縄奥ニュース・音楽まとめサイト

日々の面白いニュースやコラム、政治経済や事件事故のまとめの他に音楽や面白い動画をUPします。

小池知事、包囲網突破の秘策 問題山積の五輪ボート会場「世論の支持」を武器に4者協議へ

2016-10-21 17:13:09 | ニュースまとめ・総合

小池知事、包囲網突破の秘策 問題山積の五輪ボート会場「世論の支持」を武器に4者協議へ

夕刊フジ 10月21日(金)16時56分配信



 2020年東京五輪・パラリンピックの開催費圧縮をめぐり、東京都の小池百合子知事がやや押し込まれた。IOC(国際オリンピック委員会)のトーマス・バッハ会長が、野球やソフトボールなどの複数競技を東日本大震災の被災地で実施する構想を、安倍晋三首相に提案したのだ。整備費が膨張したボート・カヌー会場「海の森水上競技場」の建設を強行するための「ガス抜き案」との見方もある。背後に感じる大会組織委員会の森喜朗会長の影。小池氏は、この包囲網を突破できるのか。

 「(被災地で五輪競技を実施する)可能性はある。検討しているオプションの1つだ。日本チームが参加する野球の最初の試合をやれば、パワフルな(復興の)メッセージの発信につながる。被災地の方々に、希望をもたらしたい」

 バッハ氏は19日午後、官邸で安倍首相と会談した後、記者団にこう語った。安倍首相は、バッハ氏の提案を「歓迎する」と語り、五輪経費抑制に向けた、東京都と政府、大会組織委員会、IOCによる「4者協議」の作業部会設置についても快諾したという。

 この直前、バッハ氏は、東京・虎ノ門にある組織委員会を訪問した。約250人の職員を激励し、以前から懇意である森氏と会談した。

 開催費が2兆円とも、3兆円とも指摘されるほど膨らんだ東京五輪について、今週初めまでは、小池氏主導で圧縮案が検討されていた。特に、当初計画の7倍という約491億円まで整備費が拡大した「海の森水上競技場」については、「復興五輪」の意味も込めて、宮城県登米市の「長沼ボート場」への移転が模索されていた。

 ところが、朝日新聞が18日朝刊で「ボート韓国開催も検討」「IOC、現計画で難航なら」という仰天記事を掲載して、長沼移転への流れを一時止めた。さらに、バッハ氏が「被災地で、野球・ソフトボール実施も」と提案して、「復興五輪」の看板も整えた。

 これに合わせたのか、東京都は18日、「海の森水上競技場」の整備費を491億円から300億円前後まで圧縮する試算をまとめた。招致時の予算は69億円で、一時1039億円まで膨らみ、491億円となっていた整備費が一気に200億円も減額されるとは、正常とは思えない。

 小池氏側は、朝日新聞の記事を読んで激怒し、「森氏率いる大会組織委員会側が仕掛けてきたのだろう」「長沼移転を阻止し、海の森水上競技場でゴリ押しする気だ」と受け止めたという。

 ただ、「整備費圧縮」「復興五輪」という名目が整ったことで、「海の森水上競技場」の問題への関心を失いつつあるメディアもある。

 都政に精通する政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏は「バッハ氏には『変幻自在』という言葉がぴったりだ」といい、続けた。

 「以前、舛添要一前知事が被災地に五輪競技を誘致しようとしたとき、森氏率いる大会組織委員会が先手を打ってきたことがあった。予選や関連イベントを被災地で行うことを条件に本競技を諦めさせた。あのときと、まったく同じ構図だ」

 「海の森水上競技場」については、整備費以外にも問題・疑問がある。

 まず、羽田空港に近く、頻繁に飛び交う航空機の「騒音」が選手の集中力に影響するという。淡水ではなく「海水」のため、舟が傷みやすいうえ、浮力の関係で選手は漕ぎ方などを変えなければならない。風力発電を行うほど風が強い場所のため、多くの選手は「あそこでやりたくない」と話しているというのだ。どこが、「アスリートファースト」なのか。

 東京都は今年1月、海の森水上競技場の設計・施工を行う業者を発表した。一般競争入札だったが、落札したのは唯一入札に参加した大成建設などのJVで、予定価格248億9863万円に対し、落札額は248億9832万円。たった31万円の差しかなかった。

 包囲網を構築された感のある小池氏だが、今後どうするのか。

 前出の鈴木氏は「バッハ氏の発言などで『ガス抜き』された印象があるが、小池氏の進める五輪改革にとって『ボート会場の移転』はシンボリックな事案だ。小池氏の最大の武器は『世論の支持』だ。都民や被災地に加え、全国の世論を味方に付け、オープンな場での『4者協議』に臨むだろう」と語っている。

コメントを投稿