2005年2月 歌舞伎座
2005年9月 歌舞伎チャンネル
何度上演すれば気が済むの?
私が知ってるだけでも4度目だし!
『鳥辺山心中』の次に上演回数が多いんだって~。
初演のS20年から、数年に1度のペースで上演。
誰にそんなに人気があるのか?。客にー?役者にー?
前回の上演から1年も経たぬうちに、また!また!
どーせなら「井戸の中から1枚~2枚~」をやったらんかい!
岡本綺堂作品。
理詰めの作品を、ちょっと時代に朗々と喋る台詞。
その言葉遣いの王道を行く中村梅玉サマ6度目!
お相手は2度目の中村時蔵。
初のカップリング。
「男も女もどちらの気持ちも大切にした」と綺堂しぇんしぇいの御言葉。
”愛は身分を越えられるのか!?あなたならどーする!?”
旗本奴でブイブイならしている水野の舎弟が青山播磨。
イケメンで腕も立つ。信頼度No1だ。
完璧そうに見えるこの男の弱点は”叔母”
「フラフラしてるのは独身だから!見合いせよ!」
ああ、叔母様は怖いなぁ。
播磨には恋人がいた。相手は腰元。
”ボンボンと使用人”どーりで秘密のはずだ~あねぇ。
彼女の名は“菊”
“どんな花より我が家の菊がイチバンだ”
殿様の声が、私にそう囁いてくれる至福の時。
でも、姿が見えなくなると、たちまち目の前は真っ暗。
心は沈んで行くばかり…(ブクブクブク~)
いつも傍にいて!…
あの方の心も、言葉も、一点の曇りもないはず。
じゃぁ見合いの噂は?
所詮、使用人風情では添えるはずもなし…。
”家宝の皿を割ったら死罪!”
私が割っても許してくれるだろうか、あの方は…。
目の前の割れた1枚の皿。
アクシデントではなく、お菊がわざとやったと知った瞬間…
播磨の心もまた割れた。
「俺の真心を疑っていたのか!試したのだな俺の心を!」
愛と憎しみは紙一重。”裏切りには死を!”
修羅の形相…。怒りと悲しみの眼差し…。
ああ…私が悪いのだ…。この過ちは消せない…。
刀の鞘に、あの方の手が添えられる。
「青山播磨、一生に一度の恋は終わった」
無残、お菊の死体は割れた皿と共に井戸の中…。
誰が悪いというのか。何が二人を引き裂いたのか…。
だいだいやねぇ「家宝の皿を今日使おうー」っつうたんは誰や!
責任者出て来いーッ!(by人生幸朗のぼやき漫才)
身分の差が恋人達を苦しめた。
そいつぁまるで韓国ドラマだ!
「美しき日々」「天国の階段」「秋の童話」「パリの恋人」etc
百恵&友和の赤いシリーズでもあったなー。
不変のテーマか!?”金持ちと貧乏人”
皿が、ふつーの物だったなら…。責任者出て来いーッ!
時蔵のお菊は、目を閉じて合掌した時、その手が震えていた。
福ちゃんは、覚悟をきっぱり決めた、微動だにしないお菊だった。
私だったらどっちかねー。どうするかねー。
美しかったなお菊さん。
落ち着きがあるからか、はたまた古風さに安堵するのか、
観てるとなんだかホッとするぞ。時蔵~。
☆あくまでも主観で書いたものです。特に他意はありませんので平に容赦下さい。
社会人鑑賞会で、先ずはチロンと観ようなんて思ったのが浅はかでした。
十二夜で目を引かれ、いまだ御目文字できておりません。
(><)
>時蔵のお菊は、目を閉じて合掌した時、その手が震えていた。
一瞬にして、画が浮かびました!
震えつつも決意を固める姿…。
想像するだに美しい!!
は~~、次はいつお目にかかるか?!(溜息)
女方といえば、玉三郎や福助の名前が出るところを、よくぞ”時蔵”ときてくださいました。
福ちゃん贔屓の私が言うのもなんですが、地味だけどイイっす。
11月の歌舞伎座より、1月の藤十郎襲名披露で「口上」に出演する時蔵を観ましょ~。観ましょう~。
ま、せっかくだからコメしときます。
玉三郎さまのお菊と辰之助さまの播磨を見たら、ほかは見なくていいなんて(見もしていないのに断言)
それっくらい素敵で悲しかったデス。
初めまして。ようこそ。
古いレビューを覗いて下さり有難うございます。
お菊さんを演じる玉三郎にはまだ出逢ったことはありません。
いつか是非!観てみたいです。
※HNを古典めざましタイからかしまし娘に変えています。