まず最初に、2008年5月のブログ内で書いた記事を
改めて加筆、再記載しますのでお読みください。
<福島県で起きた痛ましい交通事故。>
運動会の場所取りのために集まっていた保護者の列に、
乗用車が突っ込み、1人が死亡し、4人が重軽傷。
運転していたのは、79歳の高齢者ドライバー。
「アクセルとブレーキを踏み間違えた。」
と供述。
高齢者だから事故を起こしたと断定するつもりはないが、
<79歳のこれまで真面目に生きてきた。>
であろう人生の、最終段階でのたった一つのミスが、
<生きてきたことへの悔恨に繋がる様な瞬間>
だとすれば、それは、悲しい出来事である。
被害者の方やご家族の心情。
こうした悲劇の加害者になる可能性は、
高齢者に限らず全てのドライバーに共通することだが、
判断力が鈍る加齢の進行は防ぐことのできない現実。
高齢者ドライバーの増加と、
自動車なしでは暮らすことのできない地方の現実。
昭和20年以後に生まれた方々の免許所得率は極めて高く、
今後も増加の一途を辿る加齢と判断力の低下を
誰にも止めることはできない。
<増える高齢者が減る子供達に対し、望まない加害者になる可能性。>
『車は、走る凶器。』
その事実を、皆で直視しなければならない。
昨年(2008年)の暮れにマイ・プリウス(最初期モデル)の電気系統の異常でディーラーさんに行った時、明らかに大きな事故とわかる3台の車両が放置されていました。
内2台は、全損。
1台は、100万円を超える修理費との事。
いろいろと話を聞いてみると、
近頃は任意保険に未加入のドライバーが多いとの事で、
特に、高齢者の年金暮らしの方は、
・高齢による負担増加。
・もう遠い所には出かけないから。
・年金内での負担が困難。
なことから、これまで保険を掛けていた人も
自賠責(強制)だけに切り替える方が多いとの事です。
*20代の独身ドライバーにも危機感がないとの話も聞きましたが、その話は別の機会に。
ただし、
自賠責の場合は、
・対人のみ補償があるだけで、
・対物に対する補償はない
そうです。
私の場合、新車購入3年間は、免責を最大にして車両保険を掛ける事にしているのですが、ディーラーさんの話では、今後の困難な世情の中で任意保険に加入しない人が増えるので、
「余裕があれば車両保険も入っておいた方がいいですよ。」
とのことでした。
<他人の保険が充てにならないなら、自分の保険で補う。>
確かに
<給与から年金にシフトすることで収入が減る高齢者。>
ばかりでなく、
<世界同時不況の荒波の中で手取り給与が減らされる方々。>
や、
<格差社会の進行と、失業の憂いに喘ぐ人々。>
が増加する中での、
保険継続は困難かも知れません。
現実的に現状でも支払いが困難な方々も多く出てきているとの事です。
しかし、
<地方において車なしに生活する困難もまた事実。>
特に近年、
<郊外に大型商業施設が急増>し、
益々、自動車依存型社会が加速されています。
下記にWebニュースを転載させていただきましたが、
自動車を所有する責任能力の低下は顕著で、
補償能力もなく、運転能力も低下する中での
自動車なしでは生きることのできない社会。
高齢者ドライバー(運転免許所有者)を75歳以上と仮定して、
現在75歳以上の方は、昭和10年(1935年)以前に生まれた方々。
おそらく、
・1930年代生まれの男性ドライバーは80%くらいで、女性ドライバーは30%くらいでしょうか?
・1940年代なら、男性で90%。女性で60%くらいでしょうか?
・1950年代なら、男・女性ドライバーとも90%を超えているはずです。
さらに、
・1960年以後~1980年代に生まれた男女となれば95%以上のドライバーがいると考えられます。
つまり、
今後の高齢化社会の中で年々高齢者ドライバーの割合が増えていくことは確実で、
<不安定な年金社会の中での自動車保有>は、
これまでの形態とは大きく異なる事実に注視しなければなりません。
私達が考えている以上に高齢化社会の中での自動車をめぐる問題は深刻で、
高齢化による事故の増加は、任意保険料の増額につながりそうですし、
増額による任意保険未加入者がさらに増えていく、
<負のスパイラル>
もう一度書きます。
任意保険未加入者ドライバーや無保険者ドライバーの増加と、
ドライバーの瞬時の判断力の欠如。
*高齢ばかりが原因でなく、運転中の携帯電話やメール、車内DVD、不況下に於ける心理的不安等、様々な要因が考えられる。
その解決を自動車の新たな性能に求めるのか、
タクシー等、他者の運転への移行を促進するのか、
街づくりに問題の解決を求めるのか?
今後、この問題は思いもよらぬ大きな課題になりそうです。
<ブログ内記事へのリンク>
*自動車の未来。
http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/d/20081110
*思いつくままに、~5月25日の日記。
http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/d/20080525
【認知症ドライバー】
*75歳以上のドライバーを対象に判断力などを簡易検査する「認知機能検査」が今年6月から導入されるのを前に警視庁は、東京都内で運転免許を持つ75歳以上の人のうち、認知症と最終的に診断される可能性のある人が約1600人に上るとの試算をまとめた。
警視庁は認知症が疑われる人には専門医がいる病院を紹介しており、今後、紹介件数の増加が見込まれることから、委託先の病院を現在の都内6ヶ所から10ヶ所程度に拡大して対応する方針。
認知機能検査は、運転免許の更新時に30分ほどのペーパーテスト形式で行う。
日時を答えてもらったり、動物などの絵を見てもらい、いくつ覚えられるかなど時間感覚や記憶力を確かめる。
警視庁運転免許本部によると、都内の75歳以上の運転免許保有者は昨年11月現在で約16万2千人。
警察庁が実施した認知機能検査の試験データをもとに同本部が独自に分析したところ、1%に当たる1600人程度が認知症と専門医に診断される可能性があるとの試算が出た。
警視庁は現在、交通事故を起こした高齢者に認知症が疑われる場合、各警察署から通報を受けた運転免許本部が、専門医がいる委託先の病院を紹介している。
昨年1月から同11月までの間に計21人が認知症と診断され、大半の人が免許証を自主返納。
免許取り消しの行政処分を受けた人も2人いた。
今年から従来の取り組みに加え、認知機能検査が導入されることから、警視庁は委託先の病院を増やす必要があると判断。
地域に偏りなく病院を確保するため、新たに4ヶ所程度の病院に引き受けを要請している。
75歳以上の運転者が交通事故の原因になるケースは2007年、全国で422件発生。
その10年前の283件に比べ、約1・5倍に増えており、同年の道交法改正で認知機能検査の導入が決まった。
警視庁運転免許本部は、
「認知機能検査は高齢者から免許証を取り上げるためではなく、その人に合った運転指導をするのが目的。高齢者の運転による事故が増えている背景も踏まえ、理解を得ていきたい。」
としている。
<認知機能検査>
75歳以上の人が運転免許証を更新する際、判断力や記憶力などを調べる簡易検査。
(1)認知症の恐れがある。
(2)認知機能低下の恐れがある。
(3)認知機能低下の恐れなし。
の3分類で本人に伝え、高齢者講習の内容にも反映させる。
(1)と判断され、かつ過去1年間に信号無視や一時不停止など15項目の基準行為に該当する違反があった場合、専門医による診断(臨時適性検査)を行い、認知症と認められた場合、免許取り消しなどとなる。
(2009年1月8日 東京新聞)
【死亡事故。】
*30日午後5時20分ごろ、大阪府八尾市水越1丁目の国道170号交差点で、奈良市の自営業男性(77)の乗用車が横断歩道を歩いていた八尾市の無職女性(75)をはねた。
乗用車は国道沿いの歩道に乗り上げて逃走し、約80メートル北の歩道上で自転車に乗っていた大阪市平野区の会社員男性(43)をはね、さらに約120メートル先で駐車中の乗用車2台に次々に接触して止まった。
女性はひざの骨を折る重傷、会社員は足に軽傷を負った。
乗用車の男性も胸などを打って病院に運ばれたため、八尾署は回復を待って道交法違反(ひき逃げ)などの疑いで事情を聴く。
男性は女性をはねた後、いったん車外に出て様子をうかがったという。
(朝日新聞:2009年1月30日)
*26日午後1時40分ごろ大阪市港区波除の居酒屋に、近くの無職男性(74)が運転する乗用車が突っ込み近所に住む客の2人をはねた。
直後に車はバックし、自転車で路上を通行中の女性と接触した。
この事故で店内にいた2人の客は、間もなく死亡。
大阪府警港署は自動車運転過失傷害容疑で容疑者の無職男性を現行犯逮捕した。
今後、同致死傷容疑に切り替えて捜査する。
同署によると津田容疑者の自宅は居酒屋と道路を挟んだ向かい。
出かけるために、西側に出入り口のあるガレージから車を発進させて左折した直後、南側にある店に突っ込んだという。
その後、車をバックさせて車庫に戻そうとし自転車をはねたとみられる。
さらに、車を再び前進させて駐車中の車に衝突して止まった。
容疑者の無職男性は1人暮らし。
右足が不自由で下肢4級の障害者手帳を持っていた。
運転していた車は通常の仕様と違い右側にブレーキペダル、左側にアクセルペダルが配置されていた。
(毎日新聞:2009年1月27日)
【もみじマーク】
*高齢ドライバーが車に表示する「もみじマーク」のデザインが、「落ち葉のようだ」などといった不満の声を受け、警察庁はデザインの変更を含めて検討するため、有識者会議を開いた。
高齢ドライバーが車に表示する「もみじマーク」のデザインについては、「落ち葉や、枯れ葉のようだ」、「黒い枠が不吉だ」などとい不満の声が上がっている。
このため警察庁は、アートディレクターなどをメンバーに入れた有識者会議を立ち上げた。
有識者会議ではデザインについて国民の声を調査したうえで、デザインを変更するかどうかも含め、今後検討することにしている。
(FNN:2009年1月30日)
*2008年6月の改正道交法施行で、75歳以上の高齢者ドライバーに罰則付きで義務付けられた「もみじマーク」表示について、警察庁は12月25日罰則を撤回し、表示を努力義務に戻す同法改正試案をまとめた。
正式に法案化し、来年の通常国会に改正案を提出する方針。
もみじマークは「枯れ葉を連想させる」として批判があり、義務化が決まった施行前の5月ごろには、「高齢者いじめ」などと国会で与野党から批判を受けたことなどから、警察でも摘発を1年間先送り。
「違反者も指導にとどめる」としていたが、結局、半年で撤回することになった。
現行の改正道交法では、75歳以上の運転者については、車にもみじマークの表示を義務付けられ、違反者には行政処分の点数1点と反則金4000円を科すなど罰則が盛り込まれている。
同庁が今回示した試案では、この道交法を再改正し、75歳以上の表示義務違反について、「罰則を当分の間、適用しない」とし、70~74歳と同様に表示を努力規定にとどめる。
批判を受けたもみじマークのデザインについても来年1月に有識者らの検討委員会を設置し、変更を検討する予定という。
もみじマークは平成9年の道交法改正で導入。
75歳以上に対し、高齢が運転に影響を及ぼす恐れがある場合、車の前後に表示することを求めたが、当初は努力規定だった。
14年からは70歳以上を対象とするなど警察庁では高齢者の事故対策を講じた。
しかし、75歳以上について、運転者が原因の死亡事故が10年前の約1・5倍(昨年)に増加。
一方、もみじマークの表示率は18年1月時点で35・3%と低迷していたため、政府は、もみじマークを努力規定から罰則付き義務に強化した。
もみじマークを再び努力規定に戻すことについて、警察庁は「表示率が約75%まで上昇したため」などと理由を説明している。
(MSN産経ニュース:2008年12月25日 )
◇自分や家族守る命綱(保険のプロからのアドバイス)。
~徳重清志さん(鹿児島県薩摩川内市出身)へのインタビュー記事。~
車で事故を起こしても、保険があるから大丈夫と思っていませんか。
でもね、県内の2台に1台は任意保険に入っていません。
車検なしで走っている車さえいる。ということは保険もなしなんです。
「え!そんな。」
という表情の中高年たち。
薩摩川内市で開かれた市民講座の受講生はのっけから話に引き込まれた。
話の主・徳重清志さんは、保険代理店業務の傍ら、宅配業者やタクシー会社、地域住民などの勉強会で年に十数回、講師を務める。
事故の十分な補償には、法で加入が強制される自動車損害賠償責任保険(自賠責)や責任共済だけでなく、任意保険も欠かせない。
だが無車検の場合はどれにも加入していない。
「毎日のように車に乗りながら、保険に無関心なんですね。
自分や家族を守る大事な命綱なのに。」
と徳重さんは嘆く。
鹿児島県警の統計では、
県内の2008年の交通事故による死者は前年比8人減の88人。
うち65歳以上の高齢者の割合は68・2%に達するが、
「高齢者では任意保険に加入していない人が多い。
農作業で使うだけ、経済的な余力がないという。
でも事故は自分だけでなく相手やその家族も巻き込む。
十分な保険がないと大変です。」
と自らの経験を話す。
事故を起こした場合、
「携帯電話(のカメラ)でいいから、
・互いの車の位置。
・破損状態など現場写真を撮る。
チョークでタイヤの場所に印を書けば万全」。
また、すぐに現場に保険担当者を呼んで任せる。
▽やりとりは紙に書いて確認書に
▽けがをさせたら必ず病院へ、何度もお見舞いに行く。
誠意を見せれば処理も円満に進む
▽どんな事故でも健康保険証は使える。
などなど、受講後さっそく車から保険証書を取り出して相談する人もいる。
最後に、読者へアドバイスを求めた。
「ご自分の自動車保険証書を一度よく見てください。
保険は我が身を守るためですよ」
(毎日新聞:2009年1月25日地方版)