mimi-fuku通信

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世界同時不況と動乱:イスラエルの暴挙  ~2008年12月27日。

2008-12-28 14:55:00 | 政治・社会・時事

 2008年12月27日(日本時間28日)。
 この日は、現在世界で進行しているアメリカ発の世界同時不況と並び、
 世界史に残るキーポイントとして記憶されるかもしれない。
 (イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザへの過去最大規模の空爆。)

 世界同時不況で最も大きい影響を受けた地域は、現時点ではアラブ諸国である。
 下記に記載した、12月17日(日経新聞)、同20日(読売新聞)の転載記事を見ていただければお分かりだと思うが原油価格の下落が止まらない。
 147円は行き過ぎとしても、80円~100円で推移していた原油価格が、洞爺湖サミット以後に急落し、現在は30円台(ピークの約4分の1)にまで下降した。
 
 以前、このブログの記事内(オイルピーク説)で、
 「現在の世界の需要バランスを考えると60円台が妥当か?」
 と記入したが、30円台はいくらなんでも安すぎる。
 特に、アラブ諸国にすれば過去最高の減産を発表した直後に急激な下落曲線を示したことは、衝撃の2文字以外にないだろう。

 そのアラブ諸国が石油価格を上昇させる最後の切り札(不適当な言葉と承知して)こそ、アラブとイスラエル(イスラムとユダヤ)の対立。

 原油価格が30ドル台に急落した時、中東の困窮と今後の混乱が、チラッと頭をかすめたのだが、この時期(新年を前にして)この形で表面化するとは思っても見なかった。

 原油価格が1バレル:147円に達した時に、イスラエルがイランの核施設に砲撃を加えた場合、原油価格が1バレル:200ドルを超える危機が噂された。
 下記記載した12月26日(共同)の記事で、イランのアホンザデ外務次官の楽観的な見方を紹介しているが、このイスラエルの暴挙は、楽観を悲観に転換する動乱への大きな一歩とならぬか危惧に耐えない。

 今後、中東地域の緊張は必至で、事態を見極め(過去の歴史に照らし合わせ)教科書通りに進むとすれば、原油価格は上昇し、ドルが買われる。
 また、今回のイスラエルの暴挙に対して一歩世界が判断を誤れば、小さな小競り合いは、世界同時不況で経済的な大打撃を受けた中東地域の不平不満を一気に爆発させる大きな火種となりかねない。

 世界の対応はひとつ。
 イスラエルの行動を決して容認してはならない。
 日本政府は素早い対応でイスラエル政府を非難し、中東諸国の反撃回避に向けて世界が協調して対策に当たらねばならない。
 また、行き過ぎた原油安を歓迎するばかりでなく、中東諸国の実情に即した原油価格の調整にも配慮が必要だと感じる。

 11月下旬(2008年11月26日)にインド西部の商業都市ムンバイ(ボンベイ)のホテルやステーションで起きた日本人1名を含む160名以上の方が犠牲になった同時多発テロ事件や、同じく11月下旬から1週間以上にわたりバンコクのスワンナプーム国際空港が反政府デモで閉鎖され、多くの邦人の足にも影響が出た国際空港封鎖事件など、世界は動乱の時代に一歩足を速めたのかも知れない。

 新年の祝いを前にし、何の罪もないのに犠牲になった多くの方々。
 胸の痛い事件だ。


 <関連記事>
 *世界同時不況:オバマ大統領就任と中東  ~2009年1月23日。

  http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/b1a68308a7495f70df49a19817e537ef

 *世界同時不況:経済災害と危機管理、~2008年12月:第3週。
  http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/62213ea92e5f7827e749b5fec3de88c6


 <イスラエルとアラブの対立。>

 *イスラエル軍は27日、イスラム原理主義組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザに大規模な空爆を行い少なくとも229人が死亡、700人以上が負傷した。
 空爆は同日夜になっても続き、死傷者はさらに増える可能性もある。
 イスラエルは今回の空爆について、ハマスがガザ地区での停戦終了を宣言した1週間前から激化している同地区からのロケット弾などによる攻撃に対応したものと説明。
 攻撃によるイスラエル側の負傷者は出ていないが、来年2月の総選挙を前に野党が優勢との世論調査の結果が出ていることもあり、イスラエル政府はこうした攻撃を食い止める圧力にさらされていた。
 また、イスラエルのメディアによると、同国陸軍は同日遅く、ガザ地区との境界付近での地上部隊の兵力を増強したという。
  (ロイター:2008年12月28日/記事転載)   

 *イスラエル軍は27日、パレスチナ自治区ガザで引き続き空爆を実施。
 イスラエルのバラク国防相は、ガザ地区からイスラエル南部へのロケット弾攻撃が激化している事態を受けた措置だと発言。
 しかしガザ地区を実効支配するイスラム強硬派勢力ハマスは、停戦に違反したとしてイスラエルに非難の矛先を向けている。
 バラク同相は、ハマスの戦闘員が「態度を改める」用意ができるまでイスラエルが攻撃を継続する方針を表明。
 「この作戦は短期ではない。テロとの戦いが進行するなか、われわれは(イスラエル)南部情勢を変えるため断固たる態度を取らなければならないだろう」と語った。
 イスラエルとハマスがエジプトの仲介で結んでいた停戦は19日に切れている。
 同相はCNNに対し、イスラエルが3年前にガザ地区を撤退した後、同地区から無実の市民がロケット弾攻撃を受ける結果になったため軍事力で対応せざるを得なくなっていると述べた。
 ハマスはイスラエルへの報復攻撃を明言。
 スポークスマンのオサマ・ハムダン氏は、
 「われわれは住民と土地を守るために立ち上がる。あきらめない」とコメントするとともに、ハマスがロケット弾攻撃で停戦に違反しイスラエルの攻撃を挑発したとの見解を否定した。
 ハムダン氏はまたCNNに対し、停戦期間中のロケット弾攻撃を全面否定。
 「停戦に違反したのがイスラエルであることは明らかだ。停戦期間中、全ての検問所を閉鎖し,パレスチナ人28人を殺害した」と述べた。
 イスラエルとハマスの間で非難の応酬が続くなか、ガザ市内では遺体が散乱。
 医療関係者が負傷者の手当てに追われている。
 負傷者の大半は重傷を負ったか深刻な容体にあるとされる。
 エジプト政府は負傷者の治療および搬送を支援するため、救急車20台と医療要員をガザ地区との境界付近に派遣した。
 アラブ連盟は空爆を非難し、カイロで28日午後7時から緊急会合を開くことを決めた。
 ムーサ事務局長はCNNに対し、ガザ地区情勢の緊迫化に懸念を示し、民間人の死傷者が出たことを重く受け止めていることを明らかにした。
 同連盟は国連安全保障理事会に対し、全ての当事者に暴力停止と和解を呼びかける声明の発表もしくは決議の採択を求めていく。
 パレスチナ自治政府にも各勢力間の内紛解決を促す方針という。
 また、米国家安全保障会議(NSC)のジョンドロー報道官やライス米公務長官は、イスラエルの空爆とハマスのロケット弾攻撃を非難し、停戦回復を望む姿勢を表明。
 潘基文国連事務総長も声明で深い危機感を示し、直ちに暴力沙汰を止めるよう呼びかけた。
 (CNN Japan:2008年12月28日/記事転載)

 *来日したイランのアホンザデ外務次官(アジア・太平洋担当)は26日、都内で記者会見し、イスラエルがイランの核施設を攻撃する可能性について「脅しや神経戦にすぎず、われわれはなんら注意を払っていない」と語り、現実にはあり得ないとの認識を示した。
 次官は、イスラエルがパレスチナ人に対して大量虐殺をしていると強調。
 「イスラエルは自分たちが起こした問題から国際社会の関心をそらしたがっている」と述べた。
 自国の核開発についてはエネルギー目的だと主張し、国際原子力機関(IAEA)の監督下での核開発を認めないのは「米国の二重基準だ」と批判した。
 アホンザデ次官は、日本外務省との次官級協議のため来日した。
 (共同:2008年12月26日/記事転載)


 <石油減産と原油価格の大幅下落。>

 *石油輸出国機構(OPEC)は17日、アルジェリアのオランで臨時総会を開き、過去最大級となる日量220万バレルを来年1月から減産することで合意した。
 原油価格は7月に付けた過去最高の1バレル147ドルから、5カ月で同40ドル台に急落している。
 OPECの現在の目標生産量は日量2730万バレル(イラクとインドネシアを除く11カ国)。 今回の減産幅は、その約8%に相当する。
 OPECは、11月から150万バレルの減産を実施。
 9月にも50万バレルの実質減産を発表しており、累計の減産量は420万バレルとOPEC非加盟国も含めた世界全体の生産量の約5%に達する。
 短期間にこれだけの減産を実施するのは異例だ。
 (2008年12月17日/日本経済新聞:記事転載)

 *19日のニューヨーク原油先物市場は、世界的な景気悪化の懸念で石油需要が減るとの観測から売られ、指標となるテキサス産軽質油(WTI)の1月渡し価格は、前日比2・35ドル安の1バレル=33・87ドルと、6営業日連続で下落。
 2004年2月以来、約4年10か月ぶりの安値を付けた。
 一時は、1バレル=32・40ドルまで下落した。
 19日の終値は、終値で史上最高値を記録した7月3日(145・29ドル)から77%下落した格好だ。
 石油輸出国機構(OPEC)は減産を決めたが、石油需要の落ち込み懸念から売られる傾向が強まっている。
 (2008年12月20日/読売新聞:記事転載)


 <1月3日:地上部隊のガザ侵攻>

 *イスラエル軍は3日夜、パレスチナ自治区ガザへの地上侵攻を開始した。
 発生から2週間目に入った今回のガザ攻撃はイスラエルにとって2006年のレバノンでの戦争以来最大規模の軍事作戦になった。
 (2009年1月3日/AFP:記事転載)

 *ブッシュ米大統領は3日、週末の国民向けラジオ演説でガザ情勢の悪化を招いた責任はハマスにあると非難した。
 さらに「イスラエルへのロケット弾攻撃を再び招くような一方的停戦は受け入れられない」と語り、兵器の供給封鎖などハマスへの有効な監視が停戦発効の鍵となるとの考えを表明した。

 *フランスのサルコジ大統領は5日からの中東歴訪を前に,パレスチナ自治区ガザを実質支配しているイスラム原理主義過激組織ハマスに関し、「ガザのパレスチナ人の苦悩に重い責任がある」と述べハマスを非難した。
 パリのイスラエル大使館前では同日、
 ガザへのイスラエル軍攻撃を「正当防衛」として支持するデモが行われ、ユダヤ系住民ら約1万2000人(主催者側発表)が参加した。
 一方、パリ・オペラ座付近では同日、
 イスラエル軍の地上部隊のガザへの侵攻に抗議するデモを行われ約200人が参加した。
 デモ参加者からユダヤ系住民3人が殴られる事件も発生した。
 3日のイスラエル軍への抗議デモには約2万人が参加したが,デモの最後尾に数百人の暴徒が参加し,警官隊と衝突した。
 (以上、2009年1月3日/MSN:記事転載)

 <1月19日:停戦>

 *イスラエルは18日、パレスチナ自治区ガザでの軍事作戦の一方的停止に踏み切った。
 米国の政権交代を20日に控える中、国内で厭戦(えんせん)気分が高まる前にいったん矛(ほこ)を収めた形だ。
 イスラム原理主義組織ハマスも同日、期限つき停戦を宣言。
 国際社会が関与する形でガザ安定に向けた枠組みを構築できるかが焦点となる。
 イスラエルが一方的停戦としたのは、ガザ封鎖解除などハマス側が出した停戦条件をはねつけるとともに、武装勢力への攻撃の機会を留保するためだ。
 ガザからは18日もロケット弾が発射され、イスラエルのオルメルト暫定首相は「停戦が脆弱(ぜいじゃく)なものであることが証明された。攻撃が続けば軍は反撃する」と改めて強調した。
  (2009年1月19日日本経済新聞:記事転載)


 

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