福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

過労自殺2016(3) 残業100時間で過労死するのは情けない!!

2016年12月07日 18時42分53秒 | 時事問題 社会問題
 「月当たり残業時間が100時間を越えたくらいで過労死するのは情けない」、「自分が請け負った仕事をプロとして完遂するという強い意識があれば、残業時間など関係ない」、とするコメントを武蔵野大学の某教授がネットのニュースサイトに投稿した。これに対し、批判が「炎上」し、大学は10日、公式ホームページで学長名で謝罪し、教授の処分を検討している、と言う。
 この教授は東芝とかニトリで実務経験があるらしい。

 不謹慎な投稿をしたものである。私はこの記事を見て、舌足らずの文章の投稿はいかに思いがけない読まれかたをするのか、を示しているものだと思う。この投稿は時間に、100時間にこだわり過ぎた。
 この投稿は、意見の一つとしては見るべき点も無いわけではないだろうが、十分に表現されていない。

 気軽な意見表明方法としてツイッターがネット上で飛び交っているが、140字と言う制限があるので意見は明らかに舌足らずであって、それだけに刃のごとく読む者の心に突き刺さる。私はこの字数の中では何も表現できないので見ることもない。意見表明には起承転結が必要である。この投稿はそれに近い。

 私は、過労死の背景には長時間労働があり、これはあってはならないことで是正されなければならない。その視点に立つ。しかし、決して時間だけの問題ではない、とも言いうる。だから、時間だけに矮小化してはならない、と思う。

 もっと人間味のある上司がいれば、職場にチームワークがあれば、仕事に対する評価があれば、100時間は決して限界ではなかったのではなかろうか。
 私はこのケースの情報を見るたびに、新人に対するパワハラ、女性蔑視・セクハラを背景とした「いじめ自殺事件」の因子が強い、と思う。個人の尊厳を踏みにじられたことが死の真相だと思う。

 さらに、わが国の、周辺のストレスに耐え抜き、滅私奉公するのが「理想の企業戦士」・・と称えられた古き良き時代の生き残りの存在が社風に影響を与えている。電通では25年前にも過労自殺を出している。今回は昨年12月に生じた事件であるが、「取り組んだら放すな、殺されても放すな」の一節が入っている「鬼十則」が未だに残っていることは電通の社風そのものを示している。
 経験不足の新人にも経験を積む時間も与えず、直ちに成果と責任を求めている最近の企業の風潮に、当該の女子は深く苦しんだのだろう。その意味では電通はブラック企業の一つと評して良いのではないか。




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