*アイデンティティ(Identity)とは?
一般的に“自己同一性”と言われ、
<自分が自分であることを自己認識の中で確認する本能的心理。>であり、
<自己認識に必要な共同体(社会)の中での自分の位置。>が、
深く関係する深層心理のひとつ。
深層心理と既述する理由は、多くの人々にとって、その内面に沸き立つ<自己確認>を言葉にすることは困難であり、特にアイデンティティの喪失感に襲われた時の<モヤモヤとした不安>を言葉で説明しようとする時、他者と自分との関係のみならず原因が漠然とした社会に対する<モヤモヤとした不安>にある場合も多く、深層心理の中に必ず存在する帰属意識(社会の中の一員であるとの自己認識)を言葉に置き換える言語技術は、並大抵のものではないからだ。
*アイデンティティの喪失と自己防衛。
アイデンティティの喪失が自己防衛にまわる時、
えてして人間は、本能的に凶暴なったり、
塞込んでしまい自己を内面の世界に隔離し、
自己批判から自殺にまでたどり着く事もある。
また、凶暴になった自己防衛本能が暴走すると
重大な事件を引き起こす可能性も高まる。
さらに、個々の喪失者の同調意識が高まると、
新たなアイデンティティ(仲間意識)が生まれ育ち、
集団行動(抑圧開放)から治安状態が悪化すると言った
過去の歴史も学ばなければならない。
*アイデンティティの喪失の解決と処方箋。
アイデンティティの喪失を解決する処方箋は、
帰属の回帰が肝要であり、
その予防として、
社会の一員としての自己認識の確立。
つまり、
雇用確保を最重要課題として位置付ける必要がある。
<mimifukuの独り言。>
企業における無配慮な人員の削減(リストラ計画)は、
個人にとってのアイデンティティの喪失をもたらす。
強制解雇は、賃金以上に、
<存在意義の否定>の通達と理解すべきで、
出来ることなら、そうした悲劇を避けなければならない。
しかし、
企業の存続が危ぶまれるような状況の中での雇用確保は避けなければない。
一部の労働者の雇用を守るために資金繰りが滞り、企業が破綻でもすれば、全労働者および下請け企業すべてに影響を及ぼし、失業数の増加と資金のショートによる金融不安こそが、恐慌へとたどる道筋だと認識しなければならない。
そのことから、雇用を守ることは困難を極め、企業や個人の力では限界があり、国民総動員で、今後数を増す失業者の最低限の生活を支える義務を生じる。
現在、各省庁や地方自治体の賢者達が知恵を絞り努力されている姿も耳にするようになってきた。
しかし、行政ができる失業者保護と雇用確保は法律内での活動に制限されており、仮にこの不況が長期化し失業者が急速に増加した場合に対応の遅れが生ずることは目に見えている。
そこで法案を改正する機関としての国会の役割は、今後急を要する。
しかし、
国家の最高機関である国会運営の現状を見るに至って、自己防衛に走る議員諸氏の発言には誰もが、いささか頭が痛い今日この頃である。
・個人のアイデンティティを守ることは、社会秩序を守ることである。
・個人のアイデンティティを疎かにする時、社会は乱れる。
・個人は多くの場合、アイデンティティさえ守られれば、
最低限の生活保障でも我慢することができる。
・個人は、個人のアイデンティティを確認するために、
善良な集団に自分の存在を所属させることが望ましい。
・個人が個人のアイデンティティを喪失する過程に於いて、
心に生じる帰属の回帰(願望)は、俗悪(秩序のない)な集団へと、
転移する可能性があることを社会は認識しなければならない。
・個人のアイデンティティの確保とは、
<自分が必要とされている。>と、
自己確認できる立場を社会が創造する事であり、
その社会目標とは、
『矛盾のない公正な社会』である。
だからこそ、個人のアイデンティティを尊重するような対策が必要であり、
だからこそ、企業の思惑だけで無造作に人員を整理してはならない。
なぜなら、
個人のアイデンティティ(=人権)を守る方策こそが国家の命題であるからだ。
そのための法整備ができる機関は、国会でしかない。
1929年~1945年への道。
過去の歴史を愚かと言えない現実は、
人間の本性を見る思いがする。
<関連記事>
*リストラとレイオフ/定額給付金よりも休業給付金はどうだろう?
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*セーフティーネット・クライシスII:非正規労働者を守れるか。
http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/c418c0a1633d40fd2feff249d3380b51
<各地で起こる抗議行動。>
製造業の業績悪化で契約を打ち切られた労働者らが23日、愛知県の労働組合員らと一緒に、トヨタ自動車の名古屋オフィスが入る名古屋駅前のビル周辺をデモ行進し、雇用確保や生活の安定などを訴えた。
デモには外国人労働者も含む約200人が参加。
冷たい風の中、「クビ切るな!生きさせろ!」などと書かれた横断幕やのぼりを掲げ同駅近くの公園を出発。
「細切れ派遣は許さないぞ」と大声で叫び、同ビルに向け約30分間行進した。
(2008年12月22日:47NEWS)
派遣労働者などとして働く外国人の解雇・契約打ち切りに反対する集会が21日、浜松市中区海老塚の南部公民館で開かれ、国や自治体が雇用を守る施策を早急に講じるよう求めるアピールを採択した。
集会後、外国人労働者たちは解雇撤回などを求めて市内をデモ行進した。
集会は、全日本金属情報機器労働組合(JMIU)外国人労働者部会が主催。
浜松市などで派遣や請負など非正規労働者として働く外国人ら約250人(主催者発表)が参加した。
集会では、浜松市内の自動車部品工場で派遣労働者として働いていたブラジル人が、
「今年10月に労働組合を結成して会社側と交渉し直接雇用を実現した。」
などの事例が報告された。
集会後、参加者は市内の住宅地や繁華街を1時間にわたってデモ行進。
日本語とポルトガル語で「外国人労働者切りを許すな」と書かれた横断幕を掲げ、
「住宅を確保せよ」などと訴えた。
(2008年12月22日:読売新聞)
メーカーなどで「派遣切り」が広がる中、労働者派遣法の改正に向けた課題や京都での雇用不安の実態を考える集会が21日、京都市中京区の和牛登録会館であった。
参加者約50人は集会後、繁華街をデモ行進して、
「企業は社会的責任を取れ。」
「わたしたちは物じゃない。」
と沿道の市民に訴えた。
デモは、中京区の烏丸御池から下京区の四条河原町まで約1・5キロを歩き、冬の冷たい雨に負けずにシュプレヒコールを繰り返した。
(2008年12月22日:京都新聞)
ギリシャ:アテネの若者らによる反政府抗議行動は、発端となった少年射殺事件から2週間を迎えた20日になっても、収束する気配が見えない。
AP通信によると、20日夕には約150人の若者らが市中心部のクリスマスツリーの周りに集まり、枝にごみ箱をつるすなどした。
若者らがツリーに火をつけようとしたため、警察官が排除。少なくとも3人のカメラマンが負傷した。
(2008年12月22日:毎日新聞)
スウェーデン南部で17日夜、若者らの暴動が発生し、18日夜になっても続いている。
暴動が発生したのは、移民が多く住む南部マルメ市郊外のルーセンゴルドで、警察によると100人ほどの若者が、駐車してある車やごみ箱に放火したり、警察官に火炎瓶を投げつけるなどしている。
暴動の原因について警察では、ルーセンゴルドのイスラム文化センターが先ごろ閉鎖されたことに関係があるとみている。
(2008年12月19日:AFP)