暇人映画

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長江哀歌 Still Life(三峽好人)

2012年01月19日 22時46分01秒 | 洋画>★★
2006年/中/ジャ・ジャンクー監督/ハン・サンミン チャオ・タオ
2012年1月6日 テレ朝シネマ・エクスプレス

【あらすじ】
ランニングシャツのでんでんに似た中年男ハン・サンミン(サンミン)が、女房を探しにはるばる山西省から奉節へやってきた。女房が送って寄越していた手紙は、16年前のもの。宛名住所は、三峡ダム建設のために水没していた…。彼女の兄を探して、日銭を稼ぐ為解体屋の日雇い労働、「男たちの挽歌」のチョウ・ユンファにシビレまくっている若いのと仲良くなる。
一方同じく山西省から奉節にやってきた女性シェン(タオ)は、2年前から音信不通になっている夫を探しに来たのだった。
サンミンとシェン、似た境遇ながらも交わらない二人を通して、三峡ダム計画の犠牲になる人々の人生を垣間見る。


「はるばる」とか知ったようなこと書いてはみたが、その実地理情報はまったくの未確認。そして三峡ダムについては、どんなもんやらまったく感覚がつかめていないのだった。作品からは、建設が中華人民共和国の一大事業のようだということだけは、何となく伝わった。改めてwikiでお勉強してみたら、このダムは2009年に完成。現在絶賛稼働中なんだそうな。世界最大のダム。しかし映画で描かれた住民移住や、その他諸々の問題は進行中らしい。長江の固有種であるカワイルカも、絶滅してしまったんだとさ。
何かドラマティックな起承転結があるわけでもなく、背景の分からない異国民には難解な作品。ベネチアで金獅子を取ったということだが、制作意図を受け止められるのは中国人だけだろう。賞のお陰で各国で配給されてるけど、私なんかみたいな外国人が簡単に評価すべき作品ではないよな。ただ、中国にはこんな問題もあるということを認識するのには、いいきっかけだとは思う。
建築中だか解体中だかの何かの建物が、ロケットのように飛んでいくシーンとか。桃園の誓いのお三方が、ポータブルゲーム機を突き合わせて共闘だか対戦だかしてるシーンとか。糞まじめな中に唐突に現れるので、思わず笑ってしまったよ。笑わせようという意図で入れられたもんじゃないんだろうけどさ。

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