日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

昨日は「卒業式」でした。発見、「茶話会」の料理が捌けない…どうして? 例年、注意しておかねば、あっという間に空っぽになってしまうものなのに。

2024-03-19 08:19:52 | 日本語学校
曇り。

曇っていても、薄日は差し込んで来ます。少し明るくなりました。学校へ来る途中、例の「サクラ」の木が、黒い蔭のような姿で立っているのに、少々、戸惑ってしまいました。

どちらかというと遅咲き。とはいえ、もうそろそろ幹や枝もかすかにでもピンク色を感じさせても良さそうなものを。まだまだ華やかさをまといそうな雰囲気は一切ありません。

温暖化が進んだとはいえ、入学式の頃の「サクラ」が、卒業式の頃の「サクラ」になるには、不十分なのでしょう。

今朝も風が強く、しかも北風…。日曜日の、「これは四月かいな」という気温とはかなりの隔たりがある。昨日の北風はすごかった。卒業式当日なのに、近くの公園では砂塵が舞っていた。幟も電線並に、ビュン、ビュユンと音を立て、旗も千切れんばかりにはためいていた。

で、学校です。

昨日は「二十回」目の「卒業式」でした。この人達(卒業生)まででしょうか、コロナの影響をかなり受けていたのは。中には二年待ってやっと来日できた学生もいました。よくぞ頑張ってくれた。このような状況で、無事卒業を迎えられたというだけでも、やったねと思わず肩をたたいてやりたくなってしまう。中にはそれほど真面目に日本語を勉強したとは言えないような学生もいたのですが、みんな、いかにもうれしそうに参加してくれました。

式は滞りなく終わったのですが、さあ、「茶話会」でと言うところで、今までとは違う光景に出くわして、はっ。料理が捌けない…。

ケーキでしょ。唐揚げでしょ。寿司でしょ。サンドイッチでしょ…。「茶話会」が終わってもかなり残っていた…。

例年ですと、あっという間に平らげられてしまい、先に、在校生に「卒業生が主役だからね…先に食べてしまっちゃだめです」と釘を刺しておかねばならぬくらいだったのに…。

卒業生一名は病気で休み。在校生一人はアルバイト先との連絡がうまくいっていなくて、参加できず、結局参加者は28人だったのですが。

まず、卒業生一名と在校生四名は「ラマダン」ということで、水分も食事も摂ることができずに、空のコップで乾杯…とならざるを得なかった。これは、まあ、しょうがない。彼らの宗教の問題ですから。…かといって、「卒業式」を延期するわけにはいかないのです。来年は「この時期にラマダンになったらいやだなあ」等と不謹慎なことをチラと考えてしまいました。

それから、甘いものがだめな学生が…多かったのにもびっくり。三、四名の男子が「甘いものがだめだ」と言い。ケーキを食べようとしない。まあ、それは好き嫌いの問題ですから、これもしょうがない。好きな人が食べればいいや…と思っていると、ネパールの女子がケーキに手を出さない。

最初は遠慮しているだけなのかと思っていたのですが、どうも、そうではなく、ケーキなるものに、慣れていない。ケーキというか生クリームかチョコレート、あるいはその土台のスポンジかに慣れていない…。で、胡乱なものを見るような目つきで見ている。一応、お祝い事だからと、渡したことは渡したけれども、そのまま…皿に入れられたまま。

それから和食が苦手のよう…どうも、彼ら、来日後も全く日本料理を食べていないよう。訊くとおにぎりは食べたことがある…けれども、あとは、ない。だめ…らしい。

これでは日本での暮らしは大変だろうなあと思ってしまいました。毎日ですからね。お金もかかるし、手間もかかるでしょうし。

スリランカの学生も、和食が初めてという人が大半なのですが、ネパールの学生とはかなり様子が違っていて、「食べてみよう」ができるのです。最初の頃は、「おなかをこわした」と言って、休む理由のいくつかは、「刺身や寿司を(初めて)食べた」あるいは「豚肉などの肉を(初めて)食べた」なのですが、一年が過ぎる頃には、だいたい「日本の料理はおいしい」と、日本料理なら何でも来いになるようなのですが。

どうもネパールから来た学生は、国で食べ慣れたもの以外は、口にしないようですね。そういえば、ネパールに行った時、「コーヒーとのケーキセット」なるものを頼んだことがあるのですが、「えっ。う~ん、これが」と、ちょっと想像できなかったようなものが出たことがありました。ちょっと食べる気にはなれませんでしたね。これも口になれていないからなのでしょう。「ケーキ」と言わずに、ネパール料理の「なになに」といっていれば、そういうものかと思って食べたのかもしれませんが。

まあ、しょうがないですね。彼らも少しずつ慣れていくしかないでしょう、日本で暮らしていくのなら。

「卒業式」とは言いながら、学生達の別の面が発見できた一日でした。

日々是好日
コメント
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