福田の雑記帖

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展覧会2017(4):オランダ2大巨匠展(3)「デルフトの眺望」~フェルメールの風景画

2017年06月10日 03時20分06秒 | スポーツ、相撲、芸能など
 秋田県立美術館で5月上旬にオランダ2大巨匠展、すなわちレンブラントとフェルメール展が開催された。展示された作品はオリジナルの作品でなく、全て「リ・クリエイト(再創造)作品」と言われる複製品である。

 フェルメールの全37作品、レンブラントの選び抜かれた珠玉の30作品を「リ・クリエイト作品」であるが、一気に見ることができ、至福の時であった。
 「リ・クリエイト品」は写真、コピーによる複製とは全く異なるデジタル技法を通じて、オリジナルを精密に再構成したもの、「再創造品」と呼ばれている。

 再創造作品と言えども、画集を見る程度で実物を見たこともない私にとって区別できない。だから、その価値に大きな差はない。作品のサイズを確認できたことも大きい。
 美術館とは「本物」を見せる場所である、という認識が強いが、受け手側の多くは、オリジナルと複製画の区別などできない。見る側に謙虚な気持ちがあれば十分楽しめる。

 私は3回会場を訪れた。

 フェルメールの作品は「真珠の耳飾りの少女」を中心にして人物画が有名である。2回は人物画を中心に鑑賞した。

 しかし、数少ないがフェルメールには風景画もある。そのうちの一枚が「デルフトの眺望」で、評価も高い。3回目はこの絵を中心に鑑賞した。



 サイズは1.5m x 1mほど。フェルメールにしては大きい。
 描かれた時代は17世紀、1660年頃のデルフトの風景。
 街は雲の下にあり、手前は光が遮られて暗く、奥の建物は太陽を受けて明るい。光の画家と言われる所以の卓越した表現である。

 川面の表現はもっと素晴らしい。水面は風の影響なのか少し乱れており、建物の影に微妙が揺らぎがある。この川面の小波の表現が素晴らしい。
 手前の人物が会話をしている。風景画に街の生活観が加わった。
 
 私は同画のポスターを購入し、居間の壁にかけている。飾る場所としてふさわしくはないが部屋の雰囲気が変わった。

 その後、「デルフトの眺望」について、フェルメールの生涯について、解説書を購入して読んだり、画集で見直したりして楽しんでいる。



 (参考文献として購入:フェルメール デルフトの眺望 アンソニー・ベイリー著 木下哲夫訳 白水社2002年)
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