團菊祭五月大歌舞伎 昼の部 20(土)
作:大佛次郎
初演:S28年 歌舞伎座
大佛次郎といえば“鞍馬天狗”!
『たぬき』も『築山殿始末』も…。
『若き日の信長』の後に出来たんだって。どんなんかんなぁ。
レポはこちら → 築山殿始末
「祖父たちに書かれたものを父たちが、そして私たちが演じる」
異口同音に嬉しさを表す3人。って誰~だ?
江戸の夕映(えどのゆうばえ)
江戸から明治へ。変わったのは年号だけじゃない
人々の生活も、ガビーン!大変身ー!
榎本艦隊が函館へ!
きゃ~榎本武揚ってLoveりんじゃん~(ちがうちがう)
レポは → 新選組!!土方歳三最期の一日
艦へ乗り込もうとしている直参旗本の小六(海老蔵)
赤毛の官軍がやってきて「おまはんわ~」
あ、薩摩武士(亀三郎)だ。
行く手を遮っちゃったんで、バーッサリ。小六に斬られちゃった。
舟宿では船頭たちがブラブラ。
娘(尾上右近)は、そいつらの噂話にカンカンッ!
「右近!」と大向こうからも!
妙に色っぽいねぇ右近く~ん
大人と子供の挟間って、ヤヤヤヤヤー
噂の主・大吉(松緑)が2階から降りてきた。
酔っ払いながらも
「鳥羽伏見の戦いは大変だったんだ。江戸が焼かれなくてヨカッタじゃぁないか」
もう1人降りて来たのが、柳橋芸者おりき(菊之助)
踊り場でドン!壁にチョコっとぶつかるあたり、
ク~ホロ酔いしてんじゃん。
”美”って、この疲れた身体と心に沁み込むー
サロンシップ貼るより効く~
りき 「この人肥えてるから、もう少し若いと関取にしたら楽しみだろうね…」
大吉 「なんだ、お前だって段々親に似て来やがる」
場内爆笑~。
実は、初演の梅幸と松緑(二世)、梅幸の父六代目菊五郎に
当て込んだ台詞だったんだと。
でも、この2人に言ってもOKだよねぇ
「舟を出してくれ」小六が入って来た!
「お登勢さんはどうなるんだヨ。なんで今更蝦夷なんだヨ」と大吉
世の中の流れに身を任せて、武士を捨てる大吉の言葉なんて、
一本気な小六には聞こえないのサ。
「OK。舟出すよ」老船頭が立ち上がる。
菊十郎~!いぶし銀っ銀っ銀っ~。
「え~い。私も一緒に行っちゃる!」
「そりゃ芸者連れはカモフラージュになるけどさぁ」
おりきに呆れる大吉~。
三之助…いやそれは昔のことか。
海老蔵!菊之助!松緑!揃い踏み~!!
気持ちいい~青空だね~。HAPPY~
河岸
小六を追いかけて来た許婚お登勢(松也)。
大吉ビックリ!
通りかかった参謀(亀蔵)は彼女にズキューン!
一目ぼれかー。ああ、災いの予感…。
1年後の秋
お登勢の家は貧しくなっちって…
おりきと大吉は心配して世話を焼く。
この2人、いいカップルぶりだぁねぇ~
米つき男が町役人に叱られてる。
「褌一丁で仕事すんな!街を歩くな!」だってさ。
ヒャッホー!!男女蔵~!
後ろ向いちゃったヨ~。イヤ~ン、お尻丸見え~
「滝野屋っ!!」
舞台写真コーナーには3枚!
その姿、瞼の裏に永遠に焼き付けたゼ!男女蔵~
暫くして裃を着た姿でルンルン登場の米つき男。
プハ~!
笑いとりながら、この時代をその身体で!説明してるんだよな~。
やるなぁ、大佛次郎~。
ある日、お登勢の父に新しい仕事が!
でもそれは、お登勢に惚れたあいつの陰謀~。
そんなこたぁ百も承知の父っ!團蔵~!
きっぱりお断りしなすったヨ。立派立派~。
ヌワント亀蔵参謀出現っ!「お茶を所望じゃぁ」
ハハ~ン、娘に会いたいのね。
でも残念でした~出したのは母親(家橘)~。
團蔵亀蔵
どっちを応援するのさ?私~
ひげ面な顔がナイス!な亀蔵に、
「ひげを伸ばしているのか。台所の荒いたわしの様だ」
ガッハッハ~
お父ちゃんには権威の猛攻も効かず、退散する参謀でありました。
函館から帰ってこない小六を心配しながらも
「夏が来れば暑かろう。冬がくれば寒かろう。いつも想っていてやろうよ」
お登勢を励ますのだ。
ええ父ちゃんやの~。カッチョイイぞ~團蔵~!!
蕎麦屋
奥でひっそり酒を飲む男。
これって『三千歳直侍』じゃぁあ~りませんか。
そいつこそ、小六っ!
おめぇ何やってんだよ~そんな所でよ~。
近所の住職の妾が酒を飲みに来て噂話。
萬次郎~!
PARCO歌舞伎で開眼した方も多いことでしょ~。
出演頻度の高い俳優ではないので、観れて嬉しいっすよ~
「どこかに越しちまったよ」
どうも参謀を突っぱねたお登勢一家のことみたいヨ。
小六~聞いてるか~!?ったくぅ。
雨
店の中で1人っきりになった小六。
何を考えているのやら…。
「すっげぇビチョビチョ~」威勢よく入ってきたのは大吉っ。
小六み~っけ!
「なんでお登勢さんに会ってやんないんだ!」
そーだそーだ。
「武士がどーだ。去り状がどーだ」ブツブツいう小六。
店の前を通り過ぎるのは、おりきとお登勢!
オ~マイゴッッッ!!
いやいや帰って来ましたヨ。戸開けちゃいましたヨ。
ババ~ン!!ああ感動の再会…。
黙って見つめあう2人を残して、外へ出る大吉とおりき。
りき 「お前さん、何をぼんやりして…きっかけは肝心だ。…幕だよ。」
大吉 「うむ、幕だ、幕だな。」
りき 「(雨は上がって、夕映えが美しい)きれいな夕焼。」
緞帳降
芝居好きなら、たまらなくなるような幕切れである (by利根川裕)
イイ事言ってくるねぇ。そうなんだよ~。
今思い出してもジ~ンと泣けてくるんだよ~。
「紀尾井町!」
こりゃまたグッドなタイミングで大向こうやってくれるしさ~。
赤い照明は、3階からは美しくなかったんだけど…(まぁいいや)
この3人を観れる幸せを感じて、鼻ズズズ~。
情のある台詞の数々だったなぁ。涙チョチョギレ~♪幸せだな~♪
”台詞劇”好きなんだなぁ私って。そんな自分に超級ビックリ
”下座もなけりゃ、ツケもない。幕も引かない。こんなの歌舞伎じゃない”
そう思う人も沢山いらっしゃることでしょう。
私のためだけに上演された作品なんだわ~。ありがとぉ
ルポレポはこちら
團菊祭五月大歌舞伎
5/1~25 歌舞伎座
昼の部 江戸の夕映え 雷船頭 外郎売 権三と助十
夜の部 傾城反魂香 保名 藤娘 黒手組曲輪達引
テレビで歌舞伎!
『第22回こんぴら歌舞伎大芝居』 5/27 BS2 13:30~
坂東三津五郎・市川海老蔵・市川亀治郎ほか
ランキング参加中、あなたの清き一票を(笑)
菊之助、色っぽ~い!海老蔵、シャープ!松緑、いいぞ!今月はこの三人が揃って役者振りを発揮してくれたのが、本当に嬉しかったです。いつまでも元気で明日の歌舞伎を背負っていってほしい!揃って元気なことが何より大事です。
松緑に「親に似て太ってるから」は「祖父に似て」でしょう。あ、別にせりふを書き換えなくてもいいんだけど。
大仏次郎っていいなあと思いました。
”当て書”したのに、世代交代した役者でも出来る。っていうのは、相当レベル高い作品って事ですよね。私が今まで観た大佛作品の中でも金賞ものです!
現代にこういう作家がいたら、歌舞伎界がグ~ンと変わるのに。それは夢のまた夢ですが…。
千穐楽にやっと!團菊祭観てきました。
一番好きだったのは「江戸の夕映え」です!明治維新の混乱がイイドラマになってますよね~♪泣けました TT 。
右近くんが急に大人びて、一気に私の中では右近さんに変身です(笑)。
「道元の月」も良かったですよ♪これもたしか松也くんが、切ないお役(若僧)で大活躍でした。
歌舞伎といってもいろんな時代や題材があると新鮮で、気分も変わって嬉しいものです。どんどんやってほしいです。
役者の味がでたいい作品でしたよね~。
男女蔵さまの後ろ姿を観て、
一人赤面していた、初心なワタクシ…
なんてね。
とても良い芝居、再演してほしいです。
OH~!嬉しいです「江戸の夕映」御贔屓に!
右近は清元を継がないそうなので、このまま役者街道まっしぐらなんですね。ある日突然野太い声の男になっているのでしょ~。シェ~。
お園様、まいど!
男女蔵のお尻は、双眼鏡でたっぷり見ました~!!!
お園さんもそうだったはずだ!(笑)
urasimaru様、まいど!
やっぱりですかぁぁ。一度は手が伸びたんですが、「舞台写真」は卒業!と心に誓ったもんで…ごめんね男女ちゃん。
再演!して欲しいですね!!
権三と助十、岡本綺堂作品でしたのね。せっかく買った筋書きを再読してみまーす。
井戸替、面白かった。花道のこういう使い方ってはじめてみました。ゾロゾロ、ゆっくりといつまでもでてくることによって、広さを感じさせるなんて面白い!それに、沢山でてくると嬉しいし。長屋の大騒ぎっぷりもよかった。
久しぶりの『團菊祭』に、五月はこうじゃなくっちゃ!と改めて思いました。
御贔屓さんがわかりやすくって、読んでいて楽しかったです。私も、坂東吉弥さん大好きです!(あえて大好きでしたとは言いません!)
>私も、坂東吉弥さん大好きです!(あえて大好きでしたとは言いません!)
嬉しい…
そんなお言葉…
涙チョチョ切れでございます…
舞台を観ると、「あそこにも、ここにも」吉弥が…。
6月は、歌舞伎chで吉弥に会って参ります!
レポ書きますので、宜しかったら覗いてみて下さいませ
このレポを読ませて頂きながら、楽しかった『江戸の夕映』を反芻いたしました。
おりき姐さんに会いたい時にはまたここに来ちゃおう...
あの船を出すと言った時の菊十郎さんは、まじでかっちょよかったです!