もなかったけど、隣の人すら信用できないような現代よりよっぽど「人間らしく」生きてるなぁと思った。
戦後日本は大幅な経済成長を遂げ、生活は便利になって世界でも有数の金持ち国民になった。でもそのメリットとこういう大事なものというのは交換で失わざるを得なかったんだろうか?

儲けることだけが目的になってる写真の男なんかにばあちゃんの言葉を聞かせたい。
「お金持ちになったらいいもんを食べないかんし、旅行もたくさん行かないといかん。転ぶ時だって高い服が汚れてしまうから気をつかわないかん。忙しくなるぞ!だから貧乏の方がよっぽどいいだろう。」

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花よりもなほ 6

2006-06-04 17:25:49 | タイムリーヒット
自分のことは棚に上げて、かなり厳しい評価を出しているこのブログで高得点をたたき出していた「ワンダフルライフ」「誰も知らない」の是枝監督が撮った時代劇。期待するなと言う方が無理な話だ。
ちょっと芸人臭いなというのはあったけど、ジャニーズから渋いベテランまで取り混ぜた長屋のキャスティングも面白いなと思った。

貧乏侍と輪をかけて貧乏な長屋の皆さん。あだ討ちを目的に田舎を出てきた侍が周りの人たちの言葉や、やっと見つけた仇の生活を見てだんだん「あだ討ち」というものへの考え方が変わってきたところに、日本一有名なあだ討ち「赤穂浪士の討ち入り」が絡んで…落語にでてきそうな設定の物語だが、話も落語をちょっと膨らましたくらいで終わっているのが残念だ。

早ければ10分ほどでまとめなくてはいけない落語と2時間は使える映画。時間がたっぷりあるのだから長屋の住人たちの人物像や個性をもっとしっかり描いて欲しかった。キム兄のやった役なんてあれじゃあただのアホ。すごくいい雰囲気を持った役者が揃っただけに、それぞれのバックボーンを見せるシーンを作ってくれればもっと楽しめて、説得力のある作品になったと思う。

さすがに是枝監督だけあってある程度楽しいし、ほっこりした娯楽作にはなっている。だけどあれなら山田洋次監督が撮りましたっていっても気づかないような気がする。(山田さんならもっと渋いキャスティングだったろうけど)
この作品のシリーズ化も構想にあるみたいだから、他のキャラが主役のスピンオフとかも見てみたい。ファンだからこそ楽しめるだけでなく、「はっ」とさせられる良作を期待したい監督だ。
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嫌われ松子の一生 7

2006-06-04 00:47:33 | 逆転サヨナラHR
…せつない。

「下妻物語」の監督の作品だけあって、豪華な出演陣、CGをつかったサイケな配色。ポップな選曲。予告編ではそんなぶっ飛んだ物語に見えた。でも、違った。

ただ「病気の妹並みにお父さんにかまってもらいたくて」「誰かに一緒にいてほしかった」だけの松子の本当に不幸な転落人生。ギャグやカラフルなセットでいくら彩っても、いくら松子を前向きな性格にしても、見ていて切なくてたまらなく、笑う場面でもどうも乗り切れなかった。

劇中で青年が恋人から言われ、松子の人生に重ね合わせてしまう言葉がある。「人の価値って、人に何をしてもらったかじゃなくて、人に何をしてあげたかなんだよね」そうそう!
あとセリフは忘れたけど「人に何かをしてあげている人本人って、幸せそうに見えるけど実は寂しくって自分もそうして欲しいんだよね」みたいなニュアンスの言葉もあって、そのあたりはかなり胸に染みるものがあった。

それにしてもこの壮絶な人生を見事に演じきった中谷美紀には素直に賞賛の辞を送りたい。生き様というか凄みを感じる演技だった。まさか写真の人(マツコ・デラックス)がモデルちゃうよなぁ…
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GOAL! 6

2006-06-01 00:13:35 | タイムリーヒット
ま、一応はね。

まもなくやってくる忌々しいW杯月間。テレビではカビラ兄弟が暑苦しく吼え、ラモスが厳しくダメダしをする。あ~うっとぉしい。スポーツに関わる仕事をしていながらサッカーには興味ゼロというか、むしろマイナスな俺だがFIFA公認、大スポンサーアディダス全面協力という御用映画はどないなもんか?一応観に行ってみた。

広告塔のベッカムが「子供たちに見て欲しいね」と教科書通りのコメントをするように、映画も貧乏な少年がサッカーひとつで身を立てていく画に描いたような普通のサクセスストーリー。貧乏なのに妙にサッカーギアは充実してるとか、周りの人に恵まれすぎだ(オヤジのシーンで不覚にも泣いてしまったので高得点になってる)とか、多少の無理はあるけれど「友情・努力・勝利」の少年ジャンプ3箇条にバチッとはまった物語になっている。

俺にとって初めて見たサッカー映画だったのだが、強く感じたのは「ドラマッチックな描き方がとても難しい競技だなぁ」ということ。ほぼホンモノの選手を使ったリアルなサッカーシーンなために、クライマックスの試合もボールがどんどん動いて試合があっという間に展開してしまう。動と静があってドラマは生まれるのだが、サッカーで静なのってPKとかFKを打つ直前くらい。一球一球ピッチャーとバッターの鼓動が聞こえてくるような野球とはエライ違いだ。

そう考えると「動」のなかに無理矢理「静」を作って1試合を1ヶ月くらいやってたキャプテン翼の手法は偉大だったなぁと改めて感じた。顔面ブロックとかまた見たいな。
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