仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

摩天楼を夢みて

2016年09月29日 | ムービー
『摩天楼を夢みて(原題Glengarry Glen Ross)』(1992年/ジェームズ・フォーリー監督/アメリカ)を見た。
物語は、「ニューヨークに本社がある不動産会社ミッチ&マレーのシカゴ支社。成績優秀社員には優良願客情報が優先的に回され、成績不振の社員には、残り物の情報しか与えられなかった。トップセールスマンはリッキー・ローマ(アル・パチーノ)で、かつては成績優秀だった老セールスマンのシェリー・レーヴィン(ジャック・レモン)は今日も契約が取れない。ある雨の日のミーティングに、本社役員のブレイク(アレック・ボールドウィン)がやって来て、"今月トップの成績をあげた者の賞品はキャデラック、2位にはナイフセット、それ以外の者はクビにする。あと1週間だ"と突然の勧告をしたのだった。さらに、新しい優良顧客リストもトップのものだと聞いて、デイヴ・モス(エド・ハリス)とジョージ・アーロナウ(アラン・アーキン)、レーヴィンの3人は反発したが、会社の方針は変わらない。3人はセールスのために土砂降りの雨の街を歩き回るしかなかった。しかし、入院中の娘にかかる費用を捻出しなければならないレーヴィンはクビになることはできない。なんとか"優良ネタ"を手に入れるためにウィリアムソンを抱き込もうとしたのだが・・・」という内容。
いつの時代の物語なのか明確な表示はなかったのだが、ローマが随分と大きな携帯電話機を持っていたので、1980年代後半~1990年代前半頃の設定なのだろうと思った。
支社長のジョン・ウィリアムソン(ケヴィン・スペイシー)からもらえる情報は1日に2件と決まっているらしく、レーヴィン達は決して優良とは言えないその顧客情報を元にセールスをするしかなかったわけだが、さすがにトップセールスマンのローマともなると、会社の向かいにあるバーで酒を飲みながら、偶然居合わせた客ジェームズ・リンク(ジョナサン・プライス)にセールスを始める。
必ずミーティングに出席しろよと支社長から念を押されるモスらとはやはり気構えが違うようだ。
(^_^)
支社の事務室はとても殺伐とした薄暗い雰囲気で、外勤から戻ったばかりのレーヴィンはコーヒー1杯すら飲ませてもらえない。
「契約を取ってから飲め!!」とのキツイ一言だったが、営業職というのはやはりそういう厳しい世界なのだろう。
ただ、支社長のウィリアムソンはズボンのポケットに片手を突っ込んだままマグカップでコーヒーを飲んでいて、ほかの場面を見ていても、部下の信頼を得られているとは思えない上司だった。
そのような人間であったとしても、彼に頼み込まなければならない状況のレーヴィンはつらい。
ウィリアムソンを抱き込むために、レーヴィンの口からは次から次へとセールストークのような言葉が出てくるのだが、その意欲を本来の商売に使えよとも思うのだった。
(^。^)
なかなか厳しいビジネス社会の片隅で起きた、とある事件の顛末を描いた物語だったが、これはナカナカ面白い作品だった。

喜劇 昨日の敵は今日も敵

2016年09月27日 | ムービー
『喜劇 昨日の敵は今日も敵』(1971年/前田陽一監督)を見た。
物語は、「城南大学の応援団長・鍋山修(なべおさみ)は、軟弱な軽音楽部ハッスルズのヤスオ(田辺靖雄)らを毛嫌いしていたが、新入団員にと思った逆田正章(堺正章)がハッスルズに入ってしまい、ますます腹を立てていた。しばらく経って、丸田(小松政夫)、ひげ(朝倉宏二)ら応援団員全員は練習を兼ねたボーイのアルバイトのために箱根のホテルに出掛けたが、バンド演奏のアルバイトに来たハッスルズの面々と鉢合わせをして一悶着。さらに、湖畔でさゆり(范文雀)率いる西北大学空手部の女性達と揉めて長田巡査(いかりや長介)に取り調べされたり、鍋山にはさっぱり良いことがなかったのだが、大学のOBだという客の五十嵐伸介(平田昭彦)、佐藤栄(大泉滉)、池田隼夫と意気投合する。一方、逆田は彼らの連れのひとみ(紀比呂子)に夢中になってしまい・・・」という内容。
素性も分からないのに、五十嵐という男の(たぶん)見た目だけで大宴会の予約を受けてしまうホテルの藤山支配人(藤村有弘)。
翌日になって警察に相談したところで後の祭りだろう。
おそらく莫大な額になる宴会料金の回収などはできやしないはずだ。
「ここに泊まっているすべての人を招待する」だなんて、何かおかしいと思わないのかね。
(^_^;)
そして、大学の先輩だというだけですっかり五十嵐を信用してしまう鍋山。
"自称同窓生"というだけなのにマッタク困ったものなのだが、これは五十嵐という男を演じているのが、平田昭彦という俳優であることがミソだ。
きっと観客も、見ていて何故かうさん臭さを感じないことだろう。
俳優のイメージというのはそれだけで、作品の演出に(良くも悪くも)影響を与えるものなのだなぁと思った。
(^_^)

カオス・セオリー

2016年09月25日 | ムービー
『カオス・セオリー(原題Chaos Theory)』(2007年/マルコス・シーガ監督)を見た。
物語は、「プロの能率専門家としてセミナー講師をしているフランク・アレン(ライアン・レイノルズ)は、効率性を高めるため、1日の行動をリスト化し、それを忠実に実行しているという几帳面な人間だった。ある日の朝、出掛ける支度をしていると、妻のスーザン(エミリー・モーティマー)が時計を10分遅らせていたことが原因でフェリーに乗り遅れてしまう。次のフェリーは1時間後。時間管理に関するセミナーの講師を務める人間が遅刻するという大失態を犯してしまったフランクだが・・・」という内容。
冒頭はフランクの娘ジェシー(エリザベス・ハーノイス)の結婚式が挙げられるらしいホテルの場面。
逃げ出そうとする新郎のエド(マイク・アーウィン)に声を掛け、「新郎の逃亡を防ぐのが花嫁の父の伝統的な役目だ(確かそんな台詞)」と言うのが面白い。
(^_^)
几帳面なフランクに対して、大らかすぎる妻のスーザンは少し残念な人だった。
ほんのいたずら心から"時計を10分早めたつもり"が、実は10分遅らせていたというのだから困ったものだ。
家族が仕事の足を引っ張るだなんて、これは洒落にならない。
しかも、その後はどんどん負のスパイラルが働き、"カオス"な状況になって、やがてはブーメランとなって帰ってくる。
さらには、フランクとの共通の友人バディ・エンドロウ(スチュアート・タウンゼント)をも悩ませることになるし、誰より一番可哀想なのは、娘のジェシー(マトレヤ・フョードル/7歳役)だろう。
真実を知らないままに一連の事件の渦中に存在していた彼女は、最愛の人に"あれ"だなんて呼ばれてしまうのだから。
さて、『ハッピー・クリスマス(原題HAPPY CHRISTMAS)』(2014年/ジョー・スワンバーグ監督/アメリカ)もそうだったのだが、最近は"コメディ映画"と紹介されている作品が"実はコメディではない"ことが多い。
"コメディ"という言葉の意味が変わったのか!?とも思ってしまうほどだ。
まぁ何にしても、これは面白い作品だったのだけれど。

なみ喜の天ぷらそば

2016年09月23日 | 美味しんぼ
なみ喜 篠路店(札幌市北区)で"天ぷらそば"(確か1,350円)を食べた。
"板そば"というのがこの店の"ウリ"だそうで、そばはザルではなく、板というか箱&巻きすの上に盛られている。
元々は山形県でそのように食べられていたらしいが、何だか珍しい。
そばは十割そばで幾分太めの麺だった。
つゆはかなり濃い感じ。
天ぷらは人気の"鳥天"ではなく、"えび天&野菜"のほうにしたのだが、この天ぷらが絶品だった。
きっと使っている油が良いのだろう。
(^_^)
なかなかの人気店のようで、広い店内の席はほぼ埋まっていて、ランチタイムに訪れるサラリーマンの人達も多そうだった。
首にかけた鑑札をブラブラさせている人の姿が目立つ。
(^。^)

ピクセル

2016年09月21日 | 映画サークル
ましけ映画サークル9月例会は、小○企画『ピクセル(原題Pixels)』(2015年/クリス・コロンバス監督/アメリカ)だった。
物語は、「1982年。サム・ブレナー(アダム・サンドラー)は、幼馴染のウィル・クーパー(ケヴィン・ジェームズ)に誘われて出場したアーケードゲーム世界大会の決勝戦"ドンキーコング"で、"ファイアブラスター"と名乗るエディ・プラント(ピーター・ディンクレイジ)に敗れた。NASAはそれらのビデオゲームを収録した映像を、宇宙のどこかに存在するだろう地球外生命体に向けた衛星に乗せて発射した。友好を目的とした映像のつもりだったが、ビデオゲームを見た異星人が、それを地球からの"果たし状"だと誤解し、映像のゲームキャラクターを兵器として再現。2015年、地球に侵攻してきた。最初に攻撃されたアメリカ軍のグアム基地が見たこともない攻撃によって壊滅し・・・」という内容。
ゲームキャラクターを模している宇宙人の兵器は、あらゆる物質をサイコロ状のブロック(ピクセル)にバラバラに分解していくのだが、それはもちろん人間も例外ではない。
何もかもキラキラ光りながら分解されていくその様子はとても綺麗で、ゾンビが次々に撃たれていく作品とは大違いだ。
(^_^)
作品全編にわたってVFXが使用されているようで、何が実体で何がCGなのか判別ができないほどだったが、さすがにゲームキャラクターは、1980年代のゲームを感じさせるためか意識的に荒い映像で表現されていた。
ブレナー同様かつてのアーケードゲームオタクで、自称"ワンダーボーイ"、ラドロー・レイモンソフ(ジョシュ・ギャッド)はなかなか面白いキャラクターだった。
病的ともいえる陰謀論者のために周囲からは変人扱いされていたものの、誰よりも先に"ヴォルーラ星人"からの果たし状に気づき、"アーケーダーズ"の一員になる。
憧れの"ドージョークエスト"(架空のゲーム)のヒロイン、レディ・リサ(アシュレイ・ベンソン)に会えたし、この大事件に遭遇した人達の中で一番良い思いをしたのではないだろうか。
(^。^)
また、アメリカのファーストレディ、ジェーン・クーパーを演じたジェーン・クラコウスキーは『アリー my Love(原題Ally McBeal)』(1997~2002年)でエレイン・バッセル役だった女優さんだが、当時とあまり変わってないような気もして、何だか懐かしく思ったのだった。

RED / レッド

2016年09月19日 | ムービー
『RED/レッド(原題RED)』(2010年/ロベルト・シュヴェンケ監督/アメリカ)を見た。
物語は、「引退して一人穏やかに暮らしている元腕利きのCIAエージェント、フランク・モーゼズ(ブルース・ウィリス)。地下室で身体を鍛えるほかの楽しみは、送られてくる小切手を破り捨てては、年金係のサラ・ロス(メアリー=ルイーズ・パーカー)に軽くクレームを入れ、世間話をするくらいだった。一方のサラも日常に退屈していたことから、上司の目を気にしつつ会話を続けていた。ある夜、訓練された武装集団がモーゼズ宅を襲撃したが、彼はこれを撃破し、通話の盗聴記録から彼女にも危害が及ぶことを恐れ、サラの住むアパートへ向かったのだが・・・」という内容。
電話では良い感じで話していたかもしれないが、一度も会ったことがない相手が帰宅後の電気もつけない部屋の中に立っていたんじゃ、そりゃあ驚くし、その男を犯罪者だと思って対処するのは当然だ。
これはどうしたって変質者だ。
(^_^;)
だが、ゆっくりと事の次第が明らかになってくることで、物語はそれなりの方向へと進んでいく。
ただ、それが良い方向なのか悪い方向なのかの判断は、「まだ生きている」ということでしか判断できないのが、まるで戦争のようでもある。
スパイ戦だ。
モーゼズのかつての上司ジョー・マシスン(モーガン・フリーマン)は老人介護施設で穏やかに暮らしていたようだが、元同僚のマーヴィン・ボッグス(ジョン・マルコヴィッチ)は、武装して四六時中ギラギラして暮らしていた。
彼は少し変人のようにも描かれてはいたが、国家機密に触れたり、諜報活動に携わった人達というのは、心の底からは安心して暮らせないものなのらしい。
そうなると、モーゼズのように体を鍛え続けたり、ボッグスのように武装して要塞のような家で生活し続けなければいけないわけだが、現役のCIAエージェント、ウィリアム・クーパー(カール・アーバン)も、自分の家族に危害が及ぶことを最も恐れていた。
国家権力の僕として働くのは、割のいいことではないようだ。
ちなみに"RED"とは、引退した超危険な年金生活者とのことらしいが、確かに彼らは超危険だ。
(^_^)

影狩り

2016年09月17日 | ムービー
『影狩り』(1972年/舛田利雄監督)を見た。
物語は、「江戸時代の中期。老中の田沼意次(丹波哲郎)は、日本各地に潜ませている"影"こと公儀隠密を使い、各藩の小さな落ち度さえも見逃さず報告させていたが、但馬国出石藩(現兵庫県北部)が金鉱山の開発に成功したとの情報を得た。難癖をつけて出石(いずし)藩を取り潰しに追い込み、領地を取り上げようと企んだ田沼だったが、出石藩はかつての大阪の戦での功績により外様ながら譜代の扱いとなっており、さらに出石藩家老・牧野図書(辰巳柳太郎)の元には、かつて東照神君・徳川家康公より下された"永代本領安堵のお墨付き"が存在することが分かって、どうにもできずにいたのだった。一方、家老・牧野は、藩内に潜んでいる"影"に対抗すべく、"影狩り"と呼ばれる殺し屋・室戸十兵衛(石原裕次郎)、日光(内田良平)、月光(成田三樹夫)の3人を雇い、幕府に対抗しようとしたのだが・・・」という内容。
胆馬国出石藩は5万8000石の貧乏藩なのだそうで、老中・田沼と公儀隠密の頭領・陣馬仙十郎(草薙幸二郎)は「藩士といえどもひえやあわを食している」などと馬鹿にして笑っていた。
そのような貧乏な小藩から折角開発した金山を取り上げようなどと企むとは何て酷い奴らだ。
地方の小藩が自衛手段として"影狩り"を雇うのは必死の自衛手段だったのかもしれない。
また、影狩りの3人にしても、藩を幕府によって取り潰されたか、脱藩せざるを得ない状況に追い込まれ、流浪の身となってしまった怒りと怨念を晴らすことができるわけだから、双方の利益がぴったりと合ったわけだ。
おまけに十兵衛などは元許嫁の千登世(浅丘ルリ子)からも命を狙われてしまうのだから踏んだり蹴ったりだ。
(^_^;)
それにしても、主役の石原裕次郎の顔が汚かった。
真っ黒だ。
眉を描いたり、影を描いたり、あそこまでのメイクは必要なのだろうか。
どうにも不自然に見えた。
(^。^)

福よしのたこザンギ

2016年09月15日 | 美味しんぼ
和歌山から遊びに来た友人と"福よし"(増毛町永寿町2丁目)に出掛けた。
温泉で汗を流した後だったので、1杯目は生ビールのジョッキをぐぃーっと空け、2杯目からは國稀を。
(^_^)
ホヤ、ラーメンサラダ、ポテトフライ、たこザンギ、しめ鯖の押し寿司などをつまみながら、5年ぶりの再会を祝ったのだった。
「ホヤって何!?」
「なんでザンギって言うんやったかなぁ。一度ね、調べたんや」
「この辺じゃバッテラって言わないんか」
彼は1年だけとはいえ北海道に住んでいたことがあるので、さすがに"ザンギ"のことは知っていた。
(^。^)

岩尾温泉あったま~る

2016年09月13日 | じもてぃーライフ
先日、友人が訪れた際に"岩尾温泉あったま~る"(増毛町岩尾)に出掛けた。
駐車場がガラガラだったことから、「ん!?定休日か!?」と焦ったのだが、玄関先に"営業中"の小さい札が掛かっていたのでホッとした。
この時点で実質"貸切"のような予感がしたのだが、入ってみるとどうやら先客がおられるようだった。
(^。^)
この日の昼間は快晴で、気温も25℃ほどと、9月ながらまだまだ夏を感じた暑い日。
しかし、夕方になってから雲がかかってきてしまい、お湯につかりながら夕陽&日没を眺めるという計画は達成することができなかったのだった。
残念!!
(^_^;)

巨神兵東京に現わる 劇場版

2016年09月11日 | 映画サークル
ましけ映画サークル8月例会(2016年8月30日)は忠○企画『ミイラ再生(原題The Mummy)』(1932年/カール・フロイント監督/アメリカ)と、仁左衛門企画『巨神兵東京に現わる 劇場版』(2012年/樋口真嗣監督)の2本立て。
この日は"かなり遅めの納涼企画"ということで、『妖怪大戦争』(1968年/黒田義之監督)を用意していたものの、仁左衛門側の機器の不調によりこれを断念し、急きょ忠○氏に助けを求めての内容になったのだが、台風10号の影響から、昼間は今年の最高気温31.8℃を記録したほどの残暑が厳しい日だったことを考えると、"かなり遅めの納涼企画"として充分なお膳立てがあっただけに機器の不調はとても残念に思えた。
(-_-;)
さて、『巨神兵東京に現わる 劇場版』は、『風の谷のナウシカ』(1984年/宮崎駿監督)の冒頭シーンに登場した、"火の七日間"で世界を焼き払ったという巨大人工生命体・"巨神兵"を描いた作品で、「東京で1人暮らしをしている"私"(林原めぐみ/声)の所に、弟がやってきて、"明日、この街は滅ぶ"と警告した。すると翌日に謎の巨大人型兵器(!?)が現れ、街を焼き払っていくのだった」という内容。
(確か)最終戦争から1000年後の世界を描いたのが『風の谷のナウシカ』だったはずだが、その最終戦争のキッカケがこの"巨神兵"出現だったわけだ。
(^_^;)
この作品はほとんどCGを使用していない作品なのだそうで、部屋の中から窓越しに外が見える場面、ビルの屋上にいる人などは全部ミニチュア。
いわゆる日本の特撮だ。
これがなかなかの臨場感が感じられる構図になっていたし、目の前の危機に遭遇しても巨神兵をケータイで写し続ける市民の姿が、いかにもあり得そうな感じで面白かった。
(^_^)

ミイラ再生

2016年09月09日 | 映画サークル
ましけ映画サークル8月例会は忠○企画『ミイラ再生(原題The Mummy)』(1932年/カール・フロイント監督/アメリカ)と、仁左衛門企画『巨神兵東京に現わる 劇場版(2012年/樋口真嗣監督)の2本立て。
(^_^)
『ミイラ再生』は、「1921年のエジプト。大英博物館の調査団が掘り当てたのは、内臓が取り除かれることなく生き埋めにされたらしいミイラと、王の名により封印された箱。開封すると呪いがかかるので埋め戻すべきというミュラー博士(エドワード・ヴァン・スローン)の主張を聞き入れず、考古学者のジョセフ・ウィンプル卿(アーサー・バイロン)の助手ラルフ・ノートン(ブラムウェル・フレッチャー)は、開封するばかりか、出てきた"トトの書"を読み上げながら書き写してしまう。死者を蘇らせる呪文で生き返ってしまったミイラ・イムホテップ(ボリス・カーロフ)は、狂ったように笑い続けるノートンを残し、いずこかへと消え去ってしまった。そして、その10年後に・・・」という物語。
欲に目がくらんでしまうと"呪い"というような曖昧なものには恐れを感じなくなってしまうのだろう。
「戻ったら開けよう」と言ったウィンプル卿を待つことなく、1人で勝手に蓋を開けてしまった助手のノートンは、興奮してしまって、どうにも欲望を抑えきれなかったようだが、そのおかげで助かったのはウィンプル卿だ。
笑いながら死んでしまうだなんて何とも恐ろしい最期を迎えなくて済んだのだから。
(^_^;)
ただ、消え去ったそのミイラは10年後に人間の姿になって再び目の前に現れる。
そこから、息子のフランク・ウィンプル(デヴィッド・マナーズ)やヘレン(ジタ・ヨハン)が巻き込まれていくことになるのだが、包帯でぐるぐる巻きのミイラ男が呪いを実行していく物語なのかと思いきや、ミイラが登場したのは最初の場面だけで、あとはずっと人間の姿。
しかも、ミイラの目的は"呪い"を実行することではなく、あくまでも3700年前の自分の思いを遂げることだった。
想像していた展開とは少し違ったのだけれど、これをリメイクしたのが『ハムナプトラ/失われた砂漠の都(原題The Mummy)』(1999年/スティーブン・ソマーズ監督/アメリカ)なのだそうで、確かにそんな内容だった気もするし、何より原題が同じだ。
(^。^)
ようやくトーキー映画が作られるようになった頃だという随分と昔の作品だったけれど、物語的には現代でも充分通用する内容だと思った。

ラン・ローラ・ラン

2016年09月07日 | ムービー
『ラン・ローラ・ラン(原題Lola rennt)』(1998年/トム・ティクヴァ監督/ドイツ)を見た。
物語は、「ローラ(フランカ・ポテンテ)に恋人マニ(モーリッツ・ブライプトロイ)から電話がかかってきた。とても興奮していて話の要領を得なかったが、どうやら、"ローラが待ち合わせの時間に来なかったので電車に乗ったんだけど、その電車にボスに渡すはずの大金を置き忘れてしまった。このままではボスに殺される。20分以内に10万マルクを用意してくれ。それができなければ目の前にあるスーパーマーケットで強盗を働く"とのことらしかった。驚くローラ。約束の時間に待ち合わせ場所まで行けなかったのはバイクを盗まれたからなのだが、今はそうは言ってられない。何とかしてもらうために、アパートを飛び出し、父(ヘルベルト・クナウプ)の職場である銀行までベルリンの街を走り始めた。とにかく走った」という内容。
電車の中にお金を置き忘れたのはマニであり、誰かに責任を押し付けるなど出来ないことなのだが、電話での口ぶりではそうは考えていないようだった。
ローラが約束の時間に来なかったからだと責めるのだが、それはお門違いだ。
そんな責任転嫁をするような話と、マニの半開きで締まりのない口元とを見ていると、だんだん腹が立ってくる。
(^。^)
現在のドイツはEU加盟国であり、通貨も"ユーロ"だから、"マルク"だなんて随分と昔の話であるのだが、調べてみると、1999年1月1日のユーロ導入時には"1ユーロは1.95583マルクと等価"とされたらしく、1ユーロを114.19円とすれば、約580万円ということになるか。
そんな大金を電車に置き忘れてしまっては、確かに興奮してしまって上手く状況を伝えられないかもしれない。
とはいえ、置き忘れたブラックマネーなどに同情する気持ちなど湧いてこないし、マニのことなど突き放して見てしまうのだった。
(^_^;)
そのあとの展開は不思議だ。
まるでテレビゲームのごとく話がリセットされ、それまでの展開は関係なしに再び似たような物語が進んでいくのだが、パラレルワールドということでもないらしい。
何故か時間が巻き戻されのだ。
まるでショートムービーのような脈絡のないハイテンションさが全編を通して感じられて、ナカナカ面白い展開だった。
(^_^)

マジンガーZ 対 暗黒大将軍

2016年09月05日 | ムービー
『マジンガーZ対暗黒大将軍』(1974年/西沢信孝監督)を見た。
物語は、「海水浴に来ていたボス(大竹宏/声)、ヌケ(富田耕生/声)、ムチャ(田の中勇/声)の3人は、突然の嵐に見舞わる。雷鳴が響く中、"この世の終わりを告げる者"(大塚周夫/声)と名乗る謎の男が現れ、世界の終焉を予言した。ドクターヘルの機械獣軍団を打ち破り平和を享受していた兜甲児(石丸博也/声)、弓さやか(江川菜子/声)はボスの話に耳を貸さなかったが、巨大な戦闘獣軍団がニューヨーク、パリ、ロンドン、モスクワを壊滅的に破壊したとのニュース速報を聞き、東京を守るべくマジンガーZを緊急出動させた。東京上空に出現したミケーネ帝国・暗黒大将軍(小林清志/声)が送り出した戦闘獣の攻撃力はそれまでのドクターヘルの機械獣を遥かに凌駕する強さで、東京は大炎上。マジンガーZもかつてない大きなダメージを受けてしまったのだった」という内容。
これは1972(昭和47)年12月から1974(昭和49)年9月まで全92話がテレビ放送されたアニメ『マジンガーZ』の映画版長編第2弾。
本年・2016(平成28)年はこれを制作した【4816東映アニメーション】が創立60周年なのだそうだが、CSテレビ放送のアニメ専門チャンネル・アニマックスで特別番組が編成され、その中で本作品が取り上げられていた。
今でこそ珍しくなくなったテレビアニメの長編オリジナル映画作品の先駆けとなったのがこの作品や『マジンガーZ対デビルマン』(1973年/勝間田具治監督)ではなかったかと思うので、同社の60年の企業活動の中で収益的にも、その後の企画方針にも随分と貢献した作品という意味合いから記念碑的な取り扱いになったのではないか等と想像した。
面白かったのは、テーマ曲が流れる際の背景が、同作品のファンであろう子供達が描いたらしい絵が使われていたこと。
クレヨンや絵の具で描かれたそれら沢山の絵からも、当時の人気のほどを伺えるような気がしたのだった。
(^_^)

海のふた

2016年09月01日 | ムービー
『海のふた』(2015年/豊島圭介監督)を見た。
物語は、「東京で舞台美術の仕事をしていたまり(菊池亜希子)は、故郷・西伊豆の小さな町に帰ってきた。船を降りて早々、幼馴染の酒屋のオサム(小林ユウキチ)と再会し、"ここでかき氷屋をして生きていく"と宣言する。空家を借受け、連日開店準備を進めていると、母(天衣織女)の友人の娘はじめ(三根梓)が滞在するので面倒をみてくれるようにと頼まれる。会ったこともない子の面倒を見させられることに不満なまりだったが・・・」という内容。
自分が気に入ったものしか提供したくないというかき氷の店"なぎ堂"のメニューは、糖みつ(500円)、みかん水(500円)、エスプレッソコーヒー(500円)のみとあって、せっかく来たお客さんの女の子は「赤いのください」、「緑のください」と注文するものの自分が食べたいものがないことから泣き出してしまうし、オサムからは「メニューが少ない」、「値段が高い」、「こんな田舎でエスプレッソ飲む人なんていないよ」、「冬どうすんだよ」とダメ出しの連続。
母には「赤いのが食べたいならファミレスにでも行きなさい」(確かそんな感じ)と言う始末。
これじゃ、"お遊びの営業"と見られても仕方がないところだろう。
「さぁ地元企業に貢献!!」と、通りかかった知り合いを店に呼び込んでくれたオサムは、長年そこに住み続け、親の酒屋で仕事を頑張ってきたという自負を持っているのだろうと思える人物で、何かと「昔のこの町はこうじゃなかった。どうしてこうなっちゃったんだろう」と口にするまりに多少反感を持っている様子が伺えたが、そういう気持ちは何となく分かるような気がした。
飛び込みでやってきた営業マン(吉岡睦夫)が持ち出した"フランチャイズ化"のエピソードや、オサムの店のエピソード、ぬいぐるみのエピソード等を合わせて考えた時、『海のふた』の"海"というのは、長い間に出来上がった旧来の営業の仕方や、ビジネスそのもの、マネーの流れを指しているのではないかと考えるに至ったのだった。
また、「これ食べなさい」、「これも食べなさい」と何度もごちそうを勧めてくる父(鈴木慶一)や、「この辺がいいんじゃない」と持ってきたお祝いの品の置く場所まで決めてしまおうとする大家のおばさん等、小さなコミュニティで生活している人達への"嬉しいんだけどちょっとウザいよ"的な描写は、おそらく原作(『海のふた』よしもとばなな著/2004年)の著者の実体験によるものなのだろうとも思ってみたりした。
まぁ、何となく分からないでもない。
(^_^;)