薬屋のおやじのボヤキ

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平均余命は伸びる?それとも縮む?

2017年07月20日 | よもやま話

平均余命は伸びる?それとも縮む?

 日本人は随分と長生きするようになった、平均寿命は世界トップクラス。で、世界一だったかどうだか? これは調べれば直ぐに分かることですが、その気になれません。
 なぜならば、平均寿命なんて個人個人には何の関わりもないことであり、それを知ったって何の役にも立たないからです。これが役に立つのは、時の為政者がその統治する民の人口動態を先読みするときに必要とするだけのことです。
 我々個人個人が必要とするのは、人生設計する上において、あと何年生きられるかという「平均余命」です。ただし、最近は、年老いていったん大病すると寝たきりにさせられ、死にたくても死なせてもらえないという、生き地獄の期間も含めての「平均余命」ゆえに、これもあまりあてにできない数字ではありますが。
 「健康寿命」という言葉があるように「平均健康余命」の数値を厚労省がしっかり調査し、周知徹底させてほしいものですが、その定義がまだ確定していませんし、ちゃんとした調査もなされていませんので、いまだこれがはっきりせず、残念なことです
。これについては、自分なりに計算してみたものがありますから、一応の参考になるかと思い、下に貼り付けておきます。
 2012年6月1日発表「健康寿命」のマスコミの取り上げ方は間違っている

 さて、表題にした「平均余命は伸びる?それとも縮む?」についてですが、本題に入る前に、現在の高齢者の年齢別平均余命については、その死亡原因とともに、「高齢者の仲間入りをしたら死に方を考えましょうよ」の記事で紹介しました。
 その記事の冒頭で表にしましたが、かいつまんで言うと次のようになります。
 男の場合:70歳の平均余命は15年で平均85歳で死ぬ。85歳まで生きれば平均余命は6年で平均91歳で死ぬ。90歳まで生きれば、あと4年、平均94歳まで。
 女の場合:70歳の平均余命は20年で平均90歳で死ぬ。90歳まで生きれば平均余命は6年で平均96歳で死ぬ。95歳まで生きれば、あと4年、平均99歳まで。
 大ざっぱに言えば、男は85歳前後から、女は男より5歳長生きし、90歳前後からバタバタと死んでいくということになります。ここらあたりを頭に置いとかれるといいでしょう。

 これより本題に入ることとします。
 “昔の平均寿命は40歳、今は倍の80歳。日本人は随分と長生きするようになった”
 幾度もこうした話を耳にします。加えて“昔は80歳の年寄りなんてめったに見かけなかった”とも言われます。これ皆、大間違いです。
 “昔の人は長生きだった。80歳の元気な年寄りはたくさんいた。”
 と言ったほうが正しいようです。
 それを、以下、説明することにしましょう。随分前になりますが、36年前(1981年)に人口動態調査の結果をデータ解析された西丸震哉氏(1923年生、2012年没)の解説をその著から紹介することにします。
(西丸震哉氏は、その後1990年に「41歳寿命説」を著しておられ、2000年には「体内崩壊 加速する『41歳寿命説』」も書いておられます。氏の警鐘を一言で言えば、「1959年以降、日本は“薄いガス室”になったのであり、この環境の悪化は幼い子供たちを直撃し、彼らの寿命を大きく縮めている」というものですが、本稿においては、このことについては触れないことにします。)

(1981年:西丸震哉著「食生態学入門」より)
 平均寿命…、ここ30年(1951-1981年)のあいだに日本では男子は49歳から73歳まで延び、世界の最長寿国になったと信じられている。そして人は、自分の残り年数をこの平均寿命から消費年数を引いたものと見做すことにしている。
 これはたんへんな誤りであることに気がつかない…。
 平均寿命が延びた理由は、生後1年までのゼロ歳児の死亡率が15%から1%以下に低下し、20歳前後の結核死亡率がゼロになって、平均値の足をひっぱっていた大きな要因が抜けたことによる。…(ほかには)寄生虫病や伝染病などの天敵排除が画期的によくなったためである。
 これの見方を変えると、むかしだったら健康で成人になり得ずに死ぬ程度の人が、自分がそれに属する弱さであることも知らずに、今生きているという現実がある。
 この弱さは他のマイナス因子に対しても同じように弱さとして現われる可能性をもつ。現在だからゼロ歳では殺されずにすんだが、30歳までは生きられない人というのも含まれるし、生きてはいるが健康ではないという人もいる。
 70年前(1911年)の30歳になり得た人は、当時の悪条件下でとにかく30年間殺されずにすんだ、かなり強健な人であり、当時(1911年)の30歳の人が(1941年に)60歳になれた率は、30年前(1951年)の30歳の人が現在(1981年)60歳になった率よりも高い。ゼロ歳から測ると、過去の時代ではまるで低くなってしまうだけのことであって、最大寿命の平均値、つまり何歳まで生き得たかとなると、その延びはまったくない。

 いかがでしょうか。大正12年生まれの西丸震哉氏が58歳のときに書かれた、36年も前の書物につき、文章が難解で、どぎつさもあり、読み取りにくい箇所がありますが、氏が言わんとするところは次のようなことになるでしょう。
 「昔は若くして死ぬ人がかなり多かったが、30歳まで生き延びた人の余命は、少なくとも60歳までをみた場合、戦前戦中に高齢者となった人の方が戦後の人より長かった。そして、長寿者はおおよそ何歳まで生きられるかというと、これは今も昔も変わりない。」
 ということなのですが、後段は“最大寿命”の意味するところが不明ではあるも、平均余命が延びに延びていることからして、これにはクエスチョンが付きます。

 ところで、平均余命とは何かと言いますと、「ある年齢の人がその後何年生きられるかという期待値であり、生命表で、ある年齢に達するまで何人生存し、その年齢のうちに何人が死亡するかが計算されており、これを元にし、現在の死亡状況が将来にわたってそのまま続くと仮定した場合の生存年数」となっています。
 よって、西丸震哉氏がおっしゃるように、今の高年齢層はかなり強健な人たちで占められており、後に続く人たちはどうしても虚弱さが拭えず、実際の平均生存期間は期待値ほどまでにはたどり着けないというマイナス因子を持っており、これは年齢が若いほどその傾向が強くなりますから、平均余命は真の姿を捉えてはいません。
 そして、生活習慣や生活環境の変化に大きく左右させられる面もあり、流動的です。
 一方で、医学が進歩し、重篤な病になっても助かる確率が増えて長寿になるということもあります。このプラス因子で平均余命は延びているのではないでしょうか。

 さて、戦後、平均余命は着実に延びてきています。例えば65歳の男性であれば、1950年:11.5年、1960年:11.62年、1970年:12.50年、1980年:14.56年、1990年:16.22年、2000年:17.54年、2010年:18.86年、2015年:19.46年となっています。なお、女性の場合は1950年で男より2.4年長く、その後だんだん開きが大きくなり、2015年には4.8年長くなっています。

 戦後の高度成長により、平和でとても豊かになった日本です。まずは食が豊かになり、ついで生活が非常に便利になり、また住環境も大幅に改善されたものですから、お年寄りの寿命が延びるのは必然でしょうが、日本的特徴も幾つかあります。 
 その第一は、高度成長末期をピークにして圧倒的に死因第1位であった脳血管疾患死が大きく減少に転じたことがあげられましょう。それまでは、肉をあまり食べない食生活につき、血管壁のもろさが原因してのピンピンコロリと逝く脳出血死が際立っていたのに対し、食生活が豊かになって血管壁に脂が巻くこと(コレステロール沈着)により、脳出血死が減る一方となったからです。
 なお、その後は飽食が進みすぎて血管が詰まる脳梗塞が脳出血にとって代わり、脳血管疾患はかなりの増加傾向(ただし死因としては漸減)にあります。
 
 第二は、救命救急医療の目覚しい発達で、昔なら脳血管疾患、心疾患でピンピンコロリと死ねたものを、直ぐに救急車が来て救命救急病院で手当てしますから、寿命が延びます。この救命によって後遺症が出なければ残りの人生を楽しめるのですが、最悪、寝たきりにさせられてしまいますから、そうなったら救命救急は良かったのか悪かったのか、ということにもなり、考えさせられます。
 第三は、寝たきり老人の増加です。高度成長後しばらくしてから肺炎死が一直線で増加傾向にあるのですが、その大半は寝たきりによる誤嚥(ごえん)が元での肺炎の発症によるものです。やれ点滴だ、胃瘻(胃ろう)だ、人工心肺だ、といった無駄な延命治療で命を引き延ばされているからです。こうした延命治療は日本に特有なもので欧米にはなく、欧米では、逆に、これは老人虐待であるとして避けられています。

 こうしたこともあって、統計上、平均余命は着実に延びてきているのでしょうが、いつまでも元気なお年寄りとなると、だいぶ差っ引いて考えねばならんでしょうね。

 それと、もう1点、前の話に戻りますが、「昔は年寄りは少なかった。それだけ昔は早死にしたんじゃないの。」と勘違いしてしまう原因として、明治以降、子だくさんで人口が急増していた時代にあっては、子供や若者の数が圧倒的に多くなってしまい、相対的に年寄りの割合が小さくなってしまっていたことがあげられます。
 これは、完成したばかりの住宅団地のようなもので、若者夫婦とその子供たちの核家族が大半を占め、3世代入居者なり年寄り夫婦入居者はわずかばかりとなり、そうした団地では、年寄りをあまり見かけないのと同じことです。
 加えて、現在の日本は急速な高齢化社会になり、年寄りの数があまりにも目立つようになったことも、錯覚の要因となっていましょう。

 ここで、反論がありましょう。歴史上の人物で80歳を超えた人がどれだけいたか、今日では一昔前に著名だった方の訃報は80歳超がざらだ。加えて、100歳以上の長寿者が千人を超えたのは1981年の1,072人であったのに対し、現在(2016年)では65,692人にもなっているではないかと。
 たしかにそのとおりで、小生もこれを否定しません。ですが、考えてもみてください。歴史上の長寿者は大半の人が死の直前まで活躍していました。楽隠居を決め込んで命を長らえた人はどれだけいたでしょうか。一方、今日の著名人の訃報は“まだあの方生きておられたの?ずいぶん長く入院していらっしゃったんですね”ということが多くて、80歳になっても現役を通していた方の突然の訃報となると数は少ないです。
 100歳以上の長寿者も同じで、長~く楽隠居させてもらい、終わりがけは要介護となり、ボケも進み、最後は寝たきりで生き長らえさせられているといったところでしょう。

 今も昔も80歳ともなると、体がなかなかいうことを利かなくなりましょうし、脳の働きも落ちてきます。90歳ともなると、半分気力で生きているという状態になるのではないでしょうか。そうであっても、昔の人は懸命に働き続け、とうとう“もう動けん”となって気力が一気に萎えてしまい、ろうそくの火が消えるように逝ったのではないでしょうか。
 ご近所でも死ぬ20日前まで毎日畑に出かけ、80歳をどれだけか過ぎたところで、“もう動けん”と言って、皆に隠していた肝臓がんで亡くなられた男の方がいらっしゃいます。そして、小生のおふくろは93歳まで毎日畑でどれだけかは百姓仕事をし、ある日仕事をし過ぎたことが元で1か月ほど寝たり起きたりの生活となり、滋養強壮漢方薬でもって回復させたものの、その後の4年弱の期間は楽隠居を決め込んで百姓仕事はほとんどせず、何とか自立生活はできましたが、最後は10日間寝込み、享年98で逝きました。おふくろの場合はオバケのような強靭な体でありましたから普通の人より数年は長く働き続けられたのですが、これは例外でしょうし、昔であればもう少し早く(93歳で仕事をし過ぎた時点で
)逝ったことでしょう。

 いずれにしても、昔のお年寄りは基本的に生涯現役で過ごし、家族や社会に役に立つ生き方に徹したのですし、“もう動けん”となったら悪足掻きせずに早々に逝ったと考えられます。ですから、昔のお年寄りは尊敬されもしたのではないでしょうか。
 楽隠居を決め込み、家族や社会に甘えて長~く介護していただくようでは、次世代に敬老の精神は決して生じませんし、年寄りが“死にとうない”と悪足掻きすれば、“早よ、死ね!”と言われるのがおちでしょうね。
 団塊世代の小生です。この先10年20年ひょっとしたら30年、少なくとも自分だけはそうならないよう、生涯現役を通したいと願っているのですが、果たして思惑どおりに事が進んでくれるかどうか、だんだん甘えが出てきそうで不安になります。
 そのなかで一番気がかりなのは、血管性疾患で救命救急のお世話になって後遺症が出たり寝たきりになることです。もし、血管性疾患になったら一切の手当てを受けずにピンピンコロリと逝きたい。そのためにリビングウィルをしたためているところです。
 次のブログ記事をご参照ください。
 
延命治療を受けないためのリビングウィル(死の間際にどんな治療を望むかをあらかじめ示した書)を書く
 そのリビングウィル、今までに3回書き直し(日付だけ)したのですが、その度に“もう、いつこの世からおさらばしても思い残すことはない”という気分にだんだんなってきて、“今日一日を坦々と生きる”という、若干の余裕を持った半農半商の充実した暮らしができるようになった気がします。
 これは一つの死生観ということになりましょうが、リビングウィルを書く前と後とでは、死に対する
心の持ちようが随分と変化しました。書いてよかったとつくづく感じています。
 高齢者となられた皆さんにお勧めします、リビングウィル。

 長々と書き綴ってまいりましたが、主題とずいぶん外れた内容となってしまい、申し訳ありませんでした。今回も最後までお付き合いいただきまして有り難うございます。

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