トラ・イアン・グルの部屋

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女王さまの夜食カフェ マカン・マランふたたび 古内一絵

2020-07-27 09:29:06 | 本 2020年
二十三時の夜食カフェの続編

ドラァグクイーンのシャールが
(男性が女性の姿で行うパフォーマンスの一種)
経営する夜食カフェ「マカン・マラン」

いろんな悩みを持つ人々が
吸い寄せられるように
集まってくる

そんな人たちに
シャールはその人に合った
料理でもてなす

一話目は派遣社員として
悩む女性
彼女に出された料理は
「蒸しケーキのトライフル」


二話目は
漫画家を目指していたのに
実家の旅館の跡取りである兄が急逝し
跡を継がなければならなくなった男性
竜田揚げ
鶏肉かと思いきや
大豆 ソイ・ミートだった

三話目は
発達障害かもしれない一人息子を
一生懸命育てる女性
彼女にはトルコライス

末尾に書かれていた
主要参考文献に発達障害の本がいくつか
発達障害にいいという食べ物は
こんな本を参考にしているんだ
魚を中心にした和食
たっぷりの野菜
鶏卵
レバー



最後の話は
前作から登場するシャールの同級生で
高校教師の柳田

高校生の娘と進路のことで対立している

食べ物は冬至に食べる七種(ななくさ)うどん
春ではなく
冬至に食べる
ニンジン・レンコン・ギンナン・カンテン
キンカン・ナンキン
そしてウドン
ウドンはウンドンといい
すべてンの字が二回入っている

ウドンはこじつけなんだろうか?

一陽来復
冬が終わって春が来ること

悪いことが続いた後に
幸運が開けること
冬至のことだそうな

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大統領の料理人

2020-07-23 16:52:15 | 映画 2020年
2013年の映画

フランス大統領官邸史上
唯一の女性料理人の実話をもとにしている

片田舎の小さなレストランを経営している
オルタンス

スカウトされて
やってきたのは
フランス大統領官邸の
プライベートキッチン

大統領からシンプルな家庭料理を
作ってほしいと言われたのに
これがシンプル?というものばかりに見える
(フランスの家庭料理がわからないが)
それがちっともおいしそうに見えないし
食べにくそう

南極の料理人もやっていたようなんだけど
場面が大統領官邸と南極
行ったり来たりして
ものすごくわかりにくい

テレビ放送だから
いろんな所カットされているんだろうか

南極では惜しまれて去るのに
官邸では辞任を喜ばれている

「同僚たちも彼女の料理の腕と情熱に刺激され」と
タイトル情報にはあったけど
官邸においてはそんなこともない

ものすごくがっかり

シェフであるオルタンスさん
料理するとき
なぜコックが着る白い服を
着ないのかも気になった


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水を縫う 寺地はるな

2020-07-22 14:32:46 | 本 2020年
「水を縫う」素敵なタイトル
それが何を意味しているのか

ラストのお楽しみ

登場する姉弟の名前
姉が水青と書いてみお
弟が清澄と書いてきよすみ

清澄 高校一年生

水青は塾の事務の仕事

かわいいのが嫌いで
通勤に着る服もグレーと紺のスーツしか着ない
それにも理由があった
小さい頃のトラウマ

両親は清澄が小さい頃に離婚

母親は自分の母である祖母に手伝ってもらい
市役所で働きながら
シングルマザーとして頑張ってきた

別れた夫は洋服のデザイン関係の仕事をしている

その父親の影響か
はたまた手仕事が得意な祖母の影響か
清澄は手芸が大好き

姉の水青が結婚することになり
かわいいウェディングドレスは着たくないと
言い出した時
清澄が希望のドレスを作ってあげると言い出す

清澄の友人である女子高校生が言った言葉
お金に結びつかなくても「好きなこと」
持っておきたいなと
この子は
石を拾って磨くことが大好き

ユニークな趣味
変わってるなんて言ってはいけない

清澄も男なのに手芸?
なんて言ってはいけない

人それぞれなのだから

そして74歳にして
水泳を始めた祖母が言った言葉
「今から始めたら八十歳には水泳歴六年になるやん
なにもせんかったら、ゼロ年のままやけど」
これも印象に残る

清澄たちの養育費を
父親の代わりに定期的に持ってきてくれる男性も登場

縫製の会社を経営していて
父親の上司

ずっと独身で
父親と子供たちのパイプ役

寺地さんの作品は三冊目
どれも
大きな事件が起こるわけではないけど
こういう人たちもいるのかも
こんな人生もあるのかもと
思わせてくれる

子供たちのやることに口やかましく
すぐに否定する母親

嫌な親だなあと思いつつ
自分はどうだったのか
この母親に近かったような・・・



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あやかし草紙 宮部みゆき

2020-07-14 15:40:56 | 本 2020年
三島屋変調百物語伍之続

江戸は神田にある袋物屋 三島屋

ここで行われる怪談語りの百物語

聞き手は主人・伊兵衛の姪で十九歳のおちか

開けずの間

離縁された女が置いてきた子供に会いたいと
塩断ちの願掛けをする

願いを叶えてあげようと
やってきたのは行き逢い神
願いを叶える代わりに大事なものを頂いていく
恐ろしい神

家の者が次々に犠牲になる

物語の中ではこの話が一番ゾッとした

結局一番の罪は女を離縁した嫁ぎ先では?

だんまり姫

この話の語りは「もんも声」の持ち主の女おせい
亡者を起こすと伝えられている

そのせいで故郷の村を離れるが
耳の遠い老夫婦のお世話をすることになる
そこで教わったのは身振り手振りの会話

たぶん今でいう手話みたいな?

声を出さなくていいのでもんも声には都合がいい

老夫婦が亡くなった後
声が出ないお姫様のお世話をすることになる

そこで出会ったのは
若い頃に亡くなったお殿様の異母弟の亡者
お城に住みついている

おせいは彼を助け出そうとする

面の家


面を家の外に出したら
悪いことを招き寄せる

明歴の大火
吉原の百人斬り
永代橋崩落

そんなのは全部面の仕業だと

あやかし草紙


貸本屋の瓢箪古堂の若旦那
勘一が持ち込んだ話は

読む者の寿命を教える冊子

金目の猫


怪談語りが行われる三島屋
その長男が語る話は生霊

小さい頃突然現れた金目の猫は
生霊だった



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マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ 古内一絵

2020-07-08 14:21:12 | 本 2020年
都会の裏路地の奥にあるカフェ
マカン・マラン

インドネシア語で
マカンは食事
マランは夜

夜食を提供してくれるカフェ

おかま  ではなくドラァグクイーンのシャールが
経営している

昼はダンスファッション店で
夜だけやっているカフェ

その人の身体にあった料理を出してくれる

キャリアウーマンとして働いている40代の女性
仕事で悩み体調も悪い

そこで出してくれたのは「春野菜のキャセロール」
キャベツや玉ねぎジャガイモを煮込んだ上に
チーズがのっている

二人目はシャールと同級生だった
中学教師の男性

メタボで体に良くない物ばかり食べている彼に
出してくれるのはお茶
それを飲むと疲れた胃が爽快になる

この話で生まれ変わるのは彼ではなく
教え子の男子中学生

母親の作った料理を一切食べず
コンビニで買ったものばかり食べるようになった

その背景にあったのが
東日本大震災

その子にはお米パン

次がライターの二十代の女性
大手雑誌の下請けのような記事ばかり書かされる毎日に
先が見えずにいた

この隠れ家的カフェを特集しようとやってくる

彼女に出されたのは
大きな皿の真ん中にポタージュをのせ
周りに色とりどりの野菜や果物をのせた物
名づけて「世界で一番女王なサラダ」

最後は大晦日に食べる「アドベントスープ」
シャールのために仲間が協力して作ろうとする

そこには地上げ屋問題やシャールの秘密
シャールを慕うジャダの過去など

地上げ屋の胃袋を捕まえたのは
故郷の味
「きらすまめし」というおから料理

読み終わったら
身体にいい物だけ食べるように
気をつけようかなあなんて気になる



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