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受動喫煙防止、くすぶる火種 自民慎重派VS厚労省

2017-03-15 15:50:58 | ニュースまとめ・総合

受動喫煙防止、くすぶる火種 自民慎重派VS厚労省


産経新聞 3/15(水) 7:55配信


 ■平成の「小牧・長久手の戦い」

 ■当落直結、見えぬ改正案提出

 厚生労働省がまとめた、他人のたばこの煙を吸い込む受動喫煙の防止対策を盛り込んだ健康増進法改正案の原案をめぐり、規制慎重派を中心とした自民党側と厚労省が互いに譲らず、神経戦を繰り広げている。ことは選挙の当落にかかわるだけに、慎重派は懸命に抵抗しているが、厚労省が柔軟な姿勢を全く見せないことに怒り心頭。対立は先鋭化するばかりで、改正案提出のメドはたっていない。

 超党派の国会議員でつくる「東京オリンピック・パラリンピックに向けて受動喫煙防止法を実現する議員連盟」(会長・尾辻秀久元厚労相)は14日、国会内で菅義偉官房長官に「飲食店を含む公共的屋内空間の禁煙方針を堅持し、分煙や適用除外を避けること」と明記した要請書を手渡し、国会への速やかな法案提出を求めた。菅氏は「みなさんの気持ちはよく分かっているので、政府としてもしっかり対応したい」と応じた。

 ただ、地元のたばこ産業や飲食店に与える影響が選挙結果を左右しかねないと懸念する議員も多く、自民党内では喫煙派、禁煙派を問わず慎重派は勢いを増している。尾辻氏はこの日、記者団に「大きな時の流れは誰しも分かっていることだ。時の流れにさおをさしても、いずれ流される」と自信を見せたが、厚労省側に立つ規制推進派が劣勢なのは否めない。

 実際、7日の党たばこ議連(会長・野田毅前党税制調査会長)の臨時総会には100人以上の衆参両院議員が出席したのに対し、8日の党受動喫煙防止議連(会長・山東昭子元参院副議長)の緊急総会に集まった議員はわずか10人。

 たばこ議連の臨時総会では、鈴木俊一党たばこ特別委員長が「箸の上げ下げまで法律で規制する考えは党の理念に反する」と気勢を上げると、上月良祐参院議員は「たばこは地元の茨城では大事な産業。大切な農産物だ」と声を上げた。福山守衆院議員は「タクシー運転手に『庶民が居酒屋で安い酒を飲んで、たばこを吸って憂さを晴らすことまで国は締め付けるのか』といわれた」と訴えた。

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 慎重派をヒートアップさせている最大の要因は厚労省の対応にある。厚労省は厚労部会で意見がまとまっていないにもかかわらず、1日に改正案の原案を公表。同時に、米カリフォルニア州では規制導入後、飲食店の売り上げが増加したとするデータなど海外の事例を説明した。これには政調幹部も「外堀を埋めて本丸に襲いかかろうとしているようだが、外堀に砂が入った程度だ」と冷笑する。

 「30平方メートル以下」のバーなどが規制対象外になっていることにも、党内からは「地方には30平方メートル以下の店はほとんどない」との反発が相次いでいる。にもかかわらず、今にいたっても厚労省が面積などを緩和しようとしないことも、同省への不信感を増幅させている。

 極めつけは、たばこ議連が臨時総会で、焦点の飲食店について「禁煙」「分煙」「喫煙」の表示を義務化するという対案を了承すると、総会終了の数時間後には厚労省が反論会見を開催。正林督章健康課長は「妊婦やがん患者、ぜんそく患者らをいかにして守るかを基本にしている」と原案への理解を求めたものの、その対応は挑戦的に映った。

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 こうした官僚の動きによって、政調幹部やたばこ議連幹部の怒りの矛先は塩崎恭久厚労相に向かっている。「塩崎氏はかたくなすぎる」(中堅)との憤りの声は絶えない。

 改正案の党内手続きは、4~5月の大型連休(ゴールデンウイーク)前後までもつれる気配が濃厚。場合によっては、今国会で成立しない可能性すらある。政調幹部は、豊臣秀吉と徳川家康が直接対決した「小牧・長久手の戦い」(1584年)を念頭にこう漏らした。

 「しばらく持久戦だ。今は動いたほうが負け。秀吉と家康の戦いのようなもんだ」

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