「緊急避難」という言葉がある。ここでも過去何回も使ってきた。危機の打開に際し法規制に触れる(早い話が法律違反)の行動であっても、その行動を取ることで一般的な社会の秩序や安定が期待できる際には超法規的な行動が認められるという法律用語である。この言葉の使用頻度が上がっているのは、その発動が増えているためだが、とりわけこの3月のベアー危機以降は頻繁にこうした行動が取られてきた。大半が米国の金融処理を巡ってのことだが、それだけ米国のシステムが、いま発生している危機に対応できないほど制度が時代遅れになっているということも意味する。かかる状態を「制度疲労」とか「システム疲労」との表現を使って説明されることも多い。
なぜ、こんなことから書き始めるのかというと、米銀大手ワコビア救済劇を巡り当初シティがその相手として決まったとの報道を目にした時に驚きとともに疑問がわいたからだ。その疑問が週末の報道で解けた。
報道されているようにワコビアは同じ米銀大手ウェルズ・ファーゴに買収が決まったが、既に9月29日にワコビアの銀行部門をシティが買い取ることになっていた。その際にFDIC(米連邦預金保険公社)が仲介しシティが買い取る銀行部門で、将来損失が一定額を上回るとFDICが損失補てんをする契約を結んでいたとされる。
疑問というのはなぜシティなのか?という点だった。というのも商業銀行でありながらもっとも投資銀行業務に深入りしていたのがシティと見られ、したがって資産内容に懸念が持たれているからだ。以前触れた、オフ・バランス(簿外)の運用会社の存在も商業銀行のなかではシティがもっとも多いのではと目されている。SIV(ストラクチャード・インベストメント・ビークル)とか「コンドュイット(日本語で「導管」の意味)」と呼ばれるこうした運用会社の存在は、昨年の9月ころまで米国でもほとんど知られていなかった。こうした運用会社が資金難に陥り、本体の支援を受けた段階で決算上連結の対象となるとされ、シティ・グループでそういった事例が浮上したのがきっかけだったと記憶している。
つまり商業銀行のなかで規模は大きいが、その実際の資産内容(隠れ損失の存在)に疑義があるのがシティと見られ、これから始まる銀行決算での目玉といえる存在でもあるわけだ。10月16日に決算発表が予定されており、一揺れ必至と目されていた。
それがワコビアの救済劇で名が登場したので驚いたというわけだ。このところの市場環境の中で(9月29日は金融安定化法案が初めて米下院で採決された日でもあるが)混乱拡大を恐れたFDICが資産規模が上位で買収に手を挙げたシティの意向を「緊急避難」として汲んだ結果とされている。この場合の「緊急避難」とは、違法ではないが他に選択肢がなくベストな選択ではないものの、一刻も早く事態(ワコビア破綻)の解決の方向を示さないと市場の崩壊につながりかねないという切迫した環境のなかでの判断をさすと解釈できよう。
週末に発表されたウェルズ・ファーゴによる買収案のほうが、当局にとってもワコビアにとってもプラスであるのは明らかで、そうした提案を待つ時間的な余裕がなかったのである。当局は拙速を覚悟で緊急避難的な判断を下したのであろう。
思うのは、シティはワコビアの預金資産を手に入れ、同時にこの買収を名目に増資をしようとしたのではないかということ。つまり、ワコビアの預金部門買い取りの失敗はシティのダメージになるのではないだろうか。金融救済法案の成立でも市場が安定には遠いと言わざるをえない。財務省が同法案の実行にさっそく着手しようとしているのは、よくわかる。事は急を要するのである。
なぜ、こんなことから書き始めるのかというと、米銀大手ワコビア救済劇を巡り当初シティがその相手として決まったとの報道を目にした時に驚きとともに疑問がわいたからだ。その疑問が週末の報道で解けた。
報道されているようにワコビアは同じ米銀大手ウェルズ・ファーゴに買収が決まったが、既に9月29日にワコビアの銀行部門をシティが買い取ることになっていた。その際にFDIC(米連邦預金保険公社)が仲介しシティが買い取る銀行部門で、将来損失が一定額を上回るとFDICが損失補てんをする契約を結んでいたとされる。
疑問というのはなぜシティなのか?という点だった。というのも商業銀行でありながらもっとも投資銀行業務に深入りしていたのがシティと見られ、したがって資産内容に懸念が持たれているからだ。以前触れた、オフ・バランス(簿外)の運用会社の存在も商業銀行のなかではシティがもっとも多いのではと目されている。SIV(ストラクチャード・インベストメント・ビークル)とか「コンドュイット(日本語で「導管」の意味)」と呼ばれるこうした運用会社の存在は、昨年の9月ころまで米国でもほとんど知られていなかった。こうした運用会社が資金難に陥り、本体の支援を受けた段階で決算上連結の対象となるとされ、シティ・グループでそういった事例が浮上したのがきっかけだったと記憶している。
つまり商業銀行のなかで規模は大きいが、その実際の資産内容(隠れ損失の存在)に疑義があるのがシティと見られ、これから始まる銀行決算での目玉といえる存在でもあるわけだ。10月16日に決算発表が予定されており、一揺れ必至と目されていた。
それがワコビアの救済劇で名が登場したので驚いたというわけだ。このところの市場環境の中で(9月29日は金融安定化法案が初めて米下院で採決された日でもあるが)混乱拡大を恐れたFDICが資産規模が上位で買収に手を挙げたシティの意向を「緊急避難」として汲んだ結果とされている。この場合の「緊急避難」とは、違法ではないが他に選択肢がなくベストな選択ではないものの、一刻も早く事態(ワコビア破綻)の解決の方向を示さないと市場の崩壊につながりかねないという切迫した環境のなかでの判断をさすと解釈できよう。
週末に発表されたウェルズ・ファーゴによる買収案のほうが、当局にとってもワコビアにとってもプラスであるのは明らかで、そうした提案を待つ時間的な余裕がなかったのである。当局は拙速を覚悟で緊急避難的な判断を下したのであろう。
思うのは、シティはワコビアの預金資産を手に入れ、同時にこの買収を名目に増資をしようとしたのではないかということ。つまり、ワコビアの預金部門買い取りの失敗はシティのダメージになるのではないだろうか。金融救済法案の成立でも市場が安定には遠いと言わざるをえない。財務省が同法案の実行にさっそく着手しようとしているのは、よくわかる。事は急を要するのである。
じゃあ、JPMはとなるわけで・・・マネしてマネー取得がご破算に?テッドスプレッドが表しているように何があるかわかりませんがけどね。
「ホント??なんだかね~」と思ったけど…
対岸の火事と思えない、やたら火の粉が飛んでくるから。コモディティ総売りになってるけど、売りに付いてく場合なんでしょうか?
怖いです・・・
夜は「夜明け前」が一番暗い時だといいますし・・・
明けない夜はないのだ、
明日は明日の風が吹く、など前向き言葉を自分に
言い聞かせる毎日です。
世界で一番夕日を愛する国民ではないでしょうか。
世界経済は史上最高の夕日に浮かれたあと、
今まさに夕日が西海岸の太平洋海岸線に沈み、
急速に暗くなりつつある最中といったところだと
思います。
夜明け前なんてとんでもない。
まだ夜の帳は降りたばかり。
これまでの出来事はまだ想像できた。
これからが想像を超えた歴史的変換の
本番かと思います。
何が起きるのか、目がはなせません。
先進国経済は恐慌ではなく、恐慌よりも実はもっと恐ろしい
泥沼のデフレスパイラルになるんじゃないでしょうかね。
生産業にまだ強みのあった日本はなんとか生き延びましたが、
生産業がすでに崩壊しているアメリカにデフレ克服出来るのだろうか。
ITの研究者や技術者は足が軽やかなので、
落目のアメリカにわざわざ留まる人は少ないだろう。
農業と、国立公園内の資源開発で、全く別の国として
復活するまで、失われたン十年を過ごすのでは。
その間、世界の政治経済がアメリカ中心、ドル中心とは考え難い。
世界のガバナンスの体制に必ず大きな転換があるだろう。
嵐が止むことを祈ってばかりでは状況の変化に対応できない。
変化に柔軟に対応出来るように、情報の収集や分析とともに、
想像力をたくましくしておくことが肝要だとおもわれます。
昔の人は言いました。
売りは早かれ、買いは遅かれ!
http://www.miller.co.jp/kmp00/visitor/report/point/