日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

新入生も、だいぶ慣れ、普通に挨拶し、普通に学校に来られるようになってきました。

2024-05-16 08:25:06 | 日本語学校
小雨。

出がけは止んでいた雨も、歩いているうちに、パラパラと降り始め、あちこちでパラパラと傘を開く音が聞こえてくる…。多少濡れても、本当に気持ちのいい朝です。暑からず寒からず、しっとりとした空気が流れ、なんとも言えず、落ち着く。草木の葉先には、小さな光が溜まっていて、風でも吹いたら、すぐにこぼれ落ちてしまいそう。いやあ、いいですね。

さて、学校です。

最初は30分前には来ていた新入生達も、今は、その時間に来るのは、2,3人ほどになり、ばらけてきました。やはり五分前ぐらいかしら、ドドドッとやってくるのは。そんなもんでしょうね。来ても何のメリットもなければ。ただ、この期の学生たちは、電車通学の人達が少なくないので、電車が遅れることを考えて、行動してもらいたいのですが。少し早めにうちを出た方がいいのです、本当は。とはいえ、来日前まで、ゆったりした時間の中で過ごしてきた人達、急には変われませんよね。

まあ、アルバイトをするようになるまで、無理かな。アルバイトを始めれば、だんだんに日本の生活にも慣れ、変わっていくことでしょう。時間は守らねばならない。そのためには、少しばかり早めに行動を起こさねばならない…というのがわかってくるでしょう。

あるときは「新入生」と言い、またあるときには「四月生」とも言うのですが、同じように4月から勉強を始めても、来日直後のレベルは、人によっても様々。

たとえば、ある国のある学校からの学生は、大体皆「文字」がちょいと変だとわかっていても、来日後に正していくしかないのです。本当は、初めての、(母国での)導入時から正しく書けた方がいいのでしょうけれども。

コロナ禍前は、その国に行って面接をし、その都度、問題点を説明していましたから、多少はどうにかなっていた面もあるのですが、今はそれもせず、「ズーム」で済ませている故、来日後、担任が苦労することになってしまいます。

昨年度も、ネパールの学生に「どうして、この字に『点』が三つもあるの?」と驚いてしまったことがあるのですが、学生曰く「(ネパールの)先生が悪い…」。同じように「点」が三つある学生が他にもいたので、ネパールのある地域、あるいはあるところで日本語を学んだ人(教師)が、皆そうだったのかもしれません。そして習ったとおりに教えたものだから、それがじわっと拡がっていって、別の地域に住んでいるのに、同じように「三つ点」で覚え、来日してしまった…。

それと「試験用の日本語」しかやってこなかった人も大変ですね。「理解」とかとは全く別の、いわゆる「暗記」だけで、合格して来た人達。(試験に)出そうな所を何も考えずに、覚えられるというのも、確かに才能だとは思うのですが、来日後、いざ、系統だった勉強をするとなると、却ってそれが邪魔になったりする。

「文字」は言わずもがな。思わず、「『N5』試験に一応は合格してきたのでしょう?」と問い質したくなるような人も、中にはいる。このような勉強が成り立つというのも、ある意味、罪作り。

まあ、合格すればいいだけしか考えていなければ、そうなるのかもしれませんが、来日できたらできたで、ゼロからの出発は大変なのは、わかりきったことだと思うのですが、それを注意しない「学校」というのも問題。もしかしたら、そういうまどろっこしい教え方をする学校の方が、現地では「ペケ」になってしまうのかもしれません。時間もかかれば、習うためのお金もかかるでしょうから。それよりも、ただ「暗記だけ」が得意という人達にとってみれば、その方が「いい学校」と映るのかもしれません

それならば、数やら助数詞やらの方を、来日前に覚えさせてくれた方がずっといい。他の文法事項はともかく。来日する前でしたら、懸命に覚えるであろう事も、来日後は気持ちが緩んでいるせいか、なかなか覚えられないのです。毎日繰り返していても、一週間ほども空けると、きれいさっぱりと忘れている。これが来日前に覚えておくと、不思議なことに忘れないのです。やはり気持ちの問題なのでしょうね。覚えねばと、真剣に覚えたか、あるいは、もう日本に来たからと適当に覚えたか、この違いは本当に多い。

来日してから、こういうものがきちんと覚えられる人は、案外少ないのです。その時は言えるようになっても、すぐ忘れてしまうのです。来日前でしたら、おそらく心構えが違うのでしょう。来日後は多少覚えていなくてもなんとかなるというのがわかってしまいますから、気力も失せる。来日前は、それがわからないので、真剣になるのでしょうね。

日々是好日
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