何でも描こうとは思いますが、やはり花が好き・・・・
私の絵葉書
押川春浪
本文は昔の字、旧仮名遣い、総ルビ。手に汗握るようなとんでもない事件が次々起こり、主人公たちは絶体絶命のピンチに立たされますが、そこは冒険奇譚、思いがけない救い主が現れて難を逃れます。お話は絶海の孤島、それも地下の洞窟で秘密裡に潜水艦のような軍艦を作るというものですが、笑ってしまいそうな装備や武器も明治時代の発想なので仕方ありません。本の題名から想像できるように帝国海軍賛美。最後に書いてあるのは「今一度、諸君と共に大日本帝國萬歳!帝國海軍萬歳!を三呼しませう。」
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武者小路実篤
「カチカチ山」や[花咲爺]は絵本で有名ですが、本書では戯曲として書かれているので登場人物の会話が詳しいのでずいぶん長い作品になっています。話には残酷な表現もあり、これが子どもに聞かせるものかと思いましたが、大人が読んでも面白いのです。銅版画(?)風の挿絵が素晴らしく、だれの作品かとあちこちひっくり返したら、表紙に岸田劉生とあり納得、感心した次第です。
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塚原健二郎
昭和初期の上流社会の人たちの丁寧な言葉使いには驚きました。巻頭の「田舎へ」は村のお金持ちの家に東京から来た男の子が田舎の子と遊びを通じて仲良しになり、東京の子が帰ってからも文通まで始めるという優しい、上品なお話。他のお話もまことに上品、修身の匂いを感じます。
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宮沢賢治
何と懐かしい本との再会でしょう。かつて宮沢賢治の詩集「春と修羅」や数々の童話を読みふけっていたからです。ある日突然姿を現し、来たときのように姿を消してしまう又三郎。そして又三郎を風の神だと思っている村の子どもたちとの奇妙な交流。粗末な山小屋で懸命にチェロの練習をしているゴーシュを次々と訪れる猫、かっこう、狸それにネズミの親子とのやりとりの面白さ。「貝の火」「蟻ときのこ」「オッペルと象」、読む度に引き込まれてしまうのが宮沢賢治の世界です。
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坪田謙治
まずびっくりしたのは布装変形版の表紙で、どういう布なのか手触りが良いのです。童話集といいますが、動物までも話をするおとぎ話とは違い、登場するのは善太と三平という兄弟、その両親、祖父。この子たちの遊びに満ちた暮らしとそれを優しく見守る家族の物語です。無限に広がる遊び場、家族との深い絆。今の子どもに読ませたら、まさに夢物語なのでしょうが。
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有島武郎
この本の装丁と挿絵は著者の有島武郎。モノクロームですが抽象画風の絵はなかなか洒落ていて、恐れ入りました。明治時代のおとぎ話風の作品は大正になると一人の少年の心理に深く入り込んだ描写になっていて、児童文学の域を超えているというのが私の印象。
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宇野浩二
著者は著名な小説家だと思っていたのですが、童話もたくさん書いているそうです。本書に収められた作品を読んでいると、かつてのような教訓めいたものは含まれませんが、それを風刺し、考えさせるものになっています。また、機智による幸運という話があるかと思えば人間の死に関するものもいくつか含まれています。どの話も小説家が手抜かりなく創作した物語だという印象をもちました。小学生でも高学年の子どもたちには十分理解できると思いますし、大人の私にも読み応えがありました。
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鈴木三重吉
この本は96ページと薄い本ながら随所にモノクロの挿絵が入る可愛い本。本の題名に「世界童話集」とあるようにウエルスの伝説、イタリアのお伽話とロシアのお伽話のリトールド。いずれもユーモアのある楽しい話が採られています。また、本書のに収められている作品は品の良い物語になっていて、文章も丁寧に書かれているように思います。大正と時代には文学の一分野として童話がたくさん書かれ、出版されていたのだろうと思います。
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尾崎紅葉
和綴風の薄い本ですが、全ページ挿絵入り。総ルビですが、万葉仮名なのでいささか難渋しましたが読了。物語は苦桃から生まれた苦桃太郎が桃太郎の復讐をするのですが、あえなく失敗するという話。ただ、文語調で書かれた文章はすべてにおいて大げさ。例えば家来になるバケモノ登場の場面。「御従軍御許しあらば身の面目之に過ぎじとありければ、苦桃太郎喜悦浅からず、腰から髑髏一個取らせて主従の契約(ちぎり)をむすびぬ」とまさに紙芝居調。読むよりも語ったほうが迫真力があって面白いんじゃなかろうか。
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西條八十
本書はフランス綴じで、このシリーズで最も厚い本で、膨大な数の童謡が収められていますが、私が知っていたのは「カナリア」(唄を忘れたカナリアは・・・)、「お山の大将」(小山の大将 俺ひとり・・・)、「ほそみち」(ここはどこのほそみちじゃ・・・)、「肩たたき」(母さんお肩をたたきましょう・・・)の4編だけでした。それも間違って覚えているのを知りました。
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