2004年7月 俳優座劇場
今回の舞台は、俳優座劇場開場50周年記念
「俳優座劇場プロデュース」!!
ムムム。新劇界も進化しておるの~。
7/8~18という上演期間。最初の2日間は、
ハーフチケットデーで、全席2600円均一!!
これならちょっくら行ってみたいな。と心動かされたものの、
そんなお得なチケットをGET出来るはずもなかった…。
う~ん。考えたさ。
今回のお目当ては、作品でも演出でも何でもない。
“久世星佳”という一人の女優だ。
これまで、TVで見た「ハムレット」やインタビュー等でも、
然したる良さを感じなかったけど、
2月に観た「KASANE」で、声に惚れてしまった。
彼女の“あの魅力”が、今回も引き出されるのか否か。
それを確かめたかったの。
それに、5200円はちと高いのではないだろーか。いーやそんなことないな。
俳優座にTELをしてチケットを購入。
その対応のなんと気持ちよかったこと。心がホンワカ~。
当日の劇場側の応対にも拍手!!
開演前に、スススと男性係員が客席の最前列へ登場し、
程良い声量で、諸注意を言った後、
待ってましたとばかりに客電が落ち、
これまたスススと緞帳が上がった。一連の動きに無駄無し!
終演後は、出入り口で中年男性係員が笑顔で!
「有難うございました」と心を込めて言っていた!
“もてなしの心”
こんなもん、旅館でも滅多に味わえないゾ。
それが“劇場”っつう所で! アッパレじゃぁ~。
『ハロー・アンド・グッドバイ』
作=アソル・フガード/訳=小田島恒志
演出=栗山民也
出演=ジョニー・北村有起哉 ヘスター・久世星佳
南アフリカのとある町に、女が一人降り立った。
目指すは、大嫌いな父と弟が住む家。
労働中事故で片足を失い、寝たきりの父。
その賠償金を貰う為に、女は15年ぶりに帰って来たのだ。
南アフリカの作品を翻訳とな!時代は1965年とな!
“新劇”か~。堅~くて重~い芝居なのかも...。
男が一人、部屋の中で数字を数えている。
「俺は狂ったのか?...嫌、
本当に狂った奴がそう言うはずがない。俺は大丈夫だ」
セットの部屋は、現実的ながらどこか絵空事にも見える。
舞台中央で交差する長い棒は何?
後で新聞批評を読んでビックリ。それは“十字架”だった...。
姉が帰ってきて、静かだった弟の生活は一変する。
隣の部屋にいるはずの父を見舞おうともしない姉。
ただ、その部屋にあるはずの現金を探す為、
弟に次々と箱を持ってこさせる。
姉「この家はあんたにあげる。私が欲しいのはお金」
弟「金は全部あげるから、早く出て行ってくれ」
殺風景な場所にゴチャゴチャと物が増えてきて、
次第に部屋が温まってきた様な気がする。
時々は、思い出話に花を咲かせる姉と弟。
果たして父は生きているのか?いないのか...。
最後の箱にも、目当ての物は無かった。
苛立ちが頂点に達して、隣の部屋へ突進する姉。
しかし、彼女がそこに見たものは...。
姉「...一緒にこの家を出るのよ!」
弟「...」
姉「そんな事するわけないわね。バイッ」
弟の静かな生活が再び始まる。
魅惑の声で心ときめかせてくれた久世星佳。
それは、フライパンの上でジンワリ溶けてゆくバターなのだ。
いつまでも余韻を残す...。そんな響きの声なのだ。
なんとも耳に心地よくクラクラくるのであ~る。
暗い話。なのに明るかった。音楽はエンディングに流れるだけ。
その間、2時間20分(休憩20分)二人の会話だけが劇場を包む。
想像する材料がこちらに何もないから、
人の名前や、町の情景を語られてもイメージ出来ない。
アパルトヘイト問題とかなんとか、って言うより
「人」という問題を、淑やかにサラッと問い掛けられた。
“十字架”が部屋の中央に置いてある事で、
たぶん、西洋の人には、また違った問いかけがあったはず。
南アフリカの作品といえば、黒人。だと思い込んでいたけど、
作者は南アの白人で“プア・ホワイト”なのだという...。
ああ、所詮翻訳物。
舞台から深い事はキャッチできない日本人でありました。
しかしながら、翻訳物をここまで抽象的にしてくれた事に感謝。
何故なら“心が物語から離れなかった”から。
☆あくまでも主観で書いたものです。特に他意はありませんので平に容赦下さい。
今回の舞台は、俳優座劇場開場50周年記念
「俳優座劇場プロデュース」!!
ムムム。新劇界も進化しておるの~。
7/8~18という上演期間。最初の2日間は、
ハーフチケットデーで、全席2600円均一!!
これならちょっくら行ってみたいな。と心動かされたものの、
そんなお得なチケットをGET出来るはずもなかった…。
う~ん。考えたさ。
今回のお目当ては、作品でも演出でも何でもない。
“久世星佳”という一人の女優だ。
これまで、TVで見た「ハムレット」やインタビュー等でも、
然したる良さを感じなかったけど、
2月に観た「KASANE」で、声に惚れてしまった。
彼女の“あの魅力”が、今回も引き出されるのか否か。
それを確かめたかったの。
それに、5200円はちと高いのではないだろーか。いーやそんなことないな。
俳優座にTELをしてチケットを購入。
その対応のなんと気持ちよかったこと。心がホンワカ~。
当日の劇場側の応対にも拍手!!
開演前に、スススと男性係員が客席の最前列へ登場し、
程良い声量で、諸注意を言った後、
待ってましたとばかりに客電が落ち、
これまたスススと緞帳が上がった。一連の動きに無駄無し!
終演後は、出入り口で中年男性係員が笑顔で!
「有難うございました」と心を込めて言っていた!
“もてなしの心”
こんなもん、旅館でも滅多に味わえないゾ。
それが“劇場”っつう所で! アッパレじゃぁ~。
『ハロー・アンド・グッドバイ』
作=アソル・フガード/訳=小田島恒志
演出=栗山民也
出演=ジョニー・北村有起哉 ヘスター・久世星佳
南アフリカのとある町に、女が一人降り立った。
目指すは、大嫌いな父と弟が住む家。
労働中事故で片足を失い、寝たきりの父。
その賠償金を貰う為に、女は15年ぶりに帰って来たのだ。
南アフリカの作品を翻訳とな!時代は1965年とな!
“新劇”か~。堅~くて重~い芝居なのかも...。
男が一人、部屋の中で数字を数えている。
「俺は狂ったのか?...嫌、
本当に狂った奴がそう言うはずがない。俺は大丈夫だ」
セットの部屋は、現実的ながらどこか絵空事にも見える。
舞台中央で交差する長い棒は何?
後で新聞批評を読んでビックリ。それは“十字架”だった...。
姉が帰ってきて、静かだった弟の生活は一変する。
隣の部屋にいるはずの父を見舞おうともしない姉。
ただ、その部屋にあるはずの現金を探す為、
弟に次々と箱を持ってこさせる。
姉「この家はあんたにあげる。私が欲しいのはお金」
弟「金は全部あげるから、早く出て行ってくれ」
殺風景な場所にゴチャゴチャと物が増えてきて、
次第に部屋が温まってきた様な気がする。
時々は、思い出話に花を咲かせる姉と弟。
果たして父は生きているのか?いないのか...。
最後の箱にも、目当ての物は無かった。
苛立ちが頂点に達して、隣の部屋へ突進する姉。
しかし、彼女がそこに見たものは...。
姉「...一緒にこの家を出るのよ!」
弟「...」
姉「そんな事するわけないわね。バイッ」
弟の静かな生活が再び始まる。
魅惑の声で心ときめかせてくれた久世星佳。
それは、フライパンの上でジンワリ溶けてゆくバターなのだ。
いつまでも余韻を残す...。そんな響きの声なのだ。
なんとも耳に心地よくクラクラくるのであ~る。
暗い話。なのに明るかった。音楽はエンディングに流れるだけ。
その間、2時間20分(休憩20分)二人の会話だけが劇場を包む。
想像する材料がこちらに何もないから、
人の名前や、町の情景を語られてもイメージ出来ない。
アパルトヘイト問題とかなんとか、って言うより
「人」という問題を、淑やかにサラッと問い掛けられた。
“十字架”が部屋の中央に置いてある事で、
たぶん、西洋の人には、また違った問いかけがあったはず。
南アフリカの作品といえば、黒人。だと思い込んでいたけど、
作者は南アの白人で“プア・ホワイト”なのだという...。
ああ、所詮翻訳物。
舞台から深い事はキャッチできない日本人でありました。
しかしながら、翻訳物をここまで抽象的にしてくれた事に感謝。
何故なら“心が物語から離れなかった”から。
☆あくまでも主観で書いたものです。特に他意はありませんので平に容赦下さい。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます