曇り。
台風が来つつあるとのことですが、早朝の雨もすっかり止み、このままの状態が続いていくかな…とも思われるのですが、夕方にはまた降り出すとのこと。
台風の影響なのか、それによって前線が活発化され、雨が降っていたのか、まったくよくわかりません。「台風」の進路ばかりを気にしていても、どうにもならないと言うことなのでしょう、きっと。ああ、複雑です。
昔の人は、森羅万象から、知恵を授けられ、冷静に観察することによって、私たちが思いも寄らぬような判断が下せていた…。それを思うと、科学が発達すればするほど、ヒトは、己の退化を身に沁みて感じなければならなくなる…。
さて、学校です。
昨日、「N3」と「N2」の「模擬試験」を実施しました。2回目です。確かに少しずつ伸びている…ように見える人達にとっては、この「対策期間」が無駄ではなかったということなのでしょう。とはいえ、安全圏内とは、まだまだ言えません。
もっとも、「Bクラス」は、まだ受験対策を行えるようなレベルではないので、平常通りの授業プラス、文法と漢字の復習を少々取り入れている…くらいなので、それで結果を出せと言うのは、ちょっとかわいそうかな。
あまりに成績が悪いと、辛くなって学校に来たくなくなるかもしれません。それは困る。成績はともかく、皆、きちんと、毎日、学校に来て、授業に参加してくれるので、それが強みのクラスなのです。
それぞれ、クラスによってタイプは違うのですが、このクラスは、ヒアリングに難ありの人が多めで、それゆえ、本を見てどうこう説明しても、あまり役には立ちません。右の耳から左の耳へとなりやすく、その形では、ちとまずい。それで、教科書の文章を読みはするのですが、その説明から話し合いの材料になるもの、あるいは彼等から質問を受けたことなどを利用して、「互いに話し合う」という形の進め方に、今、やっと落ち着いて来たところ。
まずは「聞き取り」です。聞き取れないと、何を言っても、川の中に言葉を投げ込んでいるようなもの。激流か、チョロチョロ川かはわかりませんが、ともかく流れていくのは確か。どこかで、とどまってくれないかなと期待してもとどまってくれません。
こちらの表情を見ながら、だいたいで、「はい」「はい」と言ってはいても、聞き質していくと、全然違っていたなんてことも、ザラなのです。
まずは、言いたいことを言う。言いながら、ほかの人の意見なり、チャチャなりを受け止め、また発言する。これに参加出来る人を少しずつ増やしていき、できれば、早く本に戻す。…これは、即席のテスト用の勉強とは言えませんよね。けれども、少しずつでも、力はついていきます。もう少し、聞き取れるようになれば、文法の勉強をしている時でも、「ああ、これがあれだったのか」と思えることもあるでしょうし、次はこの言い方をしてみようと思うこともあるかも…しれません。まあ、それを期待しているのですが。
彼等、「気配りが出来て、腰も軽い。明るく、誰とでも仲良く出来る」。…でも、なかなか思うような点数がとれない…。みんな同じように授業に参加しているのですけれどもね。
確かに、漢字の覚えはそれほどよくはない。しかも、暗記も苦手ではある。とはいえ、授業の時に時間をかけて繰り返しやらせていくと、出来るようにはなるのです。家で少しでも勉強してくれると、この点は変わってくると思うのですけれどもねえ。
それが…できない。
これは、本当にかわいそうなのですけれども、家で学習する習慣が培われていないのです。本人は聞くと「した」とは言いますけれども。多分、私たちが「した」と言えるほどのことは「していない」のでしょう。本を読むという習慣もですけれども。「N3」くらいになって来ると、人によっては、かなりの時間、うちで勉強してこなければ追いつけなくなってきます。国ではそれくらいのやり方でどうにかなっていても、ここではどうにもならないのです…。
最初は、国と同じように、教室で机についているだけ(「初級」では、復習をかねて、宿題を出してあります。やったところだけですが。字をあまり書く習慣がない人にとっては、それだけでも大変。『Ⅱ』になると、ズルをする人もでてきます)…。でも、「初級」が終わると、宿題はでなくなる。予習や復習がそれに取って代わることになるのですが、予習復習をやったことがない人達には、…やれないですね。写すはいいけれども。せいぜい、今日勉強したところを見ておくようにというのが精一杯。でも、見ていないなあ。復習しなければ、「聞き取った」文を「書き取る」ことはできません。これが出来ると、復習をちゃんとしたなということがわかるのですけれども。
今は、「Aクラス」でも、「どこを出すか」の7割り方、先に言ってあります。すると勉強する人がいるのです。もっとも、その日の授業の直前にですけれども。
それでも、適当に日本語が聞き取れるようになって、しかも勘がついて、「N3」どころか、「N2」まで合格出来る人も出てきます。そういう人を見ていると、「漢字は書けなくてもいいんだなあ。適当に意味が判ればいいんだなあ」と思ってしまいます。
だって、コツコツ漢字を覚えて来た人の方が「N3」で苦労するということも、すくなくありませんから。
「勉強の時だけだよ。努力が報われるのは」というのが、本当になればいいのですけれども。
日々是好日