「節分」の朝。
明日は「立春」とはいえ、今日の最高気温は、18度ほどにもなるそうな。まるで、「サクラ(桜)」の頃です。それなのに、日が落ちる頃から急激に下がり始め、今年最強の寒気団が南下し、明日はまた冬に逆戻り…らしい。
そういう天気予報を見て、学校に着いてみると、6時55分に学生から電話が入っていました。彼は今日、大学へ試験を受けにいかなければならないはず…。何事があったのかと、すぐに電話をしてみると、力のない声で、「辛くて起きられない」というのです。「土曜日から熱が出て、今日下がったら試験に行こうと思っていたけれども、まだ下がらない。今は話をするのも大儀」と言うのです。「どうしよう。大学に行けない…」。とにかく今日は休め、後はまた考えるということで、他の学生にも連絡してみると…。
一人はもう、駅に着いていました。その駅に着いていた学生(7時15分くらい)、「先生、私はインフルエンザ」「ええっ!!!!」「でも、大学に行きたいから駅に来た。みんなを待っている。土曜日から具合が悪くて、昨日(日曜日)、友達二人と一緒に病院に行った。そしてインフルエンザと言われた。(大学の)面接の時に、マスクをしても、大丈夫?」「ええっ!!!!!」。
続けて、他の学生達にも連絡をしてみると…、ベトナムの学生は三人とも大丈夫でした。が、もう一人スリランカの学生が、どうも体調がよくないと言います。「病院に行ったか。インフルエンザと言われたか」と聞きますと、行っていないと言います。「頭は痛いか。具合はどうなのか」と聞きますと、頭は痛くないと言います。
「それなら、試験を受けろ」。まさか、這ってでも行けとは言えませんが(何せ感染しますから)、それほど体調が悪くないのなら、インフルエンザではないのなら、行った方がいいのです。いくら四期目があるとはいえ、その時、本当にインフルエンザか、ノロにかかってしまっていたら、大学へ行くのも夢のまた夢になってしまいますから。
ミャンマーの学生は、起き上がるどころか、話しをするのも辛いと言う。これはもう休んでも仕方がないのです。とんでもないことに(インフルエンザにかかっていながら)、駅で他の学生を待っているといった学生(駅に一番乗りです。余程大学に入りたいのでしょう)、彼は病院で「インフルエンザ」と言われていますから、これも休ませるより他に手はないのです。
しかしながら、「やっぱり、来たなあ」という感じです。
実は今年に入ってから、ポツポツとインフルエンザで休む学生が出ていたのです。(インフルエンザではないかという疑いをもたれる)怪しいのも含めて、皆、スリランカから来た学生です。
ただ、彼等はまだ去年来たばかり、日本の冬を経験していません。熱が出ると言うこともよくわからない…ようなのです。おそらく彼らの国では、「疲れた、休まなきゃ」で、休み、高熱を発するほど何かをするということもないのでしょう。だから、熱が出ていても、自覚症状がなく、感覚的にわからないのです。多分、辛いとは思っているのでしょうが、「日本の生活は大変だ」の中に呑み込まれ、「病気だから辛いのだ」とはならないのです。
日本人だったら、「きついな。熱があるんじゃないかな」とかいう勘が働くものですが、わからないで、ウロウロしていて、バタンキューになってしまうようなのです。
そういえば、以前、中国にいた時、クラスメートに、チュニジアから来ている学生がいました。学校を2日休んだので様子を見に行くと、ベットに見舞客と一緒に腰かけてお茶を飲みながら談笑していたのです。「もうよくなったのか」と聞くと、とんでもないという顔をして、手を額に当て、具合が悪いと言います。言いながら、見舞いのお菓子を如何にもおいしそうに食べています。
「へええ、この程度で学校を休むんだ。親に叱られて、『行け』とは言われないんだ。多分、この程度で、仕事だって休めるんだろうな」と、驚いたことがありましたが。
日本では、それが通用しませんから、本当に病気になってしまうのです。彼等流でやったら、病気になる前に休むので、ひどくはならずにすむのですが、(日本では)アルバイト先でも、そういうのを許しませんから、病気になるまで働かざるを得ないのです。そうしなければ、日本では「怠けている」と見なされてしまいます。そう考えていくと、日本の生活は彼等にとって大変ですね。慣れているはずの日本人だって、辛い時があるほどですもの。
この二人の受験生。一冬を過ごしているから、冬を経験しているから、大丈夫だろうと思っていたのですが、甘かった…。やはり、ベトナムの学生に比べて、スリランカ人は寒さに弱い、寒さゆえの病に弱い、ということを、つくづくと感じさせられました。
日々是好日
明日は「立春」とはいえ、今日の最高気温は、18度ほどにもなるそうな。まるで、「サクラ(桜)」の頃です。それなのに、日が落ちる頃から急激に下がり始め、今年最強の寒気団が南下し、明日はまた冬に逆戻り…らしい。
そういう天気予報を見て、学校に着いてみると、6時55分に学生から電話が入っていました。彼は今日、大学へ試験を受けにいかなければならないはず…。何事があったのかと、すぐに電話をしてみると、力のない声で、「辛くて起きられない」というのです。「土曜日から熱が出て、今日下がったら試験に行こうと思っていたけれども、まだ下がらない。今は話をするのも大儀」と言うのです。「どうしよう。大学に行けない…」。とにかく今日は休め、後はまた考えるということで、他の学生にも連絡してみると…。
一人はもう、駅に着いていました。その駅に着いていた学生(7時15分くらい)、「先生、私はインフルエンザ」「ええっ!!!!」「でも、大学に行きたいから駅に来た。みんなを待っている。土曜日から具合が悪くて、昨日(日曜日)、友達二人と一緒に病院に行った。そしてインフルエンザと言われた。(大学の)面接の時に、マスクをしても、大丈夫?」「ええっ!!!!!」。
続けて、他の学生達にも連絡をしてみると…、ベトナムの学生は三人とも大丈夫でした。が、もう一人スリランカの学生が、どうも体調がよくないと言います。「病院に行ったか。インフルエンザと言われたか」と聞きますと、行っていないと言います。「頭は痛いか。具合はどうなのか」と聞きますと、頭は痛くないと言います。
「それなら、試験を受けろ」。まさか、這ってでも行けとは言えませんが(何せ感染しますから)、それほど体調が悪くないのなら、インフルエンザではないのなら、行った方がいいのです。いくら四期目があるとはいえ、その時、本当にインフルエンザか、ノロにかかってしまっていたら、大学へ行くのも夢のまた夢になってしまいますから。
ミャンマーの学生は、起き上がるどころか、話しをするのも辛いと言う。これはもう休んでも仕方がないのです。とんでもないことに(インフルエンザにかかっていながら)、駅で他の学生を待っているといった学生(駅に一番乗りです。余程大学に入りたいのでしょう)、彼は病院で「インフルエンザ」と言われていますから、これも休ませるより他に手はないのです。
しかしながら、「やっぱり、来たなあ」という感じです。
実は今年に入ってから、ポツポツとインフルエンザで休む学生が出ていたのです。(インフルエンザではないかという疑いをもたれる)怪しいのも含めて、皆、スリランカから来た学生です。
ただ、彼等はまだ去年来たばかり、日本の冬を経験していません。熱が出ると言うこともよくわからない…ようなのです。おそらく彼らの国では、「疲れた、休まなきゃ」で、休み、高熱を発するほど何かをするということもないのでしょう。だから、熱が出ていても、自覚症状がなく、感覚的にわからないのです。多分、辛いとは思っているのでしょうが、「日本の生活は大変だ」の中に呑み込まれ、「病気だから辛いのだ」とはならないのです。
日本人だったら、「きついな。熱があるんじゃないかな」とかいう勘が働くものですが、わからないで、ウロウロしていて、バタンキューになってしまうようなのです。
そういえば、以前、中国にいた時、クラスメートに、チュニジアから来ている学生がいました。学校を2日休んだので様子を見に行くと、ベットに見舞客と一緒に腰かけてお茶を飲みながら談笑していたのです。「もうよくなったのか」と聞くと、とんでもないという顔をして、手を額に当て、具合が悪いと言います。言いながら、見舞いのお菓子を如何にもおいしそうに食べています。
「へええ、この程度で学校を休むんだ。親に叱られて、『行け』とは言われないんだ。多分、この程度で、仕事だって休めるんだろうな」と、驚いたことがありましたが。
日本では、それが通用しませんから、本当に病気になってしまうのです。彼等流でやったら、病気になる前に休むので、ひどくはならずにすむのですが、(日本では)アルバイト先でも、そういうのを許しませんから、病気になるまで働かざるを得ないのです。そうしなければ、日本では「怠けている」と見なされてしまいます。そう考えていくと、日本の生活は彼等にとって大変ですね。慣れているはずの日本人だって、辛い時があるほどですもの。
この二人の受験生。一冬を過ごしているから、冬を経験しているから、大丈夫だろうと思っていたのですが、甘かった…。やはり、ベトナムの学生に比べて、スリランカ人は寒さに弱い、寒さゆえの病に弱い、ということを、つくづくと感じさせられました。
日々是好日