私は初老男である。
私は司馬遼太郎のファンである。
説明不要の日本を代表する時代小説家である・・・・。
私は年に最低1作品は彼の本を読むことにしている。
まあ、大抵は同じ本になる。
「花神」
である。
この本のことは、何度かUpしているので細かいことは割愛するが・・・・。
私の感覚では司馬遼太郎の歴史を見る眼を極限まで鋭く、余計なものをそぎ落として描いたのが「花神」であろう。
そして、その「花神」の次に読むのが
「燃えよ剣」
である。
「花神」2:「燃えよ剣」1くらいの割合であろうか・・・。
こちらは「花神」とは正反対。
今も昔も人気者の「土方歳三」を主人公にドラマチックに展開する。
その「燃えよ剣」が映画化されるという。
主演は岡田准一。
監督は『関ヶ原』(2017)で岡田とタッグを組んだ原田眞人。
この小説を読みこんだ初老男とすると・・・・。
「ちょっと、何考えているか分からない」って感じ。
映画「関ヶ原」は、私から見ると。
残念ながら「駄作」と評させてもらうしかない。
どこかでUpしていると思うが、司馬が小説で表したかった内容がほとんど伝えられていない。
非常に大切な存在である有村架純演じる「初芽」を、あろうことか「忍びの者」にしちゃってますもの。
映画という媒体において「原作」というモノをどう扱うかは、とてもむずかしいのは良くわかる。
監督が原作の「何を伝えるか」も、当然監督本人の裁量だ。
そうした意味において「関ヶ原」の見せ場は「合戦シーン」だったと思う。
つまりは小説という媒体における表現の出来ない部分。
だからスペクタクル的なエンターテインメントとしてみるなら、それほどひどい評価をするべきではないのだろう。
とすると、これから撮影される「燃えよ剣」において「関ヶ原」と同じ手法で「殺陣シーン」を全面に押し出して撮影するのではないかと杞憂している。
なぜそう思うかというと。
アクション得意の岡田を主人公としたことと。
「沖田総司」を山田涼介(Hey! Say! JUMP)にしたことだ。
彼自身がどんな演技をするかは、もちろん未知数だが・・・。
映画を作るにおいては、全部が監督が思った通りに進むことなどありえないだろうけれど。
興行収入やスポンサーのことを考えずに映画を撮ることなどできるわけがないから、大変だとは思うけれど。
ただ、原作においての司馬の表現したかったことを撮るならば、すくなくとも沖田総司のキャスティングには山田を選ぶことは無いと思う。
すべては司馬ファンの初老男のイメージでの話。
どうぞ、一笑に付してお許しいただきたい。
今回も最後までお付き合いいただきありがとう。これを読んでいる皆さんも、これから撮られる映画に期待しますように。
May
「関ヶ原」もそうだが司馬の小説は2時間程度の映画にするには、無理なものが多いのだけど・・・。是非「いい映画」になることを期待してます。