仏教を楽しむ

仏教ライフを考える西原祐治のブログです

大震災、子規の歌

2012年05月11日 | 日記
深夜便「明日へのことば」昨日今日(24.5.11)と「名残の花をめぐる幸せ」と題して俳人の黒田杏子さんでした。私には“モンペをはいて桜を見て歩いていた女性”と言われた方がちかしい感じがします。

震災後知ったと、正岡子規が当時(明治29年6月15日)の三陸沿岸の大津波の報を受けて詠んだ歌を紹介されていました。

丁度、Tさんから借りている『芽吹き「みんなの俳句」東日本大震災に寄せて』(NPO法人 双牛舎・編)が手元にあり、その本の中に「子規はいち早く大震災を詠んだ」と題して大澤水牛さんが、文と共に、「海嘯(かいしょう)」と題した子規の一連の歌を紹介されていました。孫引きですが一部をご紹介します。

ごぼごぼと海侑る音や五月闇

時鳥(ほととぎす)救へ救へと聲急なり

五月雨は人の涙と思ふべし

此頃は螢を見てもあはれなり

皐月寒し生き残りたるも涙にて

若葉して海神怒る何事ぞ



この時、子規は病床にあり、訪れる人から惨事を聴き、東北に想いを馳せたという。
ラジオ放送で、子規の歌に接した折、喜びでも悲しみでも惨事でも、その一片の永遠性を切り取り言葉にする。それが歌の世界だと思いました。これは絵画でも同じでしょう。
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