薬屋のおやじのボヤキ

公的健康情報にはあまりにも嘘が多くて、それがためにストレスを抱え、ボヤキながら真の健康情報をつかみ取り、発信しています。

高血圧について基本的なお話し(自分の血圧を測ってみて)

2021年03月25日 | 高血圧

高血圧について基本的なお話し(自分の血圧を測ってみて)

 血圧が140だとビックリされる方が多いようですので、高血圧について基本的なお話しをすることにしましょう。
 昨日、久しぶりに小生(今72歳)の血圧を測ったところ、上141、下79と出ました。ちょうど5年前の今頃(67歳)の値は、上137、下84でした。
 もっとも、血圧は上下とも日変動が激しいですし、測定時刻によっても差が出ますから、1回計っただけでは、これが通常値とは言えませんけどね。
 それにしても、還暦前あたりまではよ~く体を動かしていましたから、たいてい上110台、下70台前半でしたが、
その後はずいぶんと怠けるようになって血圧がグンと上がり、今では5年前に比べてまた上がったようです。飽食して体を動かさなきゃ、血圧は上がるのは当たり前で、加えて加齢に伴ってまた上がるのは、文明人に共通するところです。
 昨日の測定結果の評価は、常識的には、とうとう危険水域に達した、といったところですが、小生は、上141についてはなんも心配していません。

 血圧141というのは、心臓が血液を送り出した時の動脈血管内圧を水銀柱で示した値で、141㎜Hgということ。地表での空気の圧力(大気圧)は760㎜Hgですから、それに比べれば2割にも達せず、これでもって血管が破裂するなんてことは絶対にあり得ません。血圧が200になっても血管破裂の危険性はほとんど皆無のようです。
 地球上の生物は760㎜Hgという「高圧力」の下に暮らしているのですから、ときおり血圧が200になっても、そう騒ぎなさんな、です。じゃあ300になったらどうか。実例としては、戦後初期に対米交渉を行った吉田茂首相は交渉時には血圧が常時300になったといいますから、これまた問題ないでしょう。

 この世で一番の健康生活を送っているのは菜食中心の採集狩猟民です。粗食で体を毎日よく動かす。仕事らしい仕事は午前中で終わり、午後は暇潰しし、暗くなったら夜が明けるまで寝る。これが理想的。で、彼らの血圧はというと、老いも若きも上110、下70。この血圧がヒトのあるべき姿なのです。
 肉食を控え目にし、よ~く体を動かしていた還暦前の小生の血圧は、これに近いものでしたから、この血圧値は納得がいきます。

 ところが文明生活にどっぷり足を突っ込んでいると、加齢とともに血圧が上がっていくのですが、上(収縮期血圧)と下(拡張期血圧)が、採集狩猟民の血圧比率「110:70」に比例して上がっていくのであれば、なんら問題は生じません。
 このことについては、すでに戦前に西式健康法を樹立された西勝造氏が言っておられますし、また、45年ほど前に(財)労働科学研究所所長・小山内博氏が、ゆっくりランニングを毎日2~30分続けると、誰しも血管がだんだん正常化していって、血圧は上下ともに採集狩猟民の血圧「110:70」に近付いていくことを計測されています。
 しかし、今日、医学会はこの比率を完全無視。上の値だけを持ち出してああだこうだ、下の値だけを持ち出してああだこうだと言っているだけです。せいぜい上下の差(脈圧)で何かものが言えないかを調べているだけで、これも的外れです。

 血管は伸びたり縮んだりするゴム管のようなもの。ここは、力学における弾力性の良し悪しを計ることになります。ゴム管が硬化してくれば管内圧の上下の差が小さくなりすぎますし、ゴム管が弛んでくれば管内圧の上下の差が大きくなりすぎますから、これらはともに使い物にならないです。力学上の観点からは、その伸びしろと縮みしろが比例していれば、まだまだ使えるということになります。血管の場合、上の血圧がいくら上がっても、血圧の上下の比率が理想値の「110:70」を維持すれば、まだまだ使えるのです。
 例えば、上が140なら理想値110の27%増しですから、下も理想値70の27%増しの89となれば、血圧の上下の比率が「110:70」となって、血管はまだまだ使え、つまり、適正血流量が維持されようというものです。
 ですから、血圧の上下の比率でもって、血流の良し悪しを判断すべきなのです。

 さて、小生の場合はいかに。還暦前は上110台、下70台前半で極めて理想的で優良な血管。5年前の今頃(67歳)の値は上137、下84で比率は110:67となり、昨日(72歳)の値は上141、下79で比率は110:62となり、適正比率110:70からだんだん離れていっているようです。先にも言いましたが、どちらも1回の測定結果ですから、なんとも言えませんが、どうやら血管が弛んでいく傾向にあるようでして、そのうち使いものにならなくなりそうでもあります。

 西勝造氏は(戦前)日本人は平均的に110:65、米国人は110:75であり、一般的傾向として前者は穀類食傾向によるものであって、後者は肉食傾向にあることが原因していると言っておられるようです。そして、適正比率110:70より比率が広がれば広がるほど胃腸病を招きやすく、適正比率110:70より比率が縮まれば縮まるほど脳梗塞、心臓病、糖尿病、関節炎を招きやすくなると言っておられます。

 小生の場合は、菜食のほうが多いようにも思うも、たぶん穀類食傾向にあるのでしょう、血圧上下比率が広がる傾向にあるようで、「年を食ったら肉を少しは食え」と、西勝造氏の養生訓にありますから、米国人の食生活に少し変えれば、適正な血圧上下比率110:70にどれだけかは近付くんじゃないかと思っています。
 皆さんも自分の血圧上下比率「110:〇〇」を一度計算なさってみてください。そして、いつも〇〇が60を切ったり80をオーバーしたら、ちょっとやばいでしょう。少し食生活を変えてみられてはいかがでしょうか。
 もっとも、なんといっても一番なのは、採集狩猟民並みに毎日体をよく動かすことですけどね。ヒトの体の器官は、限度を越えない範囲であれば、使えば使うほど良くなるものです。脳だって筋肉だって。それと同様に血管も、運動して血液を大量にドーッと流すことを繰り返していれば、血管壁構造(筋肉層)もだんだん弾力を取り戻してきて若返ろうというものです。


(関連記事)
2012.4.21 ゆっくり走って治す高血圧。低血圧もゆっくり走って改善。上は110、下は70に近づきます。

 

コメント (2)    この記事についてブログを書く
« 善玉菌が免疫を正常化(三宅... | トップ | 年寄り同士諸君、そろそろ新... »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
血管は欠陥になり易し。 (barso)
2021-03-27 21:11:54
 私の血圧は10年ぐらい前は、上が150ぐらい、下は80台だったのですが、夜9時のいま測ったら、上が133,下70でした。
 薬は長年「リバロ」を飲んでいましたが、コレステロールの数値は気にしないほうがいいと聞いたので、医師に相談してやめることにし、いまはブラビックス5mgだけを朝と夕に飲んでいます。ふつうはもっとス一が高いのが普通でしょうが、私の場合は、この薬のせいで数値が低いのかと思っています。

 しかし血管はだいぶ硬くなっているだろうと思っているのですが、「血圧141というのは、地表での空気の圧力(大気圧)は760㎜Hgですから、それに比べれば2割にも達せず、これでもって血管が破裂するなんてことは絶対にあり得ません」と聞いて少し安心しました。
 「ゆっくりランニングを毎日2~30分続けると、誰しも血管がだんだん正常化していく」というのは、本当なら朗報です。でもランニングじゃなく、ウォーキングの場合は1時間は歩かないと駄目なんでしょうね。走るのはもう無理なので。

 「菜食中心の採集狩猟民は、老いも若きも上110、下70」なのですか。そうなら肉食で大食いの肥満すぎアメリカ人は老いも若きも相当血圧が高そうです。
 経済的な富裕さは、まずは食べるものに表れます。あまり生活が豊かになるのも困りものですね。
RE:血管は欠陥になり易し。 (薬屋のおやじ)
2021-03-28 09:43:46
バーソ様、コメント有り難うございます。
ブラビックス5mg(正しくはプラビックス錠25mgと思われます)は、血小板の働きを抑える薬で、往々にして高齢者の高血圧の人に処方される、意味のない薬です。
若くて血管が丈夫な人で、血栓ができやすい体質の場合には、他のことを心配することなく、脳梗塞や心筋梗塞を予防するのに、効果があるでしょう。

でも、高齢者となると、年を重ねるとともに「血管は欠陥になり易し」でして、詰まりやすくもなり、切れやすくもなります。
詰まることだけを心配してプラビックスを飲むと、血管のどこか切れやすくなっている個所が何かの拍子で傷ついたとき、血小板での修復が阻害され、切れてしまう恐れが出てきます。
特に脳においては、誰しも血管が詰まりやすくも切れやすくもなっていますから、抗血栓薬は考えものです。

血栓の発生は、赤血球が幾つもくっついた状態が恒常化することによって生ずることが多いようです。
そこで、血液をサラサラにしましょうと抗血栓薬が処方される、といったところです。
血小板の働きを保持しながら、血液をサラサラにする食養生は「梅干」です。塩分過剰は気にする必要はありません。小生は毎朝、1粒食べています。
梅干の成分で血液をサラサラにするのはクエン酸ですが、化学合成されたクエン酸は梅干ほどには効果はないようです。梅干よりクエン酸効果が高まったのが青梅の果肉を煮詰めて作った「梅肉」(梅肉エキス)で、梅干が苦手ならこちらがお勧めです。わりと安く手に入ると思います。

貴兄の血圧の上下比率は、110:58ですから、血管が硬くなっているというよりは弛んだ状態。
「年を食ったら肉を少しは食え」という食養生がまず第一。
軽いジョギングに勝るものはないのですが、小生もすでにこれは無理。どんな運動でもやらないよりはやったほうが絶対にいいです。
ウォーキングを日課になさるのもいいでしょうが、単なる散歩は時間がもったいないです。散歩の途中で公園など広場に入り、屈伸運動など日頃使わない筋肉を動かしてやるといいと思います。

いずれにしても、高血圧は何の心配もいらないといったところでしょう。
ちなみにアメリカでの疫学調査(フラミンガム・スタディ)では、「血圧が高いグループにあっては80歳で血圧は200を超えるのですが、それでもピンピンしており、なかなか死なない」ですし、フィンランドでの調査では、「80歳以上のグループでは血圧が180以上の人たちの生存率が最も高く、140を切った人たちの生存率はガクンと下がっている」となっています。

コメントを投稿

高血圧」カテゴリの最新記事