アッパレじゃ!

大好物は舞台観劇♪ようござんすか?ようござんすね。”私見”バリバリ入りますっ!ネタばれアリアリ~。

5月 歌舞伎座 江戸の夕映

2006年05月25日 | 歌舞伎

 

團菊祭五月大歌舞伎  昼の部  20(土)  

作:大佛次郎
初演:S28年 歌舞伎座

大佛次郎といえば“鞍馬天狗”!
たぬき』も『築山殿始末』も…。
若き日の信長』の後に出来たんだって。どんなんかんなぁ。
  レポはこちら → 築山殿始末

「祖父たちに書かれたものを父たちが、そして私たちが演じる」
異口同音に嬉しさを表す3人。って誰~だ?

江戸の夕映(えどのゆうばえ)

江戸から明治へ。変わったのは年号だけじゃない
人々の生活も、ガビーン!大変身ー!

榎本艦隊が函館へ!
きゃ~榎本武揚ってLoveりんじゃん~(ちがうちがう
  レポは → 新選組!!土方歳三最期の一日
 

艦へ乗り込もうとしている直参旗本の小六(海老蔵
赤毛の官軍がやってきて「おまはんわ~」
あ、薩摩武士(亀三郎)だ。
行く手を遮っちゃったんで、バーッサリ。小六に斬られちゃった。

舟宿では船頭たちがブラブラ。
娘(尾上右近)は、そいつらの噂話にカンカンッ!

「右近!」と大向こうからも!
妙に色っぽいねぇ右近く~ん
大人と子供の挟間って、ヤヤヤヤヤー

噂の主・大吉(松緑)が2階から降りてきた。
酔っ払いながらも
「鳥羽伏見の戦いは大変だったんだ。江戸が焼かれなくてヨカッタじゃぁないか」

もう1人降りて来たのが、柳橋芸者おりき(菊之助
踊り場でドン!壁にチョコっとぶつかるあたり、
ク~ホロ酔いしてんじゃん。

”美”って、この疲れた身体と心に沁み込むー
サロンシップ貼るより効く~

 りき 「この人肥えてるから、もう少し若いと関取にしたら楽しみだろうね…」
 大吉 「なんだ、お前だって段々親に似て来やがる」

場内爆笑~。
実は、初演の梅幸松緑(二世)、梅幸の父六代目菊五郎
当て込んだ台詞だったんだと。
でも、この2人に言ってもOKだよねぇ

「舟を出してくれ」小六が入って来た!
「お登勢さんはどうなるんだヨ。なんで今更蝦夷なんだヨ」と大吉

世の中の流れに身を任せて、武士を捨てる大吉の言葉なんて、
一本気な小六には聞こえないのサ。

「OK。舟出すよ」老船頭が立ち上がる。
菊十郎~!いぶし銀っ銀っ銀っ~。

「え~い。私も一緒に行っちゃる!」
「そりゃ芸者連れはカモフラージュになるけどさぁ」

おりきに呆れる大吉~。
 
三之助…いやそれは昔のことか。
海老蔵!菊之助!松緑!揃い踏み~!!
気持ちいい~青空だね~。HAPPY~

河岸
小六を追いかけて来た許婚お登勢(松也)。
大吉ビックリ!
通りかかった参謀(亀蔵)は彼女にズキューン!
一目ぼれかー。ああ、災いの予感…。

1年後の秋
お登勢の家は貧しくなっちって…
おりきと大吉は心配して世話を焼く。
この2人、いいカップルぶりだぁねぇ~

米つき男が町役人に叱られてる。
「褌一丁で仕事すんな!街を歩くな!」だってさ。
ヒャッホー!!男女蔵~!
後ろ向いちゃったヨ~。イヤ~ン、お尻丸見え~
「滝野屋っ!!」

舞台写真コーナーには3枚!
その姿、瞼の裏に永遠に焼き付けたゼ!男女蔵

暫くして裃を着た姿でルンルン登場の米つき男。
プハ~!
笑いとりながら、この時代をその身体で!説明してるんだよな~。
やるなぁ、大佛次郎~。

ある日、お登勢の父に新しい仕事が!
でもそれは、お登勢に惚れたあいつの陰謀~。
そんなこたぁ百も承知の父っ!~!
きっぱりお断りしなすったヨ。立派立派~。

ヌワント亀蔵参謀出現っ!「お茶を所望じゃぁ」
ハハ~ン、娘に会いたいのね。
でも残念でした~出したのは母親(家橘)~。

團蔵亀蔵
どっちを応援するのさ?私~

ひげ面な顔がナイス!な亀蔵に、
「ひげを伸ばしているのか。台所の荒いたわしの様だ」
ガッハッハ~
お父ちゃんには権威の猛攻も効かず、退散する参謀でありました。

函館から帰ってこない小六を心配しながらも
「夏が来れば暑かろう。冬がくれば寒かろう。いつも想っていてやろうよ」
お登勢を励ますのだ。
ええ父ちゃんやの~。カッチョイイぞ~~!!

蕎麦屋
奥でひっそり酒を飲む男。
これって『三千歳直侍』じゃぁあ~りませんか。
そいつこそ、小六っ!
おめぇ何やってんだよ~そんな所でよ~。

近所の住職の妾が酒を飲みに来て噂話。
萬次郎~!
PARCO歌舞伎で開眼した方も多いことでしょ~。
出演頻度の高い俳優ではないので、観れて嬉しいっすよ~
「どこかに越しちまったよ」
どうも参謀を突っぱねたお登勢一家のことみたいヨ。
小六~聞いてるか~!?ったくぅ。


店の中で1人っきりになった小六。
何を考えているのやら…。

「すっげぇビチョビチョ~」威勢よく入ってきたのは大吉っ。
小六み~っけ!
「なんでお登勢さんに会ってやんないんだ!」
そーだそーだ。
「武士がどーだ。去り状がどーだ」ブツブツいう小六。

店の前を通り過ぎるのは、おりきとお登勢!
オ~マイゴッッッ!!
いやいや帰って来ましたヨ。戸開けちゃいましたヨ。
ババ~ン!!ああ感動の再会…。
黙って見つめあう2人を残して、外へ出る大吉とおりき。

 りき 「お前さん、何をぼんやりして…きっかけは肝心だ。…幕だよ。」
 大吉 「うむ、幕だ、幕だな。」
 りき 「(雨は上がって、夕映えが美しい)きれいな夕焼。」

緞帳降

芝居好きなら、たまらなくなるような幕切れである (by利根川裕)

イイ事言ってくるねぇ。そうなんだよ~。
今思い出してもジ~ンと泣けてくるんだよ~。

「紀尾井町!」
こりゃまたグッドなタイミングで大向こうやってくれるしさ~。
赤い照明は、3階からは美しくなかったんだけど…(まぁいいや
この3人を観れる幸せを感じて、鼻ズズズ~。

情のある台詞の数々だったなぁ。涙チョチョギレ~♪幸せだな~♪
”台詞劇”好きなんだなぁ私って。そんな自分に超級ビックリ

下座もなけりゃ、ツケもない。幕も引かない。こんなの歌舞伎じゃない
そう思う人も沢山いらっしゃることでしょう。
私のためだけに上演された作品なんだわ~。ありがとぉ

ルポレポはこちら
 團菊祭五月大歌舞伎 
  5/1~25 歌舞伎座
  昼の部 江戸の夕映え 雷船頭 外郎売 権三と助十
  夜の部 傾城反魂香 保名 藤娘 黒手組曲輪達引

テレビで歌舞伎
 『第22回こんぴら歌舞伎大芝居』 5/27 BS2 13:30~
  坂東三津五郎・市川海老蔵・市川亀治郎ほか

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13 コメント

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Unknown (喜の字)
2006-05-25 10:04:46
長いせりふも、若い人達は難なく覚えてよどみなく喋ってくれるからせりふ劇が生きてきますね。だからこっちもぐっと入り込んじゃう。

菊之助、色っぽ~い!海老蔵、シャープ!松緑、いいぞ!今月はこの三人が揃って役者振りを発揮してくれたのが、本当に嬉しかったです。いつまでも元気で明日の歌舞伎を背負っていってほしい!揃って元気なことが何より大事です。

松緑に「親に似て太ってるから」は「祖父に似て」でしょう。あ、別にせりふを書き換えなくてもいいんだけど。

大仏次郎っていいなあと思いました。
返信する
VIVA!大佛次郎 (かしまし娘)
2006-05-25 14:17:59
喜の字様、まいど!

”当て書”したのに、世代交代した役者でも出来る。っていうのは、相当レベル高い作品って事ですよね。私が今まで観た大佛作品の中でも金賞ものです!

現代にこういう作家がいたら、歌舞伎界がグ~ンと変わるのに。それは夢のまた夢ですが…。
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立松和平 (喜の字)
2006-05-25 14:33:32
三津五郎が当たりを取った「道元の月」は、見てないのですが、見た人が皆「良かった」と言います。評判もかなり良かったみたいです。立松和平作なんだけど、どうなんでしょう?
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やっと観ました~ (恵美)
2006-05-26 10:37:33
かしまし娘さん、こんにちは。

千穐楽にやっと!團菊祭観てきました。

一番好きだったのは「江戸の夕映え」です!明治維新の混乱がイイドラマになってますよね~♪泣けました TT 。

右近くんが急に大人びて、一気に私の中では右近さんに変身です(笑)。



「道元の月」も良かったですよ♪これもたしか松也くんが、切ないお役(若僧)で大活躍でした。

歌舞伎といってもいろんな時代や題材があると新鮮で、気分も変わって嬉しいものです。どんどんやってほしいです。
返信する
さっそく (お園)
2006-05-27 13:57:15
TBさせて頂きました。

役者の味がでたいい作品でしたよね~。

男女蔵さまの後ろ姿を観て、

一人赤面していた、初心なワタクシ…

なんてね。
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男女蔵さんの (urasimaru)
2006-05-28 12:00:13
ブロマイド、買っておけば良かったなあ。

とても良い芝居、再演してほしいです。
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後ろ姿 (かしまし娘)
2006-05-29 09:55:06
恵美様、まいど!

OH~!嬉しいです「江戸の夕映」御贔屓に!

右近は清元を継がないそうなので、このまま役者街道まっしぐらなんですね。ある日突然野太い声の男になっているのでしょ~。シェ~。



お園様、まいど!

男女蔵のお尻は、双眼鏡でたっぷり見ました~!!!

お園さんもそうだったはずだ!(笑)



urasimaru様、まいど!

やっぱりですかぁぁ。一度は手が伸びたんですが、「舞台写真」は卒業!と心に誓ったもんで…ごめんね男女ちゃん。

再演!して欲しいですね!!
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Unknown (かいちょ)
2006-05-30 01:10:12
はじめてこちらにおじゃまします。

権三と助十、岡本綺堂作品でしたのね。せっかく買った筋書きを再読してみまーす。

井戸替、面白かった。花道のこういう使い方ってはじめてみました。ゾロゾロ、ゆっくりといつまでもでてくることによって、広さを感じさせるなんて面白い!それに、沢山でてくると嬉しいし。長屋の大騒ぎっぷりもよかった。

久しぶりの『團菊祭』に、五月はこうじゃなくっちゃ!と改めて思いました。

御贔屓さんがわかりやすくって、読んでいて楽しかったです。私も、坂東吉弥さん大好きです!(あえて大好きでしたとは言いません!)

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坂東吉弥 (かしまし娘)
2006-05-30 09:29:29
かいちょ様、いらっしゃいませ!

>私も、坂東吉弥さん大好きです!(あえて大好きでしたとは言いません!)

嬉しい…

そんなお言葉…

涙チョチョ切れでございます…

舞台を観ると、「あそこにも、ここにも」吉弥が…。

6月は、歌舞伎chで吉弥に会って参ります!

レポ書きますので、宜しかったら覗いてみて下さいませ
返信する
いぶし銀 (のっぴ)
2006-05-30 19:08:33
ハローかしまし娘さま

このレポを読ませて頂きながら、楽しかった『江戸の夕映』を反芻いたしました。

おりき姐さんに会いたい時にはまたここに来ちゃおう...

あの船を出すと言った時の菊十郎さんは、まじでかっちょよかったです!
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