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1日3食でもって皆が「エネルギー変換失調症」になっています

2017年07月12日 | 朝食抜き・断食で健康

1日3食でもって皆が「エネルギー変換失調症」になっています

 日本では「1日3食しっかり食べなさい」と政府・医学界はじめあらゆる所で口やかましく言われ続けていますが、こんなプロパガンダがまかり通っているのは日本ぐらいなものです。1日2食(朝食を抜く)が何といっても体に良く、出来れば1日1食が望ましいのですが…。このことについては、何本かの過去記事で書きました。例えば次の記事です。
 朝食有害論の歴史的推移=皆が健康な時代は古今東西「朝食抜き」

 近年になって、こうした「1日2食(朝食を抜く)」が健康にいいことを、何人もの医師が本を書かれたりして、少しずつ知れ渡ってきているようなのですが、その広がりはどれだけのこともないようです。
 というのは、朝食抜きにチャレンジしたものの、午前中の空腹感に耐えかねて仕事がはかどらなかったり、仕事は何とかできても昼食のドカ食いで午後の仕事に支障が出たりといった状態になってしまい、“やっぱ朝食抜きは無理だわ”と1日3食に戻ってしまう方が多いような気がします。
 これは、“よし、今日から朝食を抜こう”と、いきなり朝食を抜いてしまうから失敗するのでして、体を順々に慣らしていくよう、日数をかけて漸減していかねば成功しないことでしょう。あるいは、意志の弱さがけっこう影響しているようでもあります。
 でも、なかには朝食を抜くことが無理な方もいらっしゃいます。といいますのは、人によっては、朝食抜きで長時間エネルギー供給が断たれると、極端な低血糖に陥り、立ちくらみがしたり、最悪、意識を失うという事態になりかねないケースもあるからです。

 ところで、空腹感というものは、胃が空っぽになったからといって生ずるものではなくて、血液中のブドウ糖が底を突いたことによって感ずるものなのです。
 しかしながら、ヒトの体は実にうまくできていて、これは動物皆そうですが、極端にやせ細って飢餓状態にならない限り、空腹感は生じないものなのです。
 “そんなバカな話はない”と思われるでしょうが、ここ10年以上、1日1食(夕食のみ)の生活をし、時々短期断食もしている小生ですが、夕食前や断食期間中に空腹感を覚えた経験は一度もないです。(若干の例外はありますが、それは最後に説明します。)
 これが普通です。ただし、成長期の子供は体づくりに、妊婦や授乳中の母親は赤ちゃんへの栄養補給に、その分よけいに体が欲しますから、食事量が通常よりも少なければ、きっと空腹感が出てくることでしょう。

 テレビで動物ものがよく放映されていますが、例えば、野生のライオンが狩りに何度も失敗し、苦しそうに喘(あえ)いでいる場面がよく登場します。ナレーションで“空腹に耐えかねています”と解説されるのが常ですが、それは走り疲れて息が弾んでいるだけのことです。彼らライオンは基本的に1週間に1食であって、胃腸が空っぽ状態のときに最も力が出るのですし、そういう状態になってから狩りをします。そして、そのときに空腹感というものは感じていないに違いありません。
 このことは、冬眠中に出産した白熊のメスにも言えましょう。彼女らは冬眠に入る前は丸々と太っています。冬眠中から赤ちゃんに授乳し、冬眠が明けてから獲物探しを始めるも、そう易々とは獲物が見つからず、最終的に体重は冬眠前の半分ほどに落ちるのですが、授乳に支障をきたすほどに痩せてきた場合は別として、特段に空腹感を覚えることはないでしょう。体重が減った分、身軽になれて狩もしやすくなり、“体が軽くなって助かったわ”としか感じていないと思われます。

 野生動物が滅多に空腹感を覚えないと考えられるのは、彼らは、欲しても長時間獲物が捕らえられないのが普通で、そんなときは、日頃の狩りで体にいったん蓄えられた脂肪を、獲物が捕らえられない期間のエネルギー源として順次取り崩しているからです。
 いったん捕った獲物から得られた栄養は、ダイレクトにエネルギー源にする一方、内臓脂肪・皮下脂肪として備蓄し、のちほどゆっくりエネルギー源として利用する、という繰り返し、つまり、エネルギー変換をスムーズに行って、日常活動におけるエネルギー失調が生じないようにしているのです。
 ヒトも動物ですから、本質的にはライオンや白熊と同じで、原始人は2、3日間、台風や吹雪で餌あさりができないときは、じっと天候の回復を待ち、体内に蓄えられている内臓脂肪・皮下脂肪を取り崩してエネルギー源にしていたことでしょう。原始時代にはこうしたことが頻繁に起きたと思われ、年がら年中、1日なり、2、3日断食を幾度も行うも、空腹感を味わうなんてことは全く経験したことないに違いありません。
 小生のここ10年来の1日1食、たまの短期断食からして、そう考えるしかありません。

 ところが、現代人となると、特に朝食をしっかり食べる習慣を持った日本人は、悲しいかな、そのようにはまいりません。
 エネルギー源となる三大栄養素(炭水化物、脂肪、たんぱく質)の余剰分は全ていったん脂肪に変換されて備蓄されます。
 一番わかりやすいのは炭水化物ですから、これを例にして説明しましょう。
 ご飯なりパンを食べると、その主成分のデンプンは小腸で消化されてブドウ糖となり、ダイレクトにエネルギー源になりますが、一部は肝臓や筋肉で貯蔵も取り崩しも容易なグリコーゲン(お金でいえば普通預金のようなもの)に作り替えられます。それでもまだまだ余剰分があれば、これは内臓脂肪や皮下脂肪(取り崩しが容易ではない定期預金のようなもの)として蓄えられます。

 食事をしてしばらくすれば、消化されたブドウ糖が血液中に入ってきて血糖値が比較的高い状態になり、ブドウ糖は細胞に取り込まれ、活動エネルギーとしてダイレクトに利用されます。時間の経過とともにだんだん
血液中のブドウ糖が減ってくると、ここで、肝臓や筋肉に保存されているグリコーゲンがブドウ糖にスムーズに変換されて、血液中に放出され、しばらくはこれでもって活動エネルギーに利用されます。ところが、グリコーゲンが底を突くと、現代人は急激に血糖値が下がります。ここで激しい空腹感に襲われます。「血糖値の大幅な低下=空腹感」なのですからね。
 本来であれば、この段階が訪れる前に体内脂肪をスムーズに分解して、一部はブドウ糖に、多くはケトン体にしてブドウ糖の代替エネルギーにするのです。こうして、本来はエネルギー変換がスムーズに行われるのです。よって、血糖値が大幅に低下することなく、空腹感も湧かないのです。小生の体はそのように反応していると考えられます。

 現代人は1日3食どころか小腹が空いたからといって、おやつに夜食までとったり、のどが渇いたからといって砂糖入りの清涼飲料水を飲んだり、コーヒーに砂糖を入れたりしますから、ダイレクトに利用できるエネルギーが絶えず補給されていて、脂肪分解の出番がなかなかやってこないのです。
 もうお分かりでしょうね。「体内脂肪を分解してケトン体などにしてブドウ糖の代替エネルギーにする」という「エネルギー変換」機能、現代人は、この機能の出番がありませんから、使わない機能は、さび付くしかなく、いざという時に働きにくくなっていまっているのです。この状態を「エネルギー変換失調症」と呼んでいいでしょう。
 ですから、朝食をいきなり抜くと、異常な空腹感に襲われたり、低血糖になり過ぎて立ちくらみを生じたり意識を失うことさえあるのです。
 そのさび付きぐあいは、空腹感をどんな程度に、何度経験しているかによって違ってくると思われるのですが、小生とて、1日3食から1日1食へもっていく途中の段階で、最初は無性に空腹感に襲われました。幸い、その状態のときに仕事でぼいまくられていましたから、食事を口にする暇がなくて食べずじまいに終わり、やがて「エネルギー変換」機能がスムーズに働きだしてきたのでしょう、だんだん空腹感が薄れてきて自然に1日2食にそして1日1食になってしまったというのが実情です。

 ところで、「エネルギー変換」機能のさび付きを「エネルギー変換失調症」と呼んだのですが、これは小生が勝手に名付けたもので、この名称は存在しません。
 通常、エネルギー変換というとミトコンドリアにおけるエネルギー産生回路の一場面を指す言葉になりましょうが、その点、お許しください。
 いずれにしましても、この「エネルギー変換失調症」から1日も早く脱却したいものです。体内脂肪を頻繁にエネルギー変換させる、その利点は、空腹感を感じなくなることの他に数多くあります。大きな効能は次の2つです。
 一つは、ブドウ糖の代替エネルギーとなるケトン体は脳細胞にとってブドウ糖よりも優れたエネルギー源になるというものです。断食すると頭が冴えわたるのがいい例です。
 と言いますのは、脳の働きを円滑にするためにはブドウ糖を絶えず供給する体制を整えておかねばならないと言われていますが、これは間違いです。脳細胞はブドウ糖よりもケトン体を欲しているのです。ちなみに、母乳には、これがかなり含まれていて、赤ちゃんの記憶力強化に大いに役立っていると考えられています。
 もう一つは、体内に溜まった有害物質の排出です。体内脂肪が分解されてケトン体などに変換されるときに解毒が一気に進み、体がスッキリするのです。
 参照記事:
冬ヤセ、夏ヤセで毒だし!おすすめします1日断食の繰り返し

 こうしたことからも、「1日2食(朝食を抜く)」ことが「ミニ断食」(「プチ断食」)となり、「エネルギー変換失調症」から脱却できる、良き方法となります。
 「1日2食(朝食を抜く)」生活に慣れると、胃が元気を取り戻すばかりでなく、いろいろと体調が良くなるのは、多くの経験者の語るところです。
 皆さんに、ぜひともお勧めしたい「1日2食(朝食を抜く)」です。ただし、冒頭で申しましたように、いきなり朝食を抜いてしまうと失敗するケースが多いですから、次の参照記事の末尾の「追記」に従っていただいたほうがいいです。
 参照記事:
朝食抜き、1日2食で健康!昔は皆がこれで驚くほど元気…

 最後に説明することにしました例外の件。
 「朝食抜きのミニ断食」なり「1日断食」などに慣れきっていて、普段は空腹感を覚えなくても、まれに空腹感が襲ってくることがあります。
 これは、朝食抜きや断食指導50年超の大ベテラン甲田光雄先生(故人)がおっしゃっておられるのですが、「普段粗食で済ませているところを、付き合いで宴会料理を食べた翌日は空腹感を感じるようになる。原因は胃が荒れたことによるもので、これは“偽腹(にせばら)”であって、脳がそのように錯覚させられるのである。」とのことです。
 小生の場合は、毎晩、晩酌しながら肉や魚を少々食べているのですが、ときに美食し過ぎたときなど、たぶん胃が荒れたのでしょう、そうしたときに翌日の夕方に何となく空腹感らしきものをを覚えることがあります。この1、2年、それが少々気になりだしました。これは、きっと加齢(今68歳)により胃弱が進んだからでしょう。

(補記)
 先日、3日間断食を行い、漸減食・漸増食を含めると8日間の食事制限となりました。
 体重は48kgから45kgへと約3kg減となったのですが、宿便の排泄が主であって、体脂肪の減少はせいぜい1kg程度のことと思われます。(体脂肪率の測定をやっておれば、もう少しはっきりしたことでしょうが、測定忘れしてしまいました。)
 断食終了2週間後の測定値は次のとおりです。
  身長:157cm 体重:47kg BMI:19 体脂肪率:10%
 身長、体重、年齢、身体活動レベルから、基礎代謝量:1038kcal、1日消費カロリー: 1816kcalと出ました。(計算方法がいろいろあるようで、これは1例)
 1kgやせるには7000kcalを消費する必要があると言われますから、今回の断食による食事制限で、大ざっぱに言って概ねこの程度のカロリー不足が生じて、1kgの体脂肪が燃焼したのではなかろうかとも推察されます。
 ところで、小生の体脂肪量は体脂肪率から約5kgですから、断食によって脂肪は約2割減った計算になり、かなりの減りようであると言えましょう。そして、脂肪に取り込まれていた有害物質の約2割が体外排出されたことになりますから、これは健康改善にけっこう大きく影響したものと考えられます。
 このことは、1日3食の方が朝食抜きをはじめられて1か月後の状態とほぼ同様でしょう。というのは、朝食抜きを1か月続ければ1kg程度の体脂肪の減量が可能だからです。なお、体脂肪率が10%ではなくて20%の方であれば、減量は2kgになるかもしれません。その場合も有害物質の排出量は同じく約2割となります。
 では、体重が安定した以降の有害物質の排出はどの程度進むでしょうか。つまり、毎日のミニ断食の効果についてです。
 朝食を抜いて空腹感を感じる(これは最初だけで、慣れれば空腹感は消える。ただし、胃が荒れている方はなかなか空腹感が抜けない。)のは午前9時から正午までの3時間ぐらいでしょう。この間、脂肪の分解が進むと考えていいでしょうね。1か月続けると90時間となり、これは小生が行なった3日間断食(断食前の漸減食、断食後の漸増食、合わせて8日間の食事制限)とほぼ同じですから、1か月間で体脂肪の約2割は「エネルギー変換」される計算になります。よって、有害物質の排出は同じく約2割となります。
 これが繰り返されて、どんどん有害物質が排出されてクリーンな体になっていく、ということになりますが、けだし、毎日の食事で新たな有害物質が取り込まれ、それが脂肪に沈着しますから、完全にクリーンになることはありません。
 でも、1日3食の方に比べれば、体内脂肪の新陳代謝がうーんと進みますから、かなりクリーンな体になり、イキイキ元気な健康体に変身していく可能性がとても大きいと思われます。小生(68歳)、それを実感しています。 

 1日3食召し上がっておられる皆さんにおすすめの「1日2食(朝食抜き)」です。梅雨末期のあまりの蒸し暑さで食欲が落ちた今こそ朝食抜きにチャレンジするいい機会です。


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