時々、小雨。
今朝は、来るとき、三歩ほど歩く度に、ポツリと雨粒を感じた…くらいでしたが、今、ちょっとザーッと来ましたね。今日は降ったりやんだりだそうで、お湿りくらいかな、このあたりでは。ずっと暑い日が続きましたから、息抜き程度の雨はほしいところなのですが。地域によってはそれどころではないというところもあるでしょうから、それは贅沢なのでしょう。
雨が一分ほどザッと来ると、その後涼しい風がちょい吹く。学校に着いたときから、今まで汗がタラタラと出続けでしたから、今、ちょっとほっとしているところです。
さて、学校です。
この近辺は外国人が多く住んでいるので、様々な国の人が日本語を学びに来ています。年齢がかなり高い人もいますし、働き盛りという人もいます。日本企業に勤めていて、日本語をどうにかして習得したいと頑張る人もいれば、「私は会社を作る、話せればいい」と言って、文字を覚える気などさらさらなく、マイペースでやる人もいます。
日本で生活するのなら、「ひらがな」くらいは覚えておかないと困るだろうと思うのですが、共通言語がないので、言いようがない。せめて、(学校で)他の人が「ひらがな」の練習をしているときくらいは、「書きなよな」とそれなりの指示はするのですが、若いとは言いがたいような年齢であれば、自分なりの算段があるのであろうと放っておくしかない。こうした方が自分のためになると言っても、手間がかかることは嫌なのでしょう。適当に世渡りが出来ればいいという考えなのかな、日本人から見れば。だいたい、こちらがなんと言っても、やりませんし。こういう人は自分の人生体験からしか、動けないのです逆に、文字を覚えることがどれほど「ペイしない」ことなのか説得しようとさえします。ペイ云々の問題じゃないと思うのですがね。
最近、来る中で目立ち始めたのは、母国で教育を、12年は、受けていないという人。日本では大学や専門学校に入るためには、12年間の教育を受けていなければならないのです。だから、どっちつかずになってしまい、先に進めなくなってしまう。
高校さえ、「出た」という証明があれば、次に進めるのですが、国内事情で、それがもらえない場合もある。コロナ禍で試験を受けに帰国できなかった…その間に、政治(彼らは政府と言います)が変わって、試験の仕組みが変わって、今までは出来たことが出来なくなってしまう場合もある。
高校を出てから来日しているのなら、なんとかなるにしても(専門学校、乃至大学に行けますから)、その前段階、小学生や中学生で来日してしまうと、学ばなければならない知識、技能が(日本語が出来ないが故に)習得できないまま、数年の義務教育年間を過ごさなければなければならないと言うことになってしまいます。学習言語がないのです、。日本にいるわけですから、日本語が学習言語になります。
それでなくとも、国によって勉強の仕方がかなり違いますから、子供たちは当惑するでしょう。それに、何が何だか、わからないまま、「机につく」というのは子供にとっては耐えがたいことでしょう。大人でもそうですから。ただ大人は耐えることを、ある程度は大人になる過程で学んできているので、そこが、子供とは違う。
小学校なら小学校、中学校なら中学校と、学校で使う最低限の言葉はできるだけ早く身につけさせた方がいい。「漢字圏」から来た者であれば、文字を覚える手間が省けますし、学校で学ぶ知識も漢字を拾い読みしていけば、ある程度は身につけることができる。しかしながら、「漢字圏」でもない、「英語圏」でもないという国から来ると、本当に不利なのです。
「日本語を覚えたい」という人が来ても、一般の日本語学校では、留学生が主ですから(コロナ禍の期間は別です)、若くても「高校を卒業したばかり」という18歳か19歳。こういう人たちと、14歳とが一緒に勉強するというのは、かなり難しい。時折、高校に入りたいからという人が来ても、16歳か17歳くらいなので、まあまあやれる。教材が同じでも、それほど気にすることはない。
ところが、小学生ですと、まず20分と保たない。無理です、いくら複式授業を連想されても、それは無理というもの。遊ばせるのではなく、学ぶのですから。
中学生にとっては(発達段階が違いますから)、わからないことだらけでしょう。留学生たちにだって、理解させるのは難しいときが少なくないのです。学ぶ文章の折々に、日本の社会状況や、日本人の考え方、またその変化。日本の自然や生活、それに歴史などを、参考にしながら、教えざるをえないこともあるのですが、その前段階の中学生には、まず、わからない。説明している言葉の一つ一つさえ、わからないということも多い。地理なども、「母国」を少し勉強したという人に、他国の説明などしてもぽか~んとされるだけ。慣れるまでは、わからないと言うことさえ、言わない。馬鹿にされると思ってか、言いたくないのです。みんなそうだからねで、初めて、「知らない」ことが恥ではなくなるようなのです。
もちろん、中学校で、学校生活を送っていますから、友達との会話には慣れていますが、学習言語としての日本語は習得できていません。こういう外国人子弟にきちんとした教育を受けさせておかないと、日本国としても将来的に困ると思うのですが、中学校で、「日本語の授業を週に数回行った」で、自由に生活できるようになるはずがありません。
年齢で切るのではなく、ある程度、日本語を習得させてから、中学一年まで母国で教育を受けたのであるなら、習得後、中学二年から勉強させるとか、柔軟に対処することは出来ないものなのでしょうか。ある程度の英語教育を受けてきているとしても、インターナショナルスクールは学費が高いし、そこに入れるほどの学力がなければ、そのままということで、これからの人生を歩んでいかなければならない…のでしょう。公教育として、もう少しなんとか対策は出来ないものなのでしょうか。
日々是好日