福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

目の輝きとは何か(4) 目元の小道具(2) メガネ

2015年02月24日 17時46分26秒 | コラム、エッセイ
 人は情報を80%ほどを目を通じて得るという。人間の祖先は弱い視力は大変な問題だったと思われる。その間、財力や金力を持つ人は若者を雇ってしのいでいた。実際にメガネの発達段階を見ると実用的メガネが発明されたのはそれほど古いことではない。

 メガネの歴史を調べてみた。
 キリストと同時代を生きた古代ローマの修辞学の権威セネカは、用いた素材はわからないが、球体に水を入れて字を拡大しローマ中の書籍を読み漁ったとされる。しかし、メガネの発見には結びつかなかった。 
 13世紀の英国の哲学者ベーコンは水晶かガラス越しに見れば字を見るのに有効だと言い続けたが、これもメガネの発達には結びつかなかった。13世紀の終わりになって読書用の拡大レンズが発明され、14世紀には原始的なメガネが利用されるようになった。15世紀に近視用のメガネが発明された。18世紀にはベンジャミン・フランクリンが遠近両用メガネを発明した。コンタクトレンズは1887年にスイスで発明された。

 メガネの実用化は目だけでなく顔の外観を変え、ある種の主張を持つようになった。太い黒ぶちのメガネは利用する人を荒々しく放漫に見せた。太い丸ぶちのメガネは目を見開いた凝視の表情を作った。濃いサングラスは目が表す多くの情報、繊細な心理的な変化の反映など、を除去してしまう。

 このようにメガネは顔や目の表情を大きく変える作用がある。芸能人など、冗談で奇抜なメガネを着用することもあるが、最近の傾向は細ブチの、あるいはフチなしメガネが好んで用いられている。その方が目の表情を隠すことなく、より自然に伝えるからである。また、レンズの改良も進み、かつてのような厚手のレンズは姿を消した。今はメガネは目元を、顔を演出する重要なアイテムとなっている。

 日本人は一般的に近視率が高いとされている。
 ある統計では40歳以上の日本人の41.8%が近視だという。これを世界の同年齢者で見ると、アメリカの黒人は21.0%、白人は24.8%、オーストラリアは14.4%、インド28.2%、中国21.8%という。この統計によると、やはり日本人の近視率はすごく高いことになる。
 さらに、日本人の子供達の近視率は増え続けている。文科省の学校保健統計によると、ここ5年間で小学生が25.6%から29.9%へ、中学生では47.7%から52.6%へとまだ増加しているという。

 だから、メガネは目元や顔を演出する重要なアイテムとして、特にわが国ではその意義は小さくない。
 最近では、メガネ着用者が減少しているように思われる。
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