仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

ア・フュー・グッドメン

2018年04月30日 | ムービー
『ア・フュー・グッドメン(原題A Few Good Men)』(1992年/ロブ・ライナー監督/アメリカ)を見た。
物語は、「キューバのグアンタナモ海軍基地において、海兵隊の模範的な海兵であるハロルド・W・ドーソン上等兵(ウォルフガング・ボディソン)とローデン・ダウニー1等兵(ジェームズ・マーシャル)の2人が、落伍兵であるウィリアム・T・サンティアゴ1等兵(マイケル・デロレンツォ)に暴行を加え、被害者が1時間後に死亡するという事件が起きた。ワシントン法務監本部は、おそらく"コード・レッド"が引き起こした事件ではないかと推察したうえで被告の弁護を希望したジョアン・ギャロウェイ少佐(デミ・ムーア)を不適任と判断し、入隊9ヶ月でありながら44件の示談を成立させていたダニエル・キャフィ中尉(トム・クルーズ)を適任とし、彼に2人の弁護をするよう指名したのだが・・・」という内容。
"コード・レッド"とは、訓練中にミスをした海兵に対し、上官の命令によって行われる、いわば"体罰"で、国家安全保障会議の時期メンバーと目されているグアンタナモ基地司令官ネイサン・R・ジェセップ大佐(ジャック・ニコルソン)が、これを公認しているというのだから、過去の遺物ともいえるとてつもなく厄介なローカルルール。
いち早くそれを察知したギャロウェイ少佐だったものの、過去2年間で扱った訴訟が3件とあっては、経験不足と判断され、この重大案件の担当にさせてもらえなかったのも当然だろう。
軍としては、騒ぎになる前に内々に示談にして終わらせたかったはずで、そうなると、新人とはいえキャフィ中尉は最も適任だったわけだ。
ただ、ギャロウェイ小佐に「まともな弁護士が欲しかった」と言わしめたキャフィ中尉は、弁護士としての実績以前に「人としてどうなの?」と疑念を持たれるくらいの未熟な人間に描かれていた。
挫折を知らない若者というのは、往々にしてそういうものなのだろう。
対して、直属の上司からキャフィの監督役に指名されたサム・ワインバーグ中尉(ケヴィン・ポラック)は、幾らか歳上ということもあるのだろうが、とても冷静で頼りになる人だった。
このような人がバランス感覚が良いという範疇に入る人なのだろう。
規律と命令系統の重要性を重んじるという軍隊内部の、なかなかに興味深い物語だった。

ウルフ・オブ・ウォールストリート

2017年06月18日 | ムービー
『ウルフ・オブ・ウォールストリート(原題The Wolf of Wall Street)』(2013年/マーティン・スコセッシ監督/アメリカ)を見た。
物語は、「ニューヨーク。クイーンズ地区のアパートで、会計士の父マックス(ロブ・ライナー)、母リー(クリスティーン・エバーソール)の元、ごく普通に育ったジョーダン・ベルフォート(レオナルド・ディカプリオ)は、22歳の時に美容師のテレサ・ペトリロ(クリスティン・ミリオティ)と結婚した。株取引の資格取得のため、1899年創業の老舗証券会社ストラットン・オークモント社で働き始めたジョーダンだったが、半年間の研修を終え、ブローカーとして出社した初日・1987年10月19日、1929年以来の株価大暴落だというブラックマンデーに遭遇。会社は倒産してしまった。テレサの助言で、新聞広告で見つけたペニー株を扱う証券会社・投資センターで働くことにした彼は、最初の売り込み電話で1株が数セントだという銘柄ながら、多くの契約をものにして手数料50%(2,000ドル)を手にするなど、周囲の社員から凄腕と驚かれるほどの成績を残す。その後、26歳の時に休業中のフランクオート社のガレージを借りて、ドニー・アゾフ(ジョナ・ヒル)と共にストラットン・オークモント証券会社を設立し・・・」という内容。
休業中の会社のガレージを借り受けたジョーダンは、まず地元で営業経験者を募集したのだが、集まってきたのは、5年かかって高校を卒業したというロビー・ファインバーグ(ブライアン・サッカ)、タイヤとマリファナを扱っていたというチェスター・ミン(ケネス・チョイ)、ドラッグの売人ブラッド・ボブニック(ジョン・バーンサル)らで、唯一、ロースクールを出ているというニッキー・コスコフ(P・J・バーン)だけがまともに話が通じる感じの人間だった。
(^_^;)
ジョーダンも彼らにはほとんど期待していなかったのだが、ここでまた「どうして真面目に働いているその辺の人達に損をさせるの?損しても平気な金持ちだけを相手にすればどうなの?」(確かそんな台詞)という妻テレサの助言で「彼らがバカに見えなければ?自分が彼らにセールスの仕方を教えてやれば?」と考え方を変え、「全米1%の金持ちだけを相手にする」と会社改革を始める。
ジョーダンにとって妻テレサは何にも代えがたい良きパートナーだったのだが、ドラッグに溺れた彼は、モデルのナオミ・ベルフォート(マーゴット・ロビー)にすっかり入れ込み、2人は離婚に至ってしまった。
"灯台下暗し"とは言うが、本当に大事なものというのは、やはり本人には見えないものなのだろうかと、自分のことを含め、そう考えてしまう。
(-_-;)
これは事実を基にした物語だそうで、回想録『ウォール街狂乱日記 "狼"と呼ばれた私のヤバすぎる人生』(ジョーダン・ベルフォート著)を原作としているらしいのだが、人間の欲望というのは本当に際限がない。
一度は引退を決意したものの、自分の退任あいさつ時の演説に酔ってしまって(?)、証券取引監視委員会との約束を反故にし、FBI捜査官パトリック・デナム(カイル・チャンドラー)に仕事を与えてしまうことになる。
確かにキミー(ステファニー・カーツバ)のエピソードは切なかったのだが、あれはその後の運命を決める大きな交差点だった。
また、先輩証券マンのマーク・ハンナ(マシュー・マコノヒー)も実在の人物だそうだが、彼そのものがその業界で生きる人達の危うさを代表しているように見えた。
面白いというよりも、これが実話を基にしているという事実に驚かされた強烈な作品だった。

偲ぶ会

2016年03月31日 | 映画サークル
ましけ映画サークル3月例会(2016年3月8日)の終了後、本年1月に急逝された当映画サークルのメンバー、故守○典之氏を偲び、"偲ぶ会"を開催した。
例会後、元陣屋からマルジュウ井とうに会場を移動したのだが、ここのマスターは昨年の同時期、守○氏と同じ病院に入院していたこともあって、忘年会(2015年12月1日)の際にも体調や顔色のことを心配していたし、この日も随分と悔しそうに思い出話をされていた。
さて、公的資料がほとんど存在しない"ましけ映画サークル"なので、正確にいつから活動をしていたのかが定かではないのだが、平成12年度総会資料を見ると、会員名簿No,1の欄には守○氏の名前があった。
仕事柄、氏の元には話題の映画作品の地方上映等について情報が集まってきたのだろうし、また、当時は小林政広監督が増毛町をロケ地とした映画を数本撮影していたこともあり、それらのプレミア上映会開催もあって映画好きを自称する人達が集まってきたのだろう。
残念ながら初期の数年間の記録はマッタクないのだが、『仁左衛門日記』に記述がある例会の守○企画を拾っていくと、
●2005(平成17)年
【2月】『デイ・アフター・トゥモロー(原題The Day After Tomorrow )』(2004年/ローランド・エメリッヒ監督/アメリカ)
【6月】『Ray/レイ(原題Ray)』(2004年/テイラー・ハックフォード監督/アメリカ)
【11月】『ミリオンダラー・ベイビー(原題Million Dollar Baby)』(2004年/クリント・イーストウッド監督/アメリカ)
●2006(平成18)年
【3月】『ショーシャンクの空に(原題The Shawshank Redemption)』(1994年/フランク・ダラボン監督/アメリカ)
【5月】『ヒトラー~最期の12日間(原題Der Untergang)』(2004年/オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督/ドイツ)
【9月】『ヴェニスの商人(THE MERCHANT OF VENICE)』(2004年/マイケル・ラドフォード監督/アメリカ・イタリア・ルクセンブルグ・イギリス)
●2007(平成19)年
【4月】『ザ・センチネル~陰謀の星条旗(原題The Sentinel)』(2006年/クラーク・ジョンソン監督/アメリカ)
●2008(平成20)年
【2月】『ホテル・ルワンダ(原題Hotel Rwanda)』(2004年/テリー・ジョージ監督/イギリス・イタリア・南アフリカ)
【7月】『サラエボの花(原題Grbavica)』(2006年/ヤスミラ・ジュバニッチ監督/ボスニア・ヘルツェゴヴィナ)
●2009(平成21)年
【1月】『バンテージポイント(原題Vantage Point)』(2008年/ピート・トラヴィス監督/アメリカ)
【6月】『最高の人生の見つけ方(原題The Bucket List)』(2007年/ロブ・ライナー監督/アメリカ)
【12月】『運命を分けたザイル(原題Touching the Void)』(2003年/ケヴィン・マクドナルド監督/イギリス)
●2010(平成22)年
【4月】『グラン・トリノ(原題Gran Torino)』(2008年/クリント・イーストウッド監督/アメリカ)
【12月】『サブウェイ123 激突(原題The Taking of Pelham123)』(2009年/トニー・スコット監督/アメリカ)
●2011(平成23)年
【6月】『アンストッパブル(原題Unstoppable)』(2010年/トニー・スコット監督/アメリカ)
●2012(平成24)年
【1月】『バトル・オブ・シリコンバレー(原題Pirates of Silicon Valley)』(1999年/マ-ティン・バ-ク監督/アメリカ)
【7月】『スリーデイズ(原題The Next Three Days)』(2008年/ポール・ハギス監督/アメリカ)
【9月】『グレート・ディベーター/栄光の教室(原題The Great Debaters)』(2007年/デンゼル・ワシントン監督)
●2013(平成25)年
【1月】『みえない雲(原題Die Wolke)』(2006年/グレゴール・シュニッツラー監督/ドイツ)
【9月】『デンジャラス・ラン(原題Safe House)』(2012年/ダニエル・エスピノーサ監督/アメリカ・南アフリカ共和国)
●2014(平成26)年
【1月】『推理作家ポー 最期の5日間(原題The Raven)』(2012年/ジェームズ・マクティーグ監督/アメリカ)
【7月】『ザ・イースト(原題The East)』(2013年/ザル・バトマングリッジ監督/アメリカ)
【12月】『ジャッキー・コーガン(原題Killing Them Softly)』(2012年/アンドリュー・ドミニク監督/アメリカ)
●2015(平成27)年
【11月】『THE GREY 凍える太陽(原題The Grey)』(2012年/ジョー・カーナハン監督/アメリカ)
といった作品で、『デイ・アフター・トゥモロー』は2005年の第1回仁左衛門賞、『ショーシャンクの空に』は2006年の第2回仁左衛門賞を受賞し、『グラン・トリノ』は2010年仁左衛門特別賞を受賞している。
守○企画はハリウッドの大作を取り上げることが多く、仁左衛門企画と比べてハズレがなかった。
見逃していた名作や話題作で楽しませてくれたのが守○企画だった。
映画サークル例会の時に守○氏が座っていたうしろのあの席は、これからも指定席だ。
あらためて、守○典之氏のご冥福をお祈りいたします。
いずれ、また会おう。

仁左衛門賞 / 2009年

2009年12月08日 | 映画サークル
12月2日(水)に今月の例会を行い、2009年の予定を終了した"ましけ映画サークル"だが、いよいよお待ちかね(?)【仁左衛門賞/2009年】の選考である。
まず、今年1年間にかかった映画を振り返ってみると、
【1月/守○企画】『バンテージポイント(原題Vantage Point)』(2008年/ピート・トラヴィス監督/アメリカ)
【2月/仁左衛門企画】『ベロニカは死ぬことにした』(2005年/堀江慶監督/角川)
【3月/小○企画】不明
【4月/長○見企画】『アイアンマン(原題IronMan)』(2008年/ジョン・ファヴロー監督/アメリカ)
【5月/忠○企画】『ブラッド・シンプル(原題Blood Simple)』(1984年/ジョエル・コーエン監督/アメリカ)
【6月/守○企画】『最高の人生の見つけ方(原題The Bucket List)』(2007年/ロブ・ライナー監督/アメリカ)
【7月/仁左衛門企画】『サイレン』(2006年/堤幸彦監督/東宝)
【8月/長○見企画】『パルプ・フィクション1/2(ハーフ)』(1997年/ボブ・コハー監督/アメリカ)
【9月/中止】
【10月/小○企画】『バンク・ジョブ(原題The Bank Job)』(2008年/ロジャー・ドナルドソン監督/イギリス)
【11月/忠○企画】『ミル・マスカラスの幻の美女とチャンピオン(原題Los Campeones Justicieros)』(1970年/フェデリコ・クリエル・ピキリリョ監督/メキシコ)
【12月/守○企画】『運命を分けたザイル(原題Touching the Void)』(2003年/ケヴィン・マクドナルド監督/イギリス)
といった10本で、この中から第1次選考を行うと・・・。
『バンテージポイント』『アイアンマン』の2作品がノミネートといったところだろうか。
(^_^)
そして栄えある(?)【仁左衛門賞/2009年】は、長○見企画の『アイアンマン(原題IronMan)』(2008年/ジョン・ファヴロー監督/アメリカ)に決定するのだった!!
おめでとう!!ジョン・ファヴロー監督!!
あなたに【仁左衛門賞/2009年・灰色のモアイ像】をお贈りしよう!!
来たる2010年に公開されるという『アイアンマン2』にも期待するぞ。
主演のロバート・ダウニー・Jrもおめでとう!!
かつての(降板だったという)『アリーmyラブ』は残念だったが、見事な復活だ。
今後も沢山良い作品に出演してほしいものである。
さて、これで今年が5回目となった"仁左衛門賞"は、
【2005年】『デイ・アフター・トゥモロー』(2004年/ローランド・エメリッヒ監督/アメリカ)=守○企画
【2006年】『ショーシャンクの空に』(1994年/フランク・ダラボン監督/アメリカ)=守○企画
【2007年】『トム・ヤム・クン!』(2005年/プラッチャヤ・ピンゲーオ監督/タイ)=小○企画
【2008年】『地獄のモーテル』(1980年/ケヴィン・コナー監督/アメリカ)=忠○企画
【2009年】『アイアンマン』(2008年/ジョン・ファヴロー監督/アメリカ)=長○見企画
となり、受賞が無いのは"仁左衛門企画"だけになってしまったのだった・・・。
(^_^;)
来年こそは【仁左衛門賞/2010年】を獲得するぞ!!

最高の人生の見つけ方

2009年06月16日 | 映画サークル
2009年6月10日の"ましけ映画サークル6月例会"は、守〇企画の『最高の人生の見つけ方(原題The Bucket List)』(2007年/ロブ・ライナー監督/アメリカ)だった。
物語は、「個室がない病院で、たまたま病室が一緒になった大金持ちの実業家エドワード・コール(ジャック・ニコルソン)と自動車整備工カーター・チェンバーズ(モーガン・フリーマン)は、これまでの人生では何の接点もなかった。しかし、ほぼ同時に"余命6か月"と宣告された2人は、"棺おけリスト(The Bucket List)"に書いた内容を実行するため、世界中を飛び回る・・・」という内容。
以前、『死ぬまでにしたい10のこと』(2002年/イザベル・コヘット監督/スペイン・カナダ)という映画もあったが、主人公の性別や年齢が違うこともあって、内容はまったく違う。
この映画の宣伝のために来日したジャック・ニコルソンのインタビュー記事に「(前略)海外に行くといろいろな名前がつけられている。でも今、アメリカの政治家たちも"僕のBUCKET LISTはこれこれこうだよ"と公言してるくらいポピュラーなもの。黒澤明の"羅生門"もそのままで充分通用する言葉になっている。だから私は映画のタイトルを変えるのには反対なんだ」と書かれているが、邦題『最高の人生の見つけ方』も悪くはないんだけれど、『死ぬ前にしたい10のこと』という題名は超えられなかったような気がする。
しかし、切なさを感じなかった分だけ『最高の人生の見つけ方』のほうがほっとした気持ちになれた。
また、モーガン・フリーマンとその息子役の俳優の顔つきが、妙に似ていて「おやっ!?」と思ったのだが、なんと実の息子(アルフォンソ・フリーマン)とのことらしかった。
そりゃぁ似てて当然だ。
(^o^)