雨。
今のところ、小雨です。それでも、傘か雨合羽は必要でした。フードが風に飛ばされると、やはり小粒であっても(当たると)痛い。
誰の狂歌だったか、時々ふっと浮かぶことがあります。
「世を捨てて 友達多くなりにけり 月雪花に 山ほととぎす」
ごく当たり前のことを呟くような狂歌は珍しい。普通はもっとヒネりがきいているか、諷意があるかしますもの、それにもうちょっとしゃれている。ところがこれはとても素直。もっとも素直とはいえ、現代では成り立たないでしょうね、これは。
温暖化のせいか、この辺りでは、冬でも雪が見られなくなった。歌に詠むなんて、とんでもない。南国から来た学生と同じように、冬になると、こちとらでも、雪が見た~いと叫んでいます。
「ホトトギス(不如帰)」も、山にでも行かない限り、声も聞けなければ、姿だって見ることはできない。もっとも、ここでどうして「ホトトギス」なんだろうと、現代人の私は思ってしまいます。声なら「ウグイス」だろうにと。
そういえば、「ウグイス」を一度だけ見たことがありました。ふるさとというか、両親が退職後に建てた家に、飛んできたのです。「(ウグイスの)声がする」で、声のする方に…あっちへ行き、こっちへ行き…。でも、姿は見えず…。でも、だんだん近づいてきているのはわかる。で、固まって、目だけ動かすようにしながら待っていると、来ましたね、すぐそばに。
裏の、木の陰で、薄暗くなっているところに止まっていたのです。最初は見ても「これ???」くらいのものでしたが、一声あったので、「やはり、そうか」。地味な色の鳥でした。それまで、「メジロ」のような、きれいな緑色をしているものとばかり思っていたのです。とはいえ、「ウグイス」はいいですね。鳴き声を聞くと、嬉しくなって、なんだか今日一日いいことがありそうな。山に行って、「ウグイス」の声を聞いたときもそうでした。すっと汗が引いて、清々しいような気分になれましたもの。
でも、先人は、「ウグイス」でなくて、「ホトトギス」を友に選んだのです。
昔の人は、身近に鬱蒼とした木々やそこに飛んでくる鳥たち、そして動物にも近い存在だったのでしょう。今は、なかなかそうはいきません。一度でも見ることができたら、それは、「見た」としっかり記憶に残っていますもの。
今だったら、この歌はどうなるのでしょう。川柳のように
「『世を捨てて 友達多くなりにけり』。さて、下の句は」とやってみたら、どうでしょう。花鳥風月がくることは、まずないでしょうが。
日々是好日
今のところ、小雨です。それでも、傘か雨合羽は必要でした。フードが風に飛ばされると、やはり小粒であっても(当たると)痛い。
誰の狂歌だったか、時々ふっと浮かぶことがあります。
「世を捨てて 友達多くなりにけり 月雪花に 山ほととぎす」
ごく当たり前のことを呟くような狂歌は珍しい。普通はもっとヒネりがきいているか、諷意があるかしますもの、それにもうちょっとしゃれている。ところがこれはとても素直。もっとも素直とはいえ、現代では成り立たないでしょうね、これは。
温暖化のせいか、この辺りでは、冬でも雪が見られなくなった。歌に詠むなんて、とんでもない。南国から来た学生と同じように、冬になると、こちとらでも、雪が見た~いと叫んでいます。
「ホトトギス(不如帰)」も、山にでも行かない限り、声も聞けなければ、姿だって見ることはできない。もっとも、ここでどうして「ホトトギス」なんだろうと、現代人の私は思ってしまいます。声なら「ウグイス」だろうにと。
そういえば、「ウグイス」を一度だけ見たことがありました。ふるさとというか、両親が退職後に建てた家に、飛んできたのです。「(ウグイスの)声がする」で、声のする方に…あっちへ行き、こっちへ行き…。でも、姿は見えず…。でも、だんだん近づいてきているのはわかる。で、固まって、目だけ動かすようにしながら待っていると、来ましたね、すぐそばに。
裏の、木の陰で、薄暗くなっているところに止まっていたのです。最初は見ても「これ???」くらいのものでしたが、一声あったので、「やはり、そうか」。地味な色の鳥でした。それまで、「メジロ」のような、きれいな緑色をしているものとばかり思っていたのです。とはいえ、「ウグイス」はいいですね。鳴き声を聞くと、嬉しくなって、なんだか今日一日いいことがありそうな。山に行って、「ウグイス」の声を聞いたときもそうでした。すっと汗が引いて、清々しいような気分になれましたもの。
でも、先人は、「ウグイス」でなくて、「ホトトギス」を友に選んだのです。
昔の人は、身近に鬱蒼とした木々やそこに飛んでくる鳥たち、そして動物にも近い存在だったのでしょう。今は、なかなかそうはいきません。一度でも見ることができたら、それは、「見た」としっかり記憶に残っていますもの。
今だったら、この歌はどうなるのでしょう。川柳のように
「『世を捨てて 友達多くなりにけり』。さて、下の句は」とやってみたら、どうでしょう。花鳥風月がくることは、まずないでしょうが。
日々是好日