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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

派手な値動きに惑わされず・・・・現物と先物の齟齬(そご)

2012年12月05日 16時14分06秒 | 金市場
昨夜はここに、NYコメックスの取引がどうなるか、見ましょう・・とした。結局、再度売り込まれ下値は1692.60ドルまで見た。市況にも書いたが、オンライン取引(グローベックス)を管理するCMEグループによるとNYの深夜にあたる東京時間の午後3時前に3000枚(1枚=100オンス)以上のまとまった注文が出され、取引の薄い中で価格は急落状態に。取引システム自体が20秒間の中断を交え約1分間で12ドルほどの下げたとされる。そのまま、ストップロスを巻き込み、NYではそれがさらに流れ(モメンタム)を作った。

すなわち11月28日のNY市場の通常取引開始直後に見られた大量売りとその後の展開が再現されることになった。一定の価格を上回ったり、また下回ったりすることで自動的に売買注文を出すことを人間の判断ではなく、コンピュータープログラムで出す取引がファンド運用の主流となっているが、こうした構造を逆手に取った動きと見られる。先週のNY市場の下げの前日に(価格の下落で利益が出る)プット・オプションの買い集め的な動きがあったと伝えられていたが、今回の異例の急落との関連を連想するのは年末のクリスマス休暇前という季節性もあろう。足元の円売りで煽っておいて、日本株でひと儲けという流れも同様と思う。最後の“あがき”が成功したということか・・・といって実態は不明だが。

いずれにしても需給関係に何か変化を起こす出来事やニュースがあったわけではなく、先物市場での取引の“歪(ひずみ)”とでも言えるような価格変動が起きた・・・というよりも、起こす意図が成功したということか。昨年末、薄商いの中で金市場は値を消したが、そうした市場の不安心理も勘案しての仕掛けかもしれない。

昨夜も書いたが、足元の市場心理を突いたものではあるが、こうした動きは中長期のトレンドを作るとは思えない。大幅続落となった4日、最大の金ETF「SPDRゴールド・シェア」は残高を2.41トン増やし1351.24トンと過去最高を更新している。繰り返しになるが、この事実が大事と思う。先物市場の急落をよそに資金流入が続いているわけだ。 2011年の1月、中国ではリテールの現物買いが沸騰して地金が市場からなくなるというようなことが起きていたが、相場はNYコメックスでのファンドの売りに主導され100ドルほど下げるということがあった。その後、価格は反転した。今朝、それを思い出してしまった。もちろん、まだ余震は続くとは思われるが。

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1 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (fairlane)
2012-12-06 17:36:47
金価格で不思議なのは、これだけ投機資金が暴れているのに、先物相場が現物価格を決めると言うことです。
需要はある 供給は限られる上に原価も上がっている となれば価格が上がっても不思議ではないのに、先物相場で投機的に下げられる。
昔はロコロンドンが現物価格の決定権を持っていたはずですが、いつの間にコメックスに移り、コメックスの価格にロコロンドンが追従している。。。
そのうち供給が逼迫すれば自由市場ができて、先物の価格に引っ張られない時が来るのかも OTCはその先駆けにならないのかな?
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