仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

推理作家ポー 最期の5日間

2014年02月04日 | 映画サークル
ましけ映画サークル1月例会(2014年1月21日)は、守○企画『推理作家ポー 最期の5日間(原題The Raven)』(2012年/ジェームズ・マクティーグ監督/アメリカ)だった。
物語は、「1849年のアメリカ合衆国ボルチモア。緊急通報を受けて駆けつけたエメット・フィールズ警視(ルーク・エヴァンズ)がその部屋で見たものは、密室殺人の現場だった。彼はこの事件について、死体の様子や仕掛けられた巧妙なトリックから、小説家エドガー・アラン・ポー(ジョン・キューザック)の作品『モルグ街の殺人』を模倣したものであると判断し、ポーを警察署に連行する。しかし、その後もポーの小説にそっくりな猟奇殺人事件が連続して発生し・・・」という内容。
エドガー・アラン・ポー(1809年~1849年)は19世紀の世界に実在した作家だが、彼が著した小説『モルグ街の殺人』(1841年)は史上初の推理小説ともいわれているそうで、その作品の構成や登場人物像等は現在の推理物語に大きな影響を与えているとの評価もあるようだ。
この映画はポーの伝記を扱おうとしたものではないものの、その人物像や彼の作風をなぞって作られている作品で、それはまだ電球発明以前の古い時代での物語であることから、描かれている闇の世界やその中でうごめく得体の知れないものが随分とおどろおどろしく見えてくる。
吸血鬼や狼男が登場する物語もそれはそれで恐ろしいのだが、人間の狂気というものは多分どんな時代、どんな世代にも通用する恐怖なのかもしれないと、この2時間ほどの物語を見て思ったのだった。
蛇足であるが、日本の推理小説作家・江戸川乱歩(えどがわらんぽ/1894年~1965年/本名:平井太郎)は、エドガー・アラン・ポーをもじったペンネームだという。
熱狂的なファンであったとしても、その程度のお遊びで満足してほしいものである。
(^_^)