競争に負ける

　競争に負ける

　石垣島に旅行に行った時に、マングローブについて、『どうして、マングローブは、あまり他の地域では、見ないのですか』という質問に対して、『成長が遅いのです。大きくなるのに、１００年ぐらいかかります』と。『すなわち、マングローブとは、競争に負けた植物なのです』と。
　マングローブは、海水から、水を取れるけれども、と。

　競争に負ける事によって、多様性を作り出す。

　蛍を見に行ったら、家まで、ついてきた、蛍が、一匹いた。
　すぐに、死んだと思うけれども。
　
　この蛍の人生としては、失敗だと思う。
　子孫を残せなかったのだから。
　でも、これで、子孫を残せていたら、繁殖地を広げたという重大な行いをした訳であり、と思う。

　死滅回遊魚の話が好き。
　死滅回遊魚とは、温かい海でいた、熱帯魚が、暖流の流れによって、寒い海に行って、子孫を残せないであろう、魚の事らしい。
　だけど。地球温暖化になったら、その死滅回遊魚は、死滅回遊魚でなくなり、繁殖地を広げたということであり、逆に元の、地域に残っていた魚は、子孫を残せず、死滅する事になるかも知れない、ということで。

　蛍は、好奇心があっただけなのかも知れないけれども。
　好奇心を持つ事によって、繁殖地域が、拡大する。
　妥当な方法だけでは、繁殖地域は、拡大しない。
　フグに食べる事にチャレンジした人の存在によって、フグを食べる喜びを多くの人が、味わえるようになった訳で、と思う。

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