思想家ハラミッタの面白ブログ

主客合一の音楽体験をもとに世界を語ってます。

BABYMETAL武道館ライブ DVDを見た人の感想が面白い

2016-05-16 13:55:59 | Weblog
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そして、アカツキだああああ!

ステージに神が降りていた。
これをミュージシャンたちは、エアポケットという。

まるでブラックホールのように、
そのビートの中にありとあらゆるものを巻き込み吸い込み、
そしてその怒涛の中になにからなにまでを、
すべて絡みとってはウネリ続ける、
まさに音が、そのビートが、グルーヴが、
有機体として姿を現してて空間すべてを包み込んでしまう、
あの悪魔の瞬間。
神降ろしの瞬間。

これだったのか、と思わず。
これだ、これだったのだ。BABYMETALの秘密とは、
まさに、このアカツキのこの瞬間だったのだ。

世界をその強烈なグルーブの中に巻き込んだまま
有無を言わせずにうねり続ける、
その波頭の上に君臨するのは、まさに女王たるスーメタル。

そう、彼女が女王と言われるのは、まさにこの姿。
エアポケットのその中心、台風の目と化したそのコアに君臨し、
この凄まじい嵐の全てを操る、女王、そのもの。

スーメタルのオーラの中に、メンバーの全員が、
そして会場を埋めた観客の全てが完全に飲み込まれている。

とんでもない、このとてつもないグルーブ。
とんでもなく巨大なエア・ポケット。
こうなってはもはや音楽でさえない。
それはまさに神降ろし。集団憑依そのものだ。

そして最も恐ろしいのは、このメンバーたち、その一人ひとりが、
この瞬間こそは、人生の中で最高の時、と、
それを確信した絶対的な至福の中に浸りきり、
もうこの瞬間に死んでも良い、どころか、
死そのものを体験している筈だ。

まさに己の実力どころか、テクニックどころか、
誰がなにをやっているのか判らない程にまで、
まるで無意識の中で楽器が勝手に鳴り響いているような
そんな幻覚の中に包み込まれていることだ。

すでにそのグルーヴはメロディは神そのものが完全に乗っ取られたまま、
ああ、三姫の姿が宙に浮いてみえる。まさに天使。天に召されしもの。

やばい。このバンドはまじで、本当にヤバイ。

スーメタルという強烈な巫女に下ろされた神々が、
正気を失って踊り狂う、まさに神々の狂気のその瞬間。

そしてチョコレート。

最高だ。もうこれ以上はありえない。
とてつもないうねり。
人生最高の瞬間を、全ての人間が共有している。
ここ迄来れば最早なんでもありだ。
誰が何をやろうがどんな音が出ようがなにがあっても、
グルーブの津波の中から逃れることはできない。

ふと、死人は出なかったのだろうか、と思う。
このライブの中で死人はでなかったのだろうか。
俺だったらまじで、気を失っていたかもしれない。

そのステージには、その空間には、確実に神が降りている。
会場全体を異境そのものが包み、空間がよじれ、それが裏返る。
そして再び女王が姿を現す。
最早誰も音など聞いていないだろう。
スーメタルの声はまさに呪文だ。魔物の叫びそのものだ。
しかし完全に狂気に憑かれたこの空間の中で、
しかし唯一正気でいるのはこのスーメタルだけだろう。
なぜならば彼女こそがこの狂気、そのものなのだから。
そしてその女神、既に意識を喪失し、
完全に魔物と同化していた彼女の顔に、唐突に笑顔が満ちる。
スーメタルが笑っている。
このとてつもない嵐の中で、
この世のもの到底思えない程に美しい顔で笑っている。

この必殺の微笑。これに耐えられる者は一人もいないだろう。
このスーメタルの笑顔の刻印を脳裏に刻み込まれたまま、
この生涯最高の呪縛の中で一生をこの瞬間とのギャップ、
欠落感の中で生きることになる。
そしてそのギャップを埋めるためには、
再びスーメタルの力にすがらざるを得ないのだ。

恍惚!全員が恍惚!まさに全員が幽体離脱状態。

おい、これは洗脳だぞ。これはトラウマ以外のなにものでもない。
この会場の全ての人間が、強烈なPTSDを背負い込むことになっただろう。
このライブで暴動は起きなかったのだろうか。
BABYMETALで由緒ある武道館が倒壊したなんてことがあったら、まさしくBABYMETALだな。
日本で良かったな。アメリカなら確実に死人が出ていただろう。