トラ・イアン・グルの部屋

シニア街道をゴールに向かって
ゆっくり散歩中
本読んで
映画観て
時々おでかけの記録も

かまいたち 宮部みゆき

2021-08-31 15:26:19 | 本 2021年
かまいたち

江戸の町に辻斬りが現れるようになった

その現場を見てしまったおよう

番屋へ行き町役人を連れて
現場に戻ってみたら
死骸は消えていた

夢でも見てしまったんだろうと帰されたが
その殺した男新吉が
同じ長屋に越してくる

怯えるおよう

原作には茂七は出てこない

ドラマのおよう役は水川あさみさんだった

実は新吉は大岡越前守忠相からの命令を受けていた
切られた男が辻斬り

死骸がなくなったのはその男が旗本で
家の者が持ち帰り
病死という事にしたのだった

原作では新吉とおようが結ばれるかもという所で終わっているが
ドラマでは新吉はひっそりと姿を消している

師走の客

小さな旅籠に毎年師走にやってくる客

旅籠代の代わりに高価な置物を置いてくことになった

それは伊達さまが集めている物と同じで
翌年の干支の形をして金製 
親指の爪ほどの大きさで
細工は見事な物だった

十二年で揃うのが待ち遠しい竹蔵夫婦

翌年が巳年の時
いつもとは違った
大きな金色の蛇の置物
宿賃のほかに十両必要だと

宿屋の主人はそれを骨董屋に持って行き
それを担保に十両借りる

ところがそれが骨董屋から紛失
さらに今までの置物も
偽物とすり替えられていた
え?いつの間に?

この話のオチは
すり替えたのはその客で
盗まれた金の蛇は旅籠にいた犬が
食べてしまっていた

苦しみだした犬に虫下しを飲ませ
本物の蛇の置物を取り返した
骨董屋の話では売れば三十両にはなると

ドラマでは客が六平直政さん
旅籠の主人が勝野洋さん

原作は客は姿を消したままだが
ドラマではなにか罰が当たってたっけ

迷い鳩

ここから霊験お初が登場

お初が血の跡が見える所
殺人事件あり

殺されたのは
離れている恋仲と伝書鳩で
文のやり取りをしていた娘おつねで
ろうそくや柏屋で働いていた

柏屋では手代から婿に入った宇三郎が
半年前から原因不明の病に倒れていた

実は柏屋のお内儀お清と
手代の誠太郎が宇三郎を亡き者にしようと
宇三郎には毎日仏壇を拝む習慣があったので
そのろうそくに毒を仕込んでいた

おつねはそれを知ってしまったために殺された

そんなことがお初の霊験で見えて事件は解決!!

ドラマではもちろん茂七が解決するのだ
お初は登場するが幻は見るだけそれで終わり

原作ではお初は目明しの六蔵の妹で
六蔵の妻と二人で姉妹屋という一膳飯屋を切り盛りしている

看板には「鬼」と「姫」をあしらい
「おにしめ」と言う意味

江戸の町に身ひとつで働きに出てくるものは
大勢いる
仕事はある
だが病や怪我で動けなくなったら
すぐに食べることさえ困るようになる

華やかに豊かにもののあふれるこの町は
どこよりも「金が仇」の町である


最後の話騒ぐ刀

これもお初が解決するのだが
読んでてつまらなかった

刀鍛冶の嫉妬心が刀に乗り移り
それを握った人の意思に関係なく人を切ってしまうのだが
なんで犬が出てくるかなあ
可哀そうに・・・
がっかり

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初ものがたり 宮部みゆき

2021-08-28 12:28:28 | 本 2021年
ネタバレあり!!

お勢殺し

担ぎの醤油売りのお勢が殺された
32歳

「回向院の旦那」と呼ばれる
岡っ引きの茂七は
お勢といい仲だった問屋の手代音次郎25歳
が下手人だと目星をつけた

だが証拠がない

悩んでる時に行った先は
最近富岡橋のたもとに現れる
稲荷寿司の屋台

そこの親父との会話から
茂七は事件の謎を解く

アリバイ作りに音次郎がお勢に変装していた

白魚の目

親もなく道端で暮らす子供たちが
少しづつ増えてきている江戸の町
それをなんとかしようと
岡っ引きたちが寄付集めに奔走している

そんな時にお稲荷さんをねぐらにしていた
子供5人がお供えに毒を盛られ殺された

犯人は呉服屋の娘おゆうで
以前から生き物をいじめたり殺したりして喜ぶ性癖があった

だが磔獄門にはならないだろうと
本家は大商人
お上の中には金を融通してもらっている輩も少なくないからと

なぜ白魚かって
獲れたての白魚に二杯酢をかけて
呑み込むときの生きた黒い目

毒を持ったおゆうには
子供たちの目がそれと同じに見えたのではと

鰹千両

棒手振りの魚屋 角次郎が
茂七の所に相談にやってきた

呉服屋伊勢屋の番頭が
鰹を一本千両で買いたいと言って来た
法外な金額にどうしたものかという悩み

角次郎には13歳になる娘おはるがいて
その娘は捨て子だった

茂七の調べで理由がわかった
伊勢屋ではかつて双子が生まれたが
それを忌み嫌う姑の言いつけで
片方を捨てたのだと

そしてお店に残った片方が最近病で亡くなっていた

角次郎に
千両を取るか娘を取るかと問う茂七
答えはもちろん・・・

茂七は口止め料として伊勢屋に千両を請求
「持って帰るがいい野良犬め」と暴言を吐く伊勢屋

しかし茂七はそれを伊勢屋の前に置き
「俺はこれをあんたに払う
俺からあんたへの口止め料だ
おはるが捨て子であることは口外するな」と!!

この場面
テレビドラマでの高橋英樹さんが素敵でした

太郎柿次郎柿

この話から霊感坊主の日道が出てくる
あまり好きではない
日道は大きな糸問屋の息子でまだ十歳にもならない

事件は田舎で粗末な百姓暮らしをしている兄が
江戸の小間物屋の手代として裕福に暮らしている弟を
殺してしまう
その後兄も自害
弟が兄を見下してしまった結果

その場所が船宿で
お払いにやってきたのが日道

登場する食べ物は
稲荷寿司の屋台で食べる柿羊羹

次郎柿はあるのに太郎柿はないのかって話
(次郎柿は松本治郎吉さんが栽培したかららしいのだが)
太郎柿があったら渋柿だろうと思う茂七

凍る月

河内屋の婿になった松太郎が
台所から新巻鮭が盗まれた
下手人を探してくれと茂七の所にやってくる

そんなことで?猫が持って行ったんだろうと
不満顔の茂七

しばらくして奉公人のおさとが姿を消した
おさとは手代だった松太郎に好意を持っていた

松太郎はその行方を日道にみてもらうと
死んでいると言われた

しかしおさとは稲荷寿司の屋台に
時々現れていた
その事を稲荷寿司屋の親父は
日道に言いに行く

言い訳する日道

子供にこんなことをやらせてはいけないね
と親父と茂七

ここで登場するのは小田巻き蒸し

遺恨の桜

日道が襲われて命は助かったが
寝付いてしまうほどの大怪我を負う

その前に
清一という男が行方不明になり
許婚者のお夏が日道に行方を尋ねに来ていた

日道は
もう命を落として
しだれ桜の根元に埋められていると

そこは大地主角田七右衛門の屋敷

実は清一はそこの隠し子で
家にやってきて騒ぎを起こしたので
痛めつけたら大怪我をしてしまった
今は離れに閉じ込めてあると

日道と同じ膏薬の臭いがして判明
同じ医者に診てもらっていたという訳

日道がその屋敷を見つけたのは
霊視ではなく父親が下調べをしていたからなんだ
なんとその父親は元岡っ引きの手下
探索は得意という事

そして日道を襲った連中は七右衛門に雇われた男たちだった

ここで登場するのは桜餅

最後に宮部みゆきさんが
稲荷寿司屋台の親父の正体や
日道坊やはどうなるのかそれが再開できないことを詫びていた
平成11年の話

テレビドラマとは家族構成がだいぶ違う

ドラマでは妻に先立たれ義母と娘との三人暮らし
こちらは妻と二人暮らし

さらにドラマでは耳かき作りと言う副職も持っている

義母は淡路恵子さん
娘は星野真里さん
稲荷寿司の親父は原田芳雄さん


















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黒百合 多島斗志之

2021-08-10 07:43:28 | 本 2021年
「おすすめ文庫王国
騙される率100%」

そんな帯につられて
買ってしまった

正直言うと期待外れ

1952年の六甲山
14歳の男女の夏休みの出来事
淡い恋心
この手の話は苦手

昭和10年のベルリン

阪急グループの創業者
宝塚歌劇団の祖
小林一三をモデルとした
小芝一造なる人物が登場

そんな時代が行ったり来たり

謎って何?

「ラスト5ページ
ついに明らかになる本作の真骨頂」
と言うけれど
なんとなくどこかで繋がっていると
想像できたし
そんなに驚くことかと
最後だけもう一度読み直したが
思いは同じだった

あらすじ省略



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もどかしいほど静かなオルゴール店 瀧羽麻子

2021-08-09 07:12:57 | 本 2021年
「ありえないほどうるさいオルゴール店」に続く二作目

一作目の場所はたぶん小樽?

この舞台はどこだろう
南の小さな島
東京から飛行機と高速船を
乗り継いで六時間かかる島

その島には
島神様にお仕えするババ様という
職業が存在する

大ガジュマルに歌を捧げたり
島内に点在する祠の手入れ

島の冠婚葬祭で歌う事
それがババ様の仕事

島神様のその日の調べも
聞き分けられる力を持つ
悪いことの前兆も?

北の街からこの南の島に移ってきた
オルゴール店

お店にやってくる人は
いろいろな悩みや問題を抱えているのだが
もどかしいほどオルゴールでは
何も解決しない

でも買うとなんとなく
いい方向に向かっていくようなそんな感じ

三角関係だった郵便配達員

夫から離婚を切り出されたキャリアウーマン

夏休みの間
海外で仕事をする母親と離れ
島に住む祖父母の家に預けられた女の子
その子と仲良くなった男の子

異国の地に嫁いできて
初産を迎える女性

25年ぶりに会いたいと昔の友人を探しにやってきた男性
その友人はかつて一世を風靡したミュージシャン

そしてババ様の過去
この話はつらいなあ
男の子を産めずに離縁させられた

離婚間近で親権は妻になるため
離れて暮らすことになる
父と娘

最後は一作目に登場した耳の不自由な男の子が
成人して登場する

そのオルゴール店の店主は
心の中に流れている曲を聴くことができるのだと・・・

聞こえなくてもいい音まで聞こえるので
補聴器の逆の意味の器具を常に耳につけている
雑音だけでなく人の心の中まで

この店主のことがまだ何も語られていないので
イメージできない
そろそろ三作目でわかればいいのだが・・・




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