仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

マラヴィータ

2018年09月06日 | ムービー
『マラヴィータ(原題The Family/アメリカ、Malavita/フランス)』(2013年/リュック・ベッソン監督/アメリカ・フランス)を見た。
物語は、「フランスのノルマンディー地方にある小さな田舎町に、深夜、アメリカ人家族4人が引っ越してきた。到着早々クルマのトランクから死体を取り出し、庭に掘った穴に埋めたのは父親フレッド・ブレイク(ロバート・デ・ニーロ)。翌朝、スーパーマーケットに買い出しに出掛けた母親マギー(ミシェル・ファイファー)は、アメリカ人は味覚も教養もないなどと馬鹿にされた腹いせに店を爆破。姉のベル(ディアナ・アグロン)は、身体に触ってきた男子生徒をボコボコにし、弟ウォレン(ジョン・デレオ)は学校内の裏社会を取り仕切るようになる。実は彼等はアメリカFBIの証人保護プログラムにより守られている家族で、世界中の隠れ家を転々としているのだった。そんな彼等を狙っているのが、ニューヨークのアッティカ刑務所に収監されているドン・ルケーゼ(スタン・カープ)。彼は刑務所の中から部下に指示を出し・・・」という内容。
フレッドというのは偽名で、彼の正体はブルックリンを拠点としていた元マフィアのジョヴァンニ・マンゾーニ。
今はロバート・スタンスフィールドFBI捜査官(トミー・リー・ジョーンズ)の監視下にあるが、「目立たず地域に溶け込むように」と言われても、すぐにトラブルを起こしてしまい、数ヶ月で隠れ家を転々としているらしかった。
少しばかりの関わりを持ったがため、短気なフレッドに怪我をさせられたり殺されてしまうのも可哀想だが、まったくの無関係なのに、フレッドと間違われて殺されてしまう一般人が一番可哀想だ。
町の上映会で『グッド・フェローズ(原題Goodfellas)』(1990年/マーティン・スコセッシ監督/アメリカ)が上映されるが、それはロバート・デ・ニーロも出演していたマフィアを扱った映画。
そこのエピソードも妙に面白かった。
(^_^)

ウルフ・オブ・ウォールストリート

2017年06月18日 | ムービー
『ウルフ・オブ・ウォールストリート(原題The Wolf of Wall Street)』(2013年/マーティン・スコセッシ監督/アメリカ)を見た。
物語は、「ニューヨーク。クイーンズ地区のアパートで、会計士の父マックス(ロブ・ライナー)、母リー(クリスティーン・エバーソール)の元、ごく普通に育ったジョーダン・ベルフォート(レオナルド・ディカプリオ)は、22歳の時に美容師のテレサ・ペトリロ(クリスティン・ミリオティ)と結婚した。株取引の資格取得のため、1899年創業の老舗証券会社ストラットン・オークモント社で働き始めたジョーダンだったが、半年間の研修を終え、ブローカーとして出社した初日・1987年10月19日、1929年以来の株価大暴落だというブラックマンデーに遭遇。会社は倒産してしまった。テレサの助言で、新聞広告で見つけたペニー株を扱う証券会社・投資センターで働くことにした彼は、最初の売り込み電話で1株が数セントだという銘柄ながら、多くの契約をものにして手数料50%(2,000ドル)を手にするなど、周囲の社員から凄腕と驚かれるほどの成績を残す。その後、26歳の時に休業中のフランクオート社のガレージを借りて、ドニー・アゾフ(ジョナ・ヒル)と共にストラットン・オークモント証券会社を設立し・・・」という内容。
休業中の会社のガレージを借り受けたジョーダンは、まず地元で営業経験者を募集したのだが、集まってきたのは、5年かかって高校を卒業したというロビー・ファインバーグ(ブライアン・サッカ)、タイヤとマリファナを扱っていたというチェスター・ミン(ケネス・チョイ)、ドラッグの売人ブラッド・ボブニック(ジョン・バーンサル)らで、唯一、ロースクールを出ているというニッキー・コスコフ(P・J・バーン)だけがまともに話が通じる感じの人間だった。
(^_^;)
ジョーダンも彼らにはほとんど期待していなかったのだが、ここでまた「どうして真面目に働いているその辺の人達に損をさせるの?損しても平気な金持ちだけを相手にすればどうなの?」(確かそんな台詞)という妻テレサの助言で「彼らがバカに見えなければ?自分が彼らにセールスの仕方を教えてやれば?」と考え方を変え、「全米1%の金持ちだけを相手にする」と会社改革を始める。
ジョーダンにとって妻テレサは何にも代えがたい良きパートナーだったのだが、ドラッグに溺れた彼は、モデルのナオミ・ベルフォート(マーゴット・ロビー)にすっかり入れ込み、2人は離婚に至ってしまった。
"灯台下暗し"とは言うが、本当に大事なものというのは、やはり本人には見えないものなのだろうかと、自分のことを含め、そう考えてしまう。
(-_-;)
これは事実を基にした物語だそうで、回想録『ウォール街狂乱日記 "狼"と呼ばれた私のヤバすぎる人生』(ジョーダン・ベルフォート著)を原作としているらしいのだが、人間の欲望というのは本当に際限がない。
一度は引退を決意したものの、自分の退任あいさつ時の演説に酔ってしまって(?)、証券取引監視委員会との約束を反故にし、FBI捜査官パトリック・デナム(カイル・チャンドラー)に仕事を与えてしまうことになる。
確かにキミー(ステファニー・カーツバ)のエピソードは切なかったのだが、あれはその後の運命を決める大きな交差点だった。
また、先輩証券マンのマーク・ハンナ(マシュー・マコノヒー)も実在の人物だそうだが、彼そのものがその業界で生きる人達の危うさを代表しているように見えた。
面白いというよりも、これが実話を基にしているという事実に驚かされた強烈な作品だった。

カジノ

2017年06月12日 | ムービー
『カジノ(原題Casino)』(1995年/マーティン・スコセッシ監督/アメリカ)を見た。
物語は、「アメリカ国内で唯一、ギャンブルが合法な街だったラスベガスの1970年代前半は、ギャングに支配されていた。"エース"と呼ばれるサム・ロススティーン(ロバート・デ・ニーロ)はプロのギャンブラー。シカゴでノミ屋をしていたが、カンザスシティのギャングのボス達に請われて、ラスベガスで1番のカジノである"タンジール"を任されることになった。エースにとってギャンブルは仕事。ツキは一切信じず、情報を収集して理論的に賭けを行う。彼の助言に従えば確実に儲かることを知ったギャングのボス達の信用は厚く、彼の運営手腕によってカジノの収益は倍増する勢いだったのだが・・・」という内容。
これは、『カジノ』(ニコラス・ピレッジ著)という同名小説が原作であり、事実に基づいて構成された物語だという。
それだけに、サムの「この商売の秘訣は客に賭けを続けさせること。賭ければ賭けるほど、客は損して店は儲かる」と言い切る。
ケイマン諸島のカジノを一軒破産させたという日本人ギャンブラーK・K・イチカワ(松久信幸)は、無料の部屋と無料の自家用ジェット機をあてがわれる上客のようだったが、帰路、計器の故障だと嘘をつかれてラスベガスに引き戻されて、ホテルに連泊。
結局、儲けを全部スッて100万ドルを吐き出した。
この日本人にもしっかりモデルがいるのだそうだが、胴元が損をしないようにできているとはいえ、"勝たせない"という姿勢が徹底している。
(^_^;)
大出世のエースだったものの、ケチのつき始めは、幼馴染みの悪党ニコラス・サントロ(ニッキー/ジョー・ペシ)がラスベガスにやって来たことと、"カジノの女王"だというジンジャー・マッケンナ(シャロン・ストーン)に結婚を申し込んでしまったこと。
自分を愛してもいない金の亡者との結婚というのは、どう考えても勝てない"賭け"だ。
現在のラスベガスからはギャングが排除されている(?)のだろうが、どんな業界でも、黎明期にはまず怪しい奴等が利権を握ってしまうものなのだろう。
これは、なかなかに興味深い作品だった。

グッドフェローズ

2010年11月03日 | ムービー
『グッドフェローズ(原題Goodfellas)』(1990年/マーティン・スコセッシ監督/アメリカ)を見た。
物語は、「子供の頃からマフィアの世界に憧れ、ブルックリンのボスであるシセロ(ポール・ソルビノ)の組織で使い走りを始めたヘンリー・ヒル(レイ・リオッタ)は、やがて本物のマフィアとして犯罪に手を染めるようになる。カレン(ロレイン・ブラッコ)との結婚後も、仲間のジミー・コンウェイ(ロバート・デ・ニーロ)、トミー・デビート(ジョー・ペシ)と共に強奪を繰り返し、1978年、遂にケネディ空港で犯罪史上空前の600万ドル強奪事件を成功させるが、当然、威信をかけたFBIの捜査が始まって・・・」という内容。
これと同じくアメリカのマフィアを取り上げた映画『ゴッドファーザー』(1972年/フランシス・フォード・コッポラ監督/アメリカ)が幹部達の世界を描いた物語だったのに対して、これは下っ端達の物語。
幹部になる絶対条件の一つは「イタリア人であること」らしく、下っ端はいつまで経っても下っ端のようだ。
原作は実話を元にしているとのことなので、おそらくそれも本当の話なのだろう。
何としても立場は変えようがないので、自分達で悪事を企画してボスの了解を得た後、仲間を集めて実行し、上前は撥ねられるが身の安全は図れるという構図になっているのか。
しかし、仲間内での裏切りが激しいことから、どうやっても安全ではない。
まったく凄い世界だ。