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高齢者踏切事故「繰り返される悲劇」 都内で今月3人死亡 検知装置導入 追いつかず

2017-02-28 11:45:22 | ニュースまとめ・総合

高齢者踏切事故「繰り返される悲劇」 都内で今月3人死亡 検知装置導入 追いつかず

産経新聞 2/28(火) 7:55配信



 高齢者が踏切内に取り残され死亡する事故が相次いでいる。東京都内では2月だけで3件発生。平成17年度以降で踏切事故の発生は微減しているが、死傷者は横ばいが続く。事故を防ごうと、鉄道各社は車だけでなく人まで感知する高精度の障害物検知装置の導入を進めているが、対策が追いついていない。警視庁も事業者に高精度装置導入を求める異例の要請をした。(加藤園子)

 今月10日午後6時前、東京都葛飾区の京成押上線京成立石駅近くの踏切内で、電動アシスト自転車を支えながら遮断機を上げて逃げようとした男性(89)が、快速特急電車にはねられた。前日には豊島区で転倒した女性(78)が、さらに8日にも日野市で男性(69)が横断中に取り残され、踏切内で死亡した。

 警視庁などによると、現場となった踏切にはいずれも高精度の検知装置はなかった。従来型の、照射された光を遮ることで障害物を検知する「光電式」とされる装置がある踏切もあったが、主に車を検知するもので、人には反応しなかった。

 現在、立体的な検知ができる「3次元レーザーレーダー方式」といった高精度の検知装置が注目されている。従来、経費面のほか、精度が高すぎて動物や雪などにも反応することなどから、導入が進んでいなかった。だが「安全性を突き詰めると、危険を検知したら電車を止めることが一番」(京成電鉄)として、鉄道各社が導入に前向きだ。

 現在8カ所の踏切で導入している西武鉄道も、事故現場となった豊島区の椎名町駅近くの踏切で検討を始めた。こうした事故を受け警視庁は今月20日、緊急に12事業者を集め、高精度装置導入を呼びかけた。

 国土交通省のまとめによると自殺などを除く全国の踏切事故は、踏切そのものの減少や遮断機の整備に伴い、減少傾向にある。しかし、17年度から27年度までの死者数は100人前後で推移しており、重大な事故は後を絶たない。特に高齢者が関係する事故が目立ち、27年度に60代以上が関係した事故は半数を超えた。

 同省は27年、高齢者に特化した事故対策の検討会を開き、事業者向けの対策を公表。検知装置を含めた踏切の安全対策や迂回(うかい)路の整備を進めるよう求めた。

 もっとも、一番の対策は鉄道を高架化や地下化し、踏切をなくすことだ。鉄道と道路の立体交差は主に道路管理者が計画することになっており、都は現在、8路線で連続立体交差事業を進め、4路線で準備中としている。立石駅を含む京成押上線の2・2キロでも事業が始まっているが、14~34年度の期間が見込まれている。長期化は免れない。

 警視庁の担当者は、「高架化を待たず、事業者だけで可能な手立ても進めていかなければならない」と危機感を示し、「遮断機は前に押せば開くことや、取り残された人を見たら非常ボタンを押すことなどを、車内アナウンスなどで周知してほしい」としている。

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