総額4000億ドル規模の「ツイスト・オペレーション」と呼ばれる政策の発動。市場が予想し、そのままFOMCの決定事項となった。今回は2012年6月末までにFRBが保有する3年以下の国債を売却し、6~30年の国債を購入するとした。ここまでの金額規模は市場は予想していなかったはず。「QEⅡ」の6000億ドルに迫るものを提示したのは、市場へのインパクトを考えてのものだろう。見せ金といえば語弊があるが、4000億ドルも市場心理に対する効き目はなかった。カネを刷り、ばら撒くわけではないからだ。
合わせて、保有している政府機関発行の住宅ローン(モーゲージ)担保証券(エージェンシーMBS)と政府機関債(ファニーメイ債、フレディマック債)の償還金を、エージェンシーMBSに再投資する方針も表明した。これは市場予想の範囲外。
景気見通しについては「世界的な金融市場の緊張など、経済見通しには著しい下方リスクが存在する」とした。この弱気の判断を嫌気したとされるが、声明文発表後にNY株は急落状態に。そもそも「ドル札の増刷(QEⅢ)」期待がある中で、その可能性を感じさせる文言がなかったことも市場を失望させた。
しかし繋がりを深めた世界経済ゆえに株安はアジアに広がり、ヨーロッパも急落状態で不穏な空気が充満している。アジアで目立ったのは香港Hanseng4.9%の暴落、インドSensexは4.1%、Nikkeiの2%はまだ軽い方。ヨーロッパも全滅状態で英独仏の主要国は軒並み4~5%の暴落。この株の連鎖的急落が、またぞろ金市場では株取引の損金調達の換金売り増加見通しを引き起こしている。一種のFRBに対する追加緩和策の催促相場という様相も。
ただひとつ指摘したいのは、エージェンシーMBSの再投資すなわち保有残高維持を決めた政策は、もちろん住宅市場のテコ入れが目的だが、そもそもFRBとしてはリスクのある同証券を手放す方針を決め、実行していたはず。実際にこれら証券の償還分は国債の買い付けに回していた経緯がある。したがってQEⅡによる国債の買い付け額は6000億ドルを超えていた。今回の決定に関し前回同様に3名の反対者がいた。反対メンバーも同じ。
MBSに関する方針転換は、おそらく低金利を2013年半ばまで維持することを決めた前回FOMC以上の抵抗があったのは確かだろう。それを突っぱねた意味は先行きを読む上で重要と思う。来月になり今回のFOMC議事録要旨で明らかになろうが、この事の意味するのはバーナンキ主導型の政策決定の方向性を示したものであって、“「QEⅢ」の導入もこうした流れで決まるのではないか”ということである。さらに加えれば、ゼロ金利下でもFRBの資産買い付け売却で(つまりバランスシートを使い)政策遂行は可能というであり、対象も状況次第では国債に限らないことを暗示したFOMCだったということ。
ただし、足元で即効性を求めた市場は反乱を起こし、金まで売り対象となっている。金については、出遅れた投資家はここからの下げは買いのチャンスと思う。現在は22日の21時40分だが、欧州株の下げが止まらない、これから開いてくるNYも下げがきつそうだ。悪魔が来たりて笛を吹く。
銀についてはどう思われますか?
実需筋はどうしているのでしょうか 。
1700ドルあっさり割りました。ひとまずは1500ドル台ですかな。
リーマンショックの再現ならば大調整で1300ドル台なんてもあるのかな?
難しい相場模様です。
一時1629ドルまで売られました。
本当にギリシャのデフォルトや金融危機が起きたらどうなるんでしょうね?
先取りして下げてるということでしょうか?
本当に?
しかし、米国も、ユーロ問題もなんら解決していませんから、混乱は続いたままです。
金価格もトレンドは変わらないでしょう。
加えて、中国問題、韓国問題まで加わっています。
年内2000ドルはいくでしょう。
金投資の方々、気を落とさずにいてくだい。