とある年の「勧進帳」日記
“一幕見”とは、公演中の演目の中で、好きな作品だけチョイスして観る
入替え制の自由席で150席(立見60を含む)
専用扉から入ると、気分はエベレスト登山者!
頂上目指して急な階段をエッチラオッチラ。
やっと着いた所は4階!舞台は遠い遥か彼方。
でも、一幕だけだから、料金は七百~千円位。
雰囲気を楽しむ外国の観光客や留学生にモテモテ。
買い物帰りのおばちゃんから、カップルから、ス-ツ姿のサラリ-マンから、
OL、おばあちゃん、おじいちゃん、はては大向うまで!
常連さんもワンサといるのだ。
「勧進帳」人気あるんだな。一幕見席ほぼ満席!平日なのに!
北へ落ちのびようとしている義経と弁慶一行の前に、
立ちはだかったのが安宅の関。
詮議するのは富樫だ。
目に飛び込んできたのが『アンサンブル』。
ここでいう『義経組の4人の番卒と富樫組の3人』のこと。
舞台の両端で、一つのラインを形作り、且つ揃って動いてる。
まるでミュ-ジカルのバックダンサーのよう。
こんなに美しく、考えられた構成であったとは。
創作されて何百年?
ともすれば主役の3人いや、喋る2人(弁慶と富樫)に目を奪われがちで、
その他大勢は、無視してしまうけど、
これが、4階席の見方という事なのでしょうか!?
主役の顔をアップで見れないから、
全体の動きをジックリ観たら、目から鱗が落ちちゃった。
演奏者を舞台中央に並べる事で、
役者と楽器の掛け合いをビジュアル的に見ることが出来る。
お互いタイミングが絶妙!
舞台の隅々まで使って、役者の立ち位置を決めている事が判る。
映像で言うなら、アップにしたい時に富樫と弁慶が舞台の面に近寄って、
見得をきっちゃうんですね~。
ロングにすると端のアンサンブルの動きが映るんですね~。
いやぁぁぁ。唸りっ放しだったヨ。
昔の人は偉いね!現代に伝えてくれて有り難やぁぁ。
近くも良いけど遠くも良い。恐れ入谷の鬼子母神~。
ラスト。弁慶の飛び六法で、一幕見席は拍手しながら総立ち!!
花道見えないからって!!…立っても見えたりしません!!
こんな連帯感!こんな興奮!さっすが一幕見ッッ!
今月は『勧進帳』が観れます。何はともあれ歌舞伎座へ!ライブで楽しもうゼ~。
☆あくまでも主観で書いたものです。特に他意はありませんので平に容赦下さい。
トラックバックありがとうございます。
私の興味と共通するカテゴリーがあって、今後ちょくちょく訪問させていただきたいと思います
9月の「勧進帳」は幕見席の4階までも役者さんがぐーっとくる感じで小屋全体が熱くなってましたー。
必ず型が決まっているのに弁慶が荒ぶる四天王を杖で抑えるとこは目頭と胸がきゅんです。
そして上から見ると弁慶・富樫の問答のにじり寄りも絵のようできれいですねぇ。
観たい気持ちが盛り上がっているときにさっと行って観れて大感動できる幕見…いいですよね
コメントありがとうございました。
一幕見の雰囲気は独特でイイですよね。
待ち時間が長いせいか、必ずご近所の方と”歌舞伎談議”になりませんか?
それもまた楽し。ですね。