mimi-fuku通信

このブログを通して読み手の皆様のmimiにfukuが届けられることを願っています。

高齢者ドライバーと、任意保険未加入ドライバーの増加と課題。

2009-01-31 22:40:40 | 政治・社会・時事


 まず最初に、2008年5月のブログ内で書いた記事を
 改めて加筆、再記載しますのでお読みください。
 
 <福島県で起きた痛ましい交通事故。>

 運動会の場所取りのために集まっていた保護者の列に、
 乗用車が突っ込み、1人が死亡し、4人が重軽傷。
 運転していたのは、79歳の高齢者ドライバー。
 「アクセルとブレーキを踏み間違えた。」
 
と供述。

 高齢者だから事故を起こしたと断定するつもりはないが、
 <79歳のこれまで真面目に生きてきた。>
 であろう人生の、最終段階でのたった一つのミスが、
 <生きてきたことへの悔恨に繋がる様な瞬間>
 だとすれば、それは、悲しい出来事である。

 被害者の方やご家族の心情。
 こうした悲劇の加害者になる可能性は、
 高齢者に限らず全てのドライバーに共通することだが、
 判断力が鈍る加齢の進行は防ぐことのできない現実。

 高齢者ドライバーの増加と、
 自動車なしでは暮らすことのできない地方の現実。

 昭和20年以後に生まれた方々の免許所得率は極めて高く、
 今後も増加の一途を辿る加齢と判断力の低下を
 誰にも止めることはできない。

 <増える高齢者が減る子供達に対し、望まない加害者になる可能性。>

  
『車は、走る凶器。』

 その事実を、皆で直視しなければならない。

 昨年(2008年)の暮れにマイ・プリウス(最初期モデル)の電気系統の異常でディーラーさんに行った時、明らかに大きな事故とわかる3台の車両が放置されていました。
 内2台は、全損。
 1台は、100万円を超える修理費との事。

 いろいろと話を聞いてみると、
 近頃は任意保険に未加入のドライバーが多いとの事で、
 特に、高齢者の年金暮らしの方は、
 ・高齢による負担増加。
 ・もう遠い所には出かけないから。
 ・年金内での負担が困難。
 なことから、これまで保険を掛けていた人も
 自賠責(強制)だけに切り替える方が多いとの事です。
 
*20代の独身ドライバーにも危機感がないとの話も聞きましたが、その話は別の機会に。

 ただし、
 自賠責の場合は、
 ・対人のみ補償があるだけで、
 ・対物に対する補償はない
 
そうです。

 私の場合、新車購入3年間は、免責を最大にして車両保険を掛ける事にしているのですが、ディーラーさんの話では、今後の困難な世情の中で任意保険に加入しない人が増えるので、
 「余裕があれば車両保険も入っておいた方がいいですよ。」
 とのことでした。
 <他人の保険が充てにならないなら、自分の保険で補う。>

 確かに
 <給与から年金にシフトすることで収入が減る高齢者。>
 ばかりでなく、
 <世界同時不況の荒波の中で手取り給与が減らされる方々。>
 や、
 <格差社会の進行と、失業の憂いに喘ぐ人々。>
 が増加する中での、
 保険継続は困難かも知れません。

 現実的に現状でも支払いが困難な方々も多く出てきているとの事です。

 しかし、
 <地方において車なしに生活する困難もまた事実。>

 特に近年、
 <郊外に大型商業施設が急増>し、
 益々、自動車依存型社会が加速されています。 

 下記にWebニュースを転載させていただきましたが、
 自動車を所有する責任能力の低下は顕著で、
 補償能力もなく、運転能力も低下する中での
 自動車なしでは生きることのできない社会。

 高齢者ドライバー(運転免許所有者)を75歳以上と仮定して、
 現在75歳以上の方は、昭和10年(1935年)以前に生まれた方々。
 おそらく、
 ・1930年代生まれの男性ドライバーは80%くらいで、女性ドライバーは30%くらいでしょうか?
 ・1940年代なら、男性で90%。女性で60%くらいでしょうか?
 ・1950年代なら、男・女性ドライバーとも90%を超えているはずです。
 さらに、
 ・1960年以後~1980年代に生まれた男女となれば95%以上のドライバーがいると考えられます。

 つまり、
 今後の高齢化社会の中で年々高齢者ドライバーの割合が増えていくことは確実で、
 不安定な年金社会の中での自動車保有>は、
 これまでの形態とは大きく異なる事実に注視しなければなりません。

 私達が考えている以上に高齢化社会の中での自動車をめぐる問題は深刻で、
 高齢化による事故の増加は、任意保険料の増額につながりそうですし、
 増額による任意保険未加入者がさらに増えていく、
 <負のスパイラル>

 もう一度書きます。
 任意保険未加入者ドライバーや無保険者ドライバーの増加と、
 ドライバーの瞬時の判断力の欠如。
 *高齢ばかりが原因でなく、運転中の携帯電話やメール、車内DVD、不況下に於ける心理的不安等、様々な要因が考えられる。

 その解決を自動車の新たな性能に求めるのか、
 タクシー等、他者の運転への移行を促進するのか、
 街づくりに問題の解決を求めるのか?

 今後、この問題は思いもよらぬ大きな課題になりそうです。
 

 <ブログ内記事へのリンク>

 *自動車の未来。
 http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/d/20081110

 *思いつくままに、~5月25日の日記。
 http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/d/20080525


 【認知症ドライバー】
 
 *75歳以上のドライバーを対象に判断力などを簡易検査する「認知機能検査」が今年6月から導入されるのを前に警視庁は、東京都内で運転免許を持つ75歳以上の人のうち、認知症と最終的に診断される可能性のある人が約1600人に上るとの試算をまとめた。
 警視庁は認知症が疑われる人には専門医がいる病院を紹介しており、今後、紹介件数の増加が見込まれることから、委託先の病院を現在の都内6ヶ所から10ヶ所程度に拡大して対応する方針。
 認知機能検査は、運転免許の更新時に30分ほどのペーパーテスト形式で行う。
 日時を答えてもらったり、動物などの絵を見てもらい、いくつ覚えられるかなど時間感覚や記憶力を確かめる。
 警視庁運転免許本部によると、都内の75歳以上の運転免許保有者は昨年11月現在で約16万2千人。
 警察庁が実施した認知機能検査の試験データをもとに同本部が独自に分析したところ、1%に当たる1600人程度が認知症と専門医に診断される可能性があるとの試算が出た。
 警視庁は現在、交通事故を起こした高齢者に認知症が疑われる場合、各警察署から通報を受けた運転免許本部が、専門医がいる委託先の病院を紹介している。 
 昨年1月から同11月までの間に計21人が認知症と診断され、大半の人が免許証を自主返納。
 免許取り消しの行政処分を受けた人も2人いた。
 今年から従来の取り組みに加え、認知機能検査が導入されることから、警視庁は委託先の病院を増やす必要があると判断。
 地域に偏りなく病院を確保するため、新たに4ヶ所程度の病院に引き受けを要請している。
 75歳以上の運転者が交通事故の原因になるケースは2007年、全国で422件発生。
 その10年前の283件に比べ、約1・5倍に増えており、同年の道交法改正で認知機能検査の導入が決まった。
 警視庁運転免許本部は、
 「認知機能検査は高齢者から免許証を取り上げるためではなく、その人に合った運転指導をするのが目的。高齢者の運転による事故が増えている背景も踏まえ、理解を得ていきたい。」
 としている。

 <認知機能検査> 
 
 75歳以上の人が運転免許証を更新する際、判断力や記憶力などを調べる簡易検査。
 (1)認知症の恐れがある。
 (2)認知機能低下の恐れがある。
 (3)認知機能低下の恐れなし。
 の3分類で本人に伝え、高齢者講習の内容にも反映させる。

 (1)と判断され、かつ過去1年間に信号無視や一時不停止など15項目の基準行為に該当する違反があった場合、専門医による診断(臨時適性検査)を行い、認知症と認められた場合、免許取り消しなどとなる。
 (2009年1月8日  東京新聞)
 

 【死亡事故。】

 *30日午後5時20分ごろ、大阪府八尾市水越1丁目の国道170号交差点で、奈良市の自営業男性(77)の乗用車が横断歩道を歩いていた八尾市の無職女性(75)をはねた。
 乗用車は国道沿いの歩道に乗り上げて逃走し、約80メートル北の歩道上で自転車に乗っていた大阪市平野区の会社員男性(43)をはね、さらに約120メートル先で駐車中の乗用車2台に次々に接触して止まった。
 女性はひざの骨を折る重傷、会社員は足に軽傷を負った。
 乗用車の男性も胸などを打って病院に運ばれたため、八尾署は回復を待って道交法違反(ひき逃げ)などの疑いで事情を聴く。
 男性は女性をはねた後、いったん車外に出て様子をうかがったという。
 (朝日新聞:2009年1月30日)


 *26日午後1時40分ごろ大阪市港区波除の居酒屋に、近くの無職男性(74)が運転する乗用車が突っ込み近所に住む客の2人をはねた。
 直後に車はバックし、自転車で路上を通行中の女性と接触した。
 この事故で店内にいた2人の客は、間もなく死亡。
 大阪府警港署は自動車運転過失傷害容疑で容疑者の無職男性を現行犯逮捕した。
 今後、同致死傷容疑に切り替えて捜査する。
 同署によると津田容疑者の自宅は居酒屋と道路を挟んだ向かい。
 出かけるために、西側に出入り口のあるガレージから車を発進させて左折した直後、南側にある店に突っ込んだという。
 その後、車をバックさせて車庫に戻そうとし自転車をはねたとみられる。
 さらに、車を再び前進させて駐車中の車に衝突して止まった。
 容疑者の無職男性は1人暮らし。
 右足が不自由で下肢4級の障害者手帳を持っていた。
 運転していた車は通常の仕様と違い右側にブレーキペダル、左側にアクセルペダルが配置されていた。
 (毎日新聞:2009年1月27日)


 【もみじマーク】

 *高齢ドライバーが車に表示する「もみじマーク」のデザインが、「落ち葉のようだ」などといった不満の声を受け、警察庁はデザインの変更を含めて検討するため、有識者会議を開いた。
 高齢ドライバーが車に表示する「もみじマーク」のデザインについては、「落ち葉や、枯れ葉のようだ」、「黒い枠が不吉だ」などとい不満の声が上がっている。
 このため警察庁は、アートディレクターなどをメンバーに入れた有識者会議を立ち上げた。
 有識者会議ではデザインについて国民の声を調査したうえで、デザインを変更するかどうかも含め、今後検討することにしている。
 (FNN:2009年1月30日)

 *2008年6月の改正道交法施行で、75歳以上の高齢者ドライバーに罰則付きで義務付けられた「もみじマーク」表示について、警察庁は12月25日罰則を撤回し、表示を努力義務に戻す同法改正試案をまとめた。
 正式に法案化し、来年の通常国会に改正案を提出する方針。
 もみじマークは「枯れ葉を連想させる」として批判があり、義務化が決まった施行前の5月ごろには、「高齢者いじめ」などと国会で与野党から批判を受けたことなどから、警察でも摘発を1年間先送り。
 「違反者も指導にとどめる」としていたが、結局、半年で撤回することになった。
 現行の改正道交法では、75歳以上の運転者については、車にもみじマークの表示を義務付けられ、違反者には行政処分の点数1点と反則金4000円を科すなど罰則が盛り込まれている。
 同庁が今回示した試案では、この道交法を再改正し、75歳以上の表示義務違反について、「罰則を当分の間、適用しない」とし、70~74歳と同様に表示を努力規定にとどめる。
 批判を受けたもみじマークのデザインについても来年1月に有識者らの検討委員会を設置し、変更を検討する予定という。
 もみじマークは平成9年の道交法改正で導入。
 75歳以上に対し、高齢が運転に影響を及ぼす恐れがある場合、車の前後に表示することを求めたが、当初は努力規定だった。
 14年からは70歳以上を対象とするなど警察庁では高齢者の事故対策を講じた。
 しかし、75歳以上について、運転者が原因の死亡事故が10年前の約1・5倍(昨年)に増加。
 一方、もみじマークの表示率は18年1月時点で35・3%と低迷していたため、政府は、もみじマークを努力規定から罰則付き義務に強化した。
 もみじマークを再び努力規定に戻すことについて、警察庁は「表示率が約75%まで上昇したため」などと理由を説明している。
 (MSN産経ニュース:2008年12月25日 )

 
 
 ◇自分や家族守る命綱(保険のプロからのアドバイス)。
  ~徳重清志さん(鹿児島県薩摩川内市出身)へのインタビュー記事。~

 車で事故を起こしても、保険があるから大丈夫と思っていませんか。
 でもね、県内の2台に1台は任意保険に入っていません。
 車検なしで走っている車さえいる。ということは保険もなしなんです。

 「え!そんな。」
 という表情の中高年たち。

 薩摩川内市で開かれた市民講座の受講生はのっけから話に引き込まれた。
 話の主・徳重清志さんは、保険代理店業務の傍ら、宅配業者やタクシー会社、地域住民などの勉強会で年に十数回、講師を務める。
 事故の十分な補償には、法で加入が強制される自動車損害賠償責任保険(自賠責)や責任共済だけでなく、任意保険も欠かせない。
 だが無車検の場合はどれにも加入していない。
 「毎日のように車に乗りながら、保険に無関心なんですね。
 自分や家族を守る大事な命綱なのに。」
 と徳重さんは嘆く。

 鹿児島県警の統計では、
 県内の2008年の交通事故による死者は前年比8人減の88人。
 うち65歳以上の高齢者の割合は68・2%に達するが、
 「高齢者では任意保険に加入していない人が多い。
 農作業で使うだけ、経済的な余力がないという。
 でも事故は自分だけでなく相手やその家族も巻き込む。
 十分な保険がないと大変です。」
 と自らの経験を話す。

 事故を起こした場合、
 「携帯電話(のカメラ)でいいから、
 ・互いの車の位置。
 ・破損状態など現場写真を撮る。
 チョークでタイヤの場所に印を書けば万全」。

 また、すぐに現場に保険担当者を呼んで任せる。
 ▽やりとりは紙に書いて確認書に
 ▽けがをさせたら必ず病院へ、何度もお見舞いに行く。
 誠意を見せれば処理も円満に進む
 ▽どんな事故でも健康保険証は使える。
 などなど、受講後さっそく車から保険証書を取り出して相談する人もいる。
 最後に、読者へアドバイスを求めた。
 「ご自分の自動車保険証書を一度よく見てください。
 保険は我が身を守るためですよ」
 (毎日新聞:2009年1月25日地方版)

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「手塚治虫の大特集 in NHK2009」 ~いのち・科学・未来。

2009-01-28 21:30:00 | テレビ番組


 【BS20周年企画】

   “手塚治虫2009”
 ~いのち・科学・未来へGO!~

 *手塚治虫2009:公式ホームページ
   http://www.nhk.or.jp/tezuka/

  手塚治虫のすべて>
 ~オープニング・スペシャル~
 2009年2月8日(日)午後1時~6時。

 
<放送内容>

 「手塚治虫2009」のオープニング放送。
 NHKが保存している手塚治虫の貴重な映像を一挙大公開。
 <漫画の神様・手塚治虫>の真実に迫る。

 ・「手塚治虫・創作の秘密」(1986)。
 ・「わたしの自叙伝~こども漫画33年~」(1979)。
 ・「わが青春のトキワ荘 現代マンガ家立志伝」(1981)。
 ・「いのち~わが父・手塚治虫」(1989)。
 ・「ラストメッセージ・こどもたちへ/漫画家・手塚治虫」(2006)

  【出演】手塚眞
       渡邊あゆみ
  【語り】富田 耕生


 手塚治虫・現代への問いかけ(全4夜)>

 ~手塚治虫・ラストに込められたメッセージ
 2009年2月9日(月)午後9時~11時10分。

 
~夢と未来・アトムからのメッセージ~
 2009年2月10日(火)午後9時~11時10分。

 
~いのちとヒーロー・ブラックジャックからのメッセージ~
 2009年2月11日(水)午後9時~11時05分。

 
~生と死を超えて・火の鳥からのメッセージ~ 
 2009年2月12日(木)午後9時~11時。

 <放送内容>
 
  「マンガの神様」と呼ばれた手塚治虫さんを取り上げる大型特集企画がスタート。
  さまざまなジャンルのマンガを生み出し、日本初のテレビアニメを送り出した手塚さんは、ことしが生誕80年没後20年にあたります。

 手塚治虫さんの20年目の命日にあたる2月9日(月)から4日間、
 「手塚治虫・現代への問いかけ」を放送します。
 ・1夜目は、作家の高橋源一郎さん、マンガ家の萩尾望都さん、精神科医の香山リカさん、俳優の船越英一郎さん、そして手塚治虫さんの息子の手塚眞さんが、手塚作品に込められたさまざまなメッセージを探っていきます。
 ・2夜目は建築家の安藤忠雄さんがゲストです。
 ・3夜目は、医師・作家で「チーム・バチスタの栄光」を書いた海堂尊さん。
 ・4夜目は、劇作家の野田秀樹さんです。
 それぞれ、手塚作品と自分との出会いから語っていただきます。

 <mimifukuから、一言。>

 昨年の10月の芸術新潮(2008年11月号)では、
 『特集:生誕80周年記念/ 手塚治虫を知るためのQ&A100』
 
と題し、100ページを超える手塚治虫さんの大特集が組まれました。

 ・1928年11月月3日生まれの手塚さんがご存命なら80歳。
 ・1989年2月9日に没してから今年の2月で20年。

 1987年にBS1(衛生第1)。
 1989年にBS2(衛生第2)が放送開始。

 手塚治虫さんの没後20年と
 BS2の24時間放送開始20年の節目の年に
 NHKでは、1月を含め10ヶ月に渡る
 <手塚治虫さんの大特集>を展開するようです。

 それに先立ち1月30日(金曜日)の夜に、
 NHK総合テレビで手塚さんのアニメにまつわる音楽を中心にした、
 特集番組「手塚治虫・漫画,音楽,そして人生」が、放送されました。

 手塚治虫さんの音楽好き(特にクラシック)は有名で、
 芸術新潮によると常時レコードを大音量でかけながら、
 マンガを描いていたようです。

 手塚治虫さんは、
 ディズニーの映画の大ファンで、
 特に、映画『バンビ』は、延べ130回以上もご覧になられたそうです。
 映画『ファンタジア』もまた大きな影響を与えた作品で、
 手塚さん自身<音楽とアニメーションの融合>を画策しています。
 また、同誌によると手塚さんとディズニーは、1964年にたった一度だけニューヨークの万国博覧会会場で会っているそうです。

 手塚治虫さんの憧れは、ウォルト・ディズニー
 だったと言われています。
 
 現代のアニメーションの巨人・宮崎駿監督は、
 手塚さんに憧れました。
 
 <憧れと目標。>

 人にとって大きな目標は、努力の糧となります。
 巨人達の最初の一歩は、何れも修練の毎日。
 好きであることが苦しいはずの修練を日常に変える。
 積み重ねた日常が、人を感動させる大きな希望につながる。
 そんなことを思いながら、のんびりした気持ちで見ようかなと思います。

  <関連記事>
 *手塚治虫・宮崎駿・安藤忠雄:クリエーター達のメッセージ。
    
http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/d/20090212
 

 <関連番組>  
 プレミアム10「手塚治虫・漫画,音楽,そして人生」

 放送局 :NHK総合/デジタル総合
 放送日 :2009年1月30日(金)
 放送時間 :午後10時~午後11時12分(放送終了)
 
*2月7日(土)午後に再放送がありました。

 ~下記、NHKホームページより記事転載。

 <番組紹介>

 ▽生誕80周年の手塚治虫の世界に音楽を切り口に迫る。
 アニメ主題歌や生前の秘話&貴重映像満載。
 母校後輩が手塚に捧ぐ演奏会。
 山下達郎、坂本龍一の証言も紹介。

 【出演】

 真矢みき 冨田勲 坂本龍一  三枝成彰 山下達郎
 中島美嘉  宝塚歌劇団 大阪大学交響楽団 
 手塚眞 手塚るみ子 藤子不二夫A


 <関連番組2>
 「100年インタビュー:宮崎駿」

 放送局 :NHK総合/デジタル総合
 放送日 :2009年2月14日(土)
 放送時間 :午後3時45分~午後4時時45分
(放送予定)
 *この番組は、NHK-BSハイビジョンで3度の渡りに放送された番組の再放送。
   BSでの放送時間は90分でしたが、
   待望の地上波放送は、60分のダイジェスト版?
     凝縮された放送になりますがお見逃しなく。

 *100年インタビュー「宮崎駿」番組情報。 
  http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/f7269eed6cdca3175ecf6ee435823a58


 <追記:アニメーションをめぐる問題。>

 公正取引委員会は23日、アニメーション制作会社の4割超が、
 「発注元から十分協議することなく著しく低い制作費を押しつけられた経験がある。」
 と回答したとする調査結果を公表した。
 制作会社の6割超は、資本金1000万円以下の小規模業者。
 公取委は関係する業界団体に協議の徹底などを求め、
 「(独占禁止法などの)違反を認めれば厳正に対処する」としている。
 公取委は、2007年年11月~08年12月に制作会社533社にアンケート調査し、
 有効回答数は、114社。
 テレビ局や広告代理店など44社と関連4団体にもヒアリングを実施した。
 低い制作費を押しつけられたケースでは、
 「非常識な人件費単価で制作費を組まれた。」
 「急な発注なのに人海戦術で人を集める制作費が補償されない。」
 などの回答があった。
 (日本経済新聞:2009年1月23日記事転載)

 以上の記事をお読みになればお分かりと思いますが、アニメーションをめぐる労働条件の悪さが浮き彫りになりました。

 芸術新潮の中に、
 『鉄腕アトム』」の制作秘話として制作費についても触れられています。

 要約すると、
 
1秒間に24コマを必要とするアニメ制作には、膨大な手間と費用がかかります。
 その中で手塚は国産初の長時間テレビアニメの制作に意欲を燃やします。
  しかし、テレビドラマよりも高い制作費を請求するのにためらいがあり、
 他のプロダクションの参入も許したくありませんでした。
 手塚が自らに課した条件は、
 <視聴率がとれる娯楽性と、安価な制作費の実現。>
 赤字覚悟で契約を交わし、週を追うごとに労働は過酷を極めました。
 そうした中、
 1963年1月から始まった『鉄腕アトム』の視聴率は30パーセント前後を保ち、
 1963年9月にはアメリカNBCでも放送『アストロ・ボーイ』されています。

 こうしたことから、『鉄腕アトム』(手塚治虫)をめぐる功罪論争の中に、
 当時の虫プロの低賃金過剰労働下でのアニメ制作がよく取り上げられます。
 また現代のようなCG作画のない時代、
 30分番組1作の中に4万枚以上が必要なアニメの原画を簡易化し、
 日本型アニメの雛形を作ったことも『鉄腕アトム』の功績と言われています。
 つまり、
 背景を極端に減らし、動きを減らし、場合によっては口の動きだけで、
 数10秒の時間を稼ぐといった手法です。

 逆の手法としては、
 以前記事にしたディズニーの映画『白雪姫』
 1937年に完成したこのアニメでディズニーは、実際の人間の動きを先に撮影し、そのフィルムの1コマ1コマを丹念に写し取り(実写を模写)、さらには水の動きや光と影に至るまで徹底的なリアリズムを作業者に指示したと伝えられています。

 また、宮崎駿監督作品。
 映画『
崖の上のポニョ』では、17万枚の手書きが話題になりましたが、アニメで食べ続けることの困難と苦悩や、制作者としてのリアリズムの追求について<100年インタビュー>の中で切々と語られていますのでぜひご覧ください。


 
<関連記事へのリンク。>

 *ディズニーの映画「白雪姫」の話。
 http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/d/20071101

 *映画「ファンタジア」の録音技術。
  
~ブログ記事「まるごとカラヤン」内~
 http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/d/20080411

 *麻生総理・施政方針演説全文。
  ~「アニメなどのコンテンツ」と発言:時事通信社~
 http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009012800425

 

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朝青龍23回目の優勝 ~ 相撲道・人種・市場・報道等 ~。

2009-01-26 23:12:00 | 芸能・スポーツ

 
 本来は、昨日記事にしなければならない出来事なのですが、
 所要で見ることができず深夜のダイジェストを録画して、
 今見終えたところです。

 東京・両国国技館で2009年1月25日、
 大相撲初場所千秋楽で朝青龍が通算23回目の優勝。
 大きな歓声に包まれました。
 瞬間視聴率は、36.7%。
 午後5時~6時の平均視聴率は、27.1%。
 と、何れも高い数字を示しました。
 場所を通じてチケット販売は、
 昨年の初場所と比べても15日間で計2085枚の売り上げ増。
 満員御礼も昨年秋場所より1日多い7日間となった。
 (Webニュース:記事参照)

 いずれにしても横綱・朝青龍の動向に注目が集まった場所でした。
 よく、友人達と
 「朝青龍が日本人だったら千代の富士以来のヒーローなのにね。」
 と話します。

 朝青龍の相撲道を見るとき、素行が悪すぎると言われます。
 ・取り組みに見られる横綱らしからぬ動き(胸を貸さない)。
 ・土俵上での感情を剥き出しにする姿勢。
 ・聞く耳を持たぬ態度。
 ・酒癖の悪さ。
 そして、何よりも
 ・巡業を休場しながらも地元モンゴルでのサッカーのイベントに参加。
 などで、大きなパッシングを受けました。

 同じモンゴル出身の横綱・白鳳は、
 物静かでありながら物腰も穏やかで、
 取り組みに見られる余裕ある態度は、
 横綱らしい動きとして高い評価を受けています。

 
 では、本題に入ります。
 相撲が美しく、横綱らしい横綱・白鳳と、
 闘争本能を武器に横綱らしからぬ横綱・朝青龍。
 既存の相撲ファンが求める相撲と
 一般の流動的な相撲ファンが求める相撲。

 相撲は神聖(神への奉納)なもので、スポーツである前に武道であるとの見方。
 相撲を格闘技の一部と捉え、力士の勝負のみに目が行き、強ければ良いと考える見方は、「横綱は、強くなくっちゃ。」との麻生首相の言葉に代表されます。

 大相撲の横綱審議委員会は26日の定例会合で、白鳳との優勝決定戦の後に、土俵上で両手を上げてガッツポーズをした朝青龍のパフォーマンスに批判的な意見が出た。
 との意見と、世間一般の意見に差異があるように感じます。

 市場(ファンの要望)がすべてではありませんが、
 今場所の朝青龍の活躍は、低迷した相撲界に
 活性を与えたのは事実です。

 白鳳の地味な取り組み姿勢も、
 朝青龍の派手な自己主張と対比されてこそ光るのであって、
 白鳳一人で大衆を惹き付けるだけの認知をされてはいないでしょう。

 朝青龍の前に<蛇に睨まれた蛙>のごとく、縮み上がってきた既存の力士達。
 今場所の恐い朝青龍復活は、相撲界にそのことを思い起こさせたのも事実です。
 しかし、
 そんな中での白鳳との
本割での勝負に見る実力差は、すでに逆転しているように感じた方も多いことと思いますし、今後も朝青龍一人が優勝を重ねていくことは困難だと思います。

 憎い朝青龍に胸を貸す強い横綱・白鳳。
 中々、白鳳の前に勝てなくなった朝青龍への判官びいき。
 今後は、そんな土俵構成をイメージする相撲ファンも多いことと思います。

 衆議院議員で元プロレスラーの馳浩代議士が、プロレスラー時代に
 「真のメインイベンターとは、強いレスラーではなく客を呼べるレスラーだ。」
 との言葉を思い起こします。

 また、昨年の北京オリンピックの柔道男子100キロ級で金メダルを獲得したモンゴルのツブシンバヤル選手(1回戦で鈴木桂治選手に一本勝ち)が、優勝した瞬間に両腕を突き上げ喜びを表現したポーズも思い起こします。

 柔道がjyu-doに変わってしまったと嘆く方々もいますが、
 国際競技として認知された柔道に日本の礼節を押し付けることは、
 メジャースポーツとして正しい判断なのかどうか?

 相撲や柔道は、
 スポーツではなく日本人の日本人のための神聖な武道であると、
 他国民に強要することは、
 「郷に入れば、郷に従え。」の価値観であり、
 変化を否定するそうした思考が、
 正しいか否かの問答も肝要かと感じますし、
 変化なき文化は廃れます。

 イチロー選手は、アメリカ大リーグの数々の記録を塗り替えながら、
 WBCでは、日本代表選手として戦います。
 アメリカ人は、日本人であるイチロー選手をどのように見ているのでしょうか?

 アメリカ(ハワイ)、モンゴル、ロシア、東欧諸国などに力士を求めた日本の相撲協会。
 ・僅か、270万人強の人口(大阪市とほぼ同じ)しかいないモンゴル。
 ・7人の横綱・大関の中で3人がモンゴル出身と言う事実。
 相撲教会が国際化を認めながらも日本人力士に番付優遇(小錦問題)を実践してきた事実。

 もし、朝青龍が日本人選手だったら?
 過剰なまでの子供じみたパッシング報道があったのでしょうか?

 もしかすると、日本人力士の不甲斐なさに対する失望感を、
 朝青龍の強さに責任転嫁していはいないのでしょうか?
 
*「強いから憎い。」
 それは、プロスポーツ選手には重要な評価です。
 しかし、スポーツである前に神聖な武道や芸能としての価値を重んじるなら、
 強いだけではない評価としての横綱の意味を文書で表記すべきです。
 横綱の意味を曖昧にするから多くの日本国民(一般の相撲ファン)が、
 外国人に対しての行動制限に不信を抱くのではないかと思います。

 話は変わりますが、毎年夏にBS2で放送される高校演劇(青春舞台2008 ~高校演劇全国大会~)に出場された学生さんの言葉の中に、ボクシングの亀田興毅選手への過剰な(いじめ)報道に心が痛んだとの発言があったと記憶しています。

 行動の是非に対し論評を展開し、
 「自分の発言だけが正しい。」
 かのような意見を述べ同調者を募り
 攻撃すべき行動をとった一個人を排除しようとする、
 無責任な輩の意見に真実を求める報道(情報)番組や、
 多くの情報誌。
 
*排除と指導は違います。
 指導・注意・警告等の言論の自由が統制されることは避けなければならず、そうした論評が活発でない社会は萎縮しダイナミズムが薄れます。そのことは、決して付け加えなければならない自明です。

 その同じ番組の中で、
 先日オバマ大統領の<苦痛の就任演説>に対し、
 感動に震えると発言する論説。

 ・人種の融和。
 ・宗教の融和。

 限りない難題を抱えた世界の中で、
 「自分の発言だけが正しい。」と
 力強く発する言葉の空しさと危険。

 青少年達には、
 彼らの偏った論説に何を感じるのでしょうか?

 いつもの事ながら、
 相撲協会と外国人選手の長い屈折や、
 人種差別や少数派の排除が漂う報道番組や情報誌。
 (その逆も多く、少数派偏重の誘導報道も過多。)

 私には理解できない番組(誌面)制作も実は、
 市場原理(数字の追求)に左右されているようです。

 市場=大衆心理。
 人種の確認は、アイデンティティの確認に繋がります。
 アイデンティティの真実。
 それは、余裕のない時代の中では、
 残酷に変化するものなのかも知れません。

 そのことの意味については、歴史が証明しています。
 そんなことを感じながら、おやすみなさい。

 

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歌劇「ジュリアス・シーザー」ヘンデル ~NHK教育デジタル3。

2009-01-25 21:00:00 | オペラ・バレエ・舞台

 
 グラインドボーン音楽祭2005 
 歌劇「ジュリアス・シーザー(ジュリオ・チェーザレ)
 ヘンデル作曲

 放送局  :デジタル教育3
 放送日  :2009年1月26日(月)
 放送時間 :午後8時~午後11時57分(放送終了)


 <mimifukuから、一言。>

 バロック期の大作曲家ヘンデルが作曲したオペラ「ジュリアスシーザー」
 私には、このオペラについての知識はありません。
 ヘンデルについては、音楽の母として、
 バッハと並ぶ大作曲家としての認識はあるのですが、
 【水上の音楽】と、【王宮の花火の音楽】の他、
 いくつかの小曲しか聴いたことがありません。

 そのため番組紹介するのを迷ったのですが、
 色々と調べてみると現在、『映画』として公開中との事。

 下記に、映画館でこの作品(グラインドボーン2005)の映像を、
 既にご覧になられた方々の記事へのリンクを記載してありますので、
 知識のない私の下手な紹介文よりも下記リンク先をご参考にしてください。

 イギリス・ロンドン近郊にあるグラインドボーン歌劇場は、
 1200席余りの小さな劇場。
 しかし、演じられる演目は興味深く、演出も贅沢で真面目。
 また、1934年から始まったこの音楽祭には、
 毎年多くのスター歌手が出演し、
 多くの新しいスターも誕生しています。

 色々とレビューを尋ねてみるとクレオパトラ役のダニエル・ドゥ・ニースが、
 出色のデキのようです。

 長時間のオペラ鑑賞になりますが、
 録画して見ようかなと考えています。 

 バロックオペラの明るさは、
 癒しの音楽になりそうです。
  
                         

 *新宿バルト9ほか全国にて順次公開中。
 
~公式HP&映画館で観覧した方々のブログ記事~
 http://www.livespire.jp/opera/glyndebourne/cesare/index.html

 http://clala.lolipop.jp/blog/2009/20090112-1359.html

 http://pretzel-logic.way-nifty.com/blog/2009/01/post-d8c7.html


 *ダニエル・ドゥ・ニースの紹介(公式HP)
  ~ジュリアス・シーザーの映像紹介があります。~
 http://www.universal-music.co.jp/classics/artist/danielle_de_niese/  

                        
 【出演】

 ・シーザー   :サラ・コノリー
 ・クレオパトラ :ダニエル・ドゥ・ニース
 ・クーリオ   :アレクサンダー・アシュワース
 ・コルネーリア :パトリシア・バードン 
 ・セスト     :アンゲリカ・キルヒシュラーガー
 ・ニレーノ       :ラヒド・ベン・アブデスラム
                                       ほか                             
               
 (合唱)グラインドボーン合唱団     
 (管弦楽)エイジ・オブ・エンライトンメント管弦楽団               
 (指揮)ウィリアム・クリスティ
                              
 【演出】デーヴィッド・マクヴィカー  
           
 【美術】ロバート・ジョーンズ                
                              
 【字幕】武石 英夫   

  ~ イギリス・グラインドボーン音楽祭歌劇場:2005Live ~ 
 

 *デジタル教育3を見るには。 
  http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/bdf5fd38a11bd00c77cc8dbab97fafe6

   

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【世界同時不況】:オバマ大統領就任と中東 ~2009年1月23日。

2009-01-23 23:10:00 | 政治・社会・時事


 2009年1月20日(日本時間21日未明)。
 オバマ大統領が誕生しました。
 就任演説を録画して、朝見ようと思ったら起きる事ができず、
 結局その日の夜に見ました。
 
 見た感想は、アレッ?と思うほど感動することもなく、
 演説そのものを記事にすることをやめました。

 では、なぜ感動できなかったのか?

 色々考えた結論が、
 ・勝利宣言は、
 オバマ大統領がこれまで行ってきた活動とその結果生まれた民主主義の勝利(人種を超えた選択)に世界が酔ったこと。
 ・就任演説は、
 今後オバマ大統領が行おうとしている方針の説明に具体案が示されなかったこと。

 民主主義の勝利に酔った世界市民に対し、
 現実の世界情勢を訴え、冷水を浴びせたことと、
 詰め込みすぎに多くの言葉を伝えようとし、
 内容のポイントを意味不明なものにしたこと。

 そんな感じでしょうか?

 この演説について翌日居酒屋で数人の方と話題にしたのですが、
 見事に整理整頓された文節(スピーチ)が、
 <言葉遊び>のように聞こえたのは、
 ボクだけじゃなかったみたいで安心しました。

 さらに新聞やWeb上に掲載された、
 文字に起こされた記事の内容を確認すると、
 新しい提案が何一つ示されていなかったことにも、
 個人的に感動できなかった理由があるようです。

 政治クリエーターとしてのオバマ新大統領の今後に期待しているのですが、
 出てきた言葉は、<過去への賛歌>と、<語りつくされた方針>
 さらに敵と味方を分別することなく、八方美人的な語り口に疑問を感じました。

 高い支持率は、支持している国民の多くが、
 <自分達の味方>と感じているはずで、 
 明確にしなかった敵と味方の分別に、
 自分達の味方と信じて疑わない市民に対し、
 今後疑惑が持たれないような政策(味方であり続ける事)を、
 どのように証明していくのか?
 大衆心理を掌握していく手腕に注目します。

 この演説(スピーチ)が行われる前に、
 個人的に頭に描いていた事項が2点あります。
 ・ひとつは、イスラエルに対するメッセージ。
 ・ひとつは、経済対策のおける具体的な数字。
 予想通り、2点とも語られることはありませんでした。

 しかし、就任後直ちにオバマ大統領が、
 イスラエル、パレスチナ自治政府、エジプト、ヨルダンの首脳と電話で会談を持ち、
 中東和平に積極的に関与する意思を表明したとのニュースは、
 オバマ新大統領の行動の速さを如実にしめす快挙だと感じます。

 就任演説の中で強く印象に残ったことは、
 イスラムに対する理解と、
 テロに対する敵意を明確にしたこと。

 イスラム諸国とテロ組織を同一視しないことを明言したことは、
 今後のアメリカの方針転換に希望を持たせます。

 ただし、イスラエルの今後の行動は、
 オバマ大統領にとって<踏み絵>の色合いが強く、
 イスラエルの行動(実力行使)を認めないことは、
 これまでのアメリカの行動を否定することになり、
 イスラエルの行動に理解を示すことは、
 何も変わらないアメリカを世界に示すことになります。

  2001年9月11日の同時多発テロで亡くなった3000人近くの人々。
 この事件をきっかけに、
 アフガニスタン、イラクへと<テロとの戦い>を容認した世界。

 しかし、2003年のイラク侵攻以後に、
 イラク国内で亡くなった方々は100万に以上。
 *2003年のイラク侵攻以降、
 戦争によるイラク国内の死者は、約103万3000人に上り、
 全世帯のおよそ5分の1で少なくとも家族1人が死亡した計算。
 全国で死者数が最も多かったのは首都バグダッドでは、
 市内全世帯の4割で家族の誰かが死亡している。
 (2008年1月31日/AFP:記事転載)

 
ただし、この100万人の内、
 どれだけの人々が多国籍軍の攻撃によっての死亡なのかは不明です。
 おそらく、
 イラク人同士の自爆テロや内紛(民族紛争や宗教闘争)によって、
 亡くなられた方々も多いと思いますし、
 仮に多国籍軍のイラク侵攻がなくても、
 フセイン政権下での恐怖政治による宗教派閥の粛清は、
 イラク国内での死亡者が数十万人に及んだ可能性もあります。

 単純に数字にすることが誤りであると認識しつつも、
 
3,000⇔1,030,000。
 *ただし、
   イラク侵攻後のアメリカ兵の死者数は、4000人以上。
   多国籍軍の死者数も300人近く。(不確定な情報)


 では、2008年12月に始まり、今日現在停戦中の
 イスラエル軍のガザ地区侵攻は、どうでしょうか?

 
昨年12月に始まったイスラエル軍のガザ攻撃による
 死者が、1330人。
 負傷者が、約5450人。

 現地医療関係者が22日の発表によると、
 死亡者のうち少なくとも半分以上が一般住民で、
 437人が16歳以下で、
 110人が女性。
 医療関係者14人。
 ジャーナリスト4人も死亡した。
 また負傷者5450人のうち、
 1890人が子どもで200人が重体だという。
 治療のためにガザ地区から外部に搬送された人の数は600人に上った。

 イスラエル側では、
 民間人3人と
 兵士10人(内数名が味方の誤射との情報もあり)が、
 戦闘やロケット弾により死亡し、
 数十人が負傷したとイスラエル当局は発表している。
 (2009年1月23日/AFP:記事転載)  

 再び単純に数字にすることが誤りであると認識しつつ、
 13⇔1,330

 オバマ大統領の困難は、
 この数字に示される<イスラムの怒りや悲しみ>を、
 言葉によって希望に置き換えることの無意味さ。

 力による外交を対話による外交に置き換える時、
 その忍耐を自国民に指導することの難解なパズル。


 日本に住んでいると経済問題ばかりに目が行きますが、
 世界の現状は、<恐れと怖れの信用不安>

 冷戦時代の米ソの核開発心理(相手に対する過剰な恐れ)が、
 今、中東諸国(イスラム圏)で起きている現実。

 オバマ大統領への信認の力は人種を超えました。
 しかし、
 宗教(信仰)を超えて信用不安を払拭できるのでしょうか?

 核の拡散(所持と疑惑)を下記に示せば、
 
・インド(ヒンドゥー)とパキスタン(イスラム)。
 ・イスラエル(ユダヤ)とイラン(イスラム)。
 そして、日本(混合宗教)の隣国
 ・北朝鮮(共産思想=原則的に無宗教)。

 就任演説に感動している場合ではない世界の現実と苦悩を
 オバマ大統領は、自らの言葉で語りたかったのでしょう。

 <恐れと怖れの信用不安。>

 世界同時不況の次のキーワードは、
 この言葉かも知れません。


 <関連記事>
 
*世界同時不況と動乱:イスラエルの暴挙、~2008年12月27日。
  http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/7d7494b64d57114865c2614353ec4bae   

 
 
<2008年12月と2009年1月の数字の比較。>   

     日時    日本株   アメリカ株   円⇔ドル  円⇔ユーロ  原油価格
 12月20日  8588円台  8579㌦台   89円台   124円台   33㌦台
  1月20日  8065円台  7949㌦台   89円台   115円台   38㌦台
  1月21日  7901円台  8228㌦台   89円台   116円台   43㌦台   
   

 

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オバマ大統領 :就任演説全文(英文・和訳) ~リンク集。

2009-01-21 21:21:21 | 資料・記録


  下記に、Web上のオバマ新大統領の就任演説における、
 代表的な内外の記事のリンク先を表示します。
 各紙それぞれの和訳に異なりがあり、
 英語教材として最適のテキストになると感じます。

 
 <報道各紙がWeb上に記した就任演説:リンク集>

 *オバマ大統領:就任演説全文
  (英文:米・ニューヨーク・タイムス)1~3
 http://www.nytimes.com/2009/01/20/us/politics/20text-obama.html
  ~19分23秒の原語のノーカット動画が、ご覧いただけます。

 *オバマ米大統領:就任演説全文
  (英文和訳対比:読売新聞)1~3
 http://www.yomiuri.co.jp/feature/20081107-5171446/fe_090121_01_01.htm
  ~その1にリンクし、右に英文と和訳が同時掲載されています。

 *オバマ米大統領:就任演説全文
  (和訳:朝日新聞)1~4
 
http://www.asahi.com/international/update/0121/TKY200901210035.html?ref=reca
  ~その1にリンクし、文中下記〈英語全文〉をクリックすると英文へリンクします。

 *オバマ米大統領:就任演説全文
  (和訳:毎日新聞)1~4
 
http://mainichi.jp/select/world/obama/speech/news/20090121k0000m030175000c.html
  ~その1にリンクし、記事中のEN英訳をクリックすると英文へリンクします。

 *オバマ大統領:就任演説全文
  (英文:産経新聞)1~5)
 http://sankei.jp.msn.com/world/america/090121/amr0901211050021-n1.htm 
  
~その1にリンクし、記事中の演説全文(和訳)をクリックするとリンクします。


 (注意)
 
いずれも掲載期間が過ぎれば、
 エラー表示に変わる可能性が高いので、
 お早めにチェックしてください。

 

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「大震災・秘められた決断」と、「情熱人・松方幸次郎」番組評。

2009-01-20 21:50:00 | テレビ番組

 
 このブログでは、テレビ番組の紹介がひとつの核になっているのですが、
 紹介できなかった番組の中にも本当に優れた番組も多く、
 その中で最近気になった番組を2件。 
 
(いずれも放送終了。)

 先ず、1月17日土曜日(震災14年目の当日)に放送された、
 NHKスペシャル「阪神・淡路大震災/秘められた決断」

 人間心理の生々しさと、現場で起きている凄絶な状況。
 特に火葬をめぐるやり取りは、心が痛みました。

 番組中でも紹介されましたが、昭和34年の伊勢湾台風の被害の中で、
 次々と波打ち際に打上げられる遺体の数々を野焼きしたとの逸話を、
 人伝えに聞いています。

 阪神淡路大震災でも遺体の腐敗が日増しに激しく、
 目に余った遺族の希望で野焼きが検討されたとの件は、
 大規模災害の恐ろしさをまざまざと感じました。

 結果として他の自治体への搬送が叶い、
 3週間をかけて荼毘に付されたとのことですが、
 震災の時期が夏であれば腐敗の夥しさから、
 野焼きが実行されていただろうとのことでした。

 次に、1月18日日曜日に日本テレビ系列で放送された、
 情熱人・松方幸次郎「世界の名画を集めた男!」
 
も優れたドキュメンタリーでした。

 この名画の数々(松方コレクション)については、
 美術愛好家なら誰もがご存知の、

 ・上野・国立西洋美術館に保存・展示されており、
 ・東京・八重洲のブリジストン美術館(石橋コレクション)や、
 ・岡山県倉敷市の大原美術館(大原コレクション)と並び、

 日本に於ける西洋絵画の3大コレクションのひとつです。

 松方コレクションは、他の3大コレクション同様に、
 特に印象派、後期印象派の名作が多く、
 14世紀~20世紀までの良品が目白押し。

 番組中、
 「本物の美術品を鑑賞し、手本とすることは、
 物造りをする者にとって最善の手段となる。」
 との内容の言葉に共感を覚えました。

 世界で最初に8時間労働の実施を試みた松方氏の英断。

 自己の財産を注ぎ込んだ蒐集意欲は、個人の満足のためではなく、
 未来に向けた国民の意識高揚への使命感からの行動でした。

 自分が良いと思ったことを他の人々に伝える。
 <感動の伝承。>
 そんなことを感じる番組制作になっていました。

 また、この番組は、
 「神戸新聞社が阪神淡路大地震で崩壊した社屋の瓦礫から取り出した資料」
 が原典とのことで、関連のない2つの番組の不思議な因縁を感じます。
 この記事は、個人的な記憶に留めたく記載しました。

 再放送は未定ですが、お気づきになれば、ご覧ください。


 
~下記、各ホーム・ページからの記事転載。

 ●NHKスペシャル「阪神・淡路大震災 秘められた決断」
 2009年1月17日(土) 午後8時~8時44分
 番組HP:
http://www.nhk.or.jp/special/onair/090117.html

 <番組内容>

 富士常葉大学や京都大学の防災専門家からなる研究グループは、
 阪神・淡路大震災で被災者の救援や支援を担った神戸市職員150人余りから、
 当時の対応について聞き取り調査を行ってきた。

 災害に直面した当事者に対して詳細な聞き取りを行い、
 その言葉から教訓を導き出す「災害エスノグラフィー」と呼ばれる研究。

 集められた証言はA4版でおよそ2400ページ。
 避難所のトイレ設置から犠牲者の斎場手配まで。
 被災地は何に直面し、人々はどう動いたのか? 
 その現実を、時系列であらゆる角度から捉えたかつてない記録だ。

 しかも、この聞き取りは「30年間非公開」を前提に行われた、
 行政マンらがこれまで胸に秘めてきた「苦悩と選択」。

 ・消防士が迫られた“命の優先順位”。
 ・被災者に不満が残らない物資配布の方法と、避難所で始まった“住民自治”。 
 ・数千もの犠牲者の火葬をめぐる“ぎりぎりの決断”。

 NHKは、
 研究グループと聞き取り調査の対象となった神戸市職員一人一人から了解を得て、
 その原文を入手してきた。

 番組では新たに明らかになった証言に独自の取材を加え、
 阪神・淡路大震災の実相を再現し今後起こりうる、
 大災害に備える上での教訓を探る。

 
 讀賣テレビ開局50年記念番組
 情熱人・松方幸次郎「世界の名画を集めた男!」
 2009年1月18日(日)午後3時~4時25分 
  番組HP:
http://www.tvu-seisaku.com/program/matsukata.html
   ~テレビマンユニオン(TVMAN UNION)制作会社ホームページ。

 <番組内容>

 松方コレクションは、20世紀初期に神戸の財界人松方幸次郎が私財を投じて蒐集したコレクションです。 東京仙台坂にあった父の所有地(現韓国大使館)に日本初の美術館を建設し、共楽美術館と名づける予定でした。
 第一次世界大戦とその後の世界的な大恐慌で、購入したコレクションは四散します。
 ロンドンで保管されていたコレクションは戦火で焼失し、パリでは第二次世界大戦のナチの脅威に曝されました。
 しかしパリ郊外の小さな村アボンダンに隠された400点あまりのコレクションは生き残ります。
 第二次世界大戦後、戦勝国フランスの所有となったロダンや印象派等のコレクションが日本に返還されるよう期待されました。
 サンフランシスコ講和条約締結の直後、時の総理大臣吉田茂は、その足でフランス主席全権のシューマン外務大臣を訪れ返還を要請しました。
 大臣の答えは予期しなかった即答の「YES]でした。
 吉田茂はこうつぶやきます。
 「文化国家はちがうなぁ」。
 今、上野にある国立西洋美術館に寄贈返還された松方コレクションが展示されています。

 関口宏さん、水野真紀さんがナビゲーター、松方幸次郎役は勝野洋さんです。
 コレクション返還の立役者吉田茂首相を俳優として演じるのは幻冬舎社長見城徹氏です。
 私の懇願に当惑と混迷の色を見せながら快諾し、見事に演じきりました。
 テレビにはなぜ助演男優の賞がないのでしょうか。
 それが取れなかったら演出家である私の責任です。
 番組は無事完成しました。
 松方幸次郎が創設した神戸新聞社が平成7年の地震で崩壊した社屋の瓦礫から取り出した資料がこの番組の原典になっています。
 讀賣テレビ50年記念番組。
 そして国立西洋美術館も50周年記念を迎えます。

 解説:
 大正から昭和初期にかけて西洋美術を収集し世界有数のコレクションを築いた松方幸次郎の生涯。
 幕末の薩摩藩(現鹿児島県)に生まれ、日本銀行を創設した松方正義を父に持つ幸次郎。
 海外留学を終え30歳で造船会社の社長に就任。
 日清戦争が始まると軍艦の生産を拡大し、
 日露戦争、第一次世界大戦を背景に膨大な利益を上げる。
 一方、
 英国の画家・ブラングィンと交流を持った幸次郎は、
 文化に貢献する意味を学び自分のコレクションで美術館を創設する計画を進める。
 芸術を通じて日本の近代化を夢見た松方の波乱の人生と、
 “松方コレクション”がたどった数奇な運命を再現ドラマを交えて伝えるドキュメンタリー。
 また、
 東京・上野の国立西洋美術館やフランスのオルセー美術館など各地に散った松方コレクションを紹介する。

 【ナビガーター】:関口宏、水野真紀、
 【再現ドラマ】 :勝野洋、斎藤晴彦、見城徹


 <関連記事>
 *国立西洋美術館の歴史。
 http://www.nmwa.go.jp/jp/about/history.html

 *国立西洋美術館:所蔵作品の紹介。
 http://www.nmwa.go.jp/jp/collection/introduction.html

 

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インフルエンザ対策を考える、 ~封じ込めとマスクの効用。

2009-01-19 21:24:00 | 健康・医療・科学

 
 インフルエンザのニュースが巷を賑わせています。
 <新型インフルエンザ(H5N1)が懸念される中、
 <従来型インフルエンザ>に気になる情報が多く、 
 困惑しています。

 下記に各報道機関の記事を転載しますが、ワクチン(予防接種)の効果やタミフルの効能に疑問を投げかける数字に驚きを覚えます。
 ワクチンについては、3種ある(H1N1)(H2N2)(H3N2)インフルエンザ・ウィルスの内、種類が異なる場合は、効かないことは知られていますし、タミフル耐性ウィルスも欧米からの報告があり、報道を通して認知済みなので承知はしていましたが、同時に報告されることに戸惑いを覚えます。

 よく、病院に行ったら「風邪をうつされた。」との言葉を聞きますが、インフルエンザ流行期の待合室の危険に対して余り語られていないように思います。
 医院(内科)にかかる人は、風邪だけではなく、高血圧、糖尿病、疲労等、様々におよび、特に高齢者の方ほど持病のための通院が顕著です。
 院内の待合室で平気で咳やくしゃみをされる方を見かけますが、意外とマスクを着用している人は少ないように思います。

 インフルエンザ(流行性感冒)は、飛沫感染に原因を見出すことが多く、
 特に既に感染している人に対して、
 <
うつさない努力>を求める事が肝要です。

 つまり、
 自身の身体に疑わしい症状が認められる場合は、
 ・流行期における外出をしない。
 ・外出をする場合にマスクの着用を義務付ける。
 が予防に最適であると感じますし、

 家族(会社)にインフルエンザ感染者がいる人も同様に、
 ・外出する際は、マスクの着用を心がけることが必要。
 
であるとかんじます。

 
と言うのもインフルエンザの特徴として潜伏期間を考慮に入れると、
 2~3日後に発病する場合もあり、
 かつ病後、
 本人の症状が改善されても飛沫(会話中のツバ)にウィルスが残る場合も多く、
 <見た目が元気であるにもかかわらず人に感染させる可能性>
 が、非常に高いためです。

 ちょっと昔まで、
 「風邪をひいたら、他人にうつせば治りが早い。」
 
と冗談を言ったものですが、
 高齢化が進み、
 今後出現すると考えられる新種の危険ウィルスに対して、
 <ウィルスの封じ込めが国家の必須条件>であり、
 そのための対策が進められています。

 封じ込め対策として有効と考えられるのが、
 タミフル(その時々の新薬)の宅配

 インフルエンザ流行期(新型)において、発熱と症状が自覚された場合に、
 患者の外出を禁じ患者は病院や行政機関等の指定機関へ電話(通信)で症状を伝え、タミフル(または一番有効とされる新薬)を個別宅の郵便ポストに配達する手段。

 また、感染爆発(パンデミック)が起きた場合に速やかに、
 備蓄ワクチン(新型対応)を接種する手段として、
 ドライブスルー方式の検討も有効視されています。

 大袈裟な話に聞こえるかも知れませんが、
 <従来型インフルエンザですら院内感染において101人の感染者に対して3人の死亡。>
 
の事実を知れば、誰もが免疫機能を持たない<新型の脅威>に疑いを持つ方はいないでしょう。

 <新型インフルエンザの出現>を迎え撃つ前に、
 現在起きようとしている
 <従来型インフルエンザの感染爆発>
 どのように押さえ込むのか。

 今後起きる従来型インフルエンザの流行の一つ一つが、
 新型インフルエンザ対策の予防における予行演習であり、
 この流行を押さえ込まない限り、
 新型を押さえ込むことはできません。

 また、新しいマスクが次々と開発されていますが、手綱をゆるめることなく、
 湿式タイプの物や、マスク内で両鼻に詰め込む二重構造のマスクなど
 新型マスクの開発は、今後の世界的な需要の増大が見込めそうです。
 
*イメージですが湿式は、携帯型口臭スプレーのようなものをマスクの上から噴射するタイプ。二重構造は、自由に変形する耳栓のように鼻栓を直接鼻の穴に入れ、その上からマスクをすることでウィルスの侵入を防ぐタイプ。ただし、いずれにしても呼吸をし難いことが予測されますので、そのデメリットをどのように克服するかが課題でしょう。

 行政も民間もあらゆる方策を考え、
 従来型インフルエンザを封じ込める手段を講じることこそ、
 最良の新型対策(シミュレーション)
であることに、
 私は疑いを持ちません。

 そのことから、
 関係機関の対応に期待を求めます。
 

 <資料:国立感染症研究所感染情報センター>
 *インフルエンザ・マップ
 https://hasseidoko.mhlw.go.jp/Hasseidoko/Levelmap/flu/new_jmap.html

 *インフルエンザQ&A
 http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/fluQA/index.html


 ~下記、報道機関の記事:転載。

 *東京都町田市にある高齢者の認知症治療専門病院で、入院患者77人と病院職員24人の計101人が相次いで、インフルエンザに感染していたことが分かった。
 感染者に対し、インフルエンザ治療薬「タミフル」を投与するなどしたが、100歳、85歳、77歳の患者3人が亡くなった
 亡くなった3人の内2人は、インフルエンザの予防接種を受けていた
 また、
 同院では職員の91・6%、患者の88・7%がインフルエンザワクチンを接種していたが、接種した職員や患者の多くも感染したという。
 (2009年1月18日:日本経済新聞)

 *東京・町田市の病院で入院患者のお年寄り3人が死亡したインフルエンザの集団感染について東京都は、病棟内の湿度が十分に保たれていなかったことが感染を拡大した要因の1つになった可能性もあるとみて感染の拡大の経緯を詳しく調査することにしている。
 病院によると、今月3日、最初に職員の感染が確認されたあと、今月6日に1つの病棟で4人の入院患者の感染が確認され、その6日後の12日には、7つの病棟にまで患者に感染が広がったという。
 病院側は13日、保健所に対して室内の湿度は15%~25%くらいだと伝え、その翌日に東京都が立ち入り調査をした際には部屋によって湿ったタオルがぶら下げられていたが、加湿器が置かれているような状況はなかった。
 東京都によると、インフルエンザの感染予防には室内の湿度を50%から60%に保つことが有効だということで、東京都では病棟内の湿度が十分に保たれていなかったことが感染を拡大した要因の1つになった可能性もあるとみて、感染の拡大の経緯を詳しく調査することにしている。
 (2009年1月18日:NHKニュース)

 *厚生労働省は16日、今冬流行しているインフルエンザウイルスを国立感染症研究所が調べた結果、11都道府県で採取した、
 Aソ連型ウイルス(H1N1)35株のうち34株(97%)が治療薬タミフルに耐性を持つウイルスだったと発表した。
 流行している3種類のウイルスのうち
 Aソ連型の患者は、全体の約3分の1
という。
 ワクチンは有効と推測されるが、これらの患者にタミフルを投与しても、十分な効果が期待できない可能性が出てきた。
 昨シーズンに日本国内で流行したウイルスの調査では、Aソ連型のうちタミフル耐性だったのは2.6%にすぎず、欧米などで既に高い割合で見つかっている耐性ウイルスが日本に本格的に上陸したことが裏付けられた。
 同省は「検査したウイルス株数は限られており、引き続き発生動向を注視したい」としている。
 感染研は全国の地方衛生研究所を通じ、インフルエンザの流行状況を観測している全国約4700の定点医療機関の約1割を対象に、患者から検体を採取。
 届いた検体を調べ8日現在でまとめた。
 (2009年1月16日:自治通信/記事転載)

 <ブログ内・関連リンク 
 新型インフルエンザ :H5N1~パンデミックの恐怖~
  http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/f9c1c1a11f44d3736cd17446f03b4996
 
 *新型インフルエンザ: 感染爆発に備えろ。
  http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/5b76986ef3ce7ee3befc9bc7b94a3a38

 *ウイルス学者:ナンシー・コックス:新型インフルエンザと戦う。
  http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/24912f3e8458a6bef2a4104a306ef0cc


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ワーグナー:歌劇「ローエングリン」全曲 ~NHK教育デジタル3

2009-01-18 20:30:00 | オペラ・バレエ・舞台


 歌劇「ローエングリン」全曲 
 ~リヒャルト・ワーグナー作曲~

 放送局  :デジタル教育3
 放送日  :2009年1月19日(月)
 放送時間 :午後8時~午後11時37分(放送終了)


 <mimifukuから、一言。>

 この「ローエングリン」は、NHKーBS2やハイビジョンで既に放送された、
 ケント・ナガノ指揮によるバーデン・バーデン祝祭劇場でのライブ映像が、
 いよいよ
地上波デジタル放送に登場。

 同じ組み合わせで昨年11月3日に地上波デジタル(教育3)で放送されている
 神聖祭典劇「パルジファル」と同様に
ニコラウス・レーンホフの演出。
 ワーグナーの舞台は、今回どのように演出されたのか?

 歌劇「ローエングリン」は、ワーグナーが作曲した最後の歌劇(以後楽劇)であり、
 歌劇「タンホイザー」と並ぶワーグナー中期の傑作であり最大の人気曲。

 
第一幕『エルザの夢』や、第3幕『婚礼の合唱』は、特に有名。

 管弦楽ファンには、
 
第一幕と第3幕の前奏曲が独立して録音されることも多々ある人気曲。

 また吹奏楽ファンにとって、
 第2幕中盤に演奏される『エルザの大聖堂への行列』は、
 知らぬ人がいないほどの有名曲(原曲を聴くチャンス)。

 前回放送された「パルジファル」とは打って変わって、
 覚えやすいメロディや、高らかに歌いあげるシーンも随所に見られ、
 誰にも親しむことのできるオペラらしい楽曲。

 ちなみにローエングリンとは、パルジファルの息子(何が何だか)。

 「ローエングリン」をテキスト通りにイメージすれば、
 10世紀頃の騎士にいた時代のロマン溢れる作品として、
 乙女心にメルヘンチックな演出も可能な演目。

 しかし、
 ここで演じられるローエングリンは、
 (おそらく)20世紀前期のドイツを舞台に繰り広げられる、
 欲望と憎悪と嫉妬の世界。

 <幸福と不幸の橋>を行ったり来たりするエルザ姫の運命を軸に、
 昼のドラマ顔負けの心の葛藤を見事に映し出したドラマツルギーは、
 こっそりと一人で見たほうがいいかも?

 オルトレートを演じるワルトラウト・マイアの魔女ぶりは、まさにはまり役。
 最大の見所は、第2幕の前半のテルラムントやエルザとの遣り取りや駆け引き。
 
 ローエングリーン役のクラウス・フロリアン・フォークトは、
 
ディカプリオを少し太めにしたハンサム・テナー。

 エルザ役のソルヴェイグ・クリンゲルボーンも心情を達者に表現していました。

 ケント・ナガノの指揮も、
 いつもながらの正統派を行く真面目なもので、
 日本でも、もう少し高い評価を受けても良いと感じます。

 とにかく、前回の「パルジファル」同様に、
 演出への賛否(好き嫌い)はあると思いますが、
 ドラマの面白さを堪能できるオペラ演出になっています。

 お好みによって、ご覧ください。


 *デジタル教育3を見るには。 
  http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/bdf5fd38a11bd00c77cc8dbab97fafe6


 
~下記、NHKホームページより転載加筆。
                           
 【出演】                 
            
 ローエングリン:クラウス・フロリアン・フォークト              
 エルザ:ソルヴェイグ・クリンゲルボーン
 オルトルート:ワルトラウト・マイア   
 ドイツ国王ハインリヒ:ハンス・ペーター・ケーニヒ                      
 テルラムント:トーレ・フォークト                                    
 (合唱)マインツ・ヨーロッパ合唱協会
     リヨン国立歌劇場合唱団
 (管弦楽)ベルリン・ドイツ交響楽団                   
 (指揮)ケント・ナガノ
                              
  ~ドイツ バーデン・バーデン祝祭劇場で録画~      
                              
 【振付】デニ・セイヤーズ                  
 【美術】シュテファン・ブラウンフェルス           
 【演出】ニコラウス・レーンホフ               
 【字幕】平尾 力哉

 <関連記事>
 *舞台神聖祭典劇「パルシファル」~NHK教育(デジタル3)
 http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/d/20081102


 

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新日曜美術館:「菱田春草と“落葉”」 ~mimi-fuku番組情報。

2009-01-17 21:00:00 | 美術・芸術・創造

 
 新日曜美術館
 「菱田春草と“落葉”」
  ~日本画、その先を行く~

 放送局 :教育/デジタル教育1
 放送日 :2009年 1月18日(日)
 放送時間 :午後8:00~午後8:45(放送終了)

 <mimifukuから、一言。>

 近代日本画(明治以後)の作家の中で誰が一番好き?
 と問われれば迷うことなく菱田春草(しゅんそう)と答えます。
 その中でもこの『落葉』は、傑作中の傑作。
 
 私は、春草の落葉>
 ・永青文庫蔵(重要文化財)を2度。
 ・福井県立美術館蔵を3度。
 ・滋賀県立近代美術館蔵を2度。
 ・茨城県近代美術館蔵と、個人蔵を各1度。
 見ていると記憶しています。

 特に永青文庫所蔵の作品は、
 春草作品としてのみならず日本絵画の至宝として、
 永く後世に感動を与え続けるだろうと確信します。

 また、
 福井県立美術館所蔵の作品も負けず劣らずの快作で、
 中央空間の奥行きが左右の木々を引き立たせることで
 絵画空間の広がりを感じさせる作品です。

 横山大観(たいかん)の豪放さと較べると、
 春草の繊細な表現や優しい色彩が、弱々しさと感じられることで、
 男性社会が決定権を持っていた日本の美術評価の歴史の中で、
 何時の時代も大観の下の位置に置かれたことは残念に感じます。

 春草の持つ繊細な表現は、性格の真面目さが浮き彫りにされており、
 特に朦朧体に代表される、<ぼかしの表現>は時間のかかる作業で、
 春草の性格に植え込まれていた職人気質や、
 明治世代の頑固なまでのこだわりを知ることになりますし、
 決して逃げ出すことのない作品創作は時間との戦いでした。

 失明におびえながらも
 36歳の若さで亡くなった春草が絵画に求めた使命感と情熱は、
 平成の豊かさの中にも
 漠然とした不安を抱え逃避思考を容認する現代社会に
 求道者(ぐどうしゃ=道理を究め真理を求める者)としての生き方
 
を示してくれると感じます。

 若き頃に多くの作品を模写しながら水墨や古典の研鑽を重ね、
 基礎を確立した上での新しい技術への挑戦
 『落葉』だけでなく、機会があれば他の作品にも接してください。
 
 家庭によっては、デジタル大画面に映し出される精妙細緻な部分表現と
 作品の大きさを照らし合せ、驚きを持って鑑賞する事になるでしょう。

 落ち葉一枚一枚の虫食いから色彩の変化。
 現代人であれば、絵画の計画の段階で、
 逃げ出す方法(簡略化)を考えるはず。

 日本が世界に打って出た明治の気骨。
 そんなことを思いながら番組を見たいと思います。


 ~下記、NHKホームページより転載。
 
 落ち葉積もる林が、ほのかな遠近の中に続いている。
 画面手前の木肌や葉は西洋画的な写実でありながら、木々の濃淡で表された空間は日本画的な奥行きをみせている-。
 近代日本画の名作「落葉」。
 菱田春草(ひしだしゅんそう1874-1911)が、この作品を発表したのは、ちょうど100年前、明治42年(1909)。
 賛否両論が巻き起こるほど革新的なものだった春草の代表作は、どのようにして生まれたのか?
 そこに込めた思いはどのようなものだったのか?

 当時、春草は失明の危機にあった。
 前年、網膜炎を患い絵筆を持つことを禁じられていた。
 若いころから、常に新しい試みを続けていた春草だが、その作品は、西洋かぶれの「朦朧体(もうろうたい)」などとさげすまれ、ほとんど売れなかった。
 貧困にあえぐ中、武蔵野の林を散歩しながら次の構想を練るしかなかった。
 失いかけた視力が回復していったとき、林は、生命力、再生を暗示する無限のモチーフとしてうつった。
 そして、起死回生をかけて、西洋の写実表現と、日本画の持つ奥行きを、両立させることにかかんに挑んだ。
 春草は確信していた。
 「洋画といわれるものも、日本画も、日本人が構想し制作するものが、すべて日本画と見られる時代が来るであろう」と。
 苦心の末に、春草が渾身(こんしん)の思いで切り開こうとした「落葉」の新たな地平に迫る。


 【ゲスト】比較文学者…芳賀徹
       武蔵野美術大学教授…滝澤具幸 
      東京藝術大学准教授…古田亮,

 【司会】 檀ふみ
             黒沢 保裕


 

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