日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「雨水」から「モモの節句」、そして「啓蟄」へ

2016-02-23 08:36:53 | 日本語学校
昨日、帰宅時には小雨がぱらついていました。今朝も地面が濡れています。曇り。

「雨水」が過ぎた頃の雨の日というのは、しめやかな春雨めいた気分になってきますから不思議です。同じように冷たい雨ですのに。

そして三月に入れば、「桃の節句」、そして「啓蟄」、「春分」と、季節の移りゆく様が目に見えるような形で訪れてきます。
 
「ウメ(梅)」から「モモ(桃)」、そして「サクラ(桜)」へ。春が近づくと、どことなくウキウキした気分になる…、いや、そうなるはずなのですが、事件が起こるとそんな気分も吹っ飛んでしまいます…。しばらく何も起こらないと、それに安住してしまい、急に電話があったりしますと、飛び上がってしまいます。

学生達にはそれが判りませんから、寒さだけが問題です。暖かくなりさえすれば、いいと思っていることでしょう。「日本に来て一番いやなのは、『冬の寒さ』」と言っているくらいですから。もちろん、雪が降れば話は別なのでしょうけれども。

今年に入ってから、2、3分ほど粉雪がぱらついたことがあったけれども、スマホを向けても写ってはいなかった…(それほどの大きさではなかったのでしょうか…まあ、あれを雨と言えば言えないこともないのかもしれませんが…、とはいえ、教室の中から見たときには、確かに白く見えたのです)。もっとも、あれを北国の人に言わせれば、「へっ。あれが雪だって」ということになるのでしょう。

北国の雪は重いのだそうです。そして大きいのだそうです。ハラハラとなんて表現がまどろっこしくなるほどドッド-ッと降ってくるのだそうです、積もるときには。

…というふうに、下界では勝手な理屈をこねているのですが、まだ二月の下旬ですからね。これから雪が降らないとも限らない。…なんて気を持たせるようなことを言ったが最後、毎日、「雪はいつ降りますか」と責められる羽目になる…だから、何にも言いません。今年は暖冬だと言われていましたし、このまま降らない可能性の方が高いのですから。

さて、「テト(ベトナムの旧正月)」で、国に帰っていた連中(一人を除いて、約束の、親兄弟からの「帰して欲しい」というファクスはありませんでしたから、連中でいいのです)。

もともと、それほど勉強に熱心ではなかった学生たちは、故郷に戻って「錦を飾った」くらいの気分で楽しめたでしょうが(戻ってからが大変です。「お金がない、お金がない」と言い始めます)、大学に行きたいとか、勉強する気で来ていた学生達は、つられて帰ったのを後悔しているようです。くらい表情になっているのですぐに判ります。

だって、2週間ですもの。特に「初級」が終わって、「中級」に入ったときにいないのですから、一番大切な時にいないのですから。慣れるのにしばらくかかるでしょうね。もっとも、それに耐えきれない人が多いという感触がありますから、落ちていくかもしれません。

「初級」から「中級」へというのは、「中級」から「上級」へというのよりも、大変なのです。これが中国人ですと、「ホッとする」のでしょうが。非漢字圏の学生にとって、単語を覚え口頭練習するだけの「初級」(初級というのは、あくまで助走なのです。それに過ぎぬのですから)はどうにかなっていても、「中級」の最初にいなければ、何をどう見ていいのかも判りません。追い追い、復習なども入れていきますし、同じところが出てきたときに確認をとったりしますので、それで補充していくしかないでしょう。

前から「帰りたい」と言いにきていた学生は、「学校の許可がなければ帰れない」と思っていたので、そう言って許可を求めていたのでしょうし、帰ることの不利も伝えることができました。その上で帰ったわけで、帰っても「(思っていたほど楽しくはなかった)つまらなかった」と言っていました。しかし、「あっ、安いチケットがあった。テトだから帰ろう。仲間も帰ると言うし、一年間貯めた金もあるし」で、何も考えずに帰った人は大変。

毎年、一人くらいは帰っていましたが、これまで、五、六人も一度に帰るなんてことはありませんでした。しかも帰ったのはベトナム人だけ。もちろん、夏休みや冬休みに許可を得て帰った他国の学生はいましたけれども。

この中に大学へ行きたいと言っていた学生がいましたが、戻ってきてからは授業に参加できないというよりも、授業中、自分は何をどうしたらいいのか判らないような状態になっています。これまでは、母国(ベトナム)で勉強していた分の蓄えで大きな顔をしていられたのかもしれませんが、彼らの国で、中級以上を学んできている人はいませんから、やり方も判らないでしょうね。

余裕があるクラス(4月生、あるいは4月生でも「初級2」から始められた人たち)であったら、復習やらを繰り返すことができますので、時間がかかるにしてもどうにか追いつけるでしょうが、昨年の7月生や10月生ともなりますと、そうはまいりません。時間に余裕がありませんので、休まず一生懸命についてくる学生の方に重点を置き、そこにあわせて授業を進めていくということになります。

その中でも大学に行きたいと頑張っている学生が数人いますので、できれば彼らを、昨年の4月生と一緒にしたい。もちろん、すぐにではありません。今はまだ差がありすぎますから、できれば夏頃までにと考えているのですが(頑張れる者は、上のクラスに入れてやった方が大学が見えてきますので、その方がいいのです)。というわけで、「Eクラス」は時間に余裕がないのです。

毎日来ていても、必死。それが2週間分が空白ですから、どう頑張ればいいのか…。

学校があるときは、休むべきではないのです。彼らにとってお金は日本人以上に大切です。不必要に帰国すれば、交通費以上に「お土産代」やら、「いい顔をし代」などがかかります。オケラになって戻ってきて、そしてすぐに四月から「六ヶ月分の学費」の請求が渡されるわけですから、たまったものではないでしょうね。

勉強するために日本へ来た、その時に借金したというのなら判りますけれども、そんな人は帰ったりしないでしょう。また実際にそういう人は勉強に、アルバイトにと頑張って、帰国なんてしません。

日々是好日
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