映画の話でコーヒーブレイク

映画の話を中心に、TVドラマや旅行の話などを綴ります

あの日の指輪を待つ君に

2008-08-10 | 映画 あ行
前回の「イースタン・プロミス」鑑賞後、横浜伊勢崎町の10月閉店を決めた松坂屋前。
伊勢崎町といえば、
古くは青江美奈の「伊勢崎ブルース」、
最近ではデビュー前の「ゆず」が路上ライブをしていた場所で有名ですね。

ふと目に留まったのは、伊勢崎町界隈にある映画館のお知らせ・・・
あらら、先週川崎まで行って「満席につき売り切れ」で涙を呑んだ本作が、
すぐ近くのテアトル横浜で20分後にスタートじゃん!(横浜弁)
この際「行っちゃう?!」という訳でコーヒーフロート飲んでGO!





 あの日の指輪を待つ君に  CLOSING THE RING





以前予告編で見て、観たいと思ったこの一本。
「西の魔女が死んだ」のおばあちゃん役で注目を浴びたサチ・パーカーのお母さん
シャーリー・マックレーンと、
「サウンド・オブ・ミュージック」のトラップ大佐を演じたクリストファー・プラマーの
お二人がまだまだ元気で御出演!で何やらクラシックなラブロマンスの香り~。


★昨年11月にブロクを始めてから、
ずっといいなぁ~、好きだなという映画、お奨め映画の記事を書いてきました。
今週投稿に時間がかかったのは、今回の映画がいいなぁ~と素直に思えなかったからです。
二つのことに引っかかり、大好きなシャーリー・マックレーンなのに、
彼女もクリストファー・プラマーも凄く良いのに、ストーリーに?だったからです。
ほかの映画に変えようかと思いながら、ずるずると時間が過ぎてしまいました。
ご覧になった皆さんは、どのような感想をお持ちでしょうか?



 <ストーリー> goo映画より

1991年アメリカ。長年連れ添った夫を亡くしたばかりのエセル・アンは、
アイルランドの青年ジミーから突然の電話を受ける。
エセルの名とテディという名が刻まれた指輪をベルファストの丘で発見したというのだ。
50数年前、永遠を誓った愛を失い、以来心を閉ざして生きてきたエセル。
夫の死に涙ひとつ見せず、娘のマリーに冷たいと非難されても決して心の内を語らなかった彼女に、
封印した過去と向き合う時がやって来る。


戦争中不時着したB-17爆撃機の搭乗員アメリカ兵の結婚指輪が50年以上の時を越え、
アイルランドのベルファーストで発見されたというニュースにヒントを得て
この映画のストーリーができたそうです。
ストーリーは脚本家の「想像」による「創造」で、実話ではありません。
キャッチフレーズは「実話から生まれた感動のラブストーリー」なのね・・・?

 


ミシガン州ブラナガン小町のエセル・アンは青年達の憧れの的。
航空学校に通うジャックとチャック、そしてテディ。エセル・アンはテディと恋仲になるが、
3人に出撃命令が下る。二人を立会人に密かに結婚し指輪を交わす。
あろうことか、テディが戦死、二人は負傷し帰国。
・・・というのは戦争を舞台にしたよくある悲恋ストーリー。

こういう時に戦死するのは、絶対婚約者や夫。

日本のドラマでは、戦死の知らせを受け一人で頑張るも、あきらめて別の人と再婚した後
亡くなったはずの恋人/夫が帰還する、という何とも切ない悲劇が多いように思います。

この映画では、テディは帰ることなく、エセル・アンはチャックと結婚し娘をもうける。
何故チャックと結婚したか?
出撃前、テディが「もし自分にもしものことがあったら、エセル・アンの面倒を見てくれ」
と、ジャックとチャックに頼み、
3人で相談した結果チャックがテディの変わりに結婚するという結論を出したのだ。

ちょ、ちょっと待てよ!なんでエセル・アンの将来を彼女抜きで勝手に3人で決めてんの?
大体代わりって何よ?!
テディ、二人とも彼女のことが好きなの気付いてるでしょ?
散々ラブラブを見せつけて、そりゃ、ないよー!
ジャックはもてるから、気のいい真面目なチャックにって・・・
ジャックには手を出すなよって釘を刺したわけ?
そもそもジャックとチャック以外にも選択肢はあるでしょうよ?
と、出撃前夜の談合に、軽~く切れてしまいました。

高校生の頃読んだ、夏目漱石「こころ」。
友人Kも思いを知りながら、Kを出し抜いて思いを寄せる下宿のお嬢さんを奪って結婚した為、Kが自殺。
妻にも打ち明けることなく罪悪感に苛まれた「先生」からの遺書を通して、明治人の利己を追う。
テーマは「人間のエゴイズムと倫理観の葛藤」という深いところにあったのはわかるんだけれど、
結婚したお嬢さんは「先生」とKのどちらが好きだったのかしら?
Kの思いを知らなかったとはいえ「先生」と結婚したのだから「先生」のことが好きだったのでは?
彼女の思いについては何も書かれていなかったように記憶…(間違ってたら
あの時と同じ、本筋ではないところに違和感を覚えました。
明治時代と1940年代、今の感覚で見てはいけないのかも・・・でもなんだかな~。
これはやはり女性だけが感じることでしょうか?

そんなこんなで結婚したチャックは好きな人と結婚しても幸せだったと思えない。
そんな父を見ながら育った娘のマリーも複雑。
お葬式で涙一つこぼさず、テディとの思い出の部屋に篭るエセル・アン。
テディが建てた家で暮らしていたなんて!
壁の後ろには、二人の思い出が封印されていたって・・・チャックに残酷すぎるでしょ。
そんな二人を見守ってきたジャックも辛いなぁ~。
残された3人は、誰も幸せじゃないよね。

もう1点はIRAのアイルランド紛争(対英テロ闘争)が絡んでいる点です。
指輪が見つかった場所は北アイルランドで、戦争中からアイルランド統一を求めて戦っている所。
指輪を見つけたジミーは丘を掘り返していたことからIRAからも反IRAからも目を付けられ絶体絶命。
指を届けると言いつつも身の危険を感じて渡米と思ったのに・・・
あんな大荷物持ってよく出国できたよね?
ノー天気にもアロハみたいなシャツを着込んで、
エセル・アンを連れて危険なアイルランドに帰ってキターーーー
案の定ベルファーストではテロ騒ぎ。
エセル・アンも爆破テロに巻き込まれ・・・

50数年指輪を探し続けた元消防士クインランは、死ぬ間際のテディから
「エセルに自由に生きてくれ」という伝言を頼まれていたって・・・
この人も指輪に囚われて日々を送っていたんですね。
罪作りなテディ。


アメリカ映画ですから、やっぱり最後はハッピー
ここからのマックレーンとK・プラマーは流石~です。
ここに至るまで、長いことかかったね~。

原題の「CLOSING THE RING」は
指輪に縛られてきた人達が50数年後の発見でやっと指輪から解き放たれ
それぞれ新たな道を歩むということかな。




監督はリチャード・アッテンボロー、「ジュラシックパーク」のオーナー役で俳優もやってらっしゃいます。
若き日のエセル・アン役のミーシャ・バートンは何とも可憐で美しいです



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