mimi-fuku通信

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【平成23年(2011年)7月:新潟・福島豪雨】資料と解説(報道メモ)。

2011-07-31 00:00:00 | 自然・気象・災害

 “やまない雨はない”と人は言うが、
 2011年7月27日~30日にわたって新潟・福島両県に降りしきった大雨は、
 “いつ止むのだろうか?”と多くの方々が心を痛め不安な日々を過ごした。
 特に29日午後⇔30日午前の天気概況に、
 “戦慄”を覚えたのは私だけではないだろう。



 上記の気象衛星画像は北半球東部アジア地区を写した拡大版。
 天気図は気象庁発表のレギュラーサイズを転載した。
 日本の西南には、〝2つの台風〟と沖縄地域は高気圧による青い海。
 被災地の方々にとって最も不安がつのったであろう29日の夜9時頃。
 その時の状況は十日町で時間雨量112ミリの降雨を記録。
 新潟から福島にかけて、
 真っ白な厚い雲(積乱雲)が鎮座しているのが分かるだろう。
 2つの台風とは沖縄の南の海上にある
台風9号が7月28日に発生(北上中)。
 新潟・福島での豪雨災害に影響をもたらした〝湿った空気の原因〟の一つと考えられる。
 南シナ海に位置する台風8号は7月26日にフィリピンの東の海上で発生し、
 フィリピンを横断するルートをたどることで大きな被害(27名が死亡)を出した。
 また台風8号は、
 26~28日に
起きた韓国での豪雨災害(40人以上が死亡)にも影響を与えたと考えられる。
 韓国を襲った前線はソウルでも500ミリを超える雨量を記録し前線はその後に日本へと達した。

 転載画像(天気図+衛星写真)は28日午後9時頃の状況。
 翌29日(最上部の画像)の夜と比較すると、
 雲が全体に散らばっている様子が分かるものの、
 既に新潟から福島県地方には大量の雨が降っていた。
 *韓国東部海岸線にも強い雨雲が見られる。
 また注目すべきは〝京都・滋賀地方〟にかかる濃い雨雲。
 28日夕方の京都府南部地方では局地的豪雨が観測され、
 京都市や宇治市で浸水被害が相次いだ。
 京都地方気象台によると、
 ・宇治市と城陽市付近で約110ミリ。
 ・宇治田原町荒木で約99ミリ。
 の猛烈な雨が降ったとみられている。
 

 29日は午前6時→昼12時→午後6時の順で気象庁発表の画像(衛星+天気図)を、
 日本地図にそって独自に切り取り比較しやすいよう衛星画像と天気図の位置を並べた。
 注目すべきは〝前線の位置〟であり最上部29日午後9時ごろの気圧配置は、
 新潟・福島県地方を基点に北東と南西に“ほとんど停滞”と記された高気圧。
 前線が停滞した理由として注目される2つの高気圧の位置は、
 平成16年:新潟・福島豪雨のさいの気圧配置との類似点が指摘されている。
 *下記気象庁のPDF(リンク)には16年:新潟・福島豪雨の詳細なデータを記載。

 当初の予報(29日)では前線は西に移動(新潟西部~富山方面)すると見られたが、
 48時間に渡り50km圏内の同じ地域に前線が止まったここと南の台風9号の発達。
 *台風+前線の危険性は当ブログでは何度も指摘している。

 さらに、
 ヒステリック状況をもたらす南からの湿った空気と北からの寒気の遭遇。
 特に29日:午後6時~翌朝にかけての積乱雲の発達は自然が生み出す驚異(脅威)。
 これまでの日本海側では予想もしなかった記録的な豪雨は山沿いだけでなく、
 海上からわき立つように見える“積乱雲の発生”は平野部にも降りそそいだ。
 *前日からの湿った空気が前線を刺激した状態+寒気の入り込みが原因とみられる。

 アメダスランキング(全国)
 
最大1時間降水量(29日)
 1. 新潟 十日町 112.5mm 21時  
 2. 新潟 宮寄上 91.5mm 11時  
 3. 新潟 塩沢 64.5mm 22時  
 4. 新潟 村松 57.5mm 10時  
 5. 福島 只見 50.5mm 17時  
 6. 新潟 下関 49.0mm 7時  
 7. 新潟 三条 49.0mm 12時  
 8. 新潟 川谷 45.5mm 20時  
 9. 新潟 赤谷 42.5mm 9時  
10. 新潟 村上 39.0mm 5時 

 アメダスランキング(全国) 
 
日積算降水量(29日)

 1. 福島 只見 314.0mm  
 2. 新潟 宮寄上 291.5mm  
 3. 新潟 三条 208.0mm  
 4. 新潟 十日町 174.0mm  
 5. 新潟 塩沢 158.5mm  
 6. 福島 舘岩 148.5mm  
 7. 新潟 入広瀬 146.0mm  
 8. 新潟 津川 131.0mm  
 9. 新潟 村松 131.0mm  
10. 新潟 赤谷 127.5mm
*tenki.jp(日本気象協会)のデータを転載(23時⇔23時)。

 30日も深夜~朝の状況は変らず深刻。
 写真編集に誤り(6時12時)があるものの整理すると、
 *気象衛星(上から):午前0時→午前6時→昼12時。
 *天気図(上から):午前3時→午前6時→昼12時。
 午前6時に新潟県上空に見られる真っ白な雲の塊が、
 昼12時には地表が透けて見える事に気付くだろう。
 (この時間)ようやく被災地にとっての明るい兆しが見えた。
 その後雨雲は南西に移動し、
 群馬県・静岡県・山梨県には局地的な大雨(短時間)。
 新潟県中部~福島県西部を狙いすますかのように襲った、
 長時間の集中豪雨の危機は去った。

 しかしこれまでの日本海側の常識では、
 考えられない雨量を記録した、
 
平成23年:新潟・福島豪雨災害。

 当面は山地に十二分に含まれた降水量(溜まり水)の危険を考慮し、
 土砂災害・山脈から染み出る大量の濁流の処理に注意が必要。
 100年に1度のはずの、
 平成16年:新潟・福島豪雨を遥かに超える雨量が、
 僅か7年後に同じ地を襲うとは誰にも想像できなかっただろう。

 梅雨があけても梅雨末期と同じ状況をもたらす気象配置は自然の摂理(=人知の外)。
 私の住む石川県に伝わる昭和9年(1934年)の手取川水害(白山麓豪雨)での甚大被害。
 自然災害は何時如何なる時に何処ででも起き得る事実(=人知の外)を忘れてはならない。

 その中で、
 今回の新潟・福島豪雨に於いて伝わる情報によると、
 家の中で待機し亡くなった方はいないようだ。
 “早めの避難と正しい情報伝達”
 少しずつだが地域の防災意識が高まっているようにも感じ、
 多くの方々の努力(自治体・地域消防等)にも敬意を表したい。

 
アメダスランキング(全国)
 最大1時間降水量(30日)
 1. 新潟 栃尾 67.0mm 5時  
 2. 新潟 塩沢 65.0mm 4時  
 3. 静岡 高根山 56.5mm 14時 
 4. 山梨 甲府 55.5mm 17時 
 5. 新潟 長岡 54.5mm 6時  
 6. 新潟 入広瀬 53.5mm 3時  
 7. 新潟 川谷 53.5mm 8時  
 8. 群馬 藤岡 52.5mm 23時  
 9. 新潟 小出 50.0mm 0時  
10. 秋田 五城目 48.5mm 14時

 アメダスランキング(全国)
 日積算降水量(30日)

 1. 新潟 宮寄上 224.0mm  
 2. 新潟 塩沢 194.5mm  
 3. 新潟 松代 193.5mm  
 4. 新潟 栃尾 189.5mm  
 5. 新潟 小出 170.5mm  
 6. 新潟 入広瀬 166.5mm  
 7. 新潟 川谷 150.0mm  
 8. 新潟 長岡 137.0mm  
 9. 新潟 新津 133.5mm  
10. 群馬 藤原 124.5mm
*tenki.jp(日本気象協会)のデータを転載(23時⇔23時)。


 <関連災害資料>
 *平成16年7月新潟・福島豪雨
 *平成16年7月福井豪雨(pdf形式3,288kb)
  http://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/saigaiji/200407gouu.pdf

 <気象庁PDF資料転載>
 
*平成16年7月新潟・福島豪雨
 ~2004年7月12日18時~7月13日24時

  総降水量(30時間)
 ・新潟県 栃尾市 栃尾 427㍉
 ・新潟県 栃尾市 守門岳 362㍉
 ・福島県 只見町 只見 333㍉
 ・新潟県 加茂市 宮寄上 324㍉
 ・新潟県 上川村 室谷 305㍉
 ・福島県 金山町 金山 254㍉
 ・新潟県 津川町 津川 243㍉
 ・新潟県 長岡市 長岡 233㍉
 ・福島県 昭和村 博士峠 233㍉
 ・新潟県 三条市 三条 216㍉
 ・新潟県 寺泊町 寺泊 202㍉


 ~下記Webニュースを転載(日時別=下記ほど新しい情報)。

 【速報】
 2011年7月27日~30日にかけて新潟・福島で記録的豪雨災害。
 一時は40万人以上の避難指示・勧告が出された。
 7月30日の夜の時点で、
 *
新潟県:十日町市や三条市などで孤立。
 *福島県:檜枝岐村や只見町、南会津町で孤立。

 国土交通省北陸地方整備局によると、
 *三条市の五十嵐川で約150メートルにわたって堤防が決壊。
 *魚沼市の破間川でも堤防が決壊。
 新潟県によると決壊は5カ所に上った。

 ▽新潟県では
 *11棟の住宅が全壊。
 *魚沼市や阿賀町で住宅など合わせて715棟が床上まで浸水。
 新潟市、魚沼市、田上町などで合わせて1926棟の床下が浸水。
 ▽福島県では、
 *只見川が氾濫した只見町で少なくとも100棟が床上浸水。
 ~新潟県と福島県を合わせると浸水被害は3000棟を超える。
 また今後調査が進むにつれ更に被害状況は深刻になる予測。

 【記録的な雨量(NHK)】
 今月27日の降り始めからの雨量は、
 福島県の多いところで650ミリを超えたほか、
 新潟県三条市に設置した雨量計では1000ミリを超え、
 平成16年7月に起きた、
 『新潟・福島豪雨』を上回る記録的な数字。
 

 ▽気象庁によると29日の夕方までの1時間雨量は、
 *午後4時までには新潟県が三条市笠堀で76ミリ。
 *午後3時までには三条市下田地区付近で約100ミリ、阿賀町上川付近で約90ミリ。
 *加茂市の宮寄上では24時間に319ミリの最多雨量を記録。

 ▽気象庁によると29日深夜までの1時間雨量は、
 *午後8時50分までには新潟県十日町市で120.5ミリ。
 *午後10時までには新潟県南魚沼市で64.5ミリ。
 *午後10時までには新潟県小千谷市付近と南魚沼市中部付近で約80ミリ。

 ▽気象庁によると29日夜から30日朝にかけての1時間雨量は、
 *午前6時までには新潟県長岡市で54.5ミリ、十日町市松代では39ミリ。
 *午前4時までには新潟県長岡市栃尾付近と三条市下田付近で約100ミリ。
 *午前4時半までには新潟県十日町市十日町付近で約80ミリ。
 (以上2011.7.30:NHKニュースから記事転載・独自に再編集)
 
 【7.13を上回る記録的豪雨(新潟日報)】
 新潟県内に大きな被害をもたらした大雨は30日、
 降り始め(27日正午)からの総雨量が新潟地方気象台の観測地点で最大600ミリを超えた。
 2004年の7.13水害では最大でも400ミリ台だったため、
 同気象台は7.13水害を上回る大雨となったとしている。
 県内上空付近では停滞していた前線に向かい、
 南の太平洋高気圧から暖かい湿った空気、
 北のオホーツク海高気圧から冷たい湿った空気が流れ込み、
 前線の活動が活発化。
 積乱雲が3日間次々と発生し局地的な豪雨が何度も各地を襲った。
 雨量を観測する同気象台の県内観測地点44地点のうち、
 降り始めから30日午後4時までの降水量は、
 *加茂市(宮寄上)で623・5ミリ。
 *南魚沼市(塩沢)で562・5ミリ。
 ~7.13水害では長岡市(栃尾)の431ミリが最も多かった。
 また30日は塩沢で午前4時半までの1時間に89・5ミリの猛烈な雨を記録した。
 ~7.13水害では1時間降水量の最大値は長岡市(守門岳)の63ミリ。
 今回の豪雨では十日町市で29日に県内過去最多の121ミリを記録した。
 (以上新潟日報:2011年7月30日・記事転載)

 【豪雨被害(速報)】
 ▽新潟、福島両県の豪雨災害
 *死者は新潟県で3人。
 *行方不明者は両県で3人。
 住宅の、
 *全半壊18棟、床上浸水1263棟、床下浸水4667棟。
 (毎日新聞:2011年7月31日現在・記事転載・資料部分)

 【断水被害(速報)】
 
▽断水(新潟・三条全域と田上町一部)
 五十嵐川が決壊し市内全域に避難勧告が出るなど甚大な被害が出た、
 新潟県三条市では五十嵐川の濁りがひどいため取水できず、
 ほぼ全域で上水道が断水したり水圧が下がったりしている。
 *午前8時(31日)現在での断水は約4500世帯。
 同県田上町でも取水先の大谷ダムの水が濁ったため、
 *一部地域の約1740世帯で断水。
 (朝日新聞:2011年7月31日現在・記事転載・資料部分)

 【浸水被害(総務省)】
 総務省消防庁(8月1日)によると、
 浸水の被害を受けた住宅:合計7424棟
 新潟県では、
 床上浸水が1447棟、
 床下浸水が5549棟に上っているほか、
 福島県でも
 床上浸水が127棟、
 床下浸水が286棟に上っています。このほか、
 群馬県と長野県、神奈川県、栃木県でも2棟が床上浸水し、
 13棟が床下浸水する被害が出ています。
 (以上2011.8.01:NHKニュースから記事転載)

 【過去の教訓と河川改修】
 国土交通省北陸地方整備局信濃川下流河川事務所によると、
 全長367キロと日本一の長さを誇る信濃川は7年前に、
 新潟県内で2つの川の堤防が相次いで決壊し15人が亡くなった豪雨を教訓に、
 下流域で6年間かけて堤防の高さを水を安全に流せる計画高水位より、
 2メートルほど高くかさ上げしたり川幅を広げたりしました。
 このうち新潟県田上町の堤防では、
 高さが9メートル60センチだった堤防は11メートル46センチになりました。
 今回の豪雨では9メートル82センチまで水位が上がり、
 河川事務所は整備を進めたため堤防の決壊を防ぐことができたのではないか?
 と分析しています。
 (以上2011.8.01:NHKニュースから記事転載)

 【命名(気象庁)】
 新潟県と福島県を襲った記録的な豪雨について気象庁は、
 『平成23年7月新潟・福島豪雨』と名付けました。
 気象庁が豪雨などの気象災害に名前を付けたのは、
 2009年7月に中国地方や九州で被害が出た、
 『平成21年7月中国・九州北部豪雨』以来です。
 (以上2011.8.01:NHKニュースから記事転載)


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2 コメント

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Unknown (うみ)
2011-08-04 23:13:47
>まだまだ言い足りないのですがキリがないのでやめます。

お気持ちわかります(笑)
文字のみで正しく、そして気持ちも伝えようとしたら・・・

先週 久々に恐怖を感じる雨に遭遇しました。

と言っても本当に短時間ですが


http://youtu.be/yoNUH6Cix0s

3分43秒付近から動画が始まります
この時点でだいぶんと弱まってきたもんで、私にも余裕が出て撮影を始めてるわけですが>プロにはなれない>敦賀の時といい

短時間(5分ほど?)の雨で側溝などで処理できないってのは初めてやったもので

3分58秒時点で80cmほどの側溝が写ってますが、この時点で満杯

その前には 向こう側へ溢れていました>向こうはある程度の崖になっていて、その下を道路が

肝心な事を映せていませんし、何故が横広がり映像に・・・
mimifuku (うみさんへ)
2011-08-07 23:26:12
お返事遅くなり申し訳ありません。
パソコンは開くもネットに繫ぐ時間は最小限。
節電の夏の私的企画は不都合が多すぎます(笑)。
でも時間の有効活用=電気の浪費の事実にやや驚いています。
多分9月も週2回の更新になりますので宜しくお願いします。
雨の映像見ました。
東京中野区在住のお得意さんはマンホールが1mほど浮いた瞬間を目撃。
水の力恐るべし。
…。
でもソマリアを思うとき。
お水様に文句を言うとバチがあたりそうな?
今夜はそんな感じでしょうか?

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