仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

ブルー・ジャスミン

2018年12月02日 | ムービー
『ブルー・ジャスミン(原題Blue Jasmine)』(2013年/ウディ・アレン監督/アメリカ)を見た。
物語は、「ニューヨーク住まいだったジャネット・フランシス(ジャスミン/ケイト・ブランシェット)がサンフランシスコにやって来た。ハーバード大学のクラスで一番というのが自慢だった養子のダニー(オールデン・エアエンライク)、実業家のように振る舞っているが実は詐欺師だった夫ハル(アレック・ボールドウィン)とのセレブな生活が破綻して無一文となり、妹ジンジャー(サリー・ホーキンス)を頼ってきたのだ。妹と一緒に暮らすつもりだったチリ(ボビー・カナヴェイル)とは気が合わず、インテリアコーディネーターの資格取得のために通ったパソコン教室の勉強もなかなか捗らないジャスミンは・・・」という内容。
妹のジンジャーは、当時の夫オーギー(アンドリュー・ダイス・クレイ)が起業資金にと考えていた20万ドルの宝くじ当選金をハルに騙し盗られたことが原因で離婚し、今はスーパーマーケットで働きながら二人の男の子を育てている。
二人とも養子だったので血は繋がっていないし、かつては前夫と共に邪険にされていた妹だったが、彼氏との新生活を延期してまでも姉を助けようというのだから、とても優しい人だ。
ジャスミンは、ADD(注意欠陥障害)を患っているとのことで、時々、宙を見つめたり、過去を思い起こして独り言を言う様子がなかなかに怖い。
(^_^;)
何度も回想シーンが出てくるが、高級ブランドの服を綺麗に着こなすニューヨーカーのジンジャーやスーツ姿のハルと、サンフランシスコから観光に来たジャンパー姿のオーギーとの対比が妙に面白く感じられた。
利回り20%の投資話だと聞かされ、それに乗ってしまうだなんて、あり得ないと思うのだが、豪華な暮らしや、着飾った姿形にすっかり騙されてしまったのは、詐欺師の思うつぼだったわけだ。

レッド・オクトーバーを追え!

2017年06月10日 | ムービー
『レッド・オクトーバーを追え!(原題The Hunt for Red October)』(1980年/ジョン・マクティアナン監督)を見た。
物語は、「冷戦時代のソ連。ムルマンスク港を1隻の原子力潜水艦が出港した。CIAのジャック・ライアン分析官(アレック・ボールドウィン)が得た情報では、その艦はタイフーン級の改良型で全長200m、潜水時の排水量は3万2,000t。第2次世界大戦時の空母に匹敵する大きさだという。艦長はヴィルニアス・ナスタブニック(厳しい校長先生)というあだ名がつけられている、マルコ・ラミウス大佐(ショーン・コネリー)。過去10年間、最新の潜水艦を次々に指揮しているのだという。さらに、アメリカ海軍のジェームズ・グリーア提督(ジェームズ・アール・ジョーンズ)が入手した潜水艦の写真に写されていたのは・・・」という内容。
このソ連の大型潜水艦と対決することになるのは、バート・マンキューソ中佐(スコット・グレン)が艦長を務めるロサンゼルス級攻撃型原子力潜水艦ダラス。
全長110.3m、排水量6,900tは、レッド・オクトーバーと比較すると随分と小さいのだが、音響特徴分析システムSAPSを担当するソナー士ロナルド・ジョーンズ伍長(コートニー・B・ヴァンス)の能力の高さは一級品だ。
かすかな音も聞き逃さない彼は、ソナーでも探知できないという音を聞き分けてしまうのだから。
(^_^)
ラミウス大佐くらいに出世すると、副長のヴァシリー・ボロディン中佐(サム・ニール)以下、"腹心の部下"といえるメンバーを艦内に配置できるようで、政治士官イワン・プーチン(ピーター・ファース)と軍医ペトロフ(ティム・カリー)の2人以外は、すべて大佐に従う士官らしかったが、(誰かは不明なものの)下士官の中にも政治局員が潜んでいるというのが怖い。
味方の中に敵が紛れているようなものだ。
「プライバシーなど我が国ではとるに足らぬこと。大衆の利益に反するものです」というプーチン政治士官の台詞があったが、社会主義の政治体制というのは、やはり、恐怖が人々を支配する世界だったようで、なるほど21世紀の現代社会においても(例えば)北朝鮮からの亡命者があとを絶たないというわけだ。

ポリー my love

2017年05月08日 | ムービー
『ポリー my love(原題Along Came Polly)』(2004年/ジョン・ハンバーグ監督/アメリカ)を見た。
物語は、「保険会社インダースキー&サンズ事務所でリスク査定アナリストとして働くルーベン・フェファー(ベン・スティラー)は、親友サンディ・ライル(フィリップ・シーモア・ホフマン)や、上司のスタン・インダスキー(アレック・ボールドウィン)ら大勢の人達に祝福されながら、リサ・クラマー(デブラ・メッシング)と結婚式を挙げた。しかし、新婚旅行先サン・バルテルミー島のビーチで、リサがスキューバダイビングのインストラクター、クロード(ハンク・アザリア)と浮気をし、そのまま現地に残ってしまった。一人帰宅したルーベンは、サンディに誘われて参加したパーティーで、中学時代の同級生ポリー・プリンス(ジェニファー・アニストン)と再会し・・・」という内容。
極度の潔癖症で慎重な性格であるルーベンとポリーは正反対の性格で、ポリーは働いているパーティー会場で、客の白ワインのグラスに平気で赤ワインを注ぐような人だ。
(^_^)
ただ、そのパーティーも「何のパーティー?」と聞いたルーベンに、サンディは「オランダ人芸術家の個展だよ。駄作だけど、いいヤクの売人だ」と答える。
何だかほとんど無茶苦茶だ。
(^_^;)
ルーベンは仕事柄、何事に対しても常に"risks"と"rewards"を考えているようで、ポリーとリサに対してもそれは同じだった。
字幕は、"risks"を"リスク"と翻訳していたが、"rewards"は"プラス"とされていた。
まぁ、あまり聞きなれない言葉だから、日本人にはプラスのほうが分かりやすいのかもしれない。
ごくごく平凡なルーベンを際立たせるためか、彼の周囲には随分と個性的な人たちが集まってきていたが、そのおかげでとても面白い物語になっていたのだろうと思った。
邦題の『ポリー my love』は、いかにもテレビドラマ『アリー my Love(原題Ally McBeal)』(1997年~2002年/アメリカ)を思わせるのだが、ジョン・ケイジを演じたピーター・マクニコルと、本作品でルーベンを演じたベン・スティラーの雰囲気が何となく似ていることから連想してつけられたのだろうか。
(^。^)

摩天楼を夢みて

2016年09月29日 | ムービー
『摩天楼を夢みて(原題Glengarry Glen Ross)』(1992年/ジェームズ・フォーリー監督/アメリカ)を見た。
物語は、「ニューヨークに本社がある不動産会社ミッチ&マレーのシカゴ支社。成績優秀社員には優良願客情報が優先的に回され、成績不振の社員には、残り物の情報しか与えられなかった。トップセールスマンはリッキー・ローマ(アル・パチーノ)で、かつては成績優秀だった老セールスマンのシェリー・レーヴィン(ジャック・レモン)は今日も契約が取れない。ある雨の日のミーティングに、本社役員のブレイク(アレック・ボールドウィン)がやって来て、"今月トップの成績をあげた者の賞品はキャデラック、2位にはナイフセット、それ以外の者はクビにする。あと1週間だ"と突然の勧告をしたのだった。さらに、新しい優良顧客リストもトップのものだと聞いて、デイヴ・モス(エド・ハリス)とジョージ・アーロナウ(アラン・アーキン)、レーヴィンの3人は反発したが、会社の方針は変わらない。3人はセールスのために土砂降りの雨の街を歩き回るしかなかった。しかし、入院中の娘にかかる費用を捻出しなければならないレーヴィンはクビになることはできない。なんとか"優良ネタ"を手に入れるためにウィリアムソンを抱き込もうとしたのだが・・・」という内容。
いつの時代の物語なのか明確な表示はなかったのだが、ローマが随分と大きな携帯電話機を持っていたので、1980年代後半~1990年代前半頃の設定なのだろうと思った。
支社長のジョン・ウィリアムソン(ケヴィン・スペイシー)からもらえる情報は1日に2件と決まっているらしく、レーヴィン達は決して優良とは言えないその顧客情報を元にセールスをするしかなかったわけだが、さすがにトップセールスマンのローマともなると、会社の向かいにあるバーで酒を飲みながら、偶然居合わせた客ジェームズ・リンク(ジョナサン・プライス)にセールスを始める。
必ずミーティングに出席しろよと支社長から念を押されるモスらとはやはり気構えが違うようだ。
(^_^)
支社の事務室はとても殺伐とした薄暗い雰囲気で、外勤から戻ったばかりのレーヴィンはコーヒー1杯すら飲ませてもらえない。
「契約を取ってから飲め!!」とのキツイ一言だったが、営業職というのはやはりそういう厳しい世界なのだろう。
ただ、支社長のウィリアムソンはズボンのポケットに片手を突っ込んだままマグカップでコーヒーを飲んでいて、ほかの場面を見ていても、部下の信頼を得られているとは思えない上司だった。
そのような人間であったとしても、彼に頼み込まなければならない状況のレーヴィンはつらい。
ウィリアムソンを抱き込むために、レーヴィンの口からは次から次へとセールストークのような言葉が出てくるのだが、その意欲を本来の商売に使えよとも思うのだった。
(^。^)
なかなか厳しいビジネス社会の片隅で起きた、とある事件の顛末を描いた物語だったが、これはナカナカ面白い作品だった。

ディック&ジェーン復讐は最高!

2010年06月17日 | ムービー
『ディック&ジェーン復讐は最高!(原題Fun with Dick and Jane)』(2005年/ディーン・パリソット監督/アメリカ)を見た。
物語は、「IT企業グローバーダイン社に勤めるエリートサラリーマンのディック・ハーバー(ジム・キャリー)は、遂に部長へと昇進した。それを機に妻のジェーン(ティア・レオーニ)は勤めていた旅行代理店を退職するのだが、粉飾決算を続けていたグローバーダイン社は最高経営責任者ジャック・マカリスター(アレック・ボールドウィン)が計画的に持ち株を売り抜けた直後に倒産してしまう。失業したディックは再就職もままならず・・・」という内容。
本筋に入るまでのフリが意外と長いのだが、それは我々の実生活を考えてみても実は同じようなことがあるかもしれない。
どうしようか迷う期間は長いものの、"何かが吹っ切れる瞬間"というのがあって、そこを超えてしまえばあとは早いのだ。
ディックにとってのその時は、何のことは無いスプリンクラーの散水を見た時で、それからはあっという間に2人で"新事業"にのめり込んでいく。
(^o^)
映画『ブルース・ブラザース』(1980年/ジョン・ランディス監督/アメリカ)のパロディーもあったりして、そこそこ面白い。

マーキュリー・ライジング

2008年07月16日 | ムービー
『マーキュリー・ライジング(原題Mercury Rising)』(1998年/ハロルド・ベッカー監督/アメリカ)を見た。
物語は、「自閉症を患っている9歳の少年サイモン(マイコ・ヒューズ)は、国家安全保障局の暗号システム"マーキュリー"を解読してしまった。それを知った開発グループのリーダー・クドロー中佐(アレック・ボールドウィン)は家族もろとも少年を抹殺してしまおうとするが、サイモンは難を逃れ、左遷されていたFBI捜査官アート・ジェフリーズ(ブルース・ウィリス)に助けられる。アートは、謎を解明しながらサイモンを助けようとするが・・・」という内容。
サイモンは病気のせいで周囲とのコミュニケーションが上手にとれないが、パズルを読み解く能力が秀でている。
何せ国家機密ともいうべき暗号を数秒間じーっと眺めただけで解いてしまうのだから凄い。
その能力の高さと病気からくる弱弱しさのギャップが何とも哀れに思えてしまい、見ている人は皆、彼を助けようと奔走するアートを「もっとワインを割っちまえ!!」と応援することになるだろう。
ブルース・ウィリスは観客を味方につける役柄が多くて、随分と得をしている俳優だ。
(^o^)
単純な構図だが、面白い物語だった。

ビートルジュース

2008年03月15日 | ムービー
『ビートルジュース(原題Beetlejuice)』(1988年/ティム・バートン監督/アメリカ)を見た。
「人の良い夫婦アダム(アレック・ボールドウィン)とバーバラ(ジーナ・デイヴィス)は自家用車運転中に犬を避けようとして事故を起こし、転落死してしまう。空家となった彼らの家にはチャールズ(ジェフリー・ジョーンズ)、デリア(キャサリン・オハラ)、リディア(ウィノナ・ライダー)の3人家族が引っ越してきたのだが、幽霊となった2人は自分達の静かな家を取り戻すために彼らを驚かせて追い出そうとする。しかし、なかなかうまくいかないので、ビートルジュース(マイケル・キートン)の力を借りて追い出そうと・・・」という話。
【アカデミー賞受賞作品】ということだったので期待したものの、どうしようもないB級映画。
受賞したのがメイクアップ賞だったと知って納得だ。
ギャグ映画という割には笑えるシーンがそれほど多くなくて、死にたいと願う人に対する「自殺した人間はあの世で公務員になっちまうんだぞ!」と戒める台詞があったくらい。
さすが起業家志向が強いアメリカの映画である。
親が子供の進路に公務員になることを勧める傾向が強い日本社会では、この台詞をどう言い換えたら良いだろうか。
(^o^)
あの世の世界に、充実した幽霊生活(?)を過ごすためのハンドブックや相談事務所が出てくるのだが、確かに窓口のお姉さんの手首には・・・。
(^_^;)