日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「卒業文集」の作文書き。

2024-03-05 08:37:09 | 日本語学校
曇り。

今朝は、どことなく、寒々しい。昨日のように、青空が姿を見せていないからでしょうか。空気までヒンヤリと感じられます。春は一歩一歩近づいているというのはわかるのですが、時々足踏みをしたり、退いたりしているようなので、ちょっと困りますね。

今日は「啓蟄」。

さて、「卒業文集」を書き始めています。「A・Bクラス」と旧「Dクラス」は終わっているようですが、「Cクラス」と旧「Eクラス」はまだまだです。

旧「Eクラス」は、先週の金曜日にやっと『みんなの日本語(Ⅱ)』が終わり、今週、復習を三コマ予定していますから、その間に、書かせるつもりでいます。まあ、10月に来た人達ですから、時間は少々かかるかもしれません。いまだに、ノートの一行に字が入らずに、二行にわたって書いてしまうような人も、二,三人いますから。

先週でしたか、このクラスでちょっと時間が取れたので、(文集のための作文を)書かせたことがありました。その時には、皆、今のレベル(初級)の文章だったので、安心したのです。何かを見て写すとか、そう言う人はいなかったのです。ところが、一人だけ、それからあと、二度ほど、「書いたから見てくれ」と持ってきた学生がいました。見ると、明らかに、何かを写したか、それもAIを使ったものであることがわかるようなものだったので、んんん…。

もちろん、見ることは見たのです。文章も、不自然な箇所がいくつかありましたし。まだ「学びの最中」であるのに、今、これをやられてしまうと、これからあとが大変なことになってしまうということで、ちょっと注意をしました。

「この文章は今のレベルでは書けませんね。単語は調べたといえばすむけれども、文法は『N1』のものもあるし、『N1』では学ばないようなものもある。こういうのよりも、自分で書いたもののほうがずっといい。最初に見せてくれたものは、よく書けていましたよ。あれにもう少し書き加えたらどうですか」

本人は、いいものを出したいと思って、私に見せたのでしょう。ただ、基本を学んでいる間は、何事によらずですが、自分が未熟なうちは、それを見える形で表に出した方がいい。その方がずっと早く身につく。変に繕ったりしない方がいいのです。芸事のようなものですから。

そんなことを言うと、ハッとした顔になっていました。国の大学ではそういうこともよくしていたのかもしれません(彼女一人に限らず、傾向として皆が)。だから、言語を学ぶための作文書きであっても、「じゃあ」となったのかもしれません。習慣で、手を借りてしまったのかもかもしれません。

ただ、これは異国(日本)の言葉ですし、同じクラスの人達が自分なりの拙い言葉で綴った文章の中に、こういうものが一つであろうと、入っていると、それは不自然ですよね。違和感のみならず、不快感を覚える人が出るかもしれません。拙いものは拙いなりで十分なのです。一年後(今度は卒業生として書いた時)に、どれだけ上手になっているかわかりますから、楽しみが増えるというものです。

日々是好日
コメント
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