アッパレじゃ!

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人間の証明 ♪Mama Do you remember♪

2013年04月08日 | 映画

懐かしいぃいぃ。WOWOWでやってたもんで
ついついチャンネルを合わせちまったよぉ。

 人間の証明
   製作:角川春樹
   原作:森村誠一
   監督:佐藤純彌 
   音楽監督・作曲:大野雄二
   主題歌:『人間の証明のテーマ』(ジョー山中)
   出演:松田優作、三船敏郎、岡田茉莉子、ジョージ・ケネディ   ほか
   1977年 東映

この題名で思い出すのは…♪Mama Do you remember♪
そうして、あの…「母さん、僕のあの帽子どうしたでしょうね」
だよね、だよね、そうだよね。
どの年代の人まで頷いてくれるか判んないけど。アハハ。

オープニングはこんな風景だったのか!マルっと忘れてたわぁあ。
ニューヨークはハーレム育ちの黒人ジョニーヘイワード(ジョー山中)が、
大金を手にして航空券を買って新品の洋服で、すっげぇ嬉しそうに
大家さんに叫ぶの「キスミーに行く!」

松田優作、三船敏郎、鶴田浩二、ハナ肇、大滝秀治、伴淳三郎、
長門裕之、范文雀、峰岸徹、地井武男、鈴木ヒロミツ
 etc
もうこの世にはいない人ばかりだけど、なんとゴージャスなっっ!!!

角川が原作本と映画をタイアップさせて、ものごっつい宣伝やって、
だから日本人の誰もが知ってるくらいだったんだよね。
もしや!「読んでから観るか。観てから読むか」
ってこの映画のキャッチフレーズ!?
そういえば…私も映画館に行った気がしてきた(覚えてろ!)

アメリカに占領されていた第二次世界大戦直後の貧しい日本。
その時代がこの事件の背景に暗い々影を落とす…。
ジョニーヘイワードにも、棟居刑事(松田優作)にも、八杉恭子(岡田茉莉子)にも…。
そういう過去の体験の生々しさと、
西條八十の、夏の太陽の下で優しい風が吹くような、あの詩と、
吊り合わない感じがするんだけど…。
話が進めば進むほど、バッチリドッキングして行くんだよねぇ。

ニューヨークロケもやっちゃって、松田優作は英語喋ってカッコエエし、
三船敏郎はチョロっとしか出ないんだけど、大物政治家でド~ンとしてるし、
捜査本部でシャキッと仕切ってる鶴田浩二にホレボレするし、
優作の相棒ハナ肇もイイ味出してるし、
そうそう、その味がジンワリ効くのがね…、

犯人と確信しながら証拠がない…追い詰めながらも
八杉恭子(岡田茉莉子)は車で去ろうとしている…。
突然、車の窓に首を突っ込むようにして、
ハナ肇があの詩を朗読するんだよねぇえ。ホロリ…
「母さん、僕のあの帽子どうしたでしょうね」
大滝秀治は、刑事が2人で飲んでる居酒屋に入ってきて、
「母さん、僕のあの帽子どうしたでしょうね」
佐藤蛾次郎と西条八十談義。
大滝秀治なんてこの一瞬しか出てないのに、
キーワードをバ~ンと披露しちゃってるんだよぉ。

んでもって、岡田茉莉子画面いっぱいのオーラ!!
こういうのを大物女優というんだなぁ。
昔は沢山こういう映画女優がいたのになぁ。
今はこんなデッカイ女優いないよぉお。

捨てたはずの黒人の子供が目の前に現れて刺殺。
そんな重い罪を背負ってしまって…。
息子もひき逃げ事件を起して罪人になっちゃって、
それをひた隠しにして、ニューヨークで2人して生きようとする…。
あ、このダメ息子が岩城滉一
結局、一足先にアメリカに行った息子はそこで射殺されて、
母親は霧積で自殺…。
その後ろ姿を見守る刑事2人が、またねぇ。ジ~ンぅぅ
で、ここで終ると思ったのに、そうじゃなかった!

ラストはハーレムのきっちゃないゴミだめみたいな場所で、
2人のアメリカ人が死ぬ。ジョニーヘイワードの父親と、刑事。
それまで、米国に踏みにじられまくってきた日本。
そういう思いでこの映画を観てきたのに…。回想場面が何度も出てくるし…。
アメリカにも大きく深い傷なんだ。戦争って誰のためにもなってないじゃん…。
なんともいえない…ドンヨリした空気が…。心の中にバァ~っと入ってくるんだよぉ。
2013年の今じゃずっと遠い昔のことみたいだけど、
公開当時のS52年には、戦争体験が脳裏に焼きついていた人が沢山いて、
もっともっと響いてくるものがあったんだろうな…ぁ。
でもね。やっぱりね、
『人間の証明』という映画を思い出す時、私の目に浮かぶのは、
緑の谷間に、風に吹かれてクルクル回りながら落ちて行く麦わら帽子。

西條八十 帽子
母さん、僕のあの帽子、どうしたでせうね?
ええ、夏碓井から霧積へ行くみちで、
渓谷へ落としたあの麦稈帽子ですよ。

母さん、あれは好きな帽子でしたよ。
僕はあのとき、ずいぶんくやしかった。
だけど、いきなり風が吹いてきたもんだから。

母さん、あのとき、向うから若い薬売が来ましたっけね。
紺の脚絆に手甲をした…。
そして拾はうとしてずいぶん骨折ってくれましたっけね。
だけどとうとう駄目だった。
なにしろ深い渓谷で、それに草が
背丈ぐらい伸びていたんてすもの。

母さん、本当にあの帽子どうなったでせう?
そのとき傍に咲いていた車百合の花は、
もうとうに枯れちゃつたでせうね。そして、
秋には、灰色の霧があの丘をこめ、
あの帽子の下で毎晩きりぎりすが鳴いたかも知れませんよ。

母さん、そして、きっと今頃は、…今夜あたりは、
あの渓間に、静かに雪が降りつもっているでせう。
昔、つやつや光った、あの伊太利麦の帽子と、
その裏に僕が書いたY・Sという頭叉字を
埋めるように、静かに、寂しく…。
初めて詩を最後まで読んだぞぉお。なんか…ジ~ンとくるなぁ

そうそう、ホテルニューオータニの丸い展望レストラン。
ジョニーヘイワードが夜の闇に浮かぶ灯りを見て
「ストウハ(=ストローハット)」って呟くんだぁ。
お母さんとの思い出の麦わら帽子に見えたんだよね。
森村誠一がそのホテルのフロントに一瞬出演してるんだけど、
元ホテルマンだったのかっ。

人間の証明
森村誠一公式サイト


2 コメント

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碓氷峠 (花かば)
2013-04-08 09:15:57
10年ほど前に、仕事で近くまで行きました。
頭の中ではそのフレーズが流れ、テーマソングが流れました。ジョー山中は、上映中やったか後やったか、薬物で逮捕されましたよね。そこまで思い出しました。
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母さん、僕のあの帽子 (かしまし娘)
2013-04-08 11:48:33
花かば様
キャハハ!そうですか!やっぱり刷り込まれてるんやなぁ。
もうそこでいいから麦わら帽子を投げてくれればヨカッタのに(笑)
ジョー山中…そうでしたっけ!
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